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「忍びの者」の市川雷蔵のコスチュームはスパイダーマンに似ている

サム・ライミ「スパイダーマン3」を、さっそく、見ました。なにしろ前売り券買ったからね。気合いの入りようがお分かりいただけるかと思います。まっ、わたしにどれだけ気合いが充満していようと、みなさんにはどうでもいいことでしょうけど。

この間TVでやっていた「2」(うっかり見て、暴走する列車を止めるくだりでやっぱり泣きそうになってしまった)ほど顕著ではないけれど、これもやはり、アメリカのヒーローの変質をまざまざと見せ付けられる1本でした。出動するスパイダーマンがはためく星条旗を背負うような一瞬があって、わたしたちは、それを無邪気に信頼することも、ましてや冗談のように笑い飛ばすこともできないそういう時代に生きているのだと思い知らされる。

満身創痍のスパイダーマン同様、この映画自体、ほころびは多い。あちこち見ても、破綻を指摘する声は強いみたいだけど、そういう映画じゃないから、そのへんはどうでもいいんじゃないのかい。大家の娘に対してジゴロを気取ってみたり、JBに乗せてヘンなダンスを見せてくれたり、見ているうちに、なんの映画だか分からなくなってしまうのが魅力。

「2」をTVで見て気付いたこと。ちょっと考えると逆のように思えるけれど、CGは、劇場の大スクリーンで見たほうがアラが目立たない。小さなTVモニターで見ると、かえって作り物感が際立ってしまう。

なんというか、トビー・マグワイヤのスパイダーマンは、わたしにとって、小林桂樹の江分利満や、今村昌平「盗まれた欲情」の長門裕之なんかと同じ系列のヒーローなのです。キルスティン・ダンストについては、ひとこと、全面支持、とだけ言っておく。もうひとこと付け加えるなら、みうらじゅんの著作のタイトルとおんなじ。すなわち、「そこがいいんじゃない!」。

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妙なヒーローは、日本にもいた。「忍びの者」シリーズで市川雷蔵が演じる、忍者。

山本薩夫が監督した、シリーズの最初の2作を見た。1作目は、伊藤雄之助に一人二役(見ればすぐ分かるから、ネタバレじゃないよね)をやらせようと思いついたところで思考が止まっていて、彼と西村晃の怪演にもかかわらず、おもしろくなりきれていない。

2作目の「続・忍びの者」は、信長、秀吉、家康が入り乱れる天下取りの丁々発止の歴史ドラマ(山村聡演じる明智光秀の絡ませ方も見事)と、その裏で暗躍する忍者の描写ががっちりかみ合って、これは傑作。

アクションのキレも1作目より上回っていて、「スパイダーマン」同様、続篇のほうが出来がいいというパターン。考えてみたら、この忍者、縄を使って木から木へと飛び渡ったり、カギヅメを使って木をすばやく這い登ったりと、動きはスパイダーマンに似ている!

それにしても雷蔵、明智光秀をそれとなく焚きつけて本能寺の信長を襲撃させておいて、いざ現場に行ったら床下にもぐってそこで薪を焚きつけるんだから、ちょっとセコイぜ。

いま思い出したが、ヤマサツ監督は「牡丹燈籠」で(たぶん)日本初のワイヤー・アクションを使っていたっけか。

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土曜の夜はサタデーナイト。みなさんお誘いあわせの上、お気軽に遊びに来て下さい。

*黒の試走車<テストカー> Vol.3*
日時:2007年5月12日(土)19時~23時
会場:渋谷メスカリート
地図
料金:500円+1オーダー(500円~)
DJ:AZ&SZ(ムサシノカチューシャナイト)、マジック&チバ(セツナイト)、森山兄(わたし)

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最近、YouTubeでこんなものがあるのを知りました。

「もしもビートルズがアイルランド人だったら」
by soundofmusic | 2007-05-10 21:52 | 日記


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