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黄色い風土

d0000025_5565116.jpg土曜日はPPFNPでした。お越しくださったみなさん、ゲストの波くんと有馬さん、どうもありがとうございました。お客さんもたくさん集まってくれてたいへんいい気分でした。セットリストは出揃い次第、載せます。

次回開催は11月23日(日)。たぶん3連休の真ん中の日です。また、詳しいことが決まったらお知らせいたしますね。

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最近いちばん驚いたCD。『古谷充とザ・フレッシュメンのファンキー・ドライブ&民謡集』。これ、帯に、「ややもすればBLUE NOTEの1500番台をも凌駕する勢いがあるんです」と、考えてみたら相当強気なコピーが踊っていて、どれどんなもんじゃいと思って(中古盤を)買ってみてぶっとんだ。封入されているオリジナル盤のライナーには、お友達にクイズで聴かせてみたらジャッキー・マクリーンかマイルス・デイヴィスと答えるに違いありません、とあって、と書くと、あ、ぼくにはいま、あなたが疑わしそうな表情でこっちを見ているのが分かる……

しかし実はそれは本当だ。マクリーンのあのひしゃげたアルトの音色を日本の風土に移植するとこうなるのか、という感じ。録音年代は60~61年だから、本家のブルーノートでは4000番台~4100番台が録音されていた時期だろうか。はっきりいって遜色ないです。

2イン1のもう1枚、『民謡集』。江利チエミとか雪村いづみとかのCDを買うと、よく民謡がマンボになったものとかが入っていたりして、いまのリスナーの感覚からすると、かっこいいことはかっこいいけどなんで民謡? と思ったりもするのだけど、ふと思いついたのは、これって全世界的なフォーク・リヴァイヴァルの一形態だったんじゃないかということ。これについてはおいおい考えたい。

で、この『民謡集』も、民謡を素材にした第一級のハード・バップです。アレンジのモダンさと黒さは半端でなく、そうだな、たとえば、ホレス・シルヴァーの『ザ・トーキョー・ブルース』のアウトテイクだよ、とか、ジャズ・メッセンジャーズの未発表アルバムの曲だよ、と言われたら、うっかり信じてしまいそうな勢い。

和ジャズっていうと、ちょっと背伸びして肩肘張ってる感じとか、必死で喰らいついていく様子とかを愛でる行為も込みで楽しむもの、という思い込みがありましたが、これについてはそういう留保は必要なし。ふつうに聴いて、ふつうに盛り上がれる貴重なアルバムです。
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by soundofmusic | 2008-09-30 05:56 | 日記 | Comments(0)

リスト Volume 68 2008.09.27 ゲスト:波&有馬ゆえ

***森山兄***

1 高田漣 / 第三の男
2 Duffy / Delayed Devotion
3 Al Green / Stay with Me (By the Sea)
4 Gwyneth Herbert / Almost Like Being in Love
5 トクマルシューゴ / パラシュート
6 Marian Montgomery / Ask Yourself Why?
7 Sarah Borges and the Broken Singles / The Day We Met
8 Ornette Coleman / Good Girl Blues
9 Giorgio Corradini / Ue'...Ue' Che Femmena
10 サケロックオールスターズ / ポンポン蒸気
11 Roogalator / Dream Rider
12 Gilberto Gil / Celebro Eletronico
13 Jeremy Steig / Howlin' for Judy

<コメント>

1 高田渡の長男さん。ビールのCMで使われていた、同名映画のタイトル曲。

2 最近話題の、昔の音楽のレプリカみたいなことをしている歌手。全体的にはぜんぜんいいと思わないのですが、この曲はわりと好きです。

3 素晴らしい出来の新譜より。ジョン・レジェンドとのデュエット。

4 現代イギリスのジャズ歌手。ホーン・アレンジにヨーロッパの香りを感じます。

5 評判になっているので気になっていましたが、中古で見かけないのでなかなか買えませんでした。つまんないJポップがこういうひとによって駆逐されるといいと思います。

6 70年代にたぶんイギリスで録音されたアルバムより。ルグランの曲。

7 現代アメリカのカントゥリー・ロッキンな娘さん。

8 『コンプリート・サイエンス・フィクション・セッションズ』より。よく分からぬ男性の歌うR&Bのバックで、オーネットがいつもの風味で演奏するというもの。オーネットはデビュー前、地元のテキサスあたりでR&Bのバッキングとかしてたはずですが、こんな感じだったんでしょうか。

9 今回いちばん謎の曲。イタリア語の軽快なR&R。『イタリアの思い出』とかいうアルバムからですが、このひとが何者なのかまったく不明。なんでそんなレコードがわたしの家にあるのかというと、自分で買ったからです。

10 細野晴臣のカヴァー。加工された声が、一瞬細野本人のように聞こえます。

11 あのダニー・アドラー(誰も知らんと思いますが)がいたファンキーなパブ・ロック・バンド。

12 来日公演を見に行っ(て、寝)た記念。ファンキー。

13 ビースティ・ボーイズもサンプリングした鬼のジャズ・フルート。

***森山弟***

1 Heads Hands & Feet / I'm In Need Of Your Help
2 Nilsson / Everybody's Talkin'
3 Kings Of Convenience / Homesick
4 Al Stewart / Bed-Sitter Images
5 Jonathan Richman / Velvet Underground
6 Velvet Underground / We're Gonna Have A Real Good Time Together
7 Gentle Waves / Weathershow
8 Fields / Feathers
9 Amy Winehouse / You Sent Me Flying
10 コーネリアス / Bird Watching At Inner Forest
11 Bombay The Hard Way / Ganges A Go-Go

<コメント>

1 「イギリスのアメリカ」的な渋いスーパー・グループのファースト(71年)より。パブ・ロック、英国スワンプ好きにオススメです。

2 超代表曲「うわさの男」。ニルソンはやっぱりいいなぁ。仔犬とかかわいがってても気持ちわるく見えなそうで。

3 ノルウェイ発の21世紀型サイモン&ガーファンクル。まずもって非の打ちどころがないです。静かな森の奥で聴きたいのでそろそろ新作出してください。

4 英国フォーク期のファースト(67年)より。持ち味のメランコリックなメロディをフォーク・ロック風味で爽やかに味付けた彼らしい作品です。

5 (ある意味で)真のロックンローラー、ジョナサン・リッチマンが敬愛するヴェルヴェッツへの想いを捧げた、タイトルもそのまんまの曲。

6 そのヴェルヴェッツのアルバム未収録曲集「アナザー・ヴュー」より。

7 ベル&セバスチャンのイザベル・キャンベルのソロ・ユニット。いわゆる「『癒し系』のひとことで片付けたくない一枚」とか評されそうな、癒し系の一枚。

8 ナイスな鳥ジャケ。レディオヘッド以降の世代がCSN&Yやらニック・ドレイクも好きなんです、みたいな感じで作っててわりと好感が持てます。

9 私生活の豪快さで話題が先行してますが、作品そのものは品質高いと思います。健康に気をつけて今後もがんばっていただきたい。

10 中目黒グローバル化に成功した「Point」より。とにかく鳥の鳴き声がたくさん入っているのが素晴らしい。

11 ジャック・ジョンソン監督の「セプテンバー・セッションズ」のサントラより。サーフィンはしたことないけど、サーフィン映画は好きです。

***有馬ゆえ***

1 Mouse on Mars / Stereomission
2 レイハラカミ / Unexpected Situations
3 Suite Chic / Good Life remix
4 モーニング娘。 / 宝石箱
5 Ben Folds / The Ascent Of Stan
6 Daft Punk / Aerodynamic
7 244 ENDRI-X / SPACE kiss
8 W / ジンクス
9 ACO / cover grrrl
10 NEW MUSIK / This World of Water
11 The Buggles / Beatnik
12 安室奈美恵 / CAN'T SLEEP,CAN'T EAT,I'M SICK

***波***

1 キリンジ / Fat Bottomed Girls
2 SAKEROCK / 七七日
3 Quarteto Em Cy / Tudo Que Voce Podia Ser
4 CYNE / Haze
5 Nujabes / World's end Rhapsody
6 Beck / Pressure Zone
7 Travis / My Eyes
8 Milton Nascimento / Clube Da Esquina No. 2
9 José Feliciano / Wild World
10 Roman Andrén / Bumblebee
11 Jamiroquai / Space Cowboy
12 Ivan Lins / Corpos

<コメント>

1 この曲が入っている、クイーンのオリジナル盤ジャケットの内側には全裸の女性が大勢で自転車にまたがっている。つの丸先生の漫画みたいで笑えるので一見の価値ありです。

2 祭囃子みたいな曲。昔キリンジのネットラジオ「キキキリンジ」でかかっていて、いい曲だと思ってすぐCD屋に走ってゲトりました。

3 こういうサビがハミングとか歌以外の曲に弱いです。
ミルトン・ナシメントのカバー。

4 この曲を教えてくれた知人の家に飾ってあった蒼井優の写真をみて「これ彼女?」と真顔で聞いてしまい、恥をかいたという思い出の曲。 

5 祭囃子みたいな曲2。このイベントにはふさわしくなかったかも。

6 始まって2秒くらいのところに入っている、ソードを抜く効果音が最高にいかすので好きな曲。

7 森山さん兄弟に教わったバンド。いや、知っていて聞き逃していたので啓蒙されたといったほうが近いかも。

8 洋服屋とかでたまにかかってる。ハイトーンの鼻歌がくせになる曲。

9 この世はワイルドワールドです。鳴き声みたいな曲。

10 最近の曲なのに異様になつかしい。好きな曲。反応も良好でした。

11 うっかり来てしまったパーティで知らない曲ばかりかかって、あ、でもジャミロクワイだけわかった!みたいな中学生がいたらどうしようと思ってセットリストに加えました。

12 エッジエンドのマスターの顔がこの人に似ていると思うのでかけました。

***森山弟***

1 A Tribe Called Quest / Jazz (We've Got)
2 United Future Organization / Loud Minority
3 Herbie Mann & Tamiko Jones / Sidewinder
4 Madeleine Peyroux / (Looking For) The Heart Of Saturday Night
5 Tom Waits / Ol' 55
6 曽我部恵一ランデヴーバンド / 女たち
7 浅井健一 / スーパー・トンガ・パーティ
8 Kula Shaker / Super CB Operator
9 スクーデリア・エレクトロ / マイ・オールデスト・ナンバー
10 Dave Waite & Marianne Segal / It's Really Quite Alright

<コメント>

1 もはや古典のヒップ・ホップ・クラシック。

2 なつかしのアシッド・ジャズ・アンセム。先日150円くらいで買ったコンピに入っていて、高校生の頃に聴いていたのを思い出してかけてみました。

3 わざわざ言うのもなんですが、リー・モーガンのカバー。勝手に歌詞つけて日系の女に歌わせてます。もちろんアホっぽいフルートのソロもちゃんと楽しめますのでご安心を。

4 トム・ウェイツの名曲カバー。マデリン・ペルー自身は、21世紀のビリー・ホリデイだとかジャジーなノラ・ジョーンズだとかポスト・ジョニ・ミッチェルだとか女性版レナード・コーエンだとかいろいろ言われてますけど、ジャズの要素よりもブルーズのエッセンスが結構多いのが個人的には興味深いです。

5 そのトム・ウェイツのファーストの1曲目。この曲はイーグルスもカバーしてたような・・・と思って調べてみたら、エリック・アンダーセンもカバーしてるんですね。
(兄註:イアン・マシューズもカヴァーしてる。)

6 ドラムレス編成のアルバム「おはよう」より。隙間の多いメロウでやわらかな作品です。悪癖の轟音ギターもなく、曽我部の魅力的な声が堪能できる一枚。

7 ベンジーのファースト・ソロ「ジョニー・ヘル」より。ゴリゴリのインスト。

8 去年くらいの再結成盤の日本盤ボーナストラック。「ストレンジフォーク」というタイトルと、ジャケが素敵ですね。特にインドっぽくないので物足りなく感じるファンもいるかもしれません。

9 今にして思うと解散してずいぶん経ちますが、いつまでも色あせないですねえ。昭一→小吉→ショーキチと名前は変わっても石田のおっさんのポップ職人ぶりは不変です。

10 元Jadeのマリアンヌ・シーガルが、デイブ・ウェイトとのデュオで60年代にリリースした「ペイパー・フラワーズ」より。非常に良質な英国フォーク。これだけのレベルの作品が、ひっそりと(しかも大量に)存在するのが英国フォークの奥深さ。

***森山兄***

1 ハンバートハンバート / 怪物
2 Kathryn Williams / Blue Onto You
3 Randy Newman / Laugh and Be Happy
4 バンバンバザール / 田舎の娘
5 Rufus Wainwright / You Go to My Head
6 Alain Souchon / J'Veux du Cuir
7 Benny Sings / Blackberry Street
8 小谷美紗子 / fangs
9 大友良英ニュー・ジャズ・クインテット / ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー
10 Tok Tok Tok / Her Majesty

・お見送り音楽
Tok Tok Tok / 50 Ways to Leave Your Lover

<コメント> 

1 ブリテンやアイルランドのトラッドの感触を日本語環境に移植した名曲ですが、いかんせん地味すぎました。

2 ニック・ドレイクあたりを引き合いに出されることもあるらしい、たぶんイギリスのSSW。わたし的には声と歌い方がサジィ・ローチに似ているのが好きなポイントです。

3 これも相当に素晴らしい新譜より。

4 横浜、サムズ・アップでのライヴ盤より。帯に書かれた、「懐かしい故郷はまったく思い出さないが、どこかに帰りたくなるようなカントリー風アコースティックサウンド」とのコピーが楽しい。曲中の津軽弁ソロも楽しい。

5 ジュディ・ガーランドをしのんだ2枚組のライヴ盤より。昔の音楽を現代によみがえらせるとはこういうことであって、ダフィのやっているようなことではない。

6 トリュフォー「逃げ去る恋」の主題歌をうたっていたフランスのSSW。ジェントルなエレ・ポップ。

7 今回いちばん人気だった曲。天才が存在しづらい現代において、有り余る才能とダサダサのルックスのギャップに悩んでいるであろう(余計なお世話だ)オランダのポップス職人。

8 ピアノ・トリオなSSW。椎名林檎+ベン・フォールズかなあと思っていましたが、「アニソンみたい!」と評判でした。そういわれればそんな気もします。感情のこめ方によるのでしょうか。07年作『アウト』より。kさんに焼いていただいたものからかけました。いつもいつもありがとうございます。

9 現代日本のフリー・ジャズ。ビートルズのカヴァーです。わたしはカヴァーが好きなのですが、ひとによっては、「カヴァーだからいいとか悪いとかいうことはない。オレは音楽自体の良し悪しで聴く」とかいう意見のひともいると思います、ふふふ。ただ、誰もがすべての音をフラットに聴く耳を持っているわけではないことには留意しておく必要があります。これは、音としてはフリー・ジャズですが、イントロを聴いて、あ、カヴァーなんだ、と思えば、以降の音を聴く態度にも変化がもたらされるはずです。よってわたしは、音楽が良ければほかはどうでもいい、という態度はとりません。そんなこというんだったら、CDのジャケとか曲名なんてなくていいじゃん。複製音楽は夾雑物、ゴミ、ノイズ、ハイプも込みで考えるべきです。「音楽そのもの」なんてものはない。渡辺裕の本でも読んで勉強してください。ベンヤミンでもウォーホルでもなんでもいいですが。

10 たぶんドイツあたりを拠点にする、ゆるふわな男女カヴァー・デュオ。ドイツ版TICA? これはビートルズのカヴァー。20秒くらいの曲。

・お見送り音楽
10と同じひとたちによる、ポール・サイモンのカヴァー。たいした出来ではありませんが。

***おまけCD「Misty Mountain Jump」曲目***

1 Jackie & Roy / Mountain Greenery
2 Herbie Mann / There Is A Mountain
3 Donovan / There Is A Mountain
4 Cal Tjader / Fuji
5 Yma Sumac / Ataypura (High Andes)
6 Duke Ellington / Mount Harissa
7 東京スカパラダイスオーケストラ / 四次元山脈
8 T. Rex / The King Of The Mountain Cometh
9 Tim Buckley / I Never Asked To Be Your Mountain
10 16 TONS / マウンテン・クリスマス
11 Simon & Garfunkel / Go Tell It On The Mountain
12 Doc Watson / Black Mountain Rag
13 Kentucky Colonels / Clinch Mountain Back Step
14 Nitty Gritty Dirt Band / Togary Mountain
15 Humblebums / Mary Of The Mountains
16 Maria Muldaur / My Tennessee Mountain Home
17 遊佐未森 / 山行きバス(道草のススメ)
18 細野晴臣 / フニクリ、フニクラ
19 O'Donel Levy / Kilimanjaro Cookout
20 Les McCann / River Deep, Mountain High
21 トーキョー・No.1・ソウル・セット / クレイジークライマー
22 Marvin Gaye & Tammi Terrell / Ain't No Mountain High Enough

☆山っぽい曲を集めてみました。
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by soundofmusic | 2008-09-28 10:50 | PPFNPセットリスト | Comments(0)

無い!!

行って帰ってきてから気付いたのですが、もしかすると生まれて初めて、フリージャズのライヴに行ってきました。

公園通りクラシックスでのイヴェント「東京コンフラックス」で、インゲブリグト・ホーケル・フラーテン(b)/田中徳崇(ds)/ケン・ヴァンダーマーク(sax,cl) のトリオと、ケン・ヴァンダーマーク(sax,cl)/ジム・オルーク (g)/ポール・ニルセン・ラヴ(ds) のトリオの対バン(?)。

たまたまなんかのCDでヴァンダーマークがゲスト参加しているのをわりと愛聴していたので行ってみましたが、なにがすごいって、曲がない。1セット40分ずつくらいで、それぞれ1曲か2曲ずつ。曲数すら分からないのは、途中で静寂がはさまれるのだけど、それが曲の終わりなのかどうかはっきりしないから。

そもそもジャズに「曲」が必要なのかという問題についてはしばしば考えるわけですが、たとえば名前くらいしか知らないミュージシャンのCDを買うとき、ひっくり返してケースの裏を見たら収録曲が3曲、タイトルが「コンポジション1」「同2」「同3」で、1曲の時間がそれぞれ15分とか18分とかだったら、ほら、なんかちょっと躊躇するじゃん。

ヴァンダーマークは、いまでもこんなひといるんだ、とびっくりするようなクルーカット(死語)。いざ楽器を持たせると、ずっと自分の声を出していて見事でした。なにしろ曲がないのでうまく説明できないのですが、クラリネットはときどき尺八のように聞こえました。もっともこれは、わたしがいま、武満徹のエッセイ集を読んでいるせいでそう思ったのかもしれないけど。

で、その尺八クラに続いて、ニルセン・ラヴがちりーんと鈴のようなものを鳴らし、続いてオルークのギターが琴のように切り込んでくるのは感動的だった。

アンコールでは出演者全員(5人)がいっせいに登場し、10分くらい、どしゃどしゃっとゲリラ豪雨の如き音の壁をぶつけて帰っていきましたとさ。

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d0000025_2204819.jpgライヴに行く数日前に、ヴァンダーマークのライヴ盤『フリー・ジャズ・クラシックス 第1集&第2集』を買って、予習していった。タイトルどおり、オーネット、ドルフィー、セシル・テイラー、サン・ラ、などなど、そうそうたる面々の曲のカヴァー集。裏ジャケに並んだ名前のキャッチーさったらない。

しかし、だからってとっつきやすいかっていうと、別にそうでもない。聴いて分かったのはドルフィーの「ガゼロニ」だけでした。もっとも、一度買ってしまえば聴くか聴かないかしかないし、買った以上は最終的には聴くだろうし、聴いてしまえば誰の曲とかいうことよりもどういう演奏をしているかの方がはるかに重要なので、つまりはどうでもいいとも言える。

もっとも、CDを買う気になるにはそれなりの理由付けが必要なので、カヴァーをいっぱいやってるとかいうことは、自分にとってはとても重要です。KVのこのアルバム、ジャケも一見オーソドックスなジャズの名盤風に見えなくもなくて、そのへんの戦略というか心づかいにはちょっとニクイものがあるね。どのくらい計算してるのか知りませんが。

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さて、土曜日はこちらです。いつものとおり、いい感じのおみやげができていますよ。きっとあなたの大好きな、秋らしいポップな曲が満載のはず!

……と、とりあえず行きたい気になるようあおってみる。

PPFNP Vol.68
日時:2008年09月27日(土)18時~22時
会場:渋谷エッジエンド(Tel:03-5458-6385)
地図。
料金:800円(1ドリンク&おみやげ付き)
DJ:波/有馬ゆえ/森山弟(弟)/森山兄(兄、サウンド・オヴ・ミュージック)
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by soundofmusic | 2008-09-26 02:21 | 日記 | Comments(0)

ピーマン

d0000025_4292015.jpg恵比寿の写真美術館で、「ヴィジョンズ・オブ・アメリカ」の第2部、「わが祖国 1918-1961」を見てきました。たまたま電車の中吊り広告を見て、おもしろそうだと思ったので。と書いて、ふと考えてみたら、わたしが美術関係の情報を仕入れるのっていまやほとんど電車の中吊りからだけだ。これってなんだかすごいことじゃないか。そうでもないのか。どっちなんだ。

いまさらだけど、写真はすごいね。わたしは1920年代、30年代の映画を見る機会が一般人の平均よりはずいぶん多いので、そのころの映画でも、ものによってはほんとうにびっくりするくらいヴィヴィッドなプリントがあることを知っている。しかしいかんせん、フィルムは映写機にかけてなんぼであって、そしてそのたびごとに劣化していくわけだから、よい状態で保存された写真の迫力には及ばないのではないか、と思った。

エドワード・ウェストンの「ピーマン No.30」に目が釘付けになる。たいそう有名な作品らしくて、帰ってきてから調べたらウェストンの有名なヌード写真など、さすがに知っているものもあった。でもこのピーマンは知らなかった。ので、驚いた。ボディ・ビルダーのような、抱き合う恋人のような、なまめかしいピーマン。

10月12日(日)の夜には、「アメリカのポピュラー音楽-ジャズ・エイジからロックンロールまで」と題した、ピーター・バラカンのレクチャーもあるらしい。これは楽しそうだなあ。わたしは都合つかなそうなので、誰かぜひ行ってきてください。

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前回の日記で、武満徹のエッセイ選を買ったことを書きましたが、実はそのとき考えていたのが、これ読んで面白かったら底本になったオリジナルのエッセイ集の単行本も買ってみよう、ということ。「時間の園丁」は比較的売れた気がする、と思ってアマゾン・マーケットプレイスをあらかじめチェックしたら、たしか500円くらいから出品されていた。そのとき買っちゃえばよかったんだけど、なぜかためらいを見せてしまい、昨日あらためて見てみたところ、安いのから売れていってしまっていて、残っているのは1000円から。

中古は見たときに買え、が鉄則だとあらためて思い知らされましたが、さすがに最近は、なにかを買い逃して本気で地団駄を踏んだりすることってなくなったなあ、と妙な感慨にもふけるのでした。
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by soundofmusic | 2008-09-21 04:29 | 日記 | Comments(0)

まりことマチルダ

ちょっと「グレンとグレンダ」風に。

日曜日、新高円寺で塩坦々麺を食べてからジョーと渚(ジョー長岡&轟渚)のライヴを見に行きました。もろもろの都合で最初から最後までいて、結局3時間で5組くらい見聴きしたのだけど、いちばん最後に出た踊ろうマチルダというひとが面白かった。

ウッドベースを従えての野太い弾き語り。血管の中を血のかわりに熱いウヰスキーが流れているみたいな、ナチュラルなアイリッシュ、スコティッシュ風味にひきつけられました。声がバカでかく、ノドはまるで鉄管のよう。

踊ろうマチルダという名前は、オーストラリアの第2の国家として親しまれているフォーク・ソング「Waltzing Matilda」に由来しているのだそうで、わたしも、どこで聞き知ったのか覚えていないけれどもこの曲を知っているのだけど、踊ろうマチルダさんは、自分のテーマ曲でもある「Waltzing Matilda」を歌う前に、このうたについて簡単に解説してくれて、なかなか勉強になった。

いわく、この曲は、仕事を求めてほうぼうを放浪(walzting)するホーボーのうたで、マチルダとは彼の持つ荷物を擬人化したものなんだとか。Wikipediaを見ると、サッカーのオーストラリア女子代表が「マチルダズ」と名乗っている、なんてことも書いてありました。歌詞なんかはこちらのページを参照。

ロッド・スチュワートも歌っているらしく、どんな曲か聴きたいひとは探せばすぐ見つかると思います。こちらでは、ラルフ・マクテルのヴァージョンが少しだけ試聴可能。ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールとシドニーのオペラ・ハウスで録音されたライヴ盤『ラルフ、アルバート&シドニー』に入ってるもので、たぶんシドニー録音なんでしょう、ギターのイントロが始まると客席がどっと沸いている。

いま、ちょこっと調べればなんでもある程度はすぐ分かっちゃう世の中なわけで、そんなときになにが貴重かといえば、調べる気を起こさせてくれる機会なのかなと思わされました。

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加賀まりこの「純情ババァになりました。」(講談社文庫)を読んでいる。読みようによっちゃあ豪遊自慢なんだけど、イヤミがなくってすっきりしていて、よいです。

ちくま学芸文庫で出た武満徹のエッセイ選も一緒に買いまして、加賀まりこのほうを先に読んでいたら、そっちにも武満が出てきていました。加賀まりこがどこかでバロックを聴いて、武満に「こういうのはどこで売ってるのか」と訊いたら、「レコード屋で売ってるよ」と言われたんだってさ。
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by soundofmusic | 2008-09-16 16:45 | 日記 | Comments(0)

大誘拐USA

なんかこう、次第に忙しくなってくるのは気のせいか。いや違うだろう。CD、聴き切れない。DVD、買っても見ない。

ダグラス・サーク「誘拐魔(Lured)」のDVDを見ました。これ昔、日本版のヴィデオとLDは出ていたようですが、DVDはないみたいで、わたしが見たのも韓国版、字幕はハングルのみ(分からない)。けっこうこの手の、日本版は出てない(あるいは廃盤)けど韓国や香港だと500円くらい、という昔のアメリカ映画をイーベイで買う、という悪癖を最近身につけつつあるので自重したいです。買ってもかなりの確率で見ないので。

ともかく、ひとに貸す約束をしていたので自分としてはおそろしくすみやかに視聴した「誘拐魔」、英語は分かるところは分かるし分からないところはわかりませんが、 どのみち、映画のすべてを(また、すべての映画を)万全に楽しむことはできないという真理を心の片隅にとどめておけば、話が込み入ってるわけでもないので、充分に楽しめました。

たとえばTVシリーズは見たことないけど「セックス・アンド・ザ・シティ」を見るべきかとか、バットマンシリーズ知らないけど「ダークナイト」見るべきかとか、いきなりインディ・ジョーンズの最新作見ても平気かとか、映画を見るのに躊躇する理由は山ほどあるわけですけど、とりあえず見ちゃえばいいじゃん。とか言ってると、またヒマがなくなるんだな、これが……

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土曜日は「黒の試走車」でした。お越しくださったみなさん、どうもありがとうございました。なんだかまたやたらと店内が暑くってご迷惑をおかけしました。次回は10月4日(土)に開催です。

以下、わたしのかけた曲。一応、「どこまで行けるか」((C)デイヴィッド・ロッジ)をテーマに、え、35分でこんなところまで来ちゃったの? みたいなセットにしようと思ったんですが、あまりうまく行かなかったかな。まあどうでもいいです。

01.The Star Spangled Banner/Duke Ellington
02.The Fallen Eagle/Country Gazette
03.My Low-Chuned Banjo/ワールド・スタンダード
04.もったいないけど/ハンバートハンバート
05.プログレス・アンド・ハーモニー/ゴダイゴ
06.Poursuite/Martial Solal
07.Ataypura (High Andes)/Yma Sumac
08.Flight/Stan Getz
09.Rock the Clock/Ornette Coleman
10.Ridiculo/Clifford Gilberto
11.Glass/ピューパ
12.ああ無情/一三十三一
13.Boyfriend -Part II-/クリスタル・ケイ

<コメント>

01.1956年、ニューポートでのライヴ。エリントン楽団が人前でこのアメリカ国歌を演奏したのはこのときが初めてだとかMCのひとが言ってました。田舎のブラス・バンドみたいな感じで良い。

02.カントリー大好き(わたしが)。プログレッシヴなカントリーというかブルーグラスというか。はためからは保守的で動きのないように見えるような音楽にも、革新的なことをする風雲児はいるもんです。というかカントリーは聴かないと絶対にダメです。

03.カントリー聴かないで、こういうのだけ聴いてイキがってるのはもったいないです。ジョン・フェイヒィの『レクイア』が元ネタかと思っていましたが、そうでもないですね。音響+アメリカーナ。

04.もったいないつながりで。試聴したときはあんまり面白くないグループだと感じましたが、CD買ってみたらけっこう良かったです。やっぱりCDは身銭を切って買わないといけません。と思いましたが、azさんいわく、この曲の入っている『道はつづく』というアルバムの出来がとくに良い、のだそうです。

05.舌の根も乾かぬうちにあれですが、いただきもののCDです。70年代を振り返ったコンセプト・アルバム『アワ・ディケイド』より。名盤だと思います。この曲はよいときのポール・マッカートニーにかなり肉薄。

06.フランスの黛敏郎。ゴダールの「勝手にしやがれ」の音楽です。途中のテンポ・チェンジがかっこいいです。横浜西口のユニオンで300円くらいで買いました。

07.インカの王族の末裔(という触れ込み)の女性歌手。音域が4オクターヴくらいあるそうです。ペルーのマライヤ・キャリーといったところでしょうか(ンなわきゃあない)。たぶんアレンジはレス・バクスターですが、伊福部昭だといわれても信用するでしょう。土俗+ラウンジ。

08.ミシェル・ルグランの才気あふれまくりのオーケストラと組んだ『コミュニケーションズ'72』より。ある意味ゲッツ版『スカイズ・オヴ・アメリカ』か(ンなわきゃあない)。

09.通常のオーネット節で始まり、しだいにビートが加熱して死ぬほどかっこいいです。強烈なワウ・ワウ・ギターが入っているのですが、クレジットにはギターはなし。オーネットの弾く電気ヴァイオリンなんでしょうか?

10.マジックさんがよくかけていていいなと思ったので買いました。ニンジャ・テューンのCD、生まれて初めてゲット。ドラムン・ベース+ジャズ?

11.CD-Rを焼いていただきました。毎度毎度ありがとうございます。高橋ユキヒロ、高野寛、原田知世、などが組んだバンド。これは高田漣の曲。一瞬いい曲に聞こえるがたぶん来年には忘れているでしょう。

12.一三十三一のCDを生まれて初めて買ったので、どうにかして使えないかと強引に(プレイヤーに)挿入。家で聴いてたらやたら地味で、メスカリートだったら意外と映えるんじゃないかと期待してかけてみたものの、やはり地味でした。

13.今回のセットはどうにかしてこの曲にたどり着きたいという一心で組んだものです。伝言を繰り返していくうちに(意図的な虚偽の伝達も含めて)最後にはとんでもない結論になる、あのゲームのイメージ。なんだかんだで月に1回くらいは聴く曲。「こういうの」が好きなのか? とのご質問をいただきましたが、「こういうの」はよく知りません。クリスタル・ケイはなんか気になる存在です(好きとかではない)。
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by soundofmusic | 2008-09-10 13:02 | 日記 | Comments(0)

あわあわ

ぎりぎりになりましたが、本日です! わたしは「フランス映画の秘宝」でジャック・ベッケルを観てから会場入りします!

*黒の試走車<テストカー> Vol.19*
日時:2008年09月06日(土)19時~23時
会場:渋谷メスカリート
地図
料金:500円+1オーダー(500円~)
DJ:az/sz/チバ/森山兄
ゲストDJ:stein/ssota

本日はマジックさん欠席(帰省のため)。電子の武者ssotaさんと、みんなのアイドルsteinさんがゲストです。22時半までがDJタイムで、それ以降はダンス・ユニットやらなにやらすごそうなバンドやらが登場する予定。お楽しみに。

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9月27日(土)のPPFNPの情報も出ました。こちら。ゲストは初登場のおふたり。こちらもご期待ください。
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by soundofmusic | 2008-09-06 09:31 | 日記 | Comments(0)

Pure Pop For Now People Volume 68

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2008年09月27日(土)18時~22時

渋谷エッジエンド(Tel:03-5458-6385)
地図。

DJ:

有馬ゆえ
森山弟(弟)
森山兄(兄、サウンド・オヴ・ミュージック)

いつもやってるのですっかりありがたみがなくなってるかもしれませんが、今度は新しい顔ぶれを迎えて、秋の収穫祭です。

ゲストにお迎えするのは、好青年という漢字を水で溶いてよーくこねて作った人形がそのまま大きくなって人間になったかのような波さんと、「黒の試走車」ではアイドルばかりかけまくって絶賛と顰蹙を交互に浴びている有馬ゆえさんです。

秋の1日、遠出を控えて渋谷でお過ごしください。合言葉は「山でやろう!」。寝袋持参の方には1ドリンクサーヴィスします。
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by soundofmusic | 2008-09-04 16:05 | PPFNPイヴェント情報 | Comments(0)

値上げ

高田渡が歌っていたように、値上げなんてものはするとかしないとかもうちょっととかいや待てとか断固とか随時とか言ったり言われたりしているうちにおこなわれてしまうものであって、気がつくといままで6個入りだった100円ショップのレーズンロールが4個入りになっていて、気にするわたしもじゅうぶんセコイが、店のほうもセコイ。さらにセコイのは、99円(税込み104円)ショップなのにパンコーナーだけ一律109円(税込み114円)にしている目黒通りの某店。油断は禁物だぜ。

売ってるものはまだいい。100円ショップで買えないのが、CDのプラケース。割れたときの交換用のあれです。わたしはよく海外からオークションでCDを買うんですが、送料を安く上げるため、ケースなしで盤とブックレットとインレイだけ送ってもらうことがしばしばあります。で、100円ショップで買ったケースに自分で入れて完品にすると。ところがそれが、いま、売ってない。近所の大規模店2軒と、阿佐ヶ谷の大規模店、どこでも軒並み品切れ。CD関係のコーナーをうろうろしていたら、村西とおるの昔の作品のDVDは200円で売ってるっていうのに。

たぶんあれですね、原油高でプラスチックが貴重品になっているんでしょう。3個100円のケース、重宝していたけどやむをえない。この際、2個100円でもいいので、品切れ状態はなんとかしてほしいところです。で、原油で思い出したのが、飛行機に乗るときの原油代っつーか、なんのために払ってるのかよく分からないというか納得いかない、あのサーチャージというやつ。今日ちらっとHISのサイトを見たら、LA直行便、運賃が27000円でサーチャージが48000円、とかで、もはやどこからどこまでが値段なんだかわからない。

タバコって値段の6割くらいが税金なんだと思うけど、喫煙者は喫煙しながら、あーいま税金すってんだな、とか思うのかどうか。思わないだろうな。飛行機乗りながら、あ、ここからサーチャージ区間に突入、なんて思わないものな。

以上、起承転結のある簡潔な日記を書こうとして失敗。
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by soundofmusic | 2008-09-01 19:55 | 日記 | Comments(0)