自転車泥棒

遅刻しそうになった警官が、それを防ぐため、レンタル・ヴィデオ店の店頭から自転車を盗んだはいいものの、結局はつかまった、という趣旨のニュースを聞いた。

この件に限らず、犯罪のニュースを見聞きしたときにしばしば、「少し考えれば分かることなのに、どうしてそんなバカなことをするんだろう」などと感じるわけですが、これについても、同様の反応を示すひとが多いのではないかと思います。で、「犯罪者は失敗することなど考えないのだ」とか、「犯罪者は正常な判断力に欠けるのだ」とか、決め付けてしまう。

ですが、犯罪者、というのは、ある行動をおこなった人間を分類する便宜上の言い方に過ぎないのではないか。いままで学生だったり、フリーランスだったりしたひとが、会社勤めを始めたことを機に会社員と呼ばれるようになるのと一緒。そういう人種がいるわけじゃない。もっとも、生まれた瞬間から、全身全霊、骨の髄までが会社員にしか見えないようなひとがごくまれにいるように、犯罪が服着て歩いてる、ようなひとも、まったくいないわけではないと思いますけど、このへんの話は長くなるので省きます。

この事件で気になったのは、そうまでして(=社会的に正常とみなされる判断をなげうってまで)遅刻したくない気持ちにさせるメカニズムはなにか、ということ。わたしも、遅刻しそうな際、閉まりそうな電車のドアをこじ開けて乗ったり、信号無視をしたり、することがありますが、さすがに自転車は盗まないと思う。しかしそれは、とりあえず電話を1本入れとけば、多少は遅刻してもさしつかえない環境だからにすぎないから、かもしれない。

自転車を盗んだ警官の職場が、度を過ぎて勤怠に厳しかったらどうなるか。絶対に遅刻できない、と考えた瞬間、ほかの判断は全部吹っ飛ぶかもしれない。遅刻しなきゃいいじゃん、遅刻するやつが悪い、というのはごもっともな話だけど、理性が吹っ飛ぶような職場環境/労働条件のほうがおかしい、とは考えられないだろうか? 実際問題、必ず一定の時間にそいつが来ていないと重大な支障をきたす職場がどれくらいあるか?
規定の時間より、来るのが30分遅れたら、そのぶん30分残ればいい。

とか書いていて、世の中(の一部)にはフレックスという制度があることにも気づいてしまったし、そもそも、シフト制の職場だったりすると、後ろのシフトの奴が遅れることによって誰かが居残らなくてはならず、あれは(ときどき)無性に腹立たしかったりするものだ。ただしやっぱり、警官が遅刻したくなさのあまり自転車を盗む環境は異常であるとしかわたしには思えない。

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明日です!

*黒の試走車<テストカー> Vol.43*
日時:2010年09月04日(土)19時~23時
会場:渋谷メスカリート
地図
料金:500円+1オーダー(500円~)
DJ:az/SZ/チバ/森山兄
出席かも:マジック
ゲスト:sendapopone

毎月おなじみのラウンジィなイヴェントです。明日は、もとsendaixくんことsendapoponeくん(名前読めねぇ!)がゲストとして登場しますよ。メスカリートのクーラーは若干利きが悪いかも。なので、遅めの夏休み、ヴェトナムかどこかに遊びに来たような気分でくつろいでくださいませな。
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by soundofmusic | 2010-09-03 23:55 | 日記 | Comments(0)


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