屈託との戦い

遅くなりましたが、先日のPPFNPにお越しくださったみなさん、ゲストDJのデストロイさん、緊張しながらもライヴをやってくださった太田さん、どうもありがとうございました。セットリストの暫定版が出ています。

次回は11月12日(土)に開催です。ゲストDJは引き続き某社のロック部からおひとりと、あと、早川くんが「異常にアメリカーナに詳しい人がいますよ!」と推薦してくれた、いなもとさん。ネットラジオやったり、ツイッターでいろいろ書いてなさったりしていなさります。詳しい告知はまたいずれ。

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昨日は恵比寿のリキッドルームに、イヴェント「エターナル・セプテンバー」を見に行ってきました。恵比寿の、ってわざわざつける必要ないか。移転してからはわたしは初めてだった。出演はブラウンノーズ(初めて)、面影ラッキーホール(10年ぶりくらい)、カーネーション(8年ぶりくらい)。スタンディングで、ロックっぽい(ルーツ音楽っぽくない)ライヴに行くのもおそろしくひさしぶりな気がしたし、そもそも、ロック・バンドの生演奏を見に行くの自体、ヘタしたら2006年のローリング・ストーンズの東京ドーム以来なんじゃないか?(違ってたらご指摘ください)

ブラウンノーズは、椅子に座って、ギター、バンジョー、マンドリンなどをとっかえひっかえ弾きながら、バスドラを蹴飛ばしながらうたう、福島県南相馬市出身(現在も在住?)の兄弟。亜米利加田舎音楽をどろりと煮詰めた悪い汁が、偏西風にさからって日本まで飛んできて、福島の放射能で突然変異してから東京まで流れ着いて恵比寿の片隅に吹きだまったような音楽。わたしの大好物であるところの、世界各地で拡大解釈/誤解/曲解された、アメリカ。大瀧詠一の高速テューン「論寒牛男」のカヴァーあり。「論寒」ではなくて「貧寒(ひんさむ?)」とうたっていたように聞こえたが。

面影ラッキーホール、2000年前後?に、法政大学の学生会館で開催されてたフジミ・ロック・フェスティヴァルで見て以来。そんときは、名前から勝手に、関西系のアヴァンギャルドなうたものバンドだとばかり思い込んでいたため、たいそう驚いた。今回は、気持ちよい演奏+ひどい歌詞+ムダに切々とした歌、という食べ合わせの悪さを存分に楽しむ。素肌に直接、ピンクのテカテカしたスーツを着るアッキーを見て、自分もテロテロした素材のシャツとかが欲しくなる。ファンのみなさんの振り付けがウザかったので、勝手に踊らせてもらいました。

「俺のせいで甲子園に行けなかった」では、カーネーションの直枝が登場し、まさかの振りつきでヴォーカルをとる。ちなみにバックでギターを弾いていたのはグランドファーザーズの西村哲也で(面影の正式メンバーなのかどうかは不明)、自分の中ではまったく想像もしていなかった構図。

で、カーネーションを前回見たのはたぶん、「エンジェル」がまだリリースされる前で、直枝が「すごい曲が書けた!」って興奮してたころだと思う。高田馬場で、オネスティーと一緒にやったときだったかなあ。ということで、ひさしぶりに見たら、直枝の外見が激しくジミー・ペイジ化していたことに時の流れを感じつつ、相変わらずの、というか、昔よりしぶとくなった気さえするグルーヴに、胸が熱くなった。

ブラウンノーズと面影に対する、直枝と太田のコメントも聞き応えがあって、ブラウンノーズについては、「世界に直接行ってほしい、フランスかオランダあたりでどうか」と。面影については、フランク・ザッパを感じる、本物のソウルであり、ああいう世界を歌うのはありだと思う、リスペクトする、と。面影のアッキーがMCで、カーネーションの客は上品、みたいに言っていたことに触れて、面影みたいにはストレートには歌えないが、そのかわり何層にもなっている、と言っていたのが印象的。たぶん直枝は面影のことを相当うらやましく思っているのだろうなと感じる。でも知性が邪魔をして、面影のような音楽はできないのだ。ただしもちろん、面影が知性がないと言っているのではない。知性の種類が違うというだけの話。もう今後見ることはできないであろう、90年代半ばの、ソウル期のカーネーションを懐かしく思い出した。たしかそのころ、新宿のリキッドルームで見たときの、「エド・リヴァー」のイントロの直枝のジャズマスターの音色に心が沸き立ったことの記憶。

いい演奏だったからというのがもちろん大きいのだけど、若い時分よりも音に対してダイレクトに反応できるようになっている自分自身を発見したのも収穫だった。延々と続いた、屈託との戦いについに勝利したのだろうか? だとしたらめでたい。とはいえ、まだ自分のことを完全に信用してはいない。
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by soundofmusic | 2011-09-18 19:39 | 日記 | Comments(0)


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