こちらではごぶさたいたしました。そうこうしているうちにPPFNPから2週間がたち、
セットリストの完全版が公表され、来月の「黒の試走車」(ゲストはssotaくんです)の
告知が解禁され、といった具合です。「サウンド・オヴ・ミュージック」のアンケート冊子の発送は、参加してくださったみなさまに向けては、ほぼ完了しています。と同時に、すでに残部僅少となっておりますので、参加してないけど欲しいってひとは、早急にご連絡ください。じきになくなります。そうこうしながらも内職をしたり頼まれごとをこなしたり風邪を引いたりがあって、ようやく昨日あたりになってもろもろだいたい片付いて肩の荷が下りた感じです。
マリク・ベンジェルール監督のドキュメンタリー映画「シュガーマン 奇跡に愛された男」を見ました。70年代初頭にアメリカで2枚のアルバムを残したものの商業的な成功を収めることができなかった無名ミュージシャン、ロドリゲスの曲が、ふとしたことから南アフリカで大ヒットし、反アパルトヘイトのシンボル的な存在になったって話で、そう言われると、どんなすごい音楽なんだろうって思うわけですが、いざ劇中で流れているのを聴くと、まあそこそこ才能はあるんだろうけど……と、おまえ何様、と言われるのを承知で、そう言いたくなるようなうたなのでした。
まずディラン、そしてJTの好青年っぽさと、あとはなんだ、リッチー・へヴンズのフォーキー・ソウル、そのへんを混ぜた感じで、決定的な個性は見出せなかった。ちなみにルックスはホセ・フェリシアーノに似てる。もっとも、ディランを引き合いに出した言われ方は当時からあったみたいで、「そういう言い方をするやつには、全然違う、って言ってやったよ」みたいな関係者の証言があった。そう言われると、はぁそうですか、と返すしかない。
この映画のなにがおもしろいって、ロドリゲスの音楽がとりたてておもしろいわけでもないっていうところでしょう。なにぶん昔のことなもんで、南アフリカでバカ売れした当時のリアルタイムの印税はどこかに消えてしまってロドリゲス本人のところには届いていないっぽい。大もうけしそこなったわけだけど、なんとなく、まあ仕方なかったなんだろうな、と思える程度の才能(すごく失礼な言い方だけど……)。でも晩年(現在)の彼は幸せそうで、それもなんというか、身の丈にあった程度の幸福というか。映画の冒頭ではやたらと謎めいた男に思われたのが、結局そこらのおっさんだった、みたいなオチは悪くない。
あとあれだ、ミシガン州ディートロイトの街の寒そうな様子がかっこいい。というかかっこよく撮っている。道路のいたるところから白い蒸気がもうもうと出てきてて、そういえば映画でよく見る気がするけど、日本だと温泉地でしか見かけないですよね。なんなんでしょう、あれ。画像はイメージ。