ジャズメン

d0000025_15123095.jpg昨日はPPFNPでした。お越しくださったみなさん、ゲストのおふたかた、どうもありがとうございました。次回は03月09日(土)です。シンガー・ソングライターの阪本正義さんのライヴもあります! お楽しみに。詳細はまた後日。

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PPFNPの始まる前の時間、四谷のジャズ喫茶、いーぐるにておこなわれた、「新春ジャズ対決! 原田和典 vs 大塚広子」を見てきました。「ジャズ批評」の元編集長であり、奇著「元祖コテコテ・デラックス」の著者である原田と、ジャズDJの大塚が、テーマ……というとジャズ用語のそれと勘違いされるかもしれないからお題、と言いましょうか、それにそって曲を選び、観客にはどちらの選曲か伏せた状態で聴かせて、どっちがよかったか挙手させるというもの。

お題は7つ用意されて、わたしは時間の都合で「トンガリ系」「期待の新人」「ビッグバンド」、このみっつを聴くことができました。あくまで私見、なおかつ途中までいたかぎりでの感想ですが、みっつとも、どっちがどっちの選曲かわかってしまい(というか、これは原田選だな、とわかる)、なおかつ、これはひいきの引き倒しかもしれませんが、原田選曲のほうが明らかにパワーが上と思えました。

わたし個人とジャズとのかかわりを書いておくならば、若いころジャズ喫茶に入り浸ったとかジャズ研にいたとかの過去は一切なく、かといってクラブで聴いて興味を持ったとかでもなく、オーソドックスなディスク・ガイドを頼りに、独学で覚えたクチ。しかしながら、渋谷系~レア・グルーヴ文脈によるジャズの再評価というか、それまでおこなわれていなかったような評価のされ方、がなかったならば、ジャズを聴こうと思ったかどうかはわからない。ですので、今回のイヴェントは、僭越ながらどっちの気持ちもわかるというか、両方がんばれ~! と思いながら見に行ったしだいです。

場所はガチガチのジャズ喫茶、お客さんも大塚のファンよりはいわゆるジャズ愛好家がほとんどで、なおかつ、ふたりの前には店主の後藤雅洋が鎮座して適宜コメントをするという、大塚にとっては明らかにアウェイな状況だったことは不利に働いたかもしれません。しかしながらわたしは、「大塚さん、あんたクラブDJなんでしょ? なんでもっと直球のキラーをぶつけてこないの! おっさんジャズ・ファンもぶっ飛ぶような、クラブ(でかかるような)ジャズの底力を見せなきゃダメでしょうが!」と、もどかしさも感じてしまったのでした。

個人的には、クラブ方面からジャズが評価されているなんてことはもういまさら珍しがるでもない当たり前の話だと思っていたのですが、大塚の、「LP片面まるごと聴くなんてしたことなかった、使える曲だけ抜く」とか「プレイするところは盤面上の場所で覚えてる」みたいな発言を、ことさら珍重したり、後藤氏は、好意のうえでなのはわかるものの「若い女性なのにジャズになかなか詳しい」的な表現で評価(なのか、それは?)したり、いまいったい昭和何年ですか? な時空間がまだ東京の片隅に残ってるわー、と、取り壊されてない古デバードのビルヂングを見るような気分になったりもいたしました。しかし後藤氏はともかく、原田氏が渋谷系~レア・グルーヴ文脈によるジャズの再評価について知らないとは思えないので、(彼の好きなプロレスの流儀で?)あえて保守派のジャズ・ファンの立場寄りの発言をしていたのかもしれません。しかし原田氏が、「レコードの盤面を見て、盤が黒いところはベース・ソロだな、と覚えていた」と言ってたのは、つまり大塚の発言と同じことですよね。

わたしが退出したあとに原田氏は9nineをかけたそうで(トマパイで来るかと思いましたが……)、そのへんを体験できなかったのは残念でした。しかしわかったのは、保守的なジャズ界はほんと男の世界だよなーということ。映画ファンの世界よりも、さらにそうだわ。だからこそ、ある程度の知識を持った(ある程度若くて、ある程度美しい)女性が「わたしジャズDJです!」って飛び込んでいったら、すぐにアイドルになれる、そういう椅子はまだたくさん残ってるんじゃないかな。こういう言い方は差別的だと非難されるかもだけど、それはわたしのせいじゃない、ジャズ界がそうなってるんであって、わたしへの批判はお門違いだよーと言っとく。実際問題、昨日いた30人くらいのお客さんのうち、女性はひとりかふたりだけなんだもの。

とまあ、やや言い方が辛くなりましたが、いい曲いっぱい聴けたし、原田氏のトークは軽妙だし、初めて見た大塚さんはほっこりとしてチャーミングだったし、トータルとしては楽しかったので続篇の開催を期待します。

あと、ひさしぶりに行ったけど、そして機材のことはわからないけど、いーぐるのオーディオはいいね! 立体音響! これでレコードなりCDなりを聴く体験は、iPodや自宅のステレオで聴くこととも、もちろんライヴに行くこととも、まったく次元の違うひとつの音楽的営為だと言わざるを得ません。ジャズ喫茶はやっぱり、あったほうがいいし、行ったほうがいい。わたしの記憶の範囲だと、いーぐると、あとは吉祥寺のメグかな、このふたつのお店はオーディオ的にオススメ。

写真は、左から原田、大塚、後藤(背中を向けている)の各氏。原田氏が持っているのはドンキで買ったというアイアンマンのお面。自分の選んだ曲だとわかるとにやにやしてしまったりする、とのことで、曲が流れている間、着用なさってました。
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by soundofmusic | 2013-01-13 15:19 | 日記 | Comments(0)


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