ほおずき市

d0000025_21131161.jpg行こうかどうしようかちょっぴり考えていたところ、前座で中村まりが出ると聞いて速攻で予約するっていうのもどうなんだと自問しつつ、クラブ・クアトロのスタンリー・スミス公演に行ってきました。しかしそもそも、アサイラム・ストリート・スパンカーズの(元?)メムバーであり、57歳にしてソロ・デビューしたこのひとのことを知ったのが、HMVのサイトで中村まりが挙げていた無人島レコード10枚の中に、名前があったからなので、願ったりかなったりというか。

さて、中村は、ロンサム・ストリングスのうちの3人を従えて、30分ほど軽くさらっと歌っていきましたが、とにかく客席から寄せられる拍手の本気度が尋常じゃなかった。また、ロンサムとの相性もいまさらいうまでもなくぴったりで、すでにライヴや録音で何度も共同作業をおこなっているとはいえ、もともとは年齢も性別も違う別々の人間たちであったはずなのに、こんなに一体化するなんてことがありえるのかと。

ノンシャランな音楽性の印象から、80分くらいで終わるかなと思っていたスミスのステージは、それだけで丸々2時間続き、とはいえ、あっさり味なので疲れることはない。アルバムの曲だけでは時間が余るのでカヴァーもふんだんにはさみこまれていて、ディランの「くよくよなよ」「アイ・シャル・ビー・リリースト」(どちらも中村をフィーチュア)、ヴァン・モリソン「クレイジー・ラヴ」、ウィリー・ディクソン「アイ・ラヴ・ザ・ライフ・アイ・リヴ」なんかがあったのかな。ディクソンの曲の前にはMCで、「これはウィリー・ディクソンの曲だけれども、わたしのヒーローであるところのモーズ・アリスンのヴァージョンで覚えた」みたいなことを言ってらした。たしかに、スミスのアルバムを聴いていて、炭酸の抜けたサイダーみたいな歌声にモーズを思う瞬間はあった。そして、この「アイ・ラヴ~」は、猫をなでるようなギター・プレイともども、まさにモーズがギターを弾くSSWだったらこんな感じなんじゃないかと思わせるサウンドだった。と、青山陽一も言ってました

ジャズ、フォーク、ブルースを、とくに批評的にというのでもなく、少しずつつまみ食いしていくような音楽。何曲かで聴くことができた中村とのデュエットでは、彼女の堂々たる歌いっぷりと比べて、スミスの存在感はあまりにも薄味で押しが弱いけれど、それが即座に優劣に結びつくわけじゃないから音楽はおもしろい。

本篇ラストとアンコールでは、中村やロンサムの面々も入り乱れ、「聖者の行進」や「セント・ジェームズ病院」なんかのセッション。スミスはクラリネットを吹く。延々と続くロングトーン。ほっぺたがほおずきみたいに丸くふくらんでいた。赤く色づいていたかどうかは、見忘れた。
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by soundofmusic | 2011-10-15 21:14 | 日記 | Comments(0)


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