我が魂の季節

d0000025_1720060.jpg「我が魂の季節」なんていうと大げさというか、全共闘世代のひとが書いた鬱陶しい回想録のタイトルみたいですが、そうではなくて、パキスタンに生まれて英国で活動するシンガー・ソングライター、ルーマー(Rumer)のデビュー・アルバム『シーズンズ・オヴ・マイ・ソウル』がいいよって話です。

バカラック、キャロル・キング、カーペンターズあたりが引き合いに出されているらしく、たしかに曲もアレンジもそのへんをよく再現しているみたい。っていうと、なんかそういったものは定期的に登場する気がするし、1回聴けば分かる気がするし、なんなら音を聴かなくても噂を聞くだけで充分な気もする。ところが、このアルバムが手元に届いたのは先週の金曜日で、思い出せるもんなら思い出していただくと、たしか東京では気温が20度を上回る暖かい日だった。夜、たまたま、やや郊外の夜道を歩く用事があったので、このアルバムをずっと聴きながら歩いていた。夜になってさすがに気温は下がってきたとはいえ、まだ昼間の余熱は残っていて、速くもなく遅くもないテムポの曲のつらなりと、まっすぐにのびる道の広い歩道とが、かちっと音を立ててはまりこんだ! 

それ以来、1日2回ずつくらい聴いています。わたしが購入しているたくさんのCDのうち、大多数はゼロ回ないしは1回しか聴かれないことを考えると、ちょっと優遇しすぎなのだけど、とにかく、黄色くてふわふわした落ち葉を踏みながら歩くのにこんなにもぴったりなアルバムはなかなかないので、本格的に寒くなるまではしつこく聴き続けると思う。こちらで全曲ちょっとだけ試聴できるので、時間があったらしてみてください。

アルバム最後の「グッバイ・ガール」は、元ブレッドのデイヴィッド・ゲイツが、ハーバート・ロス監督の同名の映画のために書いた曲のカヴァー。ほかにも、公式サイトからは、ポール・サイモン「ロング・ロング・デイ」のカヴァーがダウンロードできたりもする。これを読んでいるあなたはどうか知りませんが、わたしの場合、音楽の新しい地平を切り拓く!とかいうふうに雑誌で持ち上げられるひとよりは、昔の誰それに似てる、というひとのほうに興味を持ってしまいがちで、そしてその興味(と、それにもとづいてつかった金)は報われないことが少なくないのですが、ひさしぶりに投資額に見合った音楽でした。森山弟のお墨付きはまだついていませんが、成り行きによっては、21世紀に入ってからまだ3枚くらいしか存在していないように思われる、森山兄弟ふたりともが推薦する新譜(メグ・ベアード『ディア・コムパニオン』、トラヴィス『12メモリーズ』なんかが含まれる)になるやもしれません。

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来年1月8日のPPFNPの告知が出ています。
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by soundofmusic | 2010-12-06 17:20 | 日記 | Comments(0)


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