まんが

今年はヌーヴェル・ヴァーグの50周年だそうで、いろいろ抜本的な歴史の書き換え的な特集があるのではないかと期待していたのにそういうことはぜんぜんなくて、いま、シネマヴェーラ渋谷でやっているヌーヴェル・ヴァーグ特集もごくごく基本的なアイテムばかりが並んでいる感じ。もちろん、そういったものは定期的に上映されるにこしたことはないのでそれはそれでいいのだけど、もうちょっとどうにかならないか、と思いつつ、まだ見てなかった、ロメールの「我が至上の愛~アストレとセラドン」を見てきました。

原作は17世紀の小説。17世紀のひとが想像した5世紀ごろの話だそうで、服とか音楽とか時代考証があっているのか間違っているのかわからない、というか、あまりに昔の話すぎてどうでもいい。モンティ・パイソンの中世ネタを見ているような気分でした。突然風が吹いたり、恋に泣いたり、娘たちがさりげなく片方の乳を露出したり、美青年が娘に化けて女たちと抱き合ったり(なかなか正体に気付かない!)、と書いてみると、なんだこれ、昔の少女マンガみたいなもんか? とも思える。ただし90歳近い老人が撮った映画だと思うとなんだか痛快。

ロメールらしくない映画なんじゃないの、との疑念を持っているひとに対しては、そんなことはない、と力強く申し上げておく。おぼれかかった主人公を助けて城に連れ帰ってきた女たちの微妙で露骨な視線のやり取りなんかいかにもという感じだし、後半、女装して城に戻ってきた主人公の美青年の部屋を訪れる3人娘のカジュアルなあいさつなんて、20世紀のパリとなんら変わるところがなかった。愉快な映画でした。マンガ映画っぽさということでいえば、金子修介の「プライド」よりは、はるかに鈴木則文のほうに近いと思う。エロは国境を越えるのかも。
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by soundofmusic | 2009-12-22 19:38 | 日記 | Comments(0)


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