Twenty years ago today...Again!

d0000025_1359726.jpgヒット作の続篇っぽいタイトル(実際はキャストも話も前作と関係なかったりするやつ)でもって、前回の続きっていうか補足を少し。

気がつくとなんとなく、自分のやっている(やってきた)こと、ものの考え方、現在の状態、そういったあれこれの説明を迫られる機会ってのが意外と多い。他人や世間っていうのはたいてい、「で、ひとことで言うとどういうアレなの?」ってのを求めてくるもので、自分も初対面のひとに対してそういう態度をとることは普通にあるわけです。

理想としては、そんなふうに訊かれたとき、押し黙ったり不機嫌になったり「ひとことでは言いづらいンですよね……」とお茶を濁したりはせずに、自分はこれこれこういう人間で、いまやっているこれはこうした発想で始めていて、将来的にはこっちの方向に進んでいくつもりです、とはきはき答えられるのが自分としては望ましいと思っています。

とはいえまあ、なかなかそううまくいくわけもなくて、たとえば、どんな音楽が好きなんですか? と訊ねられたりすると、ありがちな返事は「いろいろ聴きますね~」で、もうちょっと話が進むと「ここ数年はソウルとラテンにややウェイトを置いています」みたいなことも言うときがある。でもこの答え方ね、話題が広がんないんですよね。いろいろ聴きます、というのは気持ちとしてはウソじゃないけど、実際は好き嫌いが激しくていいと思ったやつしか聴かないし、ソウルとラテンが好き、って答えたら、そう返事されたほうは、あ、ソウルとかラテンが好きなひとなのか、って思うかもしれないけど、そしてそれはウソじゃないんだけど、だからってそういうもんじゃない。

ほら、やっぱり説明が難しいんだよ。極端に言うと、1回1回の選曲なんてのにはあんまり重要性はなくて、連続体のなかの一瞬としては意味があるというか……でもそれって、長年ずっとそばに張り付いて見ててくれよってことでもあって、いくらなんでもそれはおこがましい。みなさん忙しいでしょうし。まあ要するに歴史には転換点なんてのはそうめったには存在しなくて、便宜上そうしたものがあるかのようにふるまってるってだけのこと、なのかもしれない。関係ないけど細野さんもさぁ、「あのときは学生服着てましたよね?」とか「あんときはJBのカヴァーしてたじゃないですか!」とか詰め寄られても困ると思うんですよ。「そのときはそういう気分だったから……」としか言いようがない。って、自分の心象を勝手に細野さんに代弁させてスミマセン。

ところで、弊イヴェントのセットリスト、こちらで2002年ごろの分から参照できます。自分のものに限っていうと、えっなにそれ全然覚えてない、みたいなのは数十曲に1曲くらいかな。意外と変わり映えしませんね。

で、こっからが前回書き漏らした話。CDが売れなくなった、的な話は世間ではさんざんされてきてますし、うちの兄弟についていえば別に関係ない話なので割愛するとして、DJイヴェントをめぐる状況みたいなものは変ったよなーとは感じます。弊イヴェントがスタートした1997年当時、PPFNPのようなノンジャンルうたものイヴェントは目につく範囲では存在してなくて、同じようなことをやってるやつがいたらぜひ友達になりたい、と渇望していましたが、その当時からいまに至るまでの20年間のどこかで、まっそんなことはどうでもいいか、と考えが変わりました。ある時点で変ったのではなくて、時間をかけて徐々に、そうなっていた。まったく同じでなくても面白いことをしているひとたちがいろいろいるのがわかってきたのと、あとはありきたりですが、自分の成長ないしは加齢による気持ちの変化です。

それはそれとして、業界関係者とか、バンドやってるひととかだけじゃなくて、なんでもないただの音楽好きが何人か集まって、どっか場所を借りて、好きな曲をかけるっていうの、いまなら昔よりも簡単にできるし、アナログじゃないとダメとかもう誰も言わなくなったし、それどころか盤なんて持ってなくてもiPhoneでできちゃうし、みんなどんどんやればいいと思う。90年代はみんなそうしてたよ、と書くと歴史の捏造になるから書かないけど。

とはいえ、特定のアーティストしばり(「ザ・スミスnight」)とか、ひとつのジャンル・オンリーのイヴェントは、わたしはあんまり行く気がしないから、好きなひとだけで勝手に盛り上がってください。そのかわり、なにか関係ない同士をくっつけてやれとか、どうしても決まった枠からはみだしてしまって困ったな、みたいなDJは聴いてみたいので、イヴェントやるときは教えてほしいです。

最後に。ここ数年、海外編集のコンピレイション盤を見ていて、これって弊イヴェントのおまけCDと同じ発想だよなあ、と僭越にも感じることがちょくちょくあります。たとえば『君の名を叫びたい~浮かれ男子の妄想ガールズ・ネーム・ソングブック』は、女性の名前を織り込んで歌われたヒット曲を集めたものだし、『男子たち、これが答よ!~女子たちのアンサー・ソング』は、男性が女性に語りかけたヒット曲にあやかって作られた女性からのアンサー・ソングを集めた1枚。他人が作ったとは思えない。どっちも解説、安田謙一だし。

手持ちの中からなにを選ぶか、そして次になにをかけるか、は、それだけでそのひとの個性だし、批評の萌芽でもあるってことはずっと言い続けてるわけですが、せっかくなので違う言い方を考えてみよう。これは、毎日のように新しく考えられては発表される、レシピみたいなものなのかも。どこの家の冷蔵庫にも転がってるこれこれに、あれをかけてこれと混ぜると、あっと驚く意外なおいしさが! みたいな。

レアな食材だとか高級な輸入物、本格的なスパイスも、たまには必要でしょう。でもそういうのは、プロにまかせて、もっぱら外食で味わえばいい。日々の生活を楽しくするのに重要なのは、よしんば毎日でなくても日常的に接するものに対して、自分だったらなにができるか、そしてどうやるか、それを考えて、試して、工夫してみることなんじゃないかな。それやってると、20年くらいは、あっというまにたっちゃうみたいです。

とりとめなくなりましたが、今度の土曜日7月8日は、三軒茶屋Orbitで、PPFNP20周年の記念回です。DJ、ライヴ・アクトともども大増量。それに呼応して入場料やや値上げ。となっておりますが、いずれも今回のみの特別措置となっております。夕方から夜までたっぷりお楽しみいただけますので、ぜひ遊びに来て、音楽の話をしてください。詳しくはこちら
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by soundofmusic | 2017-07-02 14:02 | 日記 | Comments(0)


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