待っていた頃

今年のノーベル文学賞はマリオ・バルガス=リョサが、と書き出したはいいが、まずここでつっかえてしまう。というのは、以前から気になっていた、苗字のLlosaの発音はリョサなのかジョサなのか、ということで、調べてみると、世界中の言語の発音が実際に聞ける、こんなサイトが見つかった。Mario Vargas Llosaは、スペインの男性による1件だけ聞くことができて、それによるとはっきりと、ジョサと言っている!

もっとも、こういうのは複数比べて、ウラをとらないと危ない。ということで、件数の多そうなパエリアを聞くと、パエーリャが優勢。ひとりだけ、アルゼンチンの男性がパエージャと発音しているけれど、これは投票でBadが複数ついている。

ウィキペディアで「Ll」の項を見てみる。地域によって、エルっぽい発音をするところと、ジャ行、ヤ行の音になるところがあるみたい。Llosaの出身のペルーだと、ジャ行かヤ行の可能性が高そうだ。と思って、中南米在住経験のあるKさん経由で詳しそうな人に聞いてもらったら、濁らない、リョサである、との回答が来た……。

その返事を待っている間、この、エルがふたつ重なった文字というか表記について、ウィキペディアの英語版の記事を読んだりもしていた。ここではいろいろな言語におけるエルエルについて書かれていて、わたしが興味を引かれたのはカタルーニャ語の項。カタルーニャ語ではエルがふたつ重なったとき、それがひとつの音節であればそのまま続けて表記し、2音節であればその間にナカグロ上のものを入れて区別する。

なんでこんなことが気になったかというと、バルセロナに行ったとき、泊まった宿の最寄り駅がParal·lelという名前で、たぶんこれは(パラレルではなくて)パラル・レルと発音される。わかち書きでもハイフンでもなく、現代のヨーロッパでナカグロというのが珍しいなと思ったのです。とはいえ、本当はナカグロではなくて、エルとエルで1スペースずつ使い、その間に点が入る(スペースには勘定しない)のが正式らしい。2スペースにエルがふたつと点がひとつ入る、そういう文字というか表記。

なんか話がズレてきたけど、この発音サイトを見つけたからには、ぜひとも確認したい単語がひとつあった。ここで書いた、「Sewell」。はたして、中国のひと(なんで?)とイギリスのひとの発音によるSewellがここで聞けるのだけど。聞いてもまだ、微妙なままだ。

えーと、バルガス=リョサの話ね。受賞のニュースを聞いて、中学3年だか高校1年だかの正月、実家の自分の部屋(っていうか、廊下のくぼみみたいなスペース)で「都会と犬ども」を読んだことを思い出しました。ボルヘスよりもガルシア=マルケスよりも、バルガス=リョサのほうを先に読んでたけど、あれはなんでだったんだろうか。たぶん筒井康隆か安部公房が薦めてたからだろうと思うけど。その後、高校生のころは何か月かに1冊ずつ出る国書刊行会の文学の冒険シリーズを楽しみにしていて、なかでも、巻末の予告の欄ではずーっと「近刊」となっていたバルガス=リョサ「フリアとシナリオライター」が待ち遠しくって、いったいいつ出るんだろう、とひたすら待ち続けていたら結局、出たのは、なんだかんだで最初に予告されてから15年近く経った2004年のことで、そのころわたしはもう、海外文学の新刊を甲斐甲斐しく買うのはやめていたし、それどころか古本でも買わず、したがって読むこともなかったのだけど、こればっかりは買って読んでみた、で、やっぱりもっと早く読みたかったなあとつぶやいて、そっと棚にしまってしまったから、探せばまだ家のどこかにはあるはずです。
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by soundofmusic | 2010-10-11 02:15 | 日記 | Comments(0)


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