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頭のよくなるブログ

自分内での通称「頭のよいひとのブログ」で、狩野丈二というドラマーについて書かれていたのでそれを読んで、(少なくとも意識的には)初めて、このひとのプレイを聴いた。そしてぶっ飛んで、名前を覚えた。

上記リンク先にいろいろ載ってますが、忙しいとかめんどくさいとかそういう理由で読むのがめんどくさいというひとは、お願い、ここだけクリックして、キユーピーのCMを見てみてください。たとえばアート・テイタムのピアノを聴くと、ああ、「ピアノは完全楽器」というのはこういうことか、と納得するわけですが、このCMを見ると、なんだ、ドラムも完全楽器じゃん、と錯覚しそうになる。そう思わせてくれるドラマーは、シェリー・マン、エルヴィン・ジョーンズ……あと誰だろう、あんまり思いつかない。とにかくよく歌っていて、すばらしくドライヴしている。

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いい音楽を探すのは難しいけれど、決して苦行な訳ではない。これぞと思ったものに出会ったときに、即断して見逃さない技術と、いくつかの名前をしつこく覚えておく程度の記憶力があればいい。いつも言っていることだけど、くだらない異性と交際したり、義理の飲み会に出る時間と金を少し振り分ければいいだけのこと。

効率よく探したいひとは、このブログで紹介されているようないくつかのDJイヴェントに行くと良い。というか、「黒の試走車」は本当に勉強になるし、楽しい。この間も、azさんとSZさんおすすめの比屋定篤子のCDを買った。90年代末ごろにメジャーから3枚のアルバムを出していて、ここ数年またゆるやかに復活しているらしいひと。名前だけは聞いたことがあった気がしたが、CDを初めて聴いてみて、愕然とする。これだけの音楽を作っていたひとが、まがりなりにも音楽好きのわたしのところにいままで届かずにいたってことに。

もっとも、そういう驚きがなくなったら本当につまんないだろうしね。「過激なまでにノンジャンル!」(azさんによるキャッチコピー)なイヴェント、「黒の試走車」をヨロシク。次回は11月10日(土)。

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フィルムセンターではインド映画の大特集が開催中で、今週はいよいよグル・ダットの「渇き」が登場。この監督の「紙の花」は知的でゴージャスで、インド映画だからいつまでも終わらないような歌と踊りとがあって、インドの「サンセット大通り」と言いたくなるような素敵な映画だったからね、「渇き」も楽しみ。

昨日はサタジット・レイ「大樹のうた」を見てきて、こちらもよかった。インド人からしたら、外国市場向けのお行儀のいい映画、と思うんだろうなという気もしたけれど、国際会議で、映画という共通言語で堂々たるスピーチをやってのけた、という印象。叩きつけるような雨や、ヴェランダのはるか向こうにかすんで見える操車場の描写にはぐっと来るし、見ながら、黒澤や内田吐夢や、デ・シーカを思い出したりしていた。

名作名作したところが気に食わないひともいそうだけど、やはりこの絵ヂカラ、ちょっと文句のつけようがないと思いました。
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by soundofmusic | 2007-10-29 21:34 | 日記 | Comments(0)

頼むから隣に座るな

東京国際映画祭の特別企画、「映画が見た東京」が、なかなかいいです。珍しいものと珍しくないものをうまい具合に取り混ぜていて、一度見たものもまた見直したくなる。つまり、DJならぬFJ(Film jockey)として、優秀。

ただしいかんせん作品数が多くて、しかも1回きりの上映だったりするもんだから、さすがに通いきれない。10本くらい見たかったけど、結局行けたのは3本。村山新治「警視庁物語・顔のない女」、豊田四郎「如何なる星の下に」、柳町光男「十九歳の地図」。3本とも程度の差こそあれ傑作ぞろい、しかも、今回の企画意図にばっちりはまってもいた。

終始荒川沿いに物語が展開される「顔のない女」は、東京がいかに水に密着している都市であったかを鮮やかに描き出していた。やっぱり水辺というのはいつでも気になる。「如何なる星の下に」は岡崎宏三のカラー撮影が絶品。池部良からのプレゼントのドレスを着た大空真弓が、スポットライトのような照明を浴びて仲間たちに囲まれるところが見たくて再見。やっぱりここが最高。ほかも最高。「十九歳の地図」の鬱屈感の表現もちょっと類を見ない。さすがにもう、共感はしないけれど。板橋文夫によるスピリチュアル・ジャズ風の音楽が良し。ちょっと「人妻集団暴行致死事件」の音楽を思い出した。

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というわけで、いろいろ気になる作品多数。26日(金)にお暇なあなたは、わたしの代わりに須川栄三「野獣狩り」と、土本典昭「ドキュメント 路上」を見てきておいてください。ぜひ。

まだ足を踏み入れたことのない神保町シアターの特集「昭和30年代ノスタルジア」も、全然行けそうにないけれど、これも何本か拾っておきたいところ。

考えてみたら、いまの時期はとくに、東京ではものすごい量の映画が上映されているわけで、仕事していなくっても全部フォローするのは不可能なのだった。

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と、ここまでは前フリ。山形で映画熱に浮かされて、帰ってきてから反射的にチケットをとってしまったけれど、ほんとは東京国際映画祭には行くつもりはなかった。理由……全席指定だから。

今回見た3本、そんなに混んでなかったから、上映が始まる寸前に勝手に空いた席に移動したけれど、それまではおとなしく指定された席に座って待っていたら、空いているのに隣にひとが座ってくる。これ、すごくイヤなのです。コンサートだったら全席指定でも仕方ないと思えるのだから映画館だとやだ、ってのは説明がつかない気もするけど。なんででしょね。

それよりも、なにがいやだって、空いているのに、自分の見たい席に移動するのをまるで悪いことみたいにこそこそやんなきゃいけないってのがやだ。気が小さいんだからさ。
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by soundofmusic | 2007-10-24 01:54 | 日記 | Comments(0)

童貞、海を渡る

先週の「黒の試走車」にお越しいただいたみなさん、どうもありがとうございました。次回、11月10日(土)は、意表を突いたゲストをお迎えする予定です。また、12月16日(日)には、おなじみのエッジエンドにて、年末特別企画「黒の超特急」を開催予定。「試走車」が気になってるけどなんだか場所がよく分からないし……とか死ぬほどくだらない理由で尻込みしているそこのキミらのための、頼まれもしないのに拡大版ですよ。なお、その前の週、12月8日(土)はメスカリートで通常版の「試走車」ね。あと、11月24日(土)のPPFNP、現時点ではグッド・タイム・ミュージックの伝道師、太田健一さんと、みんな大好きタエラマンさんの出場が決定済み。お楽しみに。「映画のポケット」第2回は来週の土曜日、27日。原田和典がゲストらしい。

ごちゃごちゃしすぎてて分からないと思いますので、もう一度よく読みなおしてください。近くなったらあらためて個別に告知します。

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ここ1週間で行ったのは、新文芸坐のクラシック特集、ラピュタ阿佐ヶ谷の松林宗恵特集、フィルムセンターのインド映画特集。あと、早稲田松竹でミシェル・ゴンドリーの2本立て「エターナル・サンシャイン」「恋愛睡眠のすすめ」を見ました。説明するのがめんどくさいのでしませんが、2本とも、よくこんなこと考え付くなあ、とほとほと感心。

「エターナル~」の脚本はチャーリー・カウフマン。彼の書いた「マルコヴィッチの穴」はハッタリかましているだけと感じた記憶しかなく、その後の脚本作「ヒューマンネイチュア」と「アダプテーション」はたぶん見てないんだけどなんとなく見てしまったような気もして、思い出せない。そのへんがカウフマン・マジックか。

「エターナル~」は相当にアクロバティック、でも見ていて普通に分かるし、楽しめる。何度も公言しているとおり、いわゆる謎解きものには基本的には興味はなくて、それは高度に複雑化したゲームを内部の人間だけで楽しんでいる感じがキライだからなのだけど(物事なんでもそうじゃないのかという疑いはとりあえずさておき)、「エターナル~」には、もっと根源的な喜びと驚きがあったなあ。生まれて初めて推理小説を読む喜びはこんな感じかもしれない。

ただしわたしは、「エキセントリックな女で点を稼ごうとする映画」に対しては点が辛くなるので、この映画を全面的に評価はしない。残念。

「恋愛睡眠のすすめ」は監督自身が脚本を書いていて、やりたい放題度はさらにアップ。夢と現実の境目が不明確になるってのは昔から山ほどあるけれど、いわゆる芸術映画ではなくここまでポップでカラフル、かつ悪夢的に仕上げているのは数少ないんじゃないでしょうか。コマ撮りアニメを多用したり、けっこう手間のかかることをやっていて、なおかつ、いい意味で隙がある。うまくいかないたとえをするなら、一見お菓子で作った懐石料理みたいなんだけど、食べてみたら懐石料理だった、とでもいうか。

漂いまくりの童貞感。童貞=カッコイイ、という思想がついに海を渡ったか。
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by soundofmusic | 2007-10-20 09:47 | 日記 | Comments(0)

山形では誰も映画の話なんてしていなかった

山形国際ドキュメンタリー映画祭に行ってきました。1週間以上の会期中、わたしが現地で過ごしたのは丸3日だけだったけれど、収穫は大きい。3日間で11本という本数は、東京でも容易に実現可能なのでそれは問題ではない。

多くの作品で、言語/撮影地/監督や出演者の国籍が必ずしも一致しておらず、したがって映画自体の国籍を規定することも難しいのだけど、わたしが見た映画のだいたいの「国籍」は、イスラエル、ウクライナ、シリア、日本、アメリカ合州国、フィンランド、デンマーク、ドイツ。こうして並べただけでも、貴重な場が突発的に出現している様子が少しは分かるのではないかと思う。

主要な会場は市街地にかたまっていて、みんなだいたい歩いて移動する。考えてみれば、ものすごいこと。散歩するのにちょうどいい規模と町並みを持つ小都市は少なくないだろうし、多様な国籍の映画を短期間でまとめて見ることは、東京では難しくない。しかし、その両方を兼ね備えた場所となると……。

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ドキュメンタリーという言葉をことさらにとらえる必要はない。映画には面白いのとつまんないのとがあるだけなのだし、もっといえば、この世には映画な物とそれ以外な物があるだけなのだ。

たまたま隣に座ったひと、列の前後に並んだひと、酒の席で一緒になったひと、などなどに、いきなり話しかけるのが許されているのを見ると、ここははたして、本当に、自分の知っている日本なのだろうか? と、喜びとともに自問せざるをえない。わたしはいわゆる“映画ファン業界”とは無縁の人間だけれど、それでも、いくつかの予期せぬ会話を持った。充分すぎるほどに。

そして、ここでは誰も、映画の話などはしていない。映画の話のように聞こえるのは、みんな、「山形に来てよかった」「また山形に来たい」「山形は素晴らしい」「山形で映画を見たい」と、ただひたすら賛辞を送りあっているだけなのだ!

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ハービー・マン=チック・コリア『ザ・コンプリート・ラテン・バンド・セッションズ』。おそるべきアルバム。60年代半ば、コリアが在籍していたマンのグループによる3枚のLP(ステューディオ盤1枚、ライヴ2枚)に、ボーナストラックを加えたCD2枚組。

音を楽しむと書いて音楽、とは、いかにも陳腐な物言いだけれども、泣く子も踊る、鬼気迫るのに笑っちゃう、ハービー・マンのバカ笛は、楽しいとかいう次元をはるかに超えている。彼の全盛期というのも異様に長くて、60年代ははじめっから最後までほぼハイ・テンションのままだった印象。そんななかでも最上級に位置するであろう時期の作品がまとめて聴けるお得盤です。

とくに『ラテン・マン』は、CDは日本盤しか出てなかったはず。猛烈な「ホワッド・アイ・セイ」、ハードコア・アブストラクトなラテン・ジャズ「セニョール・ブルース」など、名演。およそラテン・ジャズに興味のあるひと、必聴。というか、ラテン・ジャズに興味のないひとっていうのがいるのかどうか、よく分からない。いないよねえ?

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ということで、明日です。道玄坂を上りきった先にあるバー、メスカリートで毎月第2土曜日に開催するDJイヴェント「黒の試走車<テストカー>」。ラテン・ジャズもかかります。

☆「黒の試走車<テストカー>」Vol.8
2007/10/13(土)19:00~23:00
@渋谷メスカリート
地図
チャージ:500円+1オーダー(500円)
DJ:森山兄、マジック、チバ、ichi、az

*過去分のナイスな選曲は、mixiコミュニティをご参照ください。ダテにみんな歳くってないんだぜ。

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9月のPPFNPセットリスト、完全版に更新されました。
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by soundofmusic | 2007-10-12 14:05 | 日記 | Comments(0)

続・ギターを弾く男たち

昨日、ちちぼうろのラスト・ライヴ、行ってきました。オガワテツヒロAZUMIとの、合計3組。

オガワテツヒロは、いうならば、HARCOとテリー・キャリアーとホセ・フェリシアーノを足して割ったような感じ。「恋は桃色」のフリー・ソウルなアレンジにはたまげた。

キャリアが長いようですが演奏時間も異様に長かったAZUMI。疲れた。終わるかと思うといつまでもやっているものでなかなか1曲が終わらない。初期ジルベルト・ジルのだらりとしてファンキーな匂いが漂ってきていました。

で、ちちぼうろですが、やはり2本のギターの絡みがいいなあと。どっちがどっちの出している音だか分からなくなって、なめらかに溶けていくその瞬間がよかった。ジョーさんは以前、バート・ヤンシュに似てるプレイだといわれたことがあるそうですが、昨日、たしかに、96年ごろに西新宿のロフトで見たバート・ヤンシュ状の人物が、そこにいたよ。

三者三様、ギターという楽器をどう考えるかの研究発表みたいな趣もあって、興味深かったです。といっても、別段ワークショップみたいなライヴだったわけではないんですが。ギターは完全楽器といわれますが、それはつまり、たいていのギタリストは楽器の持つ潜在能力を引き出しきっていないという意味です。たぶん、そういう発想すらないギタリストが多いんじゃないかと思う。

で、昨日の3組4人のギタリストは、ギターの持つ可能性について真摯に考え、とてつもない敬意を払っているひとたちだと思いました。体はくたくたでしたが、大いに刺激を受けて帰ってくることができて収穫。受けた刺激をどう返していくかは、さあ、これから。
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by soundofmusic | 2007-10-07 10:54 | 日記 | Comments(0)

ご連絡

訂正というか連絡が2点。

まず、先日のPPFNPのオマケの冊子に書いた、白木秀雄クインテットの「サヨナラ・ブルース」について。その曲が収録されていたオムニバス『ビッグバン・ブロウ』の解説に1959年録音と書いてあったのに作者のホレス・シルヴァーによる録音は1962年が初出なのでおかしいな、という話。

実はこれは、『ビッグバン・ブロウ』記載のデータが誤っている、らしい。シルヴァー自身のグループによる録音は1962年の7月におこなわれている。それが入ったアルバム『トーキョー・ブルース』の発売は同年の秋か年末、あるいは翌年初頭だろうか? 白木は62年の9月にニューヨークを訪れ、シルヴァー自身からこの新曲の譜面をもらったのだとか。録音が世に出たのは白木のヴァージョンの方が先だと聞いたような気もするが、すいません、わすれました。

この件、細かい年月についてはわたしの記憶違いもあるかもですが、要はそういうことです。

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11月のPPFNP、ライヴが入るかもと非公式に予告しておりましたが、すいません、もろもろの事情でなしになりました。DJのみの5人編成で決行します。ゲストの顔ぶれは、決まり次第お知らせします。

ところで、「顔ぶれ」っていままで何度も使ったことがある単語ですが、急に「手ブレ」みたいなニュアンスに感じられてきた。顔がぶるぶる震えてブレブレなイメージ。そう、ちょうどQBB「中学生日記」のデ~ィ~フィ~カ~ルト~みたいに。
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by soundofmusic | 2007-10-03 14:08 | 日記 | Comments(0)

CDが回ったりページがめくれたりする音

PPFNPの名付け親であるところの(ただし本人はこんな息子がいることは知らない)ニック・ロウが、PPFNP10周年を祝って(と思っているのはわたしだけ)リリースしてくれたアルバム『アット・マイ・エイジ』を、やっと買った。発売からの3か月、中古屋で値段が下がるのを丹念に観察していた。あと2か月待てば1000円を切っただろうけど、まあよしとする。

前作『ザ・コンヴィンサー』は、さながら、ニックとアメリカ音楽の二人羽織、もしくは腹話術のようなアルバムだったけれど、あれから6年たって、アメリカ音楽への傾倒具合はさらに深化。いや、そんな言い方ではしっくりこない。もう、レシ裏の落書きも、寝小便で描いた地図も、畳の上に寝転んだときの体のシルエットも、彼にかかればすべてがアメリカ地図になっちまうんではないかと思うくらいの同化ぶり。

全曲、できたてほやほやのオールディーズみたい。といっても、「考えるヒット」で近田春夫が批判しそうな、ある雰囲気を形成するためのそれではない。これみよがしでなく、ごくごくひっそりと加えられたゴスペル風のコーラスが泣ける。もう20年くらい前から、いぶし銀とか、聴き込むほどに味が出る、とか、紋切り型の形容で愛されてきた彼だけど、21世紀になってからの作品(といっても、2枚だけ)は、ルーツ音楽の解釈において決して革命的ではないかもしれないが、なにか空恐ろしい段階に到達している。農作業でもするような演奏。

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文庫になる様子もなく大絶賛品切れ中であるらしい小西康陽「これは恋ではない」はとてもカッコイイ本で、あー、死ぬ前に1冊くらい、こういうイカしたコラム集を出してみたいもんだなあ(書けないが)、と思わされたものだけど、一昨日、安田謙一「ピントがボケる音」(国書刊行会)を読み始めたら、5分くらいで、あ、こういう本があるんだったらもう死んでもいいや、と打ちのめされる思い。で、まだ死なずに読んでる途中。

『ラモーンズ・マニア』か『コマーシャル・アルバム』か『ミニチュアズ』かというくらい、短くて濃くて楽しいコラムがぎっしり。少なくとも、このたとえが分かるあなたは必読、と申せましょう。

一箇所だけ引いておく。この間、北林谷栄について考えていたのだけど、その彼女を始め、いい感じのおじいちゃんおばあちゃん俳優が出ている今井正の「喜劇 にっぽんのお婆あちゃん」(また見たい)について書かれた、こんな文章。

映画の中の北林扮する老婆が、ラーメンの鉢を持ち損ねて畳の上に引っ繰り返すシーンに、観客の何人かが、「あっ!」と声を出して反応した。その瞬間、背中に電気が走った。いいものを見た、と思った。

こちらこそ、いいものを読ませてもらった、と思った。ところで以前わたしも、吉村公三郎の「婚期」を見に行ったときに起こった、似たような状況について書いたけれど、ここで卵を床に落としてしまうのも、たしか北林ではなかっただろうか?

ところで、この安田本のタイトル、中村とうようの「地球が回る音」の引用だとばかり思っていたがよくよく見たらそんなに似てなくて、そもそも、いま調べたら、「地球が回る音」って、オノ・ヨーコが元ネタなのね。勉強になりましたぁー。

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新聞や雑誌には載らないニュース。

Lilmag BLOGの記事で、ロンドン、レックレス・レコーズの閉店を知る(半年も前だ!)。こういうことを書くとスカしてると思われるかも知れないけれど、ここは本当にいい店。もちろんロンドンでいちばん多くの時間を費やす場所はミュージック&ヴィデオ・エクスチェンジなわけですが、コスト・パフォーマンスはむしろこっちのが上だったかなあ。

「フレンチ・カンカン」の日本盤DVDは、たしか小ぎれいなカムデンの支店で買った。イズリントンの支店も、さほど大きくない店なのに行けばだいたい3枚、5枚といい買い物ができたし、ソーホーの店ではジャズのレコードをいろいろと、ずいぶん安く手に入れた。たぶんうちには、レックレス産のアナログ盤が少なくとも50枚くらいはあるはず。

で、閉店の理由は例の如く、みんなインターネットで買うようになってしまったから、だそう。店のサイトには、「there's unlikely to be a resurrection.」だとか、「There were lots of good times, but they've gone and it doesn't look promising for similar businesses.」だとか、なんとも悲しい言葉が並んでいる。まったく、いつまでもあると思うな中古盤屋、である。いつになるか分からないけれど、今度ロンドンに行ったら、帰りのカバンには若干の余裕ができてしまうかと思うと残念でならない。

なくなったのを偲んで初めてそれについて書くってのは、なんか口惜しいね。ま、シカゴにはまだあるらしい。しかも、昔のロゴで。

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9月のPPFNPセットリスト、暫定版が公開中です。
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by soundofmusic | 2007-10-02 13:37 | 日記 | Comments(0)