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d0000025_16352628.jpg土曜日の「湯銭浪漫 Vol.4」、無事終了しました。森山兄弟にて開演前とセット・チェンジのあいだのDJというかBGM係を務めさせていただきまして、不慣れな機材なもんでいろいろと不手際もあったかと思いますが、こちらとしては存分に楽しませていただきました。天気もよかったもんで南東向きのガラス張りの窓からはふんだんに光が入ってきて、最高に気持ちよかったです。

昼過ぎから夕方まで、ライヴ4組、プラス紙切り、プラス落語が次々に繰り出されるもんで、風呂に入ってるスキもなかったですね(わたしは終わってから入りました)。お客さんは100人弱くらい来たのかな。演者の家族とかがこぞって集まってきてたりもして、お子様からお年寄りまで和気藹々と、音楽聴いてたり聴いてなかったりだったから、もしかしたらやってるほうはやりづらかったりもするのかもしれないけど、聴いてるひとはちゃんと聴いてましたよ、と、誰に向けてでもなく言っておきたい。と書いて気付いたけど、もしかしたら自分にとっても、これだけ多くのひとに向けて音楽流したのって初めてかもしれない。いや、小学校の放送部のとき以来か。

主催の檸檬葉のふたりにとって、もはや「湯銭浪漫」がライフワークになってる感じもビシバシ伝わってきました。おそらく来年にもまた企画されるはずなので、今度はまた違った季節の東京園を堪能できることと思います。楽しみ。

写真は上から、女の子の横顔を紙切っている林家楽一/会場の様子(中央右にDJ中の森山弟)/檸檬葉(ウッドベースとギターのサポート付き)/岡沢じゅん(右はいい女っぽく佇む檸檬葉のフミ)、です。そういえばこの岡沢じゅんはすごかったな。よく、「ステージ狭しと駆け回る~」みたいなフレーズがありますが、このひとは、ステージ中を駆け回るだけでは飽き足らず、客席全体を走りながら歌ってた。誰かが「じゅんくんすごいよ、動物園みたい」と言ってたのが印象的でした。ステージ自体必要ないっぽかった。

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で、なにしろスタートが昼間なもんで、というか当然われわれはその前から会場入りしていたもんで、終わって日が落ちたころにはすっかり真夜中あたりにいる気分だったのですが実際にはまだ18時とかでして、風呂だけ入って打ち上げには出ずに退散、そのまま六本木に移動してネットカフェで1時間寝て酔いを醒ましてから、ビルボードライブで吾妻光良&ザ・スウィンギン・バッパーズを見ました。

ライヴの本数が多くないのと、そもそもマジメに情報収集しているわけでもないのとで、いままで何度か機会を逃し、ようやく今回初めて見ることができましたが、おそろしや、最初から最後まで、(自分にとって)気持ちいい音しか出てなかった。

1曲目、まず吾妻は抜きでバンド(ピアノ、ベース、ドラムス、管楽器10人くらい?)だけが出てきて、エリントンの「昔はよかったね」を演奏。曲の途中、管楽器奏者がひとりずつ順番に立ち上がって短いソロを回す、そのオールドスクールなマナーに、思わず「生きた化石」という言葉が頭に浮かびました。考えてみたら「生きた化石」ってすごいですよね、太古の姿をいまにとどめて、実際に生きて動いているところを見ることができるわけですから。で、その後ステージで繰り広げられたのは、その生きた化石がただ動いているだけではなくてステージ上をビチビチと跳ね回っているところをつかまって腹かっさばかれて活造りになってもまだビクンビクンってのた打ち回ってる、そんな様子。

わたしの書いたものを逐一読んでおられる方は、って、そんなたくさんはいないと思いますが、わたしが日本語のロックに対して、2014年になってもまだ懐疑的、というか、最終的な回答は出ていない問題であるという立場をとっておられることはご存知かと思いますが、って言われても、知らねえよそんなもん、と言い返したいところでしょうがそこはじっとガマンしていただくとして、バッパーズのやりくちを見聴きしていると、あ、これでファイナル・アンサーでいいんじゃないの、日本語のロック、と、わたしのような者でもうっかり思ってしまうわけです。

ベイシー楽団その他でおなじみの、「Did You See Jackie Robinson Hit That Ball?」という曲、もちろんわたしは勉強しましたからジャッキー・ロビンソンがどんなひとかについての最低限の知識は持っていますが、バッパーズはこの曲を、「栃東の取り組み見たか」とやってしまう。思うに翻訳というのはこういうことであって、もちろんロビンソンと栃東は別人ですれけど、原曲の時事ネタ性みたいなものを現代の日本(語表現)にスライドさせたらこうなるってのはそれはそれでひとつの見識であって。そしてなにより尊いのは、尊いなんて言葉は彼らには似つかわしくないのだけれど、ベイシーのことなんかまったく知らない状態で「栃東」を聴いても、楽しむのにまったく問題ないってことです。

吾妻の適度なメンバーイジり、おっさんくさいヒューモア(吾妻曰く、われわれは高齢者ではなくて後期中齢者、とのこと)、力の抜けたプレイ(ドラムスのひとは1曲目の途中ですでに息が上がってるように見えました)、なにからなにまで素晴らしかった。禿頭の吾妻、見た目のダサさとプレイのかっこよさとのギャップは鈴木茂と並び立つなあ。またぜひ見たい。

彼らによる、「クリムゾン・キングの宮殿」の名カヴァーがあがってました。聴いてみてね
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by soundofmusic | 2014-11-24 16:36 | 日記 | Comments(0)


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