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転がる映画

ラピュタ阿佐ヶ谷で大島渚の「悦楽」を見て、今年の劇場通いを終えました。

なんだかむやみにいそがしい年だった(遊びが)。夜遅く帰ってきてからさらにダラダラとネットをやって、睡眠時間がずいぶん削られました。風呂もずいぶん省略してしまった。見た映画の本数より入浴回数の方がだいぶ少ないというのはなにか問題がある気がする。是正したい。

みなさんも1年間のあれやこれやがおありでしょうから、ぜひとも「サウンド・オヴ・ミュージック」のアンケートにご参加ください。要項の紙をお持ちの方は、それをご参照のこと。

アンケートがどういうものか分からない方は、現物にあたっていただくのがてっとりばやい。2006-2007年度版はこちらをご覧ください。本来は、これが冊子になっています。

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さて、60年代の大島作品の中でも言及されることの少なそうな「悦楽」ですが、とりあえずそれもうなづけます。なんだか2時間ドラマみたいなんだもん。しかし、かといって面白くないかというとそんなことはなく、なかなか楽しみました。

公平に見れば、プログラム・ピクチュアとしても大島作品としても中途半端なできそこない、という評価になるんだろうけど、ハンパモンにはハンパモンなりのよさがある。まさか監督がそんなよさを追求したわけじゃないにせよ、ね。

中村賀津雄と樋口年子が海に入っていって波にもまれるところとか、それに続くキス・シーンの見事なメロドラマっぷりは、さすがは大島、「松竹の子」であるな、と納得させられるし、折に触れて姿を現す小沢昭一の切れ味も見ごたえあり。そして高田昭の撮影と浦岡敬一の編集も、イイ仕事です。

けっこう話はすっとこどっこいではあるものの、ふとここで思い付きを述べるなら、松竹メロドラマの変奏/発展形、ということで、「秋津温泉」とかと並べてみるのもおもしろいんでないの。

「大島渚」という名前のまっすぐな線を引いたとき、これとか、「天草四郎時貞」なんかはそこからはみ出しているから積極的に無視されるんでしょうが、おもしろい映画は思わぬところに転がっているから油断ならないぞ、という年の瀬の教訓を与えてくれる1本でした。

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今年も1年間どうもありがとうございました。みなさまよいお年を。

1月は12日(土)に「黒の試走車」、26日(土)にPPFNPです。26日はゲストに板橋くんが決定しております。よろしくどうぞ。
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by soundofmusic | 2007-12-30 21:12 | 日記 | Comments(0)

音と言葉をめぐる三題

「サウンド・オヴ・ミュージック」を置いてもらっているオンラインショップ、Lilmagで買い物をしたので少しずつ紹介していきます、と以前に書いたような気もするし、もしかすると書いていなかったかもしれないのだけど、なんだかんだでだいぶ日がたってからようやく、「三太」のvol.8(品切れ)とvol.9を読んだ。

内容、というか紹介はリンク先に載っているし、「音と言葉をめぐる批評」とのサブタイトルにはまったく偽りがない。ただ、両面印刷したA3の紙を4つ折にしただけの極めて簡素なつくりの紙面に、ぎっしりと情報が詰まっている様子、こればっかりは実物を見ていただくしかない。

届いた実物を見てまずはたじろぎ、しばらくほったらかしにしておいたあと、電車の中で食い入るように読んだ。というのは、あまりに字が小さいので、食い入るように読む以外の向き合い方はほぼ不可能なのだ。虫眼鏡を使うか、拡大コピーするかでもしない限り。

内容も、食い入るに値いするものだった。このペーパーに執筆しているのは即興演奏系の音楽家の方々が多いようで、自然と話題もそちら方面に傾く。なじみのない人間にもとっつきやすい、というとウソになるけれども、音楽について真摯に考えたことのあるひとには少なからず刺激を与えてくれるだろう。ということはつまり、ことは音楽にとどまらない。

具体的に誰に勧めたらいいかよく分からないのだけど、自分の周りの空気をかきまぜ、脳ミソに風を送ってくれるペーパーであることは間違いない。ぜひ読んでみてほしい。

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音楽には言葉はいらない、と言われればまったくそのとおりなのだけど、ある音楽がしかるべき聴き手に届くためには、やはり言葉(と金)が介在する必要があるんじゃないだろうか。

だから、別に自作の解説をしろとかいう意味でなく、ミュージシャンはある程度、自分のやっていることを他人に説明できたほうがいいと思う。それはマネージャーの仕事だとか、レコード会社がやるべきだ、という考え方もあるだろう。まあ、好みの問題ですが。

@niftyで、一線のミュージシャンと中学生、高校生が対談する連載「わかば対談。」が始まっていて、これ、面白いです。小西康陽と、ドラムをやっている中学生けいすけくんとの対談がこちら。小西が音楽について、自分の仕事について、真摯に語りかけていて、うーん、含蓄がある。

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d0000025_163485.jpg最近、もうひとつおもしろいフリーペーパーを手に入れた。写真の「ルリ祭り堂通信」。シネマアートン下北沢に置いてあったところを発見。A4のふたつ折だから、大きさは「三太」と同じ。

いまどき完全に個人のフリーペーパー、しかも全部手書き。なおかつ内容が、自分の持っている録画した映画のヴィデオ・テープを紹介し、それをプレゼントしてしまおうというユニークなもの。

ご覧のとおり第1面は「幻の湖」。で、開いたところに載っているデイヴィド・リンチに関する文章が最高です。センスがよくて目が確かで敷居が低い。年末の大収穫。

最近とくに、金を出して買った本と、身の周りのひとの書いたものやネット上の文章とが、楽しみとして同じくらいの比重になってきているのだけど、「三太」しかりこの「ルリ祭り堂通信」しかり、書籍でも雑誌でもネットでも読めない面白い文章は、いくらでもある。油断してはならない。
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by soundofmusic | 2007-12-26 16:05 | 日記 | Comments(0)

歌で死ぬ

もう1週間近くたってしまっていますが、日曜日の「黒の超特急」、おかげさまで無事終了しました。ありがとうございました。

元ちちぼうろのジョー長岡さんのエレピと、今井良英さんのパーカッションをバックにした轟渚さんのうた、いつもながらにあったかいものでした。未体験の方には「轟さんの歌に出会う」という人生の大きな楽しみが待っているわけだ。これはうらやましい。

当日は、DJ5人の順番も狙い済ましたような絶妙さでした。森山がトップで、次いでクワイエット・コンフォートなチバさん→SZさんのシティ・ポップ大会→轟さんたちのライヴ→ファンキーazさん→ファンキーでありつつもロック、フラメンコもまじえたカオスなマジックさんで〆、という。

森山のかけた曲です。ふだん選曲のとき、テンポが遅いとそれだけではじいているのですが、今回は意図的にそういった曲で固めてみました。たいへん新鮮でした。

01.ジングル・ベル・マンボ/雪村いづみ
02.Soiree/Bill Evans
03.「夏の妹」より/武満徹
04.「女が階段を上る時」より/黛敏郎
05.All Too Soon/Lambert, Hendricks & Ross
06.白い朝まで/松任谷由実
07.壊れた船/カーネーション
08.Please Be Patient with Me/Wilco
09.Amsterdam/John Cale
10.セヴンティーン/ピチカート・ファイヴ
11.Shipbuilding/Robert Wyatt
12.Lover's Song/マア・チャン

次回の「黒の試走車」は、通常どおり、1月の第2週土曜日(12日)19時から、メスカリートで開催です。ちょっと例を見ないくらいレンジの広いイヴェントだと思いますので、欲張りな耳を持ったひとでも充分楽しんでもらえると思います。

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その前日の15日(土)は、千駄ヶ谷で長谷川健一のライヴを見てきました。

京都で活動してきているひとで、関東でも耳の早いひとには知られているのかもしれませんが、mapからアルバム2種が同時リリースになり、タワレコなどではけっこう目立つ展開がなされている模様。mapのブログなどを見てみてください。

わたしの耳はある程度信用してもらっていいと思いますが、これはなかなか特別な音楽です。これだけ不定形な揺らぎを含んだ音楽はそうそうない。ふだん気にも留めていなかった曲がり角をふと曲がってしまったような、電話しながらえんえんと落書きし続けたらいつの間にかできてしまった壁画のような。

コードもメロディも予想を裏切るような形で進行しますが、計算ずくのアクロバット的な構築美ではなくて、いままさにその場でできてしまったような音楽。

森山のケチっぷりを知っているひとには、ライヴを見て即決で新品でアルバムを買った(1500円だけど)、と書くと彼がいかに大事件の名に値するかをお分かりいただけるはず。YouTubeにもいくつかライヴ映像が上がっていますし、試聴できるところも探せば普通にありそうなので、ぜひ試してみてください。

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15日はジョー長岡さんが対バンで、もともとそれなもんで出かけていったのですが、このカップリングは個人的にもとても興味深かった。ちちぼうろで聴き知った曲の数々が、ジョーさんのギター1本で歌われるのもなんだけど、ジョーさんと長谷川さんの、ギターに対するアプローチの違い、見ていて楽しかったです。

ギターをやるひとには、そんなもん当たり前じゃないか、といわれそうだけど、ギターの正しい弾き方ってのは実はないんだろうな、と思えた。

音楽に正解はない、と口でいうのは簡単で、実践するのは容易でない。で、ひとのやらないことをやっている、というだけならまだそんなに難しくはなくて、たいへんなのは、それでいて美しさをも兼ね備えさせること。

わたしは、そうそう個性的な、型にはまらない音楽ばかりが蔓延したら刺激で死んでしまうだろうから普通の音楽ばかりがそこらに出回っていてもまったくさしつかえないと考えているし、また、「そこそこの音楽」もそれなりに楽しむけれど、いざとんでもないものが目の前に現れたとき、それを聴き取れる耳は持っていたいと思っています。
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by soundofmusic | 2007-12-21 17:40 | 日記 | Comments(0)

お金がいります

遅くなりまして申し訳ない。11/24のPPFNPのセットリスト、ようやく完全版になりました。

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フィルムセンターの新年からのマキノ雅弘特集、サイトではすでにラインナップが出ていたのだけど、紙版のスケジュールちらしがまだだった。

金曜日の夜にも並んでなくて、昨日の土曜日、昼間の回の前にも、まだだった。で、上映が終わってロビーに戻ると、ちらし置き場にひとが群がっている。

事態を察知したので「あっ」と小さくつぶやき、すぐにラックに駆け寄って自分の分をなんとか確保。1分後にはすでに全部はけてしまっていた。しかし、何をあせっているんだろうね。たくさん刷ってあるんだし、またすぐに補充されるのに。

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何年か前、まだブロッサム・ディアリーの旧作のCD化があまり進んでいなかったころ。渋谷のディスクユニオンに行くと、中古LPの新入荷コーナーに、未CD化の彼女のアルバムがけっこうな数、並んでいた。

値段が高かったので買わずに、近くのコーナーを見ていると、やってくる客が次々に、ブロッサムに気付いては引き抜いて行く。飛ぶように売れる、というのをこの目で見たのはそのとき以外、覚えがない。

マキノのちらしの人気っぷりを見て、そのときのことを思い出した。

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ところで、土曜日のフィルムセンターには、授業で来ていたと思われる女子大生らしき集団(20人くらい?)がおり、ふだんの客層と著しく異なっているので、目立つ。

わたしの後ろに並んでいた娘さん、列の前のほうの客がサイフを用意しているのを見て、「えっ……お金、いるんだ……」と絶句していた。いいじゃないの、300円くらい。

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*黒の超特急*
日時:2007年12月16日(日)18時~22時
会場:渋谷エッジエンド(Tel:03-5458-6385)
地図。
料金:1000円(1ドリンクつき)
DJ:az/SZ/チバ/マジック/森山兄
ライヴ:轟渚と夕映えカルテット(轟渚、ジョー長岡、今井良英)

年末特別企画、いよいよ今晩開催です。めきめき成長している轟さんの歌声をお聴き逃しなく! 森山の出番はトップバッターなので18時から、ライヴ開始は20時の予定です。
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by soundofmusic | 2007-12-16 01:37 | 日記 | Comments(0)

メキシコのチェット・ベイカー

ユニバーサルの1000円ジャズでいくつか面白そうなものを拾ったり、デイヴ・ブルーベックの「タイム」シリーズをまとめた、ECMっぽい?ジャケの5枚組ボックス(うち3枚はたぶんこのボックスでしか聴けない)を買ったり、名前だけは知っていたエドガー・ヴァレーズの「イオニザシオン」をYouTubeで初めて聴いて衝撃を受けて速攻購入したり、と、相変わらずCDはよく買っていて、当然、聴く時間はない。

マリアッチ・ブラスの『ア・テイスト・オヴ・テキーラ/ハッツ・オフ』が意外な収穫でした。60年代半ば~後半にかけてワールド・パシフィックに4枚くらいのアルバムを残しているこのグループ、実は西海岸のジャズメンたちの“お仕事”で、フリューゲルホルンを吹いているのはチェット・ベイカー。このCDは1作目と2作目のカップリング。

こちらで試聴してもらえばお分かりのとおり、(68年のメキシコ五輪を控えてブームだった?)マリアッチ風のイージー・リスニングで、いってみりゃハーブ・アルパート&ティファナ・ブラスの二番煎じ。チェットのファンからはまあまともに相手にされそうもないシロモノ。

もちろん人生とかそういったものには何の影響も及ぼさないけれど、ただし気楽に聴くにはなかなかよいCD。たとえばソニー&シェールの「バン・バン」など、日活無国籍アクションの北米公開ヴァージョンのテーマ曲、といわれたらなんとなく信じてしまいそうなねじれたエキゾ感がある。

シングルのみのリリースだったらしい「Colonel Bogey March」がボーナス・トラックとして入っていて、これもすごい。いわゆるクワイ河マーチ、♪猿、ゴリラ、チンパンジー♪の歌詞で知られるあの曲を、リズムどくどく打ちまくり、ヤクザなエレキ・ギター入りで演奏。これはぜひDJで使いたいなあ。思いっきり踊っていただきたい。

たぶんこの曲もそうだと思うんですが、半数以上の曲はジャック・ニッチェが編曲を担当している。だから、そう、このCDは、タランティーノの「デス・プルーフ」のオープニング・テーマ曲にロックな血が騒いだあなたのためのイージー・リスニング・アルバムってことです。

で、調べていたら、マリアッチ・ブラスと並んでチェットの汚点とされているらしいのが、ヴァーヴから出た『ブラッド、チェット&ティアーズ』なるアルバムで、残念ながらこちらは未CD化。こことかここを読む限り、かなりツボな感じなので、そのうち安く見つけたい。

パシフィック・ジャズ~ワールド・パシフィックあたりには、ジョー・パスのストーンズ・カヴァー集とか、バド・シャンクのラヴィン・スプーンフル・カヴァー集とか、日の目を浴びないちょっといいアルバムがたくさんあるはずなので、誰かこのレーベルの体系的な再発を早くやっちゃってください。

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*黒の超特急*
日時:2007年12月16日(日)18時~22時
会場:渋谷エッジエンド(Tel:03-5458-6385)
地図。
料金:1000円(1ドリンクつき)
DJ:az/SZ/チバ/マジック/森山兄
ライヴ:轟渚と夕映えカルテット(轟渚、ジョー長岡、今井良英)

年末特別企画、いよいよ今度の日曜開催です。轟さんは今年1年だけでもめきめき成長していると感じられます。ほっこりして力強い歌声、絶対にお聴き逃しなく! 森山がトップバッターなので18時から来ていただきたいところですが、間に合わない場合はライヴ開始の20時までにはぜひ。
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by soundofmusic | 2007-12-13 16:05 | 日記 | Comments(0)

大阪に行きたい

すいません。あわただしく告知をいくつか。

書いてなかったような気がしますが、「サウンド・オヴ・ミュージック」の晩秋号ができています。森山の出没するイヴェントには持参いたします。また、各方面へもぼちぼち発送しています。送ってほしい方、自分のところに届くかどうか不明な方、ご連絡ください。

なお、最近取り扱い品が大増量中、充実のオンラインショップ、Lilmag STOREにも、置いてもらっています(商品紹介ページはこちら)。有料のもの無料のもの、どちらも面白そうな品揃え。きっと興味に引っかかってくるものがあるはず。なにか買うついでに、「サウンド~」も、というのが正しい利用法。わたしもこないだ買い物しましたので、それらの紹介もおいおい。

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11月のPPFNPのセットリスト、現在まだ暫定版ですが、公開されています。ご覧ください。

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今週の土曜日、ってことはもう明日か。毎月おなじみのアレです。口石くんの書く曲は少し異常で、それでいてポップ。聴いてくださいね。超強力なDJ陣については、とくに言うべきことなし!

*黒の試走車<テストカー> Vol.10* New!
日時:2007年12月8日(土)19時~23時
会場:渋谷メスカリート
地図
料金:500円+1オーダー(500円~)
DJ:az/SZ/チバ/マジック/森山兄
ライヴ:口石アキラ

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いま、渡辺裕の「日本文化―モダン・ラプソディ」(春秋社)を読んでいますが、いやー、これは驚く本。

明治の開国以来、日本人が「日本文化」をどうやって規定していったかを、レコード会社の勢力分布とか、宝塚の動向とか、邦楽(Jポップのことじゃなくて)がどうやって西洋の音楽に接していったかとか、芸者と音楽文化とか、を素材に分析していくのだけど、いまわたしたちが考えている日本文化のあり方は、明治~戦前期のすったもんだの末に成立したいわば「勝者の歴史観」ではないのかという指摘、スリリングきわまりない。

「へん、歴史なんてみんな勝者の言葉だよ」と言ってのけるのはたやすいが、これだけの本を書くのに、資料集めだけでも容易じゃないだろう。それが敗者の言葉ならば、なおさら。

これを読んで、日本語のロック論争について考えてしまった。またかよ、と言わないでほしいんだけど。いまからしてみると、日本語でロックができるなんて当たり前、というか、英語でなければ、とわざわざ主張していたひとがいたことすら、信じにくい。でも、当時は一定の支持もあったんだろう。でなければ、論争にならない。

それを、いまから振り返って「あれは日本のロックの黎明期、混乱の中ならではの出来事だった」と片付けると、つまんない。もしかしたら、なにかの拍子で、英語で歌われるロックと、日本語のポップスが2大勢力として拮抗する状況が続いていたかもしれない。そんな可能性を考えてみること。

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「日本文化―モダン・ラプソディ」を読むと、現在の東京中心の文化状況からは考えられないくらい、大阪の力が強かった時代があったと分かる。ちょうど、HNK教育で、「映画王国・京都」という続き物が始まって、うらやましく第1回を見たところ。なにしろ、関西に行ったのは、2度の修学旅行だけ。あちらの文化に、まったくなじみがない。何年か、住んでみるのもおもしろいかも、なんて思ったりもする。
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by soundofmusic | 2007-12-07 01:28 | 日記 | Comments(0)

ハロルド・マクネアの『ザ・フェンス』がCDになったらしい

先日からのドルフィー熱再燃、というか初燃焼にともなって、ここ数日は『ラスト・デイト』をよく聴いている。ついでにハービー・マンの『ファミリー・オヴ・マン』も聴いていて、いうまでもなく、どちらも最高。ジャズ・フルートの魅力のひとつは、がんばればがんばるほど、超絶技巧であればあるほど、間抜けに見えてしまう、その報われなさ感なのかもしれないとも思ったり。

昨日、『ラスト・デイト』の「サウス・ストリート・エグジット」の絶品なフルートを聴きながら大塚駅の北口へと出るところで、ふと、どうしてハロルド・マクネアのアルバムはいつまでもCD化されないのか、と考えていた。ドルフィーほど個性的ではないにしろ味のあるサックス/フルート奏者である彼の残した数少ないリーダー・アルバムは、わたしの知っている(=買える)範囲で言えば、どれもハズレがない。

ジャマイカに生まれ、主にイギリスで活動したマクネア、ドノヴァンやジョン・マーティンやデイヴィ・グレアムの録音に参加したり、ブロッサム・ディアリーの英国録音盤に名を連ねたり、アレクシス・コーナーの率いたスーパー・グループ、CCSで異彩を放ったり、ケン・ローチの映画「ケス」の音楽を担当したりしたから、知らず知らずのうちにこの夭折の才人の音を耳にしている機会は、案外少なくない。最近では、代表曲「ザ・ヒップスター」が、人気のコンピ・シリーズ『ルーティーン・ジャズ』の第11弾にも収められもした。

と、思っていたら、『ザ・フェンス』が登場! 彼の名義のアルバムのCD化は初めてのこと。なんだかしらんが2つのレーベルから出ている。まず、すでに出回っているらしいBody Heat盤は、オリジナル・ジャケ、それにボーナス・トラックつき(「ザ・ヒップスター」含む)。アマゾンでは10日発売になっているHux盤は、別ジャケでボーナス・トラックもないようなので、前者を買うのがよろしいと思われます。

内容なんですが、上記の『ルーティーン・ジャズ』のリンク先とか、こちらとかで少しだけ聴けます。リンク張りませんが、YouTubeにも「ザ・ヒップスター」が上がっていました(映像はレコジャケ)。アメリカのジャズ・ロックとは明らかに違う、小さい国の音楽業界ならではの人的交流の活発さ、融通無碍な感じが楽しめるかと。キース・ティペットとスティーヴ・ウィンウッドと、ペンタングルのリズム隊が参加している、と書くと、おもしろそうだと思ってもらえるだろうか。

とにかくこのごろ、音楽というかCDについて考えることといえば、とにかく中古で安く買いたい、というのがまず最初に来るので、このCDも買えるのはいつになるかわからん。とりあえずLPを発掘してみようっと。

*バイオ的なものはこちらで。Harold McNair (Wikipedia)

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「ネタバレ」という言葉を見聞きするたびに、バカじゃねぇの、と思ってしまうわたしのことですから、「レイトン教授」のネタバレ即刻問題にはやっぱり興味をひかれてしまう。ゲームやらないのに。

もすこし自分の方に引き寄せて考えてみようか。映画を見ていて、途中でクイズが出て、「この問題に答えられなかったらこっから先は見ちゃダメ」とか言われたらどうだろう。なにがなんでも答えを知りたくなるかな。そもそもそんなことされた時点で見る気をなくすかも。本人はツンデレのつもりでいて、実はウザいだけというのに似てるか。似てないか。

なにか作品に接する上で、必ず事前に知っておいたほうがいい情報とか、逆に、絶対に知らないほうがいい情報って、そもそも、存在するんだろうか。口で説明されたせいで価値がなくなってしまうようなものは、もうそれは「作品」ではなくて「情報」でしかないと思うが。

いわゆる「予習」も、ねー。その日の体調とか、気分とか、教養とか、隣にいる人とかによって作品から受け取る/受け取れるものって全然ちがうからね。そうした総体の中で、予習で得たふたつみっつの知識が果たす役割なんて、微々たるもんなんじゃないかな。
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by soundofmusic | 2007-12-02 17:30 | 日記 | Comments(0)