近いうちに引っ越す予定はとくにないのですが、引っ越ししようかなとちらっと思いでもしようもんなら、街に出てみると、不動産屋ってほんとに、いたるところにあるもので、そんなになくてもいいだろってくらい、ある。ほかに、そんなになくてもいいだろってくらいあるもの、といえば、パチンコ屋で、日本全国、どんな小さな駅でも必ず駅前にパチンコ屋があるのは驚くほかはない。
昨日の晩、渋谷駅で降りて気づいたこと。ハチ公口の交差点は土・日なんかだと、こんなにいなくてもいいだろってくらいひとがあふれているのはみなさんご存知かと思いますが、昨日も、それほどではないにせよ、それなりの混雑。ヘビ革だかワニ革だかの細長い財布を、ズボンの尻ポケットから、まるで彼自身の尻尾かなにかのように突き出しながら歩く男に目をみはりつつ、混雑の理由を考えながら歩いているうち、その答えらしきものが分かったのでした。駅前にはいくつかのマルイやなんかがあって、歩きながら横目で見ていくと、そこに次々と女性たちが入り込んでいくのね。わたしはたぶん、そこに入ったことは一度もないけど、同じような現象として、三菱東京UFJ銀行とゆうちょ銀行以外の銀行も、駅前に建っていられても入ることはまずないので、場所ふさぎなだけです。
---
それとは逆に、もうちょっとひとがいてもいいのになあとほぼいつも思わされるのが酒井俊のライヴで、昨日の公園通りクラシックスも、せいぜい20人くらいしかいなかった。そこでおこなわれている音楽の品質と照らし合わせるならば、どう考えても少なすぎる。ちなみにメンバーは、太田恵資(el-vl)、青木タイセイ(kb)、桜井芳樹(g)、松永孝義(el-b)、芳垣安洋(ds)。
芳垣のドラムスの不意のリズム・チェンジは、単に楽器を演奏しているというよりも、時間そのものの流れを速くしたり遅くしたりする機械を見ているようで、つまりペキンパーのスロー・モーションみたいなもの。
いままで20回くらい酒井俊のライヴを見ている中で、「満月の夕」をやらなかったのは昨日が初めて。「サティスファクション」、「ユー・リアリー・ガット・ミー」、「夜の煙突」、ライヴに来る客なら誰もが知っているであろう代表曲を持っているミュージシャンは、ある意味つらいだろう(持ってないよりいいに決まってるけど)。
最後の曲はクラプトンの「ワンダフル・トゥナイト」。なんかいけすかない歌詞なんだけど、酒井のうたはばっちりと映像が眼に浮かぶ。酒井だけが先にステージをおり、残ったメンバーが演奏を続ける中、照明だけが酒井のいた場所を照らしてた。これは小津の空(から)ショットだ! と思った。
---
関係ないのですが、写真は、
メアリー・ルー・ウィリアムズのサイトで見つけたもの。1958年だったか、エスクァイア誌のために撮られた
ミュージシャン大集合写真のアウト・テイクで、左から、ロニー・フリー(モーズのバンドにいたドラマー)、半分隠れたモーズ、レスター・ヤング、ウィリアムズ、チャーリー・ラウズ、オスカー・ペティフォード。この写真の撮影は、ディジー・ガレスピー! 大きいサイズの写真は
こちら。もともとのページは
こちらです。横長のページなので、右のほうにスクロールしていって、見てください。