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アデルなんて知らない

昨日のPPFNPにお越しいただいたみなさん、どうもありがとうございました。大入り満員、嬉しいことです。ライヴもヴォーカル+ベースのシリーズ、第4弾。鉄井さんとは違った感じでお楽しみいただけたのではないでしょうか。セットリストは、いましばらくお待ちください。

次回のPPFNPは3月26日(日)。ご期待ください。今度のライヴつきは5月かな。そろそろヴォーカル+ベース以外の編成もやってみたいところ。おいおい、お知らせしますね。

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さて、今日は、渋谷・円山町のホテル街に引っ越ししたユーロスペースに初めて行ってきました。新しい映画館っていうのはやっぱりワクワクするもんで、会員価格が1000円から1200円にあがったのはちょっとアレだけど、新企画としてスタンプカードが導入され、8回見ると1回タダになるから、実質値段は据え置きみたいなものだし、なにより、全席指定とかそういうくだらないシステムでないのが良い。

で、柳町光男監督「カミュなんて知らない」を鑑賞。大学の映画研究会が映画を作る、そのあれやこれやの顛末を描いた話で、当然、トリヴィアっぽい会話なんかがあったりして青くさくも嬉しいわけなんだけど、この映画そのものは、なかなか一筋縄ではいかない機知に富んでいて見ごたえがありました。

かなりの部分が立教大学でロケ撮影されているけれど、そのこと自体はさして重要でなく、大学の持つ総合性というか、つまり、演劇やってたりフラメンコやってたりパントマイムやってたり山に登ってたり、大学って、いろんなことしてるひとがいるわけで、そういうことがそれとなくしっかりととらえられているのに感心した。監督の映画的な視力がいいんだろうね。

劇中の監督役の柏原収史につきまとうちょっとヤバ目の女の子を、吉川ひなのが演じている。トリュフォーの映画からとられた、アデルというありがたくないあだ名をちょうだいしている役柄なのだが、これがもう……想像通りのハマり役で、見ていてつらくなっちまうんである。ぼくには関係ないのにさ……関係ないのに……関係ない……

(森山)
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by soundofmusic | 2006-01-30 21:55 | 日記 | Comments(0)

サーヴィス兄弟

川島雄三「特急にっぽん」を見た。というか、また見た。あるいは、4回目くらいかも。この作品、川島ファンの間ではあまり評価が高くないとも聞き、まあいわんとすることは分からんでもないんだけど、これがいちばんサーヴィスがいいんじゃないのか。あまりに鉄壁のプログラム・ピクチュアだから、伝統的名画主義者の人々にも、古い邦画をサブカル的に見るひとたちにもウケが悪い、ということなのかもしれない。

ところが、わたしは、どうやら、この映画の、その、プログラム・ピクチュア的な部分というか、作家性のなさというか、主張の希薄な部分というか、手を変え品を変えな感じというか、そのあたりが気に入っているみたいで、とはいうものの、やはり最近見た、ヴェンダースの「ランド・オブ・プレンティ」なんかだと、やむにやまれず撮ってしまった、みたいな、まるで周りが見えていないところがいとおしかったりもするから、こういうことは、一般的な法則があってどうこうということでは、必ずしも、ない。

ただ、現時点で、一般論としてぎりぎり引き出せそうなのは、作品にはおよそどんなものでも、作り手の側に属する部分と、社会とかジャンルとか歴史とかに属する部分があるということ。どんなものでも、どちらかの側面しか持たないということはありえない。「オレたちの音楽はオレたちというジャンルで、他のなににも似ていない」などと言われてしまうと、ちょいとイラっとしてしまう。

このごろはだいぶ、作品は作り手によって完全にコントロール可能、という考え方の方が支持されているけど、その無邪気さはほんとうに不思議だと思うし、品がないとも思う。だからこそ、後期の川島のサーヴィス精神はとても貴重なものに感じられる。あー、また「とんかつ一代」が見たいなあ。などとひとりごちてみる。

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夜。「真剣10代しゃべり場」を見る。ゲストは魚喃キリコ。あまりかわいくない女子が、モテたいのにモテない、との相談をしていた。どうやらその子の相談は、正確には、「現状のまま、自分ではなにひとつ変えずに、周りにチヤホヤしてほしい」とでも表現されるべきもののようで、そりゃあ難しいよね。元からかわいいひとはいいだろうけどサ。

魚喃もゆってたとおり、笑顔を心がけているだけでもだいぶ違うはずで、そりゃ、最初のうちは、「ブスは笑うな、キモい」とかののしられるかもしらんけど、笑顔のパワーって案外バカにしたもんでもないんじゃないかなあ。そのうち、きっと、ね。

その流れで、上池袋606スタジオ(わたしんち)でも急遽、夜半から、真剣20代&30代しゃべり場が開催されてしまった。さすがに遅い時間まではしんどい。おかげで、今日、寝過ごしてしまったよ。

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以下、小ネタです。といっても大ネタがあったためしなぞないのですが。

gsminekさんのところで知った、「ふい字」。いい年こいた男がかわいいかわいい言うのもどうかとは思うが、かわいいフォントです。さっそく拾ってきて使っております。

ボンゴさん情報。ルー・リードの写真集が出るらしい。おっと、ルー・リードが被写体になった写真ではなくって、ルー・リードが撮った写真を集めた本だよ。タイトルは「ルー・リードのニューヨーク」!

トムズ・キャビンの招聘でジャネット・クライン&ハー・パーラー・ボーイズがまた来るらしい。あいにくと彼女の音楽にはさほど興味が持てないのだけど、今回はなんと、パーラー・ボーイズの一員、イアン・ウィットコムのソロ公演が予定されている。4月16日(日)、下北沢ラ・カーニャ。万難を排して駆け付けなくてはね。

明日の日曜日は、渋谷エッジエンドにてPPFNPa.k.a.森山兄弟のサーヴィス・デイです。みなさま、お忘れなくお越し下さい。

(森山)
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by soundofmusic | 2006-01-28 16:18 | 日記 | Comments(2)

想い出の雪見だいふく

雪もすごかったけど、昨日、近所の軒先につららができていたのには驚きました。

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それは必ずしも仕事をしていたということとイコールで結ばれはしないのだけど、先週はとにかくやたらとずっと仕事場にいなくてはならなかったもので、あんまり書くこともない。

おまけに、聴いているものといえば、アンケートのために聴き直している昨年度のあれこれだったりするので、それについて書くのもすすんでネタばらしすることになっちゃって、これもちょっとシャクなんだね。

とはいうものの。

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火曜日、下北沢のモナレコードにはじめて行ってきました。轟渚のライヴを見に。この店、レコード屋とカフェが融合したものらしいというのはなんとなく聞いていて、ときどきはライヴもやるというのも聞き知っていた。下北沢を歩いていて、すれ違った女の子ふたりが、「モナレコードって、ご飯食べに行こうと思うときに限っていっつもライヴやってる」とぼやいて(?)いたのを聞いたこともある。

しかし、スケジュールを見ると、ほぼ毎日のようにライヴがあるではないですか。つまり、レコ屋であり、カフェであり、ライヴ・スペースであるわけ。あまり大きな音は出せそうにないから激しいロックには不向きだろうけど、ステージは広いのでドラムセットも使える。

こういう、フレキシブルで風通しのいいライヴ・スペース、10年前にはなかったよなあ、とビールを飲みながら思った。あるいは、あったけど知らなかっただけかもしれないが。そのとき、一連の喫茶クラクラ周辺のライヴのことも考えたかもしれない。世の中、よくなっていることもあるんだ。

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やはり10年くらい前によく夢想していたことが、中古盤屋の店の半分がコーヒーを飲めるスペースになっていればいいのに、ということ。そうすれば、買ったレコードを眺めながらコーヒーが飲める。レコ買い人種のうち少なからぬ数の人間が、買ってもまっすぐ家に帰らず、どこかでワン・クッション置くことが確認されているから、この商売、カタイんだがな、と思っていた。

これも今、ふつうになっちゃいましたね。ただし、中古盤屋じゃなくって、こじゃれたセレクトショップなんかの話だけど。

この話、前にも書いた気がする。

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下北のユニオンで買い物をしたとき、安かったもんでなんの気なしに買って、意外と良かったのが、スウィングル・シンガーズ『ジャズ・セバスチャン・バッハ2』。

ダバダバ・コーラスによるバッハ。これをジャズと見るかどうかは、ひとによって見解がわかれることと思う。おそらくここには、いわゆるアドリブは一切なくて、すべて書かれたアレンジだろうから。

わたしには、ジャズに聞こえました。どうしてか?ってことは、おいおい考えてみますけど、こんなに気持ちの良い音楽もそうそうない、という事実の前では、ジャズかどうかは、さしあたりどうでもいいかな。

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3月のGentle Holidaysの詳細、コチラにも載せました。トップにあるものとほぼ同じですが。

今年最初のPPFNP、今週末です。「サウンド・オヴ・ミュージック」のアンケートも受付中ですよ。もろもろどうぞよろしく。

(森山)
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by soundofmusic | 2006-01-23 08:23 | 日記 | Comments(0)

GENTLE HOLIDAYS Vol.1 ~ロックンロール感情教育実践篇~


日時:
2006年03月04日(土)13:00~22:00

会場:
喫茶クラクラ(松本市大手2-2-4・2階/TEL・FAX:0263-34-5024) →地図

DJ:
ボンゴ(ボンゴビート
sumire(Gentle Tuesday、British Pavillion
クラブクラクラのみなさん(TBA)
森山兄

*タイムテーブル*
13:00~13:45 ボンゴ
13:45~14:30 クラブクラクラ
14:30~15:15 sumire
15:15~16:00 ボンゴ
16:00~16:45 もりやま
16:45~17:30 未定
17:30~18:00 クラブクラクラ
18:00~20:00 中川五郎+HONZIライブ
20:00~20:45 もりやま
20:45~21:30 sumire
21:30~22:00 クラブクラクラ


LIVE:
中川五郎

HONZI

料金:
500円(1ドリンクつき)
*ビール以外のアルコール飲料は100円Up
*ライヴを見る場合は+2000円

ライヴタイムの18:00~19:30を除き、一度入場すれば何度でも出入り自由です。 ゴロゴロするもよし、お友だちと話すもよし、ゴハンを食べるもよし。クラクラの特別な時間をめいっぱい楽しんでください。イヴェント参加者は優待料金でライヴを見ることができます。

13時開場とともにDJスタート!!
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by soundofmusic | 2006-01-23 03:57 | PPFNPイヴェント情報 | Comments(0)

たのしい知識

キャメロン・クロウの「エリザベスタウン」を見た。全体的に、なにからなにまで不自然であることに見て見ぬふりをすればよくできた映画。良く言えば多面的な魅力を持つ、悪口を言えば散漫でまとまりのない作品で、でもぼくはすっかり楽しんだ。先日書いたスピルバーグの「宇宙戦争」に続いて見たせいか、アメリカ映画に描かれるヒーロー像が明確に変化してきてしまっているのだなと痛感し、そこが興味深い。

従来の考え方ではヒーローと呼ぶにも値しない、小さなヒーローたち。ただそれだけなら、ニューシネマの時代から、すでにさんざん描かれている。ただ、「宇宙戦争」のトム・クルーズにせよ、「エリザベスタウン」のオーランド・ブルームにせよ、そういうところをはるかに通り越してしまっている。

アメリカの理想に必死でしがみつく小さな手をあえて描こうとする、ある種の作り手たちのたたずまい。その理想はもはや、大文字の、濃いインクで書かれたものではなく、さんざん雨風にさらされ、かすれて、もうぼろぼろだ。「宇宙戦争」の不穏な空気も、「エリザベスタウン」の陽だまりのような暖かさも、わたしたちがもう引き返せないところまで来てしまったことを示唆しているみたいだ。

そしてちょうど、古本屋で見つけた、佐藤忠男先生の「映画をどう見るか」(講談社現代新書)を読んだら、アメリカ映画におけるヒーロー像(とその他のあれこれ)が分析されていて、たいへん参考になった。いいタイミングでもあった。

明快で、真っ当で、平明で、そしてもちろん、広範な知識に基づいていて、しかしそれをひけらかさず。佐藤忠男の書くような文章をこそ、名文というのではあるまいか。映画の本だからもちろんいろいろな作品が取り上げられているのだけど、ここに載っているあれやこれやを1本も見たことがなくったって、この本を読んで楽しむことはじゅうぶんに可能なのだと思う。

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堀川弘通「あすなろ物語」(55年)、高橋治「彼女だけが知っている」(60年)も、見た。

「あすなろ物語」は、主人公が成長しつつ、それぞれの年齢なりのやりかたで女たちとかかわっていく、その交流を描いた映画。交流とはいっても、昔の話であるから、ごく淡いもの。3話のオムニバス風で、それぞれ岡田茉莉子、根岸明美、久我美子がヒロインを演じる。

とにかく岡田茉莉子がイイ。高飛車であることを前提として許された役のとき、岡田茉莉子はもっとも輝く。

「彼女だけが知っている」は、珍しや、笠智衆が刑事役! 娘が小山明子で、クリスマスの晩、レイプされてしまうのだが、放心した彼女のバックで、小坂一也がけだるく歌うクリスマス・ソングが流れる。この異様な虚無感。ちょっとカッコイイんだな。

かたや、黒澤明の弟子が描いた端正な文芸作、かたや、“松竹ヌーヴェル・ヴァーグ第4の男”のサスペンス。この2本を見ると、たった5年で日本映画の空気の一部がおそろしいほどに変化してしまったことがよく分かる。

それよりもなお、もっともっと強く強く感じられるのは、どちらも、新人監督のデビュー作であるという事実。2本とも、スクリーンが若々しく息をしているのがはっきりと見て取れる。それはほとんど、手にふれることすらできるのではないかと錯覚させるほどの実体感をもって迫ってきていて、良い処女作を見るときにだけ味わえる幸福感を、また堪能することができた。

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連絡のコーナー。

3月4日のGentle Holidays@松本、中川五郎HONZIのライヴ出演が決定しました。出演は6時頃から7時半頃までの予定。ボンゴさんと中川五郎がどんなに似ているか、せっかくだからみなさん、ぜひ確認しに来て下さい。

明日の火曜日は下北沢のモナレコードで、轟渚と夕映えカルテットのライヴ。わたしは遊びに行くつもり。出番は9時過ぎだそうですよ。

(森山)
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by soundofmusic | 2006-01-16 12:49 | 日記 | Comments(0)

確認された

さて、前回の日記の続きです。ピザを食べた後、眠くなって横になったら思わず4時間くらい眠ってしまい、起きたらもう、真っ暗。ところで、森山の実家はなぜか近所の小学生たちの遊び場みたいになっていて、森山の両親がいる時間帯は、子供たちが勝手に出入りしていいシステムになっている。

で、森山が昼寝していると、子供たちが寝室をかわるがわる覗きこむ。寝ているからはっきりとは分からないけど、どうやら、ドアを開けて、寝ている森山を見ては「起きている!」と声に出して確認し、また帰っていく、ということを、少なくとも3回くらいはおこなっていたみたいだ。あるいは、ぼくが寝ぼけていたのか?

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日付が変わる頃、前日に巡回しそびれた、がらくた鑑定団へ。コモン、キャブ・キャロウェイなどを購入した。

いちばんの収穫は、『フランク・カニモンド・トリオ・イントロデューシング・リン・マリーノ』。だいぶ前から置いてあって、なんとなく気になっていた1枚。カニモンドさんはピッツバーグあたりのジャズ・ピアニストらしく、このアルバムは70年前後の作。ピアノ・トリオに、マリーノさんのヴォーカルをフィーチュアしている。

ひとことでいえば、ま、オシャレもの。ロジャニコの「ラヴ・ソー・ファイン」だとか「愛のプレリュード」とかやっていて、なかなか気持ちよいです。

マリーノさんは、ブロッサム・ディアリーだとかアニー・ロスだとかを引き合いに出されることもあるらしく、そんなひとがもしいたら、好きに決まっているのだけど、彼女たちより、もちょっと硬質。おぼこい娘が不意に抱きすくめられて身を硬くしたような感じというか、英語がネイティヴでない北欧かどっかあたりのヴォーカリストの雰囲気というか。ともかく、あんまり見当たらないタイプの歌い手。音楽をことばであらわすのは難しいね。

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以下、業務連絡。

3月4日の松本のイヴェント、タイトルが決定しました。「Gentle Holidays Vol.1 ロックンロール感情教育実践篇」。シリーズ化も射程に入っているようですよ。続報を待て。

29日のPPFNP、毎度お世話になっている高嶋里美さん(SUPER SEEDER)の出場が決定しました。また、昨年11月分のセットリストも、おくればせながら完全版に更新されております。ご確認くだされたく。

(森山)
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by soundofmusic | 2006-01-12 12:34 | 日記 | Comments(0)

エルヴィス が とうじょうした!

昨日から帰省中です。通り道だから、との理由にもならない理由で、北浦和で途中下車、ぎょうざの満洲で腹ごしらえしてから、なつかしのディスクユニオン北浦和店へ。正月だし、誕生日でもあることだし、浪費する準備はできている。ふだん買わないようなものを買いたい。

そんな気分での購入品が、4枚組みのボックス『中村八大作品集~上を向いて歩こう』。全88曲収録、定価は8888円。ちなみに発売日は99年9月9日。第一級のジャズ・ピアニストであると同時に大作曲家でもあらせられる彼の代表作としては、タイトル曲と、これをお読みのみなさんが全員ご存知のはずの「笑点のテーマ」(これも聴ける)をあげておけばいいですかね。

と、コメントがありきたりなのは、もちろん、まだちゃんと聴いていないから。ボックスとはそもそもそういうもの、などということは言わない。それこそありきたりなので。

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弟くんからのアドヴァイス(っていうか指令)に従い、宇都宮鑑定団を巡回、『エルヴィス・プレスリー登場!』、ジェイムズ・ブラウン『イン・ザ・ジャングル・グルーヴ』などを捕獲した。

いま、エルヴィスって名前を聞いてまったくなんのイメージも浮かばないひとはあまりいないんじゃないかと思われ、かくいうわたしも、彼の音楽にマジメに向き合ったのはたぶん今回が初めて。

松浦亜弥がスゴイとか、インスタントコーヒーではネスカフェ・ゴールドブレンドがいちばん美味であるとかと同じレヴェルで、議論の余地のない圧倒的な真理として、エルヴィスは新しい。どれくらい新しいかっていうと、バックのミュージシャンがエルヴィスの発想をまったく理解できておらず、その結果、エルヴィスだけがぐぅーんと前面にせり出してきてしまっているのだ。

それは具体的には、ボクの素人目(素人耳?)にも分かるリズムのモタりとか、対照的に浮かびあがるエルヴィスの問答無用のかっこよさとしてわれわれの耳に届くわけだけど、この、歴史そのものをパッケージした、まさに記録=レコードとしての価値に比べれば、音楽なんてどうでもいいようにすら思えてしまう。

よく分かんないんですけど、彼の歌う英語、当時の保守層には聞き取れたんですかね。わたしたちが現在、ある種の日本語のヒップホップの日本語をまるで異物の塊のように受け取るような感じじゃなかったのかなぁ。

どうでもいいことを2点書いておく。いまさら気づいたのは、クラッシュ『ロンドン・コーリング』のジャケットがこれに準拠していること。また、買ってきたエルヴィス(ぼくの買ったのは紙ジャケ)を母に見せたら、「こんな薄いのに12曲も入ってるの!」と驚いていたこと。お母さん、ある意味、エルヴィスよりもあなたのほうが衝撃的です。

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JB先生のコレは、70年前後?の未発表テイク集?ですか? 100%JB、ピュアJB。ここに収められたような音楽はふつうポップスとはいわないのだろうけど、2006年の正月現在、ぼくが、スピッツよりカニエ・ウェストに、ファウンテンズ・オヴ・ウェインよりザ・バンドにそれぞれポップスを感じてしまっているのは、もう、いたしかたのないことで、このJBも、ああ、ポップだね、と嬉しくなる。

ところで、どんなイヴェントかよく分からない、としばしば言われてしまうかわいそうなPPFNPのために「戦前ブルーズからヒップホップまで」というキャッチフレーズを考えたんだけど、ダメかな。よけい分かりづらいと言われてしまうか、あるいは黒人音楽オタクと誤解されるか。難しいね。

たとえば、ぼくが何らかの意味で黒人音楽が好きなのだとしたら、それはオーサカ=モノレールや怪獣公園のひとたちのようなやり方でではなく、細野晴臣のようなやり方で、ということなんだけど。

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今日は今日とて、10時頃に朝ご飯を食べたのに、12時になると父が「おひるにしよう」と言い出す。この、昼食は必ず12時、というのも実家における掟みたいなもん(あるいは掟の門)であって、ぼくは、腹の減り具合によって柔軟にやればいいんじゃないのかなあ、と思うのだけど、父いわく、「それだと区切りがつかずにダラける」と。

要するに同じことを言っているんだ。

円盤状のピザを宅配してもらって、父と食べる。どうでもいいんですが、この、宅配ピザというやつ、ムダづかい以外の何物でもないように感じられてしまう。もっとも、わたし、塩化ヴィニールとか光るプラスチックの円盤で、はるかに多額の浪費をしているのですけどね。

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29日のPPFNP、ライヴゲストが決定しました。宮原美絵さんと金森基さん、from 群馬です。またしてもヴォーカルとベースのデュオですが、一味違った感じでお楽しみいただけるのではないかと思います。ご期待下さい!

3月4日の松本のイヴェントも、近日中に詳細が発表できそうです。しばしお待ちあれ。

(森山)
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by soundofmusic | 2006-01-10 21:50 | 日記 | Comments(0)

彼は宇宙人☆

d0000025_8305140.jpg年末年始はえんえんと出勤していて、とはいえ仕事自体は比較的、というか相当にヒマではあったのだけど、油断したり弛緩したりしていたら元日の朝からバカでかいトラブルがものすごい勢いで飛びこんで来たりもして、まぁ今年はロクな年にならないな、と小さくため息をついたりしたものでしたが、さてみなさん、本年もどうぞよろしくお願いします。

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で、2日の夕方にようやく解放されて、池袋のディスクユニオンで軽く初レコ(ダイアナ・クラールやザ・グッバイなど)、しかるのちに新文芸坐で、スティーヴン・スピルバーグ「宇宙戦争」を鑑賞。再見。

封切り時の最後のころに見ているので確認のつもりだったのだけど(もちろん、つまらなかった映画をわざわざ再確認しにいったりはしない。いや、するときもあるか)、展開が分かっているだけに余計、すっかりのめりこんでしまい、思わずひじ掛けをぐっとにぎりしめてしまう。どう考えてもすごすぎる。2005年、ベストのうちの1本でしょう!

CGがすごいというのはいうまでもないので省く。弟によれば、渡辺くんがこの映画を評して、「危機によって家族の絆が深まるとかそういう話は、もういいよ」と言っていたとのこと、たしかにわたしも、“そういう話”は“もういい”のだけど、おいおい、これをそんなものと一緒にするわけにはいかないでしょう。

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主人公のトム・クルーズは港湾労働者。とはいえ、コンテナを積み降ろしするクレーンの操縦士という特殊技能で飯を食っており、なかなかの腕の持ち主。細かいところには頓着しない性格のようで、どうやらそのへんがガマンならなくなった妻は彼のもとを去っていった。ただし人間的な魅力には富んでいるようで、人種分け隔てなく友人づきあい、近所づきあいをしている。いわば、合州国の都市部に住む、生活レヴェルが中の中の下あたりの白人の良い部分も悪い部分も体現したかのようなキャラクター。

と、つらつら書いてみたが、これ、ちょっとした情報量だよ。監督は冒頭の10分かそこらでこれらすべてを観客に飲みこませてしまう。とはいえ、いちいちやぼったいセリフで説明するのでもなければ、もちろん、森山が異様に情報読み取り能力に優れているわけでもない。それこそ、通常の注意力を持った人間なら誰でも、見ているだけで分かってしまうこと。自分が監督だったらこれを一体どうさばくか?と考えると、スピルバーグの話術の見事さに心から脱帽せざるをえない。

こういうことを書いているとそれこそやぼったくなるのでやめますけども、このトム・クルーズはおよそ万能のヒーローからはほど遠い。息子と娘を愛する気持ちは充分にありそうだがうまくそれが伝わっていない。そんなところにめちゃくちゃ強い宇宙人出現! どうする父ちゃん! 的な試行錯誤がキモである。

公平に見ればトム・クルーズは機転も利くようだし、致命的な判断ミスはなかったみたいだし、周りのひとが死ぬのに彼と彼の家族だけはなぜか説明なしで逃げおおせるという映画的な幸運にも恵まれているし、本来なら真にアメリカ的な(アメリカ映画的な)ヒーローとして映画的に称賛されるべきなのだろう。

ただし、それじゃもう、誰もリアリティを感じない。現代において、もはや完全なヒーローなど存在し得ないのだという一種の死刑宣告であり、娯楽映画が自分の首をしめながら同時に人工呼吸を施すようなマッチポンプでもある。

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書いていたら疲れてきたよ。とにかく、よくできた映画が立体性と多面性に富んだ最上の娯楽であることをしばしば我々は忘れがちだから(ことに、つまらない映画を連続して見てしまったときなど)、たまにこうして再確認することは必要だし、有益だ。今後スクリーンで見られる機会は少ないだろうけど、この際、DVDでもいいので見てみてください。

以下、注目項目をいくつか。

最初のトライポッドの出現時、明らかに危険でありながら近づきすぎる軽率さ。そんなアメリカ人たち、フェリー乗り場では献血を呼びかけ、トライポッドでは引きずり込まれそうになるトム・クルーズを力を合わせて救出する。理想はまだ失われていない。

そのフェリーはニューヨークからニュージャージーへと渡るものか。桟橋のラウドスピーカーからはフランク・シナトラが流れる。彼は、フィーリーズと同じく、ニュージャージー州ホボーケンの出身。

宇宙人によって大量虐殺がおこなわれるわりには、画面に現れる死体そのものの数は圧倒的に少ない。この映画の商品規模を考えるとやむをえないのだろうが、わたしは非常に不満がある。ただし、ほぼ一度だけ、ダコタ・ファニングが大量の死体を目撃してしまう場面があり、衝撃は大きい。

ダコタ・ファニング。いくら絶賛しすぎてもしすぎることはない。トム・クルーズも普通のレヴェルでは充分過ぎるほど名演と思うが、ダコタんは宇宙人レヴェル。比べることをためらわせるものがある。

ちなみに原題を直訳すると、「世界と世界との戦争」。つまり、文明の衝突? 地下室にずかずかと入ってきてそこいらを無造作にかき回す宇宙人に進駐軍(古いね)を思い出したのはぼくだけではあるまいて。

カメラもとんでもなくすごいのに、忘れそうになってしまう。軽々とよく動くし、品の良い色彩感覚は宮川一夫の「銀残し」をちらっと思わせもする。ヤヌス・カミンスキー。ここ10年くらいは、ずっとスピルバーグと組んでいるようだ。名前を覚えておこう。

(森山)
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by soundofmusic | 2006-01-07 08:31 | 日記 | Comments(0)

アンケート2005-2006 さくいん

森山が編集、発行、その他もろもろしているフリーペーパー「サウンド・オヴ・ミュージック」では毎年、いろんな方に1年間を振り返ってもらう特大号を発行しています。

その冊子が完成したことは先日書きましたが、このたび、冊子の内容とほぼ同じものをこのブログでも公開することにしました。ごく一部、ブログ版オリジナルの内容を提供してくれているひともいます。CDとLPで収録曲が違うようなものとお考えください。

質問内容は、以下のとおりです。

A 回答者の、①名前、②生年月日、③職業/肩書き、④連絡先
B 2005年の総括、2006年への展望
C 2005年の総入手枚数
D そのうちで印象に残ったもの、およびコメント
E なんでもランキング
F 回答者が、いかにして今の回答者であるところのものになったかについての年表
G 回答者によって追加された項目(A~Fで書ききれないことについて。任意)

以下の索引から、お好きなところにすぐ飛べるようになっています。全体をずるずるっと読みたい方は、コチラからどうぞ(新しいもの→古いものの順で並んでいます)。

さくいん(あかさたな順)

相澤和典
有馬ゆえ
板橋泰明
si
太田健一
岡村義秋
木崎晴石
kinomi
しんぺー
杉山隆広
田口真希
たけいまき
多田きよと
チバちゃん
Terri
ナカジマ
中嶋由紀子
二村裕美子
橋本伸宏
ハムちゃん
ボンゴ
マジック
未婚の主婦
桃色トラック
森山弟
森山政崇 その1 その2 その3
和田雄二
(-_-)zzz
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by soundofmusic | 2006-01-05 23:27 | アンケート2005-2006 | Comments(0)

アンケート2005-2006 29


①木崎晴石(キザキ・ハルシ)
②1971年12月18日
③ベンチウォーマー主婦

 
低調期をひとまず生き延びた2005年。引越挙式入籍をした。将来への悲観が骨身にしみついているためウキウキ感はゼロ。狭い実家を出られたのだけは嬉しい。2006年、妊娠出産の予定は未定。


新品CD2枚、中古CD7枚。レンタルしたCDは8枚。貰いもの1枚。全て邦楽。中古ラジカセをハードオフにて6000円で購入。


新譜で心揺さぶるものに出会えず、というか出会う努力を怠ってるだけですすみません。友人バンドのチェコチェコヤギ『季節おいてけぼり』はマリッジブルーのBGMに。旧譜では特撮『オムライザー』に救われた。2005年はラジオばかり聴いていた。水曜深夜の菊地成孔&大谷能生のFMをタイマーで録り、次の週まで在宅中はエンドレスリピートする習慣がついた。


結婚してから観始めたTVベスト5
1.鈴木タイムラー
2.リンカーン
3.トリビアの泉
4.きらきらアフロ
5.ウハウハ競馬
 〔TV全然興味なかったのに相方の付き合いでお笑い番組を毎晩観るはめに。芸人をたくさん覚えた。2006年は金剛地さんがお茶の間に浸食していくのを温かく見守りたい。イエスママも復活希望〕


70年代は無神経で情緒に乏しい甘やかされた子供。80年代は反動で友達に絶縁されたり。漫画家を志していた。90年代はアングラな音楽に傾倒してライヴとミニコミ中心に生活。00年代は夢もついえてフリーター身分も末期症状。ギャンブルに手を出し坂道を転げ落ちる途中で関西弁のサラリーマンに拾われた。

 
SOMは今どき唯一無二の素晴らしい紙媒体だと思うので末永く続けて下さいね~、と言い続けている割に今回こんな足を引っ張ってしまい申し訳ない限り…。とほほ。これに懲りずにSOMを(以下略)。
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by soundofmusic | 2006-01-03 13:54 | アンケート2005-2006 | Comments(0)