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無言の帰宅

木曜日の朝にいま住んでいる家を出て、映画を4本見てから深夜、実家に戻り、金曜日はほぼ1日実家で昼寝など以外には何もせずして過ごし、夜、帰省してきた弟を駅まで車で迎えに行き、土曜日の午前中に今度は弟に送ってもらって駅まで行き、湘南新宿ラインの中で眠って池袋で下車し、そのまま新文芸坐で「実録・連合赤軍」を見てから夕方、いま住んでいる家に戻ってくるという忙しいんだか忙しくないんだかよく分からぬ日々を過ごしたことはまあいいとして、いま住んでいる家に戻ってきたときにはなぜかCDが20枚くらい入った袋を持っていたのは不思議。どこでそんなに買ったんだ。

金曜の夜、駅のそばに自動車を止めて、弟を待っていた。駅のそばの、もともとはデパートみたいな建物だったがいま現在どういう営業体系になっているのかよく分からぬビルの前で、若いひとたちがヒップホップ・ダンスの練習をしている。店の入口の脇のよく磨かれたアルミが、ちょうど鏡の役割を果たしていて、自分の姿を確認するのに都合がいいらしい。足元にはブラスターが置かれているけれど、音は車の中には聴こえてこない。カーステレオでスカパラのCD(母の私物)を聴いていたからだ。スムースなベースラインの上でホーンが踊る「セサミ・ストリート」を聴きながら、その練習を見ているのは、心地よかった。彼らはどこでダンスを披露するのだろう。わたしが高校生のころは、同級生たちが文化会館の隣のコミュニティ・センターを借りて、そこでロック・バンドの発表会を開いたりしていたが(見に行きはしなかった)。

弟と一緒に、下川俣のがらくた鑑定団と、駅東の宇都宮鑑定団を巡回する。意外に広範囲にチェーン展開しているらしきこの店は、たぶんホームページがない。さっきググったら、セコハン版ヴィレッジ・ヴァンガードと形容しておられる方がいて、なるほど、下層階級向けの品のなさがたしかにそのとおり。もしかして、ホームページがないのも戦略なのか。ネットで調べるようなインテリ野郎は相手にしていないよ、と。それだって営業時間が分かった方がいいから簡素なホームページがあったってよさそうなもんだが、なに、24時間営業だから、いつ行ったっていいんである。

どうがんばっても売れそうにない一昔前のJポップを3枚5枚でセット売りするコーナーがある。段ボールにポスター・カラーを塗って作ったような(よく見なかったが)ド派手なポップがつけられ、「スタッフごり押し!」と書いてある。レジにCDを持って行くと、ふと、マンガのセット売りが目にとまる。写真を撮ろうと思って撮り忘れたのだが、こんな感じの売り文句が書いてある。「家に帰ってダラダラビール呑みながらウダウダしようと思ってコンビニコミック買ってるそこのキミ!こっちのセット売りのコミックのほうが安い」。いやー、まあそのとおりなんだけど。そういう層をピンポイントで狙ってくるかなー。

いつも読んでいるブログでこんな記事を見つけて、記事の後半、クアトロとブックオフについてはまったくそのとおりだと思ったので紹介しようと思っていた。ついでにいえば、森山弟は渋谷に行ってディスクユニオンで買い物中、尿意を催すとクアトロのビルのトイレを使用していたらしい。いつも空いているからだそうだ。なお、わたしはレコード屋では原則として尿意を催さない。レコードを見ているからである。

で、わたしやApples & Tangerinesさんに限らず、都会周辺に住んでる文化系男子女子のみなさん(このブログを読んでるようなひとたち)は、ブックオフを(ときどきは利用しつつも)文化の薫りのカケラもないしょーもない店、みたいに思っていると思うのだけど、もう、田舎ってそういう生っちょろい段階じゃないんだなと思い(込み)ました。ブックオフなんて、ちょー文化文化。こういうとこには住めない。たぶん読んでるみなさんこの論の飛躍が理解できないかもしれないけど、それでもいい。

都会に住んでるだけじゃ分からないことはやはりあります。みなさん、夏休みは田舎に帰りましょう。
by soundofmusic | 2008-08-10 20:55 | 日記


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