1994年のフレッシュネスバーガー

d0000025_12133421.jpgさすがにこれだけはチェックしておきたい、と遅ればせながらミュージックマガジンの特集「90年代の邦楽アルバムベスト100」をざっと立ち読みして、結果としてはあーなんかそういう感じね、と思いながら帰ってくると、うちのかみさんが「CINRAでかせきさいだぁが『偽物のせいでシティポップは終わった』って言ってるよ」と教えてくれた。

MM誌の100選は、1位がオザケン『ライフ』で、あと『空中キャンプ』とかサニーデイなんかが上のほうに来ていたような。たぶん100枚の中でまったく知らないものって数枚だった気がするし、上位25枚はほぼ全部自分で持ってる(持ってた)か、聴いたことがあるか、要はなんとなく内容を把握してるもののはず。きっとゼロ年代ではこうはいかない。

これは、自分がいまよりもリスナーとして同時代のものに注意を払っていたことを示すと同時に、言い方は悪いけどこの100選が「その程度のもの」であることも示していると思う。もちろん雑誌ごとの傾向ってあるからさ、別に文句は言わないけど、いや、だってさ、もっとこういろいろ、知らないものもあるはずじゃないの? もっとも、集計して順番をつけるからつまらなくなるってことはあって、各人の個別の投票内容(うしろのほうに小さい字で載ってた)をざざっと見たら、こっちはさすがにヴァラエティに富んでたけど。

てことで、自分でもなんとなく選んでみましたが……これは90年代私的ベスト10でもなんでもないです。95~96年がなんとなくひとつのピークだったんでしょうね。

ピチカート・ファイヴ『月面軟着陸』(90年)
グルーヴァーズ『ロゼッタ・ストーン』(95年)
ザ・チャン『デイ・オフ』(95年)
マイ・リトル・ラヴァー『エヴァーグリーン』(95年)
サザンオールスターズ『ヤング・ラヴ』(96年)
フリーボ『すきまから』(96年)
高橋徹也『夜に生きるもの』(97年)
のっこ『ベランダの岸辺』(98年)
田辺マモル『田辺マモルのヤング・アメリカン』(98年)
ハリー&マック『ロード・トゥ・ルイジアナ』(99年)

今朝、グルーヴァーズのTシャツを着てママチャリに乗ったひととすれ違ったよ。ザ・チャンやフリーボが入るならマグースイムとかbenzoはどうなるんだ、って? マイラバのこのアルバムは中古盤で買った。メンバー3人のサインが入った野球ボール風のカードがはさみこまれてたけど自分が買ったやつにはそれが入ってなくて、あとでエル・アールのアルバムを中古で買ったらなぜかそこにはさまっていた。サザンのこのアルバムはみんな好きだったよね。桑田のソロ『孤独の太陽』ともども、よく聴いた。のっこのこのアルバムはいつか必ず再評価されると思っている。田辺マモルしかり。90年代からするといまみたいに気軽にうたもののライヴをやる細野さんが見られるなんてまったく想像できなかった。華原朋美『LOVE BRACE』に収録の名曲「サマー・ヴィジット」、『深海』で辛気くさくなる前のミスチル、SPEED『RISE』に収録の名曲「Too Young」、『キング・オブ・ロック』から『グッド・タイムス』までの真心ブラザーズ、ありがとう。と、ザ・ブーム「敬称略」っぽくいったん〆てみよう。

ところで最初に書いたCINRAの記事は、SATORI(このひとたち知らない)とかせきさいだぁとの対談で、そこでかせき氏は「渋谷系はレコード会社が偽物の渋谷系を大量に投入して、それで終わったんです」と言っている。

自分のイメージとしては渋谷系って92~93年頃のもの、というイメージというか思い込みがあるんだけど、実際にその手の音がいちばんあふれていたのってもう少しあとの90年代半ばだったんでしょう。渋谷系/非渋谷系問わず、信藤三雄/C.T.P.P.のデザインものが多く出回っていて、なんとなくよさそうと思って聴いてみるとたいして面白くない、そんなCDがたくさんあった時代。かせき氏の発言は、たしかにわたしも実感として、ある。

かせき氏はいまのシティポップについてもニセモノ、ダサいほうのやつが多いんじゃないの、と苦言を呈していて、それは自分もなんとなく考えていることなんです。一応、話題になってるやつとかをちょこちょこ試聴してみても、まあそこそこいいよねくらいで、そこから先になかなか進めない。これは当の作り手のひとたちの力量と、わたし自身のリスナーとしての蓄積そして感覚の鈍化と、両方の要因があるわけで、そうそう簡単になんでもかんでも面白がれるわけがないのだ。たぶんいま活躍してるシティポップと言われるもので、わたしが積極的に買いたい(文字通りの意味でも比喩的な意味でも)のって、まだないもんなあ。

それはそれとして、次々にその系の若手が出てきてるいまこそ大々的に打って出るべき/プッシュされるべき、カンバスや失敗しない生き方はいまどこで何をぼやぼやしているのか?(マジメに活動されていたらすみません) TOKYOに何を求めたのか? 何をコミュニケイトしたいのか? と、笠井紀美子っぽく〆てみよう。

そういえば完全に蛇足なんだけど、オザケン『ライフ』については、リリースからたしか4、5年(もっとかも)たったある日、ブックレットを見ていて、スペシャルサンクス的な欄にフレッシュネスバーガーと書いてあるのを見つけた。当時埼玉県南部に住んでいたわたしは、そのころようやくフレッシュネスバーガーというものを認識し始めた時期なので、94年にこれ食ってたなんてさすがオザケン、と感心したのでした。
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by soundofmusic | 2016-07-08 12:15 | 日記 | Comments(0)


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