マリリンに逢いたい

d0000025_16203987.jpg月曜日の夜、草月ホールに森村泰昌を見に行ってきました。新作の公開制作のエキストラとして、モリリン・マンロー……じゃなかった、マリリン・モンローに扮した森村がピアノを弾くところを見る客になってきたわけです。写真は、許可された写真撮影タイムに、客がいっせいに携帯電話をかざして写真を撮っているところ。中央の白いものが森村、その隣の赤いシミみたいなのはピアノです。

撮影は数シーンおこなわれ、その最後には、絵は使わず音だけほしいとのことで、万雷の拍手を何度か録音しました。何テイクか録音するにあたり、その最初のうちは森村が舞台上にいましたが、彼は途中で退場し、そのうち、MCというかAD役の松蔭浩之(現代美術家)だけが残って、わたしたちはなにもいない虚空に向けて拍手を続けることになる。一瞬、ひどくむなしいことをしている気分になったものの、すぐに、手を叩くという運動の持つリアリティが、虚無を打ち消しました。つべこべ言う前に体を動かせ、といった物言いは好きではないのですが、やはり一理あるのかな。

なんでもないものに向けて拍手しながら、夏に草月ホールに行ったときの、照明の中に浮かんだ左右のスピーカーを凝視した体験を思い出しました。

で、草月ホールといえば、カメラの位置変えのあいだに森村が話していたこと。この真っ赤なピアノは、70年代に勅使河原蒼風(だったかな)が買ったもので、高橋悠治、ジョン・ケージ、ヨーゼフ・ボイスといった錚々たるメンツによって弾かれたりナニされたり、とにかく、20世紀後半の現代芸術の重要な場面に立ち会ってきた由緒ある楽器であって、新作の制作にそうしたピアノを使うことができるのは嬉しい、と。森村はこのピアノのことを、一柳慧から聞いたとか言ってたんだったかなあ。

草月ホールなんてそんなに行く機会ないんですが、だんだん愛着が湧いてきました。
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by soundofmusic | 2009-10-08 16:20 | 日記 | Comments(0)


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