d0000025_027841.jpg余計な前置きは抜きにします。水曜日、スタックス・フレッドで、岩見夏子企画「【音楽と季節】冬の章~春によろしく~」を見ました。決して広くはないライヴ・ハウスのステージが花であふれ(岩見夏子自身がディスプレイしたもの)、そこで、丹念に選ばれたであろう3人、安部たかのり、mue、ジョー長岡、が順番にうたっていく。

まあ、順番なのは当たり前というか普通ですが、対バン同士の必然性や流れが感じられないライヴもときどきあるわけじゃないですか。この夜はそうじゃなくて、きちんと流れがあった。グルーヴ感のあるブッキングと言ってもいいかな。

お客さん同士も、悪い意味じゃなく見知った顔が多くて、アット・ホームな空気が充満してました。なんかこれはあんまりない感じの夜だぞ、と思ったのは、トリのジョー長岡のとき。出てきて歌う前のMCが、いつもと同程度にしか面白くないのに(っていうと失礼だけど)、めちゃくちゃ客席を沸かせてるのね。もちろん自分も釣られて笑って、小さな声で「よっ!」とか「ジャム!」とか合いの手を入れてました(ジャムを煮る話をしてたので)。きっと花々がひと足先に春を呼んで、居合わせたみんなを狂わせたのに違いない。

振り返ってみると、トップ・バッターの安部たかのりからして、耳がピンと立ってしまうようなうたで。聴いたの初めてだったんですが、なんだこのむやみやたらに大物感のある男は、とびっくり。微妙にこちらの予想を裏切るようなコード進行だったり、王道のうたにアシッド感のあるギターがくっついてきたり。聴きながら、ティム・バックリィとキリンジを同時に思い浮かべたりしてましたが、なかなかそんな音楽、ないですよね。

mueはPPFNPに出てもらったこともあるのでうたは知ってるけど、あらためて彼女のうたとギターのリズムはただものではないなと、口をあんぐりさせながら聴いてました。オリジナル曲同様に、カヴァーに驚かされます。ブルーハーツの「トレイン・トレイン」をこんなふうにうたうひとは、たぶん地球上のどこにもいない。あと、とんちピクルスの「どうだいドラえもん」という曲を彼女のうたで知ることができて、本当によかった。

ジョー長岡については何度か書いてる気がするので省略しますが、なんかこの日は、いつもより固い決意みたいなものが伝わってきた。とだけ言っておこう。期待してます。

しかしなんといっても、たとえ本人が遠慮したとしても、この晩は岩見夏子のものだったというしかない。いちばん最後のあいさつで、今日の演者たちを初めて見て気に入ったなら覚えて帰って、次につなげてくださいみたいなことを言ってたと思うんだけど、この言葉には猛烈な母性を感じた。夏子さんと初めて会ったのは何年くらい前でしたっけ、たしか「高円寺の湯川れい子」と紹介されて、自分もそういう見立てが好きなんですがそれはそれとして、よく占い師とかで、どこそこの母、って呼ばれてるひとっているじゃないですか。そういうときの「母」って、この晩の夏子さんみたいなひとのことなんじゃないかなって思った。新高円寺の母。

終演後には、ステージに飾られていた花がおすそ分けされて、お客さんが少しずつ持ち帰るシステム。うちでももらって帰って、夜、さっそく玄関に飾りました。それが上の写真。で、翌朝、仕事に出かけるとき、はっとした。花瓶の横の小窓から光が差し込んできて花を照らして、それで初めて、あ、ここからこういうふうに光が入ってきてるんだ、って、ふだん気にしてなかった部分が、初めて見えるようになった。
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by soundofmusic | 2015-02-13 00:30 | 日記 | Comments(0)


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