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怪物

年末も年始もずっと仕事なので、別にふだんと変わるところがあるわけもなく、映画見たりユニオンに行ったりしています(セールだしね)。

2008年の映画見納めは「崖の上のポニョ」で、これにはなんだかとんでもないものを見た気にさせられました。いわゆる作家主義的な映画、と呼ばれる映画があるけれども、それらはやっぱり、「作家主義的な映画っていうのはこういうもん」という枠をあててやるとすんなり腑に落ちたりするもので、「ポニョ」はそんなんじゃなかった。駿の頭の中を直接覗き込んでいるような感じ。映画って多人数で作るものだから、常識的な歯止めがどこでかかる場合がほとんどなのに、なにかが間違って暴走してしまいました。

思想的におかしいとか、倫理的に問題があるとか、構造が破綻しているとか、そういう当たり前なツッコミは、このイマジネーションの奔流に対して無粋なんじゃないかなあ。そういう行為は、世界と「ポニョ」との関係になにひとつ有益なものをもたらさないよ。もうこの世に「ポニョ」が存在しちゃったんだから、受け手として、作り手として、その世界でキミはこれからどうふるまうつもりなんだい? ってことだと思う。

と書いて思い出した。いま、「サウンド・オヴ・ミュージック」のアンケート(みなさんもご参加よろしく)のために今年のベスト映画を考えていて、ネット上でおんなじようなことをやっているひとの回答を読むと「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」とか「ノー・カントリー」がやはりある意味今年の象徴みたいになっているわけですが、おいおい待てよ、「ランボー 最後の戦場」を見たのかい、と言いたくなるわけ。あれに比べたら、PTAもコーエン兄弟も、単に作家主義的なだけの映画なんじゃないか、と。

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土曜日に車に乗る機会があって、そこで聴いたマウス・オン・マーズがあまりにもよかった。なもんで、ヤフオクで落札し、アマゾン・マーケットプレイスで買い、という具合にここ数日、世界でいちばん猛烈な勢いでマウス・オン・マーズを買い進めているのがわたしです。

彼らが最初に話題になりはじめたのが、もう10年くらい前か。当時はたぶん聴く機会がなくて、あるいはもしかしたらどこかでちらっと耳にしたかもしれないけれども通過してしまって、今年の夏くらいにはじめてきちんと、それと意識して聴いた。そのときも気にするだけはして忘れてしまい、それでこの度の再会となったわけ。なんだかいまさら感が漂いまくってますけど。いまさらといえば、森山弟がかけてて気に入ったエイミー・ワインハウスも買ったよ。『バック・トゥ・ブラック』のほう。この手のものは値下がりが早いのね。お得でした。

今日は池袋のユニオンでCD買い納めをする予定。みなさまよいお年をお迎えください。1月3日(土)、「黒の試走車」でお会いしましょう。
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by soundofmusic | 2008-12-31 08:41 | 日記 | Comments(0)

救世軍

年明けだと思ってうかうかしていたらもうあと10日後の話なので、告知しておきます。

*黒の試走車<テストカー> Vol.23*
日時:2009年01月03日(土)19時~23時
会場:渋谷メスカリート
地図
料金:500円+1オーダー(500円~)
DJ:az/SZ/チバ/森山兄
ゲストDJ:拙井須磨子/ヒジカタ
ライヴ:jun

今回、DJを公募いたしまして、おふたかたにゲストとしてご参加いただくことになりました。ヒジカタさんは宇内さんの高校かなんかの同級生で(宇内さん、学校なんて行ってたんだ……)、PPFNPでの宇内さんのプレイを見てやってみたくなったとのことで応募。須磨子さんは、わたしがお母さんと呼んで慕っているひとです。「(笑)」とかはつきません。お友達と竹下通りを歩いていたところにわたしが声をかけて、このたび芸能界入りすることになりました(笑)。

ふたりとも、こちらから「やってください」ってお願いしようと思ったことはなかったのですが、いざ立候補いただいてみると、なるほどおもしろそうだ、という気がひしひしとしてきました。楽しみですのでみなさんも楽しみにしてください。

junさんはまだ持ち歌が少ないとのことで、うたうのは3曲くらいのはず。アコギをざくざく弾きながら歌ってくれます。

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ついでみたいにささっとで恐縮ですが、次回、1月31日(土)のPPFNPの詳細も発表されています。今度で70回目。こちらもよろしく。

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23日の夜、渋谷に行ったら、交差点を渡った先、ブックファーストのあたりで、救世軍のひとたちが鍋で募金をしていた。あー、ひさしぶりに見るなー、いや、もしかしたら初めてかも、と思いながらそちらのほうに歩いていくと(たまたま進行方向だったので)、ちょうど金管のアンサンブルの演奏が始まった。まろやかでよい味でした。

ただし歩きながらだったので、ほんの何秒かしか聴くことができず、また、なにしろ歳末の渋谷だから騒々しく、あげくの果てには109の前で、日本語のヒップホップのひと4、5人が台の上に乗ってミニライヴをやっていたものだから、PAを使用しない救世軍のブラス・バンドの音は、たぶん半径数メートルの範囲にしか届いていなかったと思う。

渋谷がうるさい、というのはそのとおりだし、ハチ公口の交差点で信号待ちをしているといやでも目に入る、向こう側のビル壁面の大小4つくらいのモニターが発する音と映像なんか、気が狂ってるなあとごく素朴に思うわけですが、それでも、貧しさもすべて込みで、都会のサウンドスケープはやっぱり興味深い。

会社のそばでは、しばらく前からビルの解体工事が続いている。狭い敷地にパワーショヴェルが何台も導入されて破壊活動をおこなっているのだけど、風が強くて空気も澄んでいる今日、近くを通りかかったらガーンガーンという音がやけに高いところまで響いていくようで、気持ちよかった。ただしわたしの家のそばではやらないでほしい。迷惑なので。

音楽を、自然界に存在する音のいろいろな要素を増幅したり純化したり掘り下げたりしたものだと考えると、わざわざ金を出してまで出来の悪い「音楽」を買う必要はないように思えてくる。

2008年、いちばん印象的だったサウンドスケープのひとつは、東京ドームで見た野球の試合だった。ご存知のとおり、コンサート会場としてはたいへん評判の悪い場所なわけだけど、何万人かが出す喚声や鳴り物がわんわんと残響して、四方八方から襲いかかってくるみたい。音(楽)体験とは、なにも録音されたものを摂取したり、PAからの電気増幅された音を浴びたりすることばかりではない。

ついでながら、救世軍についてWikipediaで調べてみましたが、これ、おもしろい組織ですね。各人で調べてみてください。彼らのブラス・バンドも、英国の金管文化の一翼を担っているのかもしれない。ハル・ハートリーの映画で、ヨ・ラ・テンゴ扮する救世軍の楽隊が出てくるのがあったっけなあなんてことも、ひさしぶりに思い出した。
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by soundofmusic | 2008-12-26 19:55 | 日記 | Comments(0)

Pure Pop For Now People Volume 70

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2009年01月31日(土)18時~22時

渋谷エッジエンド(Tel:03-5458-6385)
地図。

800円(1ドリンク&おみやげ付き)

DJ:
高嶋里美(BarThree
森山弟(弟)
森山兄(兄、サウンド・オヴ・ミュージック)
ほか

新年第1回目、通算では70回目のPPFNPのお知らせです。

ゲストにお迎えするのは、漫画家、イラストレーターとして細く長く活動中であり、誰も持ってないアメリカ音楽のCDを多数ご所蔵されている高嶋里美さん。誰も覚えていないかもしれませんが、坂本麻里子さんと一緒にやっていた「Super Seeder」は名イヴェントでした(メインエヴェントではない)。現在はBARTHREEの一員として、地味!渋!かっこいい!アメリ缶なSSWたちの招聘活動も不定期に実施。森山兄弟の目の届かないところにある音楽を紹介してくれるありがたいお姉さんです。

もうおひとり、今回初のDJに臨む方がご登場予定です。乞うご期待。

おみやげは、いかにも2009年の年頭を飾るのにふさわしい感じのを予定しています。
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by soundofmusic | 2008-12-23 14:08 | PPFNPイヴェント情報 | Comments(0)

デイヴィ・グレアムは柴田元幸である

イギリスのギタリスト、デイヴィ・グレアムが亡くなりました。わたしは今年出た新作も聴いてないし(もっとも、新作が出てすぐ聴くミュージシァンなんてほとんどいないんだけど)、彼の全作品がすばらしいなどとはまったく思えず、むしろ有り余る才能をうまく発揮できなかったのが彼だったろうと考えているのだけど、英国ロックというかなり特殊な(と認識されることはあまりないのかもしれないけど)ポピュラー音楽を愛好する者のひとりとして、やはりいくらかの恩義を感じないでもない。

グレアムがやってきた仕事はつまり、合州国はじめ世界各地の音楽の輸入卸売りだったのだと思う。間口は小ぢんまりとしていて、中に入ると意外にも広々とした店内に並べられたのは、イギリス人に分かりやすいような味にブレンドした香辛料だったり、得体の知れない道具に親しみやすい名前をつけたものだったり。目立つ棚からちょっと外れたところには、センスのよい国産品もこっそり置かれていたし、イギリスで手に入る材料を使って店主自身が作った、見知らぬ国のアクセサリーも人気を博していた。

港のそばに行けば、グレアムの店で見られるような品物は決して珍しくなかったし、それどころか、雑貨屋の店の前のワゴンで山積みになって叩き売られていることもあった。とはいえ、そうした場所では角がぺちゃんこになった箱に入り、うっすらとほこりをかぶった状態で無造作に置かれているガラクタも、グレアムの店で売られているのを見ると、なにやら違った輝きを放っているのだった。

グレアムの店に集まってきていた若いひとたちはそれぞれお気に入りの品物を見つけ、手に取った。大人になるにつれて、ある者は自分でも同じようなものを作り始め、ある者はグレアムに触発されて北アフリカに渡り、またある者はイングランドの森に分け入っては野草を摘み、グレアムの店で売られていた秘薬を調合しようとした。彼らは後年、ひょんなところで再会してはグレアムの店で毎日のように顔を合わせていた時代を回想し、こんな風にささやき交わすことだろう。

「おれたちこんなふうに大物になってベンツなんか乗り回しちゃったりしているけどさ、グレアムさんのやってきたことのほんの一部を、ちょこっと掘り下げただけだよな」
「そうだね。あのころ、あんな店を出そうなんて、誰も思わなかったもん」

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グレアム以降、彼と同じような仕事をしたひとがいるとしたら誰だろう、と考えて、いちばんぴったりだと思えたのは、なんのことはない、柴田元幸だった。

このひとが紹介してくれる(おもに)アメリカ文学は、もちろんアメリカに行けば本屋で売ってるし、日本でもアマゾンで買うことができるものだろう。だから、もうすでにこの世に存在しているものばかりだ。でも、そのうちかなりの部分は、このひとなしでは、わたしたちにとって存在しないも同然だし、また、その文体に影響を受けた作家が、これから5年以内に次々と出てくるに違いない(超適当な予言!)。

柴田に「舶来文学 柴田商店―国産品もあります」なる著書があるのは、偶然ではないはずだ。
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by soundofmusic | 2008-12-21 16:48 | 日記 | Comments(0)

ハサミとノリとリソグラフ、そしてブーメラン

いつもお世話になっておりますリルマグさんで、「サウンド・オヴ・ミュージック」最新号の取り扱いが始まりました(こちら)。

森山から直接送ってもらったり手渡されたりしているひともいるでしょうし、また、こちらのフォームから森山に連絡すれば無料で郵送もいたしますが、リルマグだと送料がかかる代わりに(「サウンド~」自体はタダ)、ほかでは決して手に入らない(おおげさじゃない……と思う)、世界各地から集められた各種の自費出版物(手作りなものから立派なものまで)がほんとうにわんさわんさと並んでいます。自分ではまだ気付いていないけれどこれがあなたにとっての宝の山、というひとは必ずいると思う。とくに、90年代のフリーペーパー隆盛(?)を体験していない若いひとなんかの中に。

わたし自身はといえば、パンクなDIY精神とか、ハサミとノリとリソグラフで世界を動かすぜ!とかいう意気込みとかそういうのはぜんぜんなくって、雑誌だって、つるつるした高そうな紙に印刷された、誌面の半分くらいが広告であるようなやつのほうがカッコイイって思ってる。それでも「サウンド・オヴ・ミュージック」を続けているのにはそれはそれでいろいろあるわけで(金をかけたくないとか、デザインのスキルがないとか)、なんだかんだでハサミとノリとリソグラフに戻っていく……。どうでもいいけどScissors, Glue & Risographsって、気の利いたインディーズ映画のタイトルみたい。邦題は「D.I.Y. フリーペーパーに賭けた青春」とかそんな感じでお願いしたい。シザグルリというのは、栃木の田舎あたりの郷土料理みたいな響きで、いまひとつである。

リルマグで扱われている品物(「商品」っていうのはなんか違う感じ)の平均値というか標準(そんなのないのかも)から、「サウンド~」はだいぶズレている気もするけれど、紹介されてここを見に来てくれているひともいくらかいるようだし、また、最近は作った冊子をどこかのお店に置くこともほとんどしていないから、いい機会をもらっているなあと思います。こちらからリルマグへもいくらか誘導できると嬉しい、という意図でこの記事は書かれました。

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絶対面白そうなジャズ・サックスのガイド本(まだ買ってない)を9月に出した原田和典(有名人なので敬称略)の新刊「原田和典のJAZZ徒然草」(プリズム)が出た。ディスクユニオンかなんかのサイトの連載をもとに、書籍化にあたって大増量したもの。

ウェブですでにだいぶ読んではいても、それでもやはり電車の中で読む楽しみはほかの何物にも替えがたい。かなりの映画通であり(そのことは不思議なほど知られていない)、また、最近ではパフュームに激しく傾倒している(傾きすぎて倒れそうなほど)氏らしく、話題はジャズからいつの間にかほかのことへと脱線し、そしてそのたびごとに、スピードとキレと迫力を増して、ブーメランのようにまたジャズへと戻ってくる。

いわゆる有名どころではないニューヨークのジャズクラブを、これほど丹念に探訪して文章に残している日本人のジャズ関係者がいったいどれだけいるだろうか。ある店は冷暖房がなく、またある店は一切の飲食物をサーヴしない、そんなクラブの数々。バワリーのレコード屋、ダウンタウン・ミュージック・ギャラリーでインストア・ライヴがおこなわれるというのにも驚いた。あそこの床面積、渋谷のディスクユニオンの地下フロアより狭いのでは?

いつの日か、次にニューヨークを訪れるときは、必ずやこの本を携えて行くつもり。そして、セントラル・パークやブルックリンの動物園にいるという、原田氏お気に入りのコットントップ・タマリン「ウキちゃん」(写真はこちら)の高速移動を拝みたいと思う。
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by soundofmusic | 2008-12-16 20:52 | 日記 | Comments(0)

市電に乗って突っ走れ

d0000025_374380.jpgさっき、キーワード「“サウンド・オヴ・ミュージック”」で検索したら、トップに出てきたのが、なぜかフィルメックスの蔵原惟繕特集。たしかにこの特集をもっとも待ち望んでいた人間のひとりがわたしだろうけれども、別に関係者でも何でもないし、フィルメックスのページに「サウンド~」についての言及があるわけでもない(当たり前だ)。とちくるったか、Google。

蔵原といえば、観客数こそ少なかったもののそれなりの評判を呼んだフィルメックスでの特集が終わったあとも、新宿バルト9では「愛と死の記録」(傑作!)が、浅草新劇場では「嵐の中を突っ走れ」(凡作!)が、それぞれ上映されていたけれど、こっちはお客さん、少なかったな。「愛と死の記録」のときは、お客さんわたしひとりでした。ひさしぶりに貸し切りしちまった。

「嵐の中を突っ走れ」は未見だったので楽しみにしていたけれど、主人公(チャンユー)のキャラクター設定と、彼が対峙する悪役の設定が飽和状態というか、いつもいつも同じじゃ飽きられちゃうけどかといってそうそう斬新な設定は思いつかないしどうしよう、と頭を抱えているうちに撮影を始めなきゃならなくなって結局そのままなんとなく撮っちゃった(推測です)、みたいな感じがなんともまあ、な映画でした。ウソでも適当でもいいから、約束は守ってくれなくちゃ、プログラム・ピクチュアなんだからさ。

蔵原といえば、「地獄の曲がり角」で葉山良二と稲垣美穂子が語り合う高台の坂の上、の姿のよい景色がどこなんだろうかと気になっていた。画面の奥に向かってなだらかに下り坂になっていて、遠くのほうには海(川か?)が見えて、市電が走っている。これは東京ではないだろうし、神戸か横浜だろうか、と見当をつけたものの、画面に中に入っていくわけにもいかず、確認のしようもない。一緒に見ていたひとが、「もし神戸ロケだったら、神戸まで行きましたよということを劇中でにおわすに違いないけれどもそれをしてなかった」と言っていて、なるほどもっともだと思えた。

で、横浜の市電のことを調べなくちゃいけないと思っててすっかり忘れていたところに、アンダースロウ(おもしろいブログ)のひとが横浜市電保存館に行った記事を書いていて、そこではたと思い出して調べてみると、往年の路線図があった。なるほどたしかに海沿いを走ってィやがる(←CKB風に)。これ以上はめんどくさいので調べない。あれは横浜で決まり。

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鎌田綾さんとの共同監督作品「しあわせ」で寺山修司賞に輝いた映像作家、徳本直之さんの近況ですが、現在高知に在住で、同地で映像制作やビデオダビングのお店「あかりビデオ」をやっておられます。

犬が好きなので(徳本さんが)、「犬の十戒」のオリジナルDVDを作ってくれるそうです。あなたの愛犬が民衆を率いてエジプトを脱出したり、ふたつに割れた海を渡ったりする大スペクタクル巨篇……ではないです、もちろん。YouTubeにサンプル動画もあるので、見てみてください。
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by soundofmusic | 2008-12-14 03:07 | 日記 | Comments(0)

ブロッケン!

ごぶさたいたしました。

まず、先週の土曜日、「黒の試走車」でした。お越しくださったみなさん、どうもありがとうございました。次回は、正月から誰が来るんだよ、と心配しておりますが、1月3日(土)に開催です。初詣、初散財のついでに初和み、初踊りにいらしてはいかが。

で、日曜日は三軒茶屋の世田谷パブリックシアターへ。三軒茶屋に行くのなんてほんとにひさしぶりで、たしか前回来たころはまだ、玉電に乗っていったんじゃなかったかなあ。その後、新玉川線というのになったとは聞いていたけれど、そういえばいまは、渋谷からずっと田園都市線という名前になりましたね。

そんなひさしぶりの三軒茶屋、目的はハンバート・ハンバートのコンサート(初めて)でした。舞台にはメンバーふたりだけ、だもんで出てくる音はギターかピアノかフィドル、たまに笛やハモニカが加わるくらいのものなので、「曲を知っているひとしか楽しくない、芸のない弾き語り」が好きでないわたしは(まあ、好きなひともいないだろうけど)若干不安を持ちましたが、いやはや、歌+楽器ひとつできちんと楽しませてくれました。

ここ10年くらい、広義のフォーク・ミュージックにはそれなりに興味があって、とくにイギリスのそれは結果的にいくらかは聴いてきているのですが、そういうものを通じて親しんできた世界を日本語でこつこつ作ってるひとがここにいたんだよなあ。がんばって辞書引きながら原書を読んでたら、なんだよ、邦訳出てるんじゃん、と気付かされたような感じ。あるいはマキノ雅弘の、「日本人には日本映画が必要なんだ」との言葉を思い出したりだとか。

舞台には森を模したような素朴なセットが組み立てられていて、足元にはウサギやバッタがいたりしました。ホールの天井は高くて、空色に塗られているところに白い雲が描かれている(「クレイマー、クレイマー」の子供部屋みたい)。「怪物」では、足元からふたりを照らすライトが舞台奥に巨大な影を映し出し、佐藤良成は山登りするみたいなかっこだったから、わたしは何年かぶりに、ブロッケン現象! という言葉を思い出したのでした。

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遅くなっておりますが、「サウンド・オヴ・ミュージック」、順次発送中です。年末なので、今回のものには恒例のアンケート用紙がはさみこまれています。しかし考えてみたら、紙でお願いしなくてもいいので、アンケート用紙の内容をこちらに載せておきました。

前回参加していただいた方には別途お願いが行くと思いますが、そういう方は、紙をなくした際などにご参照ください。また、森山と面識がない方や「サウンド・オヴ・ミュージック」の冊子をもらっていない方は、これを見て、こぞって参加してください。

書いてもらった内容は、来年の3月ごろに分厚い冊子になってお手元に届きます。なお、過去分の冊子とだいたい同じ内容が、このブログでも読めるようになっています。2004-2005年版2005-2006年版2006-2007年版2007-2008年版。このアンケート冊子、ただできあがったものをもらうよりも、ささっとでもいいから自分でも書いたほうが絶対におもしろいですよ。とかいって、主宰者(「もらうだけ」の経験は当然なし)が言っても説得力ないですけどね。
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by soundofmusic | 2008-12-10 08:40 | 日記 | Comments(0)

2008年のあなたの生活その他に関するアンケートのお願い(守らなくてもよい)

みなさんこんにちは。わたしが「サウンド・オヴ・ミュージック」です。今年もアンケートの季節になりました。毎年、質問項目や注意書きがあまりに煩雑であることを理由に、不参加を決め込むひとがいますので、もう、別に注意を守らなくてもいいことにしました。

もしあなたが、本紙のアンケート冊子を読んで楽しんだことがあるのでしたら、今回は、各項目1行ずつでもいいので、つべこべいわずにとにかく書いてみてください。(そもそも、冊子を読んでいるのであれば、書式にのっとっていない回答が多数あることはすぐに分かるはず。参加しないのは、自分への言い訳か何かですか?)

とはいえ、ルールを守れる良識あるみなさんは、例年通り、下記の注意書きに(従える範囲で)従って、お気軽にご参加ください。

□ 書式について □

以下の各項目について、なるべく詳しく、できるだけ完全にご記入ください。今回から、注意を守らない行為は看過されますが、編集する身にもなってください。記入前に、最低5回はこの紙を音読し、記入中も、適宜参照することが望ましいです。ただし、必要以上に萎縮することは禁じられています。AからDは必須項目、E以降は自由参加。

:回答者(あなた)の、
①氏名とふりがな(ペンネーム、偽名も可)
②誕生日(西暦で。公表したくない場合は無回答にしたりせず、ウソだと分かるように書いてください)
③職業、肩書き
④連絡先(住所、電話番号、メールアドレスなど。公表してよい範囲で)

:2008年の総まとめ、および2009年への展望

*音楽やレコードに関係あってもなくても可。個人的なことでも、社会的なことでも可。なお、この項目は従来、「総括および展望」という名前でしたが、若松孝二の「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」を見たら、うすうす感じていた、「総括という言葉を軽々しく使うべきではないのではないか」との思いが確信へと変わりましたので、「総まとめ」としました。

:なんでもランキング

*ここがこのアンケートの事実上の本題です。その名の通り、なんでも勝手にランキングしてください。「わたしの好きなキャロルの曲ベスト5」「コンヴィニでついつい買ってしまうものベスト10」「嫌いな食べ物ベスト3」「人生の痛恨事100」「好きな鳥12種」などなど、なんでもOK。

*なにを採り上げるかからしてすでに、あなたの創意工夫の見せ所です。なにも思いつかないというひとはパスしてもいいですが、あなたの想像力の欠如を世間にさらすことになりますから恥ずかしいです。どうしても書くことがない場合、あなたの家族について、200字以内で紹介してください。

:あなた独自の倫理観について

*「世間や法律ではしてはいけないことになっているが、わたしは別にかまわないと思う」こと、もしくは、「誰もそんなことを気にするひとはいないかもしれないが、お天道様が許してもオレは許さない」こと、あるいはその両方、について書いてください。なるべく世間の基準とズレた、あなた独自のものを採り上げていただくことが望ましいです。ただし、あなたがひとに言えないと感じることまで書けとはいいません。

以上は必須項目です。以下は任意参加項目ですが、なるべくなら書いてください。

:2008年の入手枚数

*なるべく、詳しい内訳つきで。ただ「100枚」と書くより、「新品10枚、中古20枚」や「CD100枚、LP30枚」のほうが良い。また、既存の分類に従わなくても可。例:「壺のようなもの2枚、もらいもの227枚」

:そのうちで印象に残ったものについてのコメント

*常識的な枚数内でお願いします。アーティスト名、タイトルあたりは必須ですが、それだけだと読んでいてもなんのことだか分からないですから、的確なコメント、レーベル、発表年、などを適宜つけてください。順位をつける/つけない、2008年リリースである/でない、は自由。

:あなた自身によって追加された項目

*A~Fに入らないが書いておきたいことがある場合、あらたに項目を設置することが可能です。Fまでで書ききっているのであれば、ムリに設置しなくてよい。

□ 回答上の注意 □

*これはこの冊子のローカル・ルールですが、外国語の表記はなるべくカタカナでお願いします。プログレ、ギター・ポップと書けばいいのであって、日本語文でわざわざprogre、guitar popと書くとバカに見えます。ただし、難読で、一般的でない人名などは原語のつづりを付すことが望ましい。また、欧文での無秩序な大文字・小文字混在(例:swedish GUITAR Pop)は、編集していて気持ち悪くなるのでやめてください。日本人アーティストの人名や曲名について、そのアーティストの意向に沿った表記をしたい場合は、それでいいです。

*ナカグロの不使用は、間違いです。New Yorkを「ニュー・ヨーク」と書くのはかえって煩雑ですが、Elvis Costello and the Attractionsをエルビスコステロアンドジアトラクションズと書かれるとげんなりします。また、ナカグロのかわりに「=」を使うひともいますが、これも意味が分からない。これは、欧文のハイフンを日本語で書くときに使われるもので、たとえば、Jean-Luc Goddardは、「ジャン=リュック・ゴダール」となります。もっと最悪なのは、スペースで区切るやり方。これは問題外。

*回答を読むのはあくまで他人で、あなたではありません。内容はともかく、自分にしか通用しない表記/表現になっていないか、よく注意しましょう。たとえば、ディスクユニオンをDUと略すのは、森山の兄弟には通用しても世間様には通用しません。いちばんよい方法は、書き上げてすぐに提出せず、誰かに読んでもらうことです。それがムリなら、数日置いてから読み直しましょう。単純な誤記の防止にも役立ちます。

*去年、今年、来年といった相対時間は使用禁止。何年だか分からず、混乱するためです。西暦で統一してね。

*このアンケート執筆には、時間がかかります。新年になってから始めたのでは、ほぼ絶対に間に合いません。今のうちに暇な時間を使って考え始めて/書き始めてください。

*特殊な書式の指定には応じられない場合があります。また、編集の都合上、文章のレイアウトや体裁を多少変更したり、森山の美意識に基づいて統一したりする場合があります。譲れない部分は、個別に指定してください。明らかな誤記については気を利かせて直す場合もありますが、直さない場合もあります。

□ 〆切りと提出方法 □

*提出は基本的にメールか手渡しでお願いします。〆切りは2009年2月中旬。ただし、〆切りに間に合わせるためにつまらないものを書くよりは、数日遅らせても納得いくものを出してください。1週間以上の遅れはアウトです。毎年やってることなんですから、学習してください。完成した冊子の郵送を希望の場合は、回答に郵便番号と住所と本名を付すこと。

○回答の宛先:
あなたがご存知の森山のアドレス(推奨)
または
PurePopForNowPeople(AT)hotmail.com

*ワード、テキスト、メール本文など、Windows環境で読めるものなら、提出形式は自由。ワードの場合は、箇条書き機能を絶対に解除しておくこと。画面上部の[ツール]→[オートコレクトのオプション]をクリック→[入力オートフォーマット]タブをクリック→[入力中に自動で書式設定する項目]欄の[箇条書き(行頭文字)]と[箇条書き(段落番号)]チェックを外す→[OK]ボタンをクリック。うまく解除できていない場合があります。作業後に、解除できているかどうか必ず確認してください。
(追記:Wordの最新ヴァージョンだと解除方法が異なるそうです。各自でお調べください)

*提出者には、確認メールを返信します。しばらくしても届かない場合、再送してください。

□ 結果発表 □

届いた回答は、原則として到着順、無添削で冊子にまとめ、2009年3月に発行します。参加者には1冊ずつ進呈。複数冊ご希望の方は、申し出てください。なお、この冊子には、ある程度の誤植が予想されます。

過去分の冊子とだいたい同じ内容が、このブログでも読めます。2004-2005年版2005-2006年版2006-2007年版2007-2008年版

□ その他 □

本当はみなさんにCDのことを書いてもらいたいのですが、もはやそういう冊子ではないので、書かなくてもいいことにします。自由に1年を振り返ってください。いろいろ細かく指定しましたが、従える範囲で守ってくれればいいです。どう書いたらいいのか分からないなど、すべてのご質問その他は、上記アドレスにて受け付けます。みなさんにお会いできるのを楽しみにしています!   

2008年11月吉日 森山政崇
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by soundofmusic | 2008-12-10 00:49 | 日記 | Comments(0)

(ノット・フォー)ソウル・ミュージック・ラヴァーズ・オンリー

11/23のPPFNPのセットリスト、宇内の野郎以外は提出してきてくれました。とりあえず暫定版としてアップしてあります。

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土曜日に下北のユニオンで、森山弟がPPFNPでかけてた現代UKのジャズ・ファンク・バンド、スピードメーターを買ったり、スプリームスとテムプスの共演盤2枚をセットにした2枚組CDとかを買ったりしました。ふだん基本的には、ソウル・ミュージックというものがこの世にあることを忘れていることが多いのですけど、昔はもっさいというか保守的という印象だったモータウンの音像が、意外にも現代的であることに気づけたりして、収穫でした。部屋の至るところにCDが積まれているのって本当に気が滅入るので、あまり買わないことにしようといつも思っているのですが……。

毎月開催されている、全方位型ポピュラー音楽の宴のお知らせです。そんなわけで現在、ソウル・ミュージック最高/再考週間なので、週末までそれが続けば、森山兄はソウル・レヴューになるかもしれませんが、どうかな。ともかくいろいろな音楽がかかります。今月はマジックさん欠席、ゲストとして有馬ゆえさんとssotaくんが参加。有馬さんまたバカな格好(トナカーイとか?)して登場するらしいです。

みなさまお気軽にお越しください。

*黒の試走車<テストカー> Vol.22*

2008年12月06日(土)19時~23時

@渋谷メスカリート
地図

500円+1オーダー(500円~)

DJ:az/SZ/チバ/森山兄
ゲストDJ:有馬ゆえ/ssota

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以前書いた、やたらとグルーヴィな浅草名画座の番組紹介、現在は別のひとが書いているのですが、そのグルーヴ野郎が川原テツという名前で、もともとは新宿のヤクザ映画館、昭和館の従業員だったことは有名(か?)。

氏が、昭和館時代の思い出をつづった本「名画座番外地」(幻冬舎)を読んだ。で、こんな映画館が21世紀まで存在していたことに心底驚いた。なにしろ、場内で客は喫煙し放題(これは浅草でもやってるが)、従業員が注意すれば逆ギレ。場内が寒ければ客席で焚き火。従業員は窓口で飲酒、高校野球の季節には野球賭博、といった具合。

わたしは昭和館には一度も行ったことがないのですが、平成初期くらいの新宿南口~昭和館あたりの感じは、なんとなく覚えてる。いまからでは信じられないくらい場末というか猥雑な雰囲気が漂ってましたよね(いまでもまだそうか?)。ああいう闇市の名残みたいなの、残しといてもしょーもないのかもしれないけど、いったん壊すと元に戻せないものだから、やはりむやみに撤去しないほうがいいのかも。

川原テツのホームページってのがあって、いま見てみたら、なんだよ、「名画座番外地」、文庫になるんじゃん。あさって発売かよ!
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by soundofmusic | 2008-12-01 21:46 | 日記 | Comments(0)