省エネスパイ

昨日は「黒の試走車」でした。9月とは打って変わってたくさんのお客さんにお越しいただきまして楽しくすごせました。ありがとうございました。次回開催は11月7日(土)ですが、森山は家族の用事で欠席いたします。ご注意ください。しかし、お暇でしたら足を運んでみてください。

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すでに夏くらいから出回っていた情報らしいですが、モーズ・アリスンが、ジョー・ヘンリーのプロデュースでスタジオ録音の新作を出すそうです。モーズはもう新しいアルバムを作る気はなかったそうですが、ヘンリーさんが口説いて実現に至ったとのこと。

こちらにいろいろ経緯が書いてある記事があります(英語)。日本語での詳しい情報は見つけられなかった。まだ誰も言及していないのかも。モーズは、ザ・フーの『ライヴ・アット・リーズ』で彼の「ヤング・マン・ブルース」がカヴァーされて印税が5000ドル入ってきたときに何かの間違いじゃないかと思ったとか書いてあります。

それに続いての、ロックのひとたちがカヴァーした彼の曲の中だとどれが好きか? との質問に対する答えがおもしろい。

別にどうでもいいよ。わたしの曲を誰がどうしようと気にしない。きちんとクレジットしてくれて、金が入ってくるようにしてくれさえすれば。

いつごろ発売されるのか不明ですが、まあおそらく日本盤が出ることはないでしょう。ということは来日もありえないのでしょうなあ……。

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アテネ・フランセの特集「フランス映画の秘宝」で、エリック・ロメールの「三重スパイ」を見ました。はじめて話を聞いた瞬間から心待ちにしていて、去年ニューヨークに行ったときにDVDが出てるので買っちゃおうかと思ったもののぐっと我慢していた1本なので、ようやく見られた、と感慨深いのですが(そのくせ朝日ホールでやったときは行かなかった。行けなかったのかも)、内容としても、あのロメールがスパイ映画?という、なにかこうすっとこどっこいな期待にそぐわぬ、楽しい映画でした。

なにしろ、拳銃なし、殺人なし、血しぶきなし、カーチェイスなし。おもに室内で人物が会話しているだけという、それじゃいつもと同じじゃないか、といわれたらまったくそのとおり。主人公の、スパイではないかと疑われている人物が、自身の遭遇した誘拐の顛末を奥さんに話して聞かせる場面があるのですが、そこも、安易な回想映像で処理されたりはせず、(たしか)カバンを車に見立て、そこの上で、自分の手でもって、ここにこういう風にひとがいて……と説明してみせる省エネぶり。

どきどきさせられる場面というと、真っ暗な階段を、男たちがライターをかざしながらおりていくところで、ここはよかった。それくらいでもう、充分なんじゃないか。

新文芸坐で見たナ・ホンジン「チェイサー」は、世評はずいぶんと高く、そしてケチをつけるつもりもないんだけど、個人的にはいまこういうのはとくに必要ないな、と思ってしまいました。走って逃げる男と追う男、ここにいかにもな緊迫感のある音楽をつけてしまうセンスを、うーん、骨太とか正統派と呼べばいいんでしょうか。いずれにしてもムダなエネルギーがそこらじゅうにタダ漏れしているような感覚。鈴木英夫の「危険な英雄」がなつかしくなりました。

ちょうどいま早稲田松竹でロメールの「秋」「冬」をやってるんだよねえ。結局これも行く時間が作れない。
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by soundofmusic | 2009-10-04 20:40 | 日記 | Comments(0)


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