<   2006年 10月 ( 9 )   > この月の画像一覧

わたし向きでない

パソコンを使える状態にしたら、今度はCDウォークマンがまったく反応しなくなってしまった。購入してからまだ1年半。頼むぜ、ソニーさんよ。実はリモコン部分の接触がすでに相当悪くなっていたので、リモコンだけ買い換えようかと考えていたのだけど、実行に移さなくてよかった。

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ひょっこり時間が空いたので、新文芸坐でイ・ジェハン「私の頭の中の消しゴム」を見た。しばしば思うことだけど、恋愛映画だから当たり前とはいえ、男女が惹かれあうことが前提となっていて、それについては説明がない。

そりゃ、現実世界でもさしたる理由もなく男と女はくっついたり離れたりするわけだけど、それが起こる理由というか、恋愛の構造自体を描いた映画がないもんかなあといつも思う。そういう映画が多少なりとも存在すれば、非モテによる劣等感を覚えずにのびのび暮らせるひとが少しは増えるだろう。

自分がどうあがいても届かない場所が前提になっているってのはつらいもんだ。

そもそも、自分のしているのも含めて、世の恋愛の大半は単なる社会慣習にしたがっているに過ぎないわけだけど、考えてみると、そうでないことなんてあんまりない気もするのだ。

……といったことを抜きにすれば、「私の頭の中の消しゴム」、きめの細かいいい映画だと思いました。

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たびたびで恐縮ですが、愉快な講座「1950~1960 映画/音楽の旅」、初回が迫っております。電話で予約だけしておけば、当日入金でもオッケー! いますぐに、池袋コミュニティ・カレッジ(03-5949-5494)までお電話を。興味のある回だけの受講も可能ですよ。
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by soundofmusic | 2006-10-31 02:18 | 日記 | Comments(0)

技術的な問題

あのぅ、業務連絡です。パソコンは使えるようになりました。秋葉原でハードディスクを買ってきて、いままで入っていたものと交換したのです。

ハードディスクの値段は安い。わたしの買ったものは、250GBで8000円ちょっと。250GBという大きさは、はっきりいって見当がつかないが、たぶんこのブログの20万年分くらいを収めることができる。

ところがハードディスクは壊れる。今回はほぼ前触れもなく壊れた。そこには自分にとってのみ重要なデータが入っているので、データ修復業者に症状を伝えて見積もりをとったところ、最大で10万円程度の費用で復旧可能とのことだった。そこでハードディスクを業者に送ったところ、やはりムリでした、として着払いで送り返してきた。

それだけの大金を払って復旧させるほどのデータなのか、というのは難しい問題。プリントしていなかった日記が3か月分あったのが悔やまれる。なにしろ、わたしは日記を書くために映画を見たり本を読んだりしているので、それが消滅すると本当に困ってしまう。

もし、来年に出るアンケート冊子にわたしが不参加だった場合は、これが原因だと思ってもらっていい。

それにしても、人間の一生をもそのまま収めうる250GBのハードディスクの値段と、1年ちょっとの間に作ったデータを修復する値段とのこのアンバランスさ。なにかクラクラさせられてしまう。

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いちからやり直しになって、いろいろのソフトをインストールしたパソコンでさっそく来月のPPFNPのおまけCDのマスターを作った。どうも、パソコンのスピーカーの音が、前よりぐんとよくなったように感じられる。

音がよくなるはずはないのだが、こういうのも補償作用というのだろうか。もしそうだとしたら、そういう自分が少しいじらしい気がする。

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明日はシネマヴェーラの鈴木清順特集で「野獣の青春」を見る予定。主演は宍戸錠だ!
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by soundofmusic | 2006-10-26 21:14 | 日記 | Comments(0)

下北で渋谷系を見た

d0000025_19364315.jpgタイトルはなぎら健壱の引用だけど、誰も気づかないかもしれない。

えー、業務連絡です。パソコンは復旧できないことになりました。つきましては、森山兄のアドレス帳もすべて消えうせて再登録が必要なので、友人・知人のみなさん、森山兄までメールください。ふだん連絡とっていないあなたも、これを機に旧交を温めてみませんか。

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昨日は下北沢のモナ・レコーズで轟渚さんのライヴに行ってきました。写真はその前に寄ったユニオンでの収穫。評判を聞いて相当気になっていたベニー・シングスを2枚同時に確保、さらに、存在すら忘れかけていたエルヴィス・コステロ&アラン・トゥーサンの未開封品も。ベニー・シングス『アイ・ラヴ・ユー』、まだ数曲しか聴いていないけど、かなりよさそうです。ギルバート・オサリヴァンとポール・マッカートニーが混ざったような……要するに最強。

轟さんの対バンは佐藤真也氏の率いる東京12チャンネル。バカテクの男性陣による小ジャレた演奏をバックに、表情に乏しい女性ヴォーカリストが歌うという、(こういうことをいうともしかしたら怒られるのかもしれないが)正調の渋谷系。とはいえいわゆる雰囲気ものではなくて、ある曲なんか完全にモード・ジャズ。たとえば、60年代中期の新主流派コンボ(ハービー・ハンコックとか)をバックに野本かりあが歌っているような、といえばイメージが思い浮かぶでしょうか。

すンごい高度なんだけど、そうは見えないところがすごい。

ところで男女比の構成がこのパターン、というケースはよくあるけれど、逆はない。つまり、いかつい女性たちが技術的に高度な演奏をし、坊やみたいな男性が歌う、というパターン。こういう問題を一度でも考えたことのあるひとは(もしないとしても、それはそのひとなりの音楽の楽しみ方だから、別にいいけど)、「鳴り響く性―日本のポピュラー音楽とジェンダー」という本(北川純子・編、勁草書房)を読んでみるといいと思う。

「そういうグループがあったら、かなりヒワイなんじゃないでしょうか。見てみたいですけど」とは、当の東京12チャンネルでゲストでベースを弾いた鉄井さんの弁。

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轟さんは、ウッドベースのうのしょうじさんとのデュオ。このベースはたいへんまろやかでよろしかったです。歌はますます肝が据わってきて、でもいばってなくて、こちらもよろしい。

轟さんの6月にやってライヴがCD-Rとなって発売されました(写真右下)。ジャケットの轟さん、裏ジャケのメンバー諸氏、みないい表情をしていて、もちろん内容もユルくて素晴らしく、パッケージとしてたいへんかわいらしいものに仕上がっております。

ライナーは本来ならご本人が書けばいちばんよかったと思うけど、わたしが書きました。ぜひお買い求めください。って、どこで買えるんだろう。轟さんの連絡先を知らない方は、森山兄まで連絡くださいな。
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by soundofmusic | 2006-10-22 19:36 | 日記 | Comments(0)

ヒズ・ネーム・イズ・ジョー

えー業務連絡ですが、自宅のパソコンが壊れました。メールの確認など遅れる場合がありますのでもしお急ぎの用件の方はほかの方法でのコンタクトをお願いします。

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A「最近、腹の立つことが多いよな!」
B「だからってオレに怒るなよ。たとえばどんなこと?」
A「ほら、あれだよ、飲酒運転。呑んで乗るなんて言語道断だよ」
B「まったくだね」
A「事故起こしたりして、小さい子供の命がさぁ!」
B「まったくだね」
A「こないだなんか、うちの奥さんが呑んで帰ってきやがってさあ!」
B「飲酒運転か?」
A「いや、タクシーで。電車あるのにだよ? 呑んでタクシーに乗るなんて、金のムダ以外の何物でもないだろうよ。ムカッ腹たっちゃって」
B「あれ、論点がズレてるよ」

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宍戸錠「シシド ― 小説・日活撮影所」(新潮社)を読み始めている。快調そのもの、いやぁ、こりゃおもしろい。基本的には、「本人の話」というものを必要以上に重視する必要はない、という立場なんだけど、この本の場合、とにかく楽しんでもらおう、というサーヴィス精神がミエミエだから、多少のエエカッコシィにも目をつぶってやろうという気になる。

それにしても、本人がつけたのかどうか、こんなに読ませる脚注のついた「小説」も珍しかろう。「なんクリ」以来かも。たとえば、発刊当時、いろんなところで引用されていた気もするが、スターの現場入りの時間について。裕次郎だと2時間遅刻もオッケー。アキラは1時間まで。宍戸錠の場合、定刻5分前には入っていないといけない、だとか。

このへんのクールな感覚(自己陶酔のなさ)によって宍戸錠は大スターになりそこなったわけだけど、それでもたとえば、野村孝監督によるニッポンのハードボイルド映画の決定的傑作「拳銃(コルト)は俺のパスポート」など、ほかの誰でも演じることはできなかったろう。

フィルムセンターでの夏の日活特集以来、この会社の特殊性について考えることが多かったこともあって、興味深い。ちょうど明日からはシネマヴェーラ渋谷で鈴木清順の特集(48本!)が始まる。まあどうせ混むんだろうけどサ、清順の映画が日活映画だと思われたんじゃ困る、と書きながら、いったい自分は何歳で、誰を擁護しているのだろう、という気分になってしまう。

才能のうんとある作家は盛大に、それほどでもないひとはそれなりに、身の丈にあった評価を与えてあげましょうよ、というのがいつも思うことなのだ。
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by soundofmusic | 2006-10-20 11:15 | 日記 | Comments(0)

冷たいギフト/姦通

先日から、とある必要があって、小説なるものを読み返していることは前に書いた。それをしているうちになんだか楽しくなってきて、いまは大岡昇平の「武蔵野夫人」を読んでいる。たぶん10年ぶりくらいの再読だろう。この小説の主たる舞台は、わたしが90年代の前半に住んでいた場所とそう遠くなく、また、この小説ではその武蔵野の地形自体が、あたかも主要な登場人物のように、小説全体に大きな影響力を振るっているから、この本を読み返すことは、しばらく会っていない古い知人と顔をあわせるのにも似ている。

作者が作品全体に意図的に強権を発動しているのを嫌う読者は多いかもしれないし、そういったことを気にしないひとには、やけにクラシックなつくりの小説、とうつるかもしれない。待てよ、それとも、ふつうは本を読むときにそんなことを考えたりはしないのだろうか?

今回あらためて感銘を受けた点。復員者である勉が武蔵野の自然をよく観察するようになったのは戦争で南洋のジャングルをさまよった体験による、という設定で、つまりこれは、作者の戦争体験が反映しているということでは「野火」や「俘虜記」とも地続きの作品なのだった。忘れていたよ。

その勉は、従姉である人妻の道子と湖に出かけ、荒天によってホテルでの1泊を余儀なくされる。最初読んだとき、たしか漱石の「それから」(だったかな。違うかも)に似たようなシチュエーションがあったのを思い浮かべたのだったが、はたしてあれは、引用というやつだったのか。

ひさしぶりに小説読みに復帰しそうな感じ。

ところで「武蔵野夫人」は溝口健二によって映画化されていて、もうじき始まる特集上映で見ることができるので楽しみだ。しかし、これ、どんなひとが監督しようと、この構築美を再現することは不可能で単なるメロドラマ以上のものに仕上げるのはきわめて困難、と思うのだが……お手並み拝見といきたい。

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今週の土曜日は下北沢のモナ・レコーズで轟渚さんのライヴがあります。対バンの東京12チャンネル(キュート系ジャズユニット/渋谷系、だそう)のベースは鉄井孝司さんだそう。お楽しみに。

わたしがライナーノーツを担当しました轟さんのライヴ盤、当日に発売されることと思います。こちらもぜひお買い上げのほどを。
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by soundofmusic | 2006-10-17 03:31 | 日記 | Comments(0)

それをなんと呼ぶか

どうあがいても一生にたった1本しか撮ることのできない処女作を、自ら粗末に扱おうとする人間はそうそういないだろうが、だからといって丁寧に心をこめて作ればいい映画になるかといえば必ずしもそうでない。まあそりゃたまには、傑作と呼ばれるような作品が生まれてきたりもするとはいえ、瀬川昌治の「ぽんこつ」のような幸福感にあふれた処女作はそんなにないはずだ。

この、祝福されたといってもよい処女作を見ながら考えていたことは、この資質をいったいなんと形容すればいいのか、ということ。「教養」では大げさだし、「しつけ」にも似ているけどそんなかた苦しいものじゃなし、いくらなんでも「常識」と呼ぶのは失礼(誰に対して?)な、それ。

「それ」とは、具体的にいえば、サイレント映画が、つまりは映画史が、頭ではなく体にしっかりとしみこんでいるということ。とはいえ、瀬川監督は1925年生まれ。いくら子供のころから映画を見ていたとしても、サイレントを浴びるように見ていた世代とは思えない。

しかるに、この古くささはなんだ。絵に描いたような追いかけっこ。まるで音の出るサイレント映画ではないか。しかも、中平康が「月曜日のユカ」でやったような戯画化ではなく、純粋に映画としてそれがいちばんいい方法だと思ったからやったのだ、とでもいいたげな無邪気さがある。なにがすごいって、それが成功しているところ。

なお、同世代の監督としては、岡本喜八、増村保造は24年生まれ、今村昌平、中平康は26年生まれ。まさか増村のほうが年上とは。瀬川のほうがひと回りくらい上に感じられる。

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タイトルの「ぽんこつ」は、主人公の江原真二郎が自動車解体工場で働いているところから。そこにやってくるのが女子大生の佐久間良子。卒論を書くのが面倒で仕方がない彼女は、友達と組んで8ミリカメラとテープレコーダーを持って街に出る。つまり、音と映像による卒論を作ってしまおう、というわけ。

当然のようにふたりは出会い、恋に落ち、最後には結婚してぽんこつ車で新婚旅行に出かけてしまうのだが、結婚する寸前、路上にとめた車の中で初めてキスをする。その前に、きちんとルームライトを消すのだが、このつつましさも、現代では珍しい美徳といえるだろう。

しばし考えると、答えが出た。「それ」はつまり、「育ち」なのだと。家が代々の金持ちだったり、美人の家系だったり、そうしたことにも似た、映画的な育ちの良さ、元から身についている鷹揚さ。それはシネフィル的な教養とは似て非なるもの。そういう、育ちの良い人間にしか作れないものというのが存在するのです。

どんな種類の芸術にも、ときとして、自分の思いのたけをぶちまけるよりも大切なことがあるものだが、そういうことが分からないのは育ちの悪い人間、というか、育ちの良し悪しということが分からない人間であり、そういうやつは、「嫌われ松子の一生」で必死に父親の愛を求めた松子に共感でもしておればいいんである。
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by soundofmusic | 2006-10-14 05:21 | 日記 | Comments(0)

フルコース、デザート、そしてステーキ(レア)

いつも、ある程度まとまったものをちゃんとした形で書こうとして、その結果、1週間に1回くらい単にだらだら長いものを垂れ流すだけになっていることについて、反省しないではないけれど、と「けれど」や「だが」でつないで先を続けるのは悪いクセだ。てきぱき行こう。

ということで。

「嫌われ松子の一生」を見た。これはなんとも評価に困る映画。「下妻物語」もそうだった。こっちはさらに上を行っている。根底にあるのは。面白ければいいという発想。そりゃ面白ければいいというのは。事実なのだが。サーヴィス精神と引き換えに。倫理観を手放すのはどうか。

読みづらいので、元に戻します。

出演した誰だかがたしか「フルコースでデザートまで食べ終わった後に、さらにステーキが出てくるような映画」と言っていて、実際は胃が小さいからそんなに食べられないはずなのに「それお得じゃん!」と思ってしまった意地きたないわたしは、楽しみに見に行って、するとやっぱり、げっぷが出るような映画でしたねえ。ここまで「楽しませなくちゃ」「サーヴィスしなくっちゃ」という強迫観念にとりつかれているひとも珍しいのでは、と思ったものの、これは、「とにかく愛されたい、男に殴られても、ひとりぽっちになるよりははるかにいい」という原理で行動する松子と、意外と似ているのかもしれない。

当然、この松子の原理は、わたしには理解不能なものだ。

結局、松子のキャラクターが、「病弱な妹にばかりかまって自分を愛してくれなかった父親の愛情を求める娘」と類型化されてしまうところがいちばんげんなりするのかもしれず、その材料でここまでゴテゴテした映画を作ってしまうとは、ある意味たいしたもんだ。

役者陣もやたら豪華で、ことに、あまりセリフの多くない脇役に、本業以外のひとたちを多数起用している。これはうまいやり方かもしれない。観客は、自分が顔を知っているひとを見るのが基本的には好きだからだ。

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わたしが気に入ったのは、中年期の松子が住んだボロアパートの隣室の住人で、タトゥー&モヒカンのパンク青年。ガレッジセールのゴリが演じている。ということは、帰宅してから調べて分かったのだが。

お笑い人脈のドラマ・映画への進出は今後ますます加速するのだろうが、そこで思い出したことがある。フランキー堺が主演した戦争映画「与太郎戦記」(監督:弓削太郎)のことだ。

この作品、落語家による従軍記が原作。軍隊でのあれやこれやをおもしろおかしくつづったもので、実際の落語家が多数出演している。見る前は、なるほど、盲点だったな、と思った。毎日のように人前でしゃべる商売の人間に芝居をさせるのはいいアイディアだ、と。

しかし、この映画、おもしろくない。監督の力不足は明白で、さらに、登場したある落語家は、明らかに落語の口調でセリフを発するのだ(そういう演出ではないと思われる)。新兵を叱る上官が落語のご隠居の口調では、困ってしまうではないか。

そうして考えると、現代のお笑いのひとたちの演技が平均としてかなりの水準にあるのは驚くべきことじゃないでしょうか。

オチなし。
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by soundofmusic | 2006-10-09 20:38 | 日記 | Comments(0)

乳の拡大

映画館は空いているほうがいいに決まっているのであって、別に満員の観客といっしょに泣いたり笑ったりしなくたってかまわない。のだけども、映画の日が日曜日と重なったからとはいえ、李相日「フラガール」が朝から満員になるのは、やはり悪いもんじゃない。

いったい、この映画は決して完璧な出来というわけじゃなく、ことにクライマックスのダンスシーンは、各種のミュージカル映画をまったく研究していない跡がうかがわれて、とても残念。しかし、わたしの左隣のおばちゃんは何度も涙をぬぐっていたし、右隣の通路に座り込んでいたキモオタ男(笑い声から推定)は、たびたび下品な笑い声をあげていたから、たぶんヒットは間違いないところでしょう。

とにかく、タカビーなダンス教師を演じる松雪泰子には、一見の価値がある。考えてみたら旬の度合いでは蒼井優に大きく水をあけられているし、ひとによっては「いまごろ松雪?」と言いそうな気さえする。そうした連中を黙らせ、脱帽させるだけの芝居をしている。これぞ熱演。

ひとこと、おすすめです。

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気になった点。立ちションをしていた男が松雪に見つかり、あわててチャックを上げて男性器をはさんでしまう、というギャグ(?)がある。その際、当の本人があわてて「はさまった」というセリフを発するが、これは必要か否か。

また、劇中、松雪が、「あんたなんかにわたしのことなんて分からないのよ!」と言う場面がある。これは必要か否か。

わたしはこれらのセリフを不要と考える。はさまったのは見れば分かるし、「あんたなんかにわたしのことなんて分からない」のはいかなるときでも真実であるから、ことさら口にする必要はないのだ。

とは思うものの、待てよ。どんなにチンプなセリフでもそれなりに聞かせてしまうのが演技であり演出の面白みではないのか。するとさあ、どっちだ。

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いわゆる名セリフと呼ばれるもののうち、かなりのものは、聞き手がそれが発せられた状況を理解していること、に依存する。というか、依存しないものはことわざや格言と呼ばれるのかもしれない。だから、「事件は現場で起こっているんだ!」とか、俺たち終わったのかなバカ始まってもいねぇよ、などといったものは、わたしには何の意味も持たない。

「HEY!HEY!HEY!」を見ると思うこと。こいつらはダウンタウンが出てきた瞬間にすでに笑っているな。面白いかどうか、まだ分からないのに。

いかなる場面でも名言と呼ばれうるセリフは、たとえば石井輝男の「ならず者」で聞くことができる。半乳をさらして誘惑を試みる三原葉子に高倉健が言う、「おれは今朝、朝飯代わりにミルクを2杯飲んできたんだよ」。

なお、この三原葉子の乳はなかなかのヴォリュームがあるが、神代辰巳「地獄」で見ることのできる原田美枝子のそれにはかなわない。ただし、「地獄」の場合、映画自体がさほどおもしろくないため、記憶の中で乳が拡大されたかもしれないことは注記しておく必要がある。

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前回のセットリストが出ました。ご覧ください。→見る。
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by soundofmusic | 2006-10-06 13:25 | 日記 | Comments(0)

リスト Vol.56 2006.09.24 ゲスト:太田健一&高嶋里美 ライヴ:渚とみどりとジョー

***森山兄***
1 MADELEINE PEYROUX / I'M ALL RIGHT
2 BIG AL ANDERSON / IN MY DREAMS
3 GEOFF MULDAUR'S FUTURISTIC ENSEMBLE / FUTURISTIC RHYTHM
4 REESE WITHERSPOON / JUKE BOX BLUES
5 akiko / アイ・ウォント・ユー・トゥ・ビー・マイ・ベイビー
6 LOUIS JORDAN / I WANT YOU TO BE MY BABY
7 江利チエミ / アンチェイン・マイ・ハート
8 DIANNE REEVES / TV IS THE THING THIS YEAR
9 CANNONBALL ADDERLEY / THE STICKS
10 DUKE ELLINGTON / BLUE PEPPER
11 DR. JOHN / MOON RIVER
12 LEON RUSSELL / BLUEBIRD
13 ELLA FITZGERALD / CRAZY RHYTHM
14 黛敏郎 / 君も出世ができる

<コメント>
ゲストの太田さんを勝手に意識して、20世紀ノスタルジアな感じで攻めてみました。

1 名盤『ケアレス・ラヴ』路線を継承し、早くも守りに入った新作『ハーフ・ザ・パーフェクト・ワールド』より。このままつまらない「ジャズ歌手」になったりしないでほしい。

2 元NRBQのギタリスト。ゆったりとしたウェスタン・スウィング。

3 ジェフ・マルダーがビックス・バイダーベックの曲を集めた『プライヴェイト・アストロノミー』より。20世紀では20年代と30年代がいちばんかっこいいと考えるレアなあなたにとってはど真ん中ストライクなアルバムのはず。

4 大女優が歌もこなしたジョニー・キャッシュの伝記映画「ウォーク・ザ・ライン」のサントラより。映画はたいしておもしろくないので、サントラだけ買うのが得策かと。

5 日本のジャズ歌手。小西康陽プロデュースのジャンピーなナンバー。作曲はジョン・ヘンドリックス、オリジナルはルイ・ジョーダン。

6 そのオリジナル・ヴァージョン。ただしこの曲の最良のヴァージョンは雪村いづみの歌っているものだと思います。

7 江利チエミの若向けのベスト盤を誰か編集すべきだと思う。このアーシーなR&Bは、レイ・チャールスや和田アキ子も歌っていたのではなかったか。

8 ジョージ・クルーニー監督のシブい映画「グッドナイト&グッドラック」はいわゆる映画音楽はなく、使われている音楽はすべてTV、ラジオから流れるものか、劇中のステューディオで演奏されているものだったと思う。このアーシーなR&Bはもともとダイナ・ワシントンがヒットさせたものらしい。「ラジオもいいけど、なんてったって今年の流行はTV」と歌うノヴェルティ・ソング。

9 シカゴの「ザ・クラブ」での実況録音とされてきた名盤『マーシー、マーシー、マーシー』は実はステューディオ・ライヴだったらしい。これは2005年に発掘された、同時期に実際に「ザ・クラブ」で実況録音されたアルバム『マネー・イン・ザ・ポケット』より。火を噴くような演奏。ジャズ・ロックというか、こういう音楽のほうに最近はロックを感じますね。

10 これもやはり、ジャズ・ロックというよりロック。『極東組曲』より。

11 本年度新作のジョニー・マーサー作品集より。このひとが歌うと川っていうか、何かどろっとして流れが悪そう。

12 完全にフリーソウルですね。

13 70年代初めくらいのブダペストでのライヴ。バックはピアノ・トリオだけど、変幻自在の歌と演奏があまりにもダイナミック。エド・シグペンのドラムがすごい。

14 日本語のミュージカル映画の最高傑作であろう「君も出世ができる」(須川栄三監督)のオープニング曲。ヴォーカルはフランキー堺。

***太田健一***
1 Johnny Otis / Harlem Nocturne
2 Smokey Robinson & the Miracles / I Gotta Dance to Keep from Crying
3 Four Seasons / Walk like A Man
4 Allen Toussaint / Happy Times
5 The Big Three / Cavern Stomp
6 Irma Thomas / It's Raining
7 Oscar Aleman / In the Mood
8 Lil Bob & the Lollipops / Sweet Soul Music
9 ピラニアンズ / ジャンピン ジャック フラッシュ
10 Asylum Street Spankers / Antifreeze
11 グレイト3 / エデン特急
12 Bob Dylan / Obviously 5 Believers
13 The Esso TriniDad Steel Band / I Want You Back
14 Robert Crumb & the Cheep Suit Serenaders / Home

<コメント>
「Pure Pop ~」の会場で流れてたら楽しいだろうなと思う、
ロックでモンドでガレージでスインギーなGood Time Musicを
選んでみたつもりです。

***森山弟***
1 コーネリアス / Brazil
2 ナチュラル・カラミティ / アンダルシアの月
3 Van Morrison / Jackie Wilson Said (I'm In Heaven When You Smile)
4 Linda Lewis / Sideway Shuffle
5 Monochrome Set / The Jet Set Junta
6 サニーデイ・サービス / 情景
7 Lucinda Williams / Ventura
8 Ben Harper / Ground On Down
9 Geoff & Maria Muldaur / Brazil

<コメント>
1 未来世紀ブラジルのあの曲のカバーです。5年ぶり出るらしい新作を祝って。

2 日本が誇るチルアウト番長。今年の夏はこれで乗り切りました。

3 今回のおみやげCD(「天国と地獄」)からこぼれたので。ヴァン節です。

4 あのリバイバル・ブームの大騒ぎの後、今になってみると流行り廃りを超えた普遍性すら漂うアーティスト。英国のキャロル・キング?

5 邦題「我ら有閑ジェット族」。なんだそれ。英国ネオアコースティックの金字塔。

6 シングル「夢見るようなくちびるに」のカップリング。サニーデイはアルバム未収録曲も侮れません。

7 オルタナ・カントリーの女性SSW。ゲストの太田さんに教えてもらって以来、今年はずっと聴いてます。

8 ロック、ブルーズ、ゴスペル、レゲエ、フォークをすべて飲み込んで、縦横無尽に渡り歩くカリスマ。異様なテンションのセカンド「ファイト・フォー・ユア・マインド」より。

9 未来世紀ブラジルのあの曲です。

***ライヴ:渚とみどりとジョー***
1 さようなら
2 鯰
3 とおい日々
4 like someone in love
5 秋の気配
6 ぷかぷか
7 けむり

轟渚(ヴォーカル、メロディオン)、江藤みどり(フルート)、ジョー長岡(ガットギター)によるアコースティック・ユニット。1、3、7は轟さんの曲、2はジョーさんの曲、4はジャズスタンダード、5はみどりさんの曲、6は西岡恭蔵のカバーです。

***高嶋里美(Super Seeder)***
1 CRESCENT AND FROST / KATIE
2 TOM PETTY / THIS OLD TOWN
3 BRUCE SPRINGSTEEN / LONG TIME COMIN'
4 SON VOLT/ AFTERGROW61(radio mix)
5 THE RESENTMENTS / YOU DON'T KNOW MY MIND
6 CREEDENCE CLEARWATER REVIVAL / DOWN ON THE CORNER
7 JACK JOHNSON WITH BEN HARPER / WITH MY OWN TWO HANDS
8 TIM EASTON / BACK TO THE PAIN
9 THE MINUS FIVE / THE TOWN THAT LOST ITS GROOVE SUPPLY
10 WILLIE WISELY / DRINK UP
11 GLEN PHILLIPS / EVERYTHING BUT YOU
12 AVION / LOVED
13 CHEAP TRICK / NEVER HAD A LOT TO LOSE

5,9,13は来日記念です。全部楽しみです!
トム・ペティはあいかわらずかっこいいですね。

***森山弟***
1 Brian Wilson / Good Vibrations
2 Idha / Troublemaker
3 コレクターズ / ハッピー!ハッピーバースデイ パーティー
4 スクーデリア・エレクトロ / 一万マイルの彼方へ
5 Fiona Apple / Across The Universe

<コメント>
1 完成に四半世紀をかけて2004年にようやくリリースされた「スマイル」より。泣くほどではないけどある程度感動的です。ちなみに僕は仕事で疲れると「サーフズ・アップ」のジャケの生き物のようになります。

2 ライド~ハリケーン#1~オアシスのアンディ・ベルの奥さん。英国フォーク方面からも好評価のSSWです。

3 自らの誕生日を祝ってみました。

4 個人的には日本でいちばん思い入れのあるグループでしたが、残念ながら昨年活動停止。もうこういうグループは出てこないでしょう。

5 ビートルズのカバーです。今まで聴いた中では文句なしに最高。日本盤にしか収録されていないので注意してください。

***森山兄***
1 CHRIS CONNOR / IT'S ALL RIGHT WITH ME
2 ERROLL GARNER / SPINNING WHEEL
3 野宮真貴 / エレガンス・アンダー・ウォー
4 UGLY DUCKLING / RIO DE JANEIRO
5 OS 3 MORAIS / FREIRO AERODINAMICO
6 THIN LIZZY / LOOK WHAT THE WIND BLEW IN
7 オリジナル・ラヴ / タッチ・ミー

<コメント>
1 ずっと顔がキライで聴かずにいたクリス・コナー。轟さんのCDのライナーを書くにあたって、轟さんの愛唱歌でもあるこの曲が入ったベツレヘム盤が今、新品国内盤が1000円なので買ってみた。クールな白人ヴォーカルはやっぱり好きです。

2 なにかを検索していてたまたま見た小じゃれたレコ屋のHPで、エロール・ガーナーがB,S&Tのカヴァーをしてると書いてあって、そういったものには当然のように飛びつくわけです。CDも出ていたのでさっそく購入。ピアノ・トリオ+コンガ。この手の、ジャズのひとによるロック系ヒット曲のカヴァーの中でもかなり出来のいいほうだと思います。

3 レコード番長こと須永辰緒プロデュースのアルバム『ドレスコード』より。菊地成孔の詞は小西康陽を大いに意識しつつも、小西には書けない領域に踏み込んでいて脱帽です。鍵盤とアレンジを太宰百合というひとがやっていて、気になって調べてみたら元ビンゴボンゴ。ユースケ・サンタマリアの同僚だったわけです。

4 音を聴いた限りだとどんな格好のひとたちなのかいまひとつ想像のできないヒップホップ。頭はややよさげな感じです。

5 ブラジルのコーラス・グループ。マルコス・ヴァーリのカヴァー。

6 ファースト。ダイナミックな音像で、自宅で聴いてびっくりしました。ロックの録音の理想系だと思います。

7 ドアーズのカヴァー。

***おまけCD「HIGHER THAN HEAVEN, HOTTER THAN HELL」曲目***
1 PETER HOLSAPPLE & CHRIS STAMEY / ANGELS
2 DAVE EDMUNDS / HELL OF A PAIN
3 MONOCHROME SET / THE DEVIL RIDES OUT
4 スピッツ / 僕の天使マリ
5 BRIAN SETZER '68 COMEBACK SPECIAL / HELL BENT
6 ゆらゆら帝国 / 悪魔がぼくを
7 BECK / DEVIL'S HAIRCUT
8 LOS LONELY BOYS / HEAVEN
9 WILLIAM GALISON & MADELEINE PEYROUX / HEAVEN HELP US ALL
10 STEVIE WONDER / EVIL
11 フィッシュマンズ / 頼りない天使
12 RON SEXSMITH / SNOW ANGEL
13 オリジナル・ラヴ / 守護天使
14 CURTIS MAYFIELD / (DON'T WORRY) IF THERE'S A HELL
BELOW, WE'RE ALL GOING TO GO
15 ANTONIO CALROS JOBIM / GOD AND THE DEVIL IN THE LAND OF THE SUN
16 JAY McSHANN / BLUE DEVIL JUMP
17 ROSE MURPHY / PENNIES FROM HEAVEN
18 高田渡 / 私の青空(マイ・ブルー・ヘヴン)
19 THE DITTY BOPS / ANGEL WITH AN ATTITUDE
20 JACKIE & ROY / WINDS OF HEAVEN
21 NICK LOWE / HOW DO YOU TALK TO AN ANGEL

☆天国、地獄、天使、悪魔といったテーマにて選曲しました。
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by soundofmusic | 2006-10-02 01:27 | PPFNPセットリスト | Comments(0)