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ニッチな商売

d0000025_16584677.jpg紙ジャケとか、往年の外タレの来日なんかを見ていると、そんなものが商売になるのか? と心配したり驚いたりすることが多いわけですが、その一環なのか輪っかから外れちゃってるのか、ニッチ商売もここに極まれり、といってみたくもなるニュース。モーズ・アリスン、まさかの来日決定です。

公式ホームページのツアー日程によると、10月3日から6日まで、東京・丸の内のコットンクラブにてだそうです(画像上)。コットンクラブ側ではまだ情報は出ていません。

前にも書いたかもしれませんが、モーズの公式ホームページはふたつあって、http://moseallison.comと、http://www.moseallison.net、両方だいたいおんなじペースで更新されていました(とはいってもツアー日程以外はほとんど動きなし)。ちょっと前に、前者がリニューアルされて、後者は画像下の表示だけになってしまいました。

それにしても、十数年ぶりに出た新譜も日本盤は(いまのところ)なく、それどころか現在生きている日本盤すらひとつもなく、さらには、ヒップなシンガー・ソングライターとしての充実期であるアトランティック時代のアルバムに至っては、たぶん一度も国内盤のCDが出たことがない(違ってたらゴメン。あと、ライノの2枚組アンソロジーはMSIから国内盤仕様で出てました)、そんなミュージシァンの来日に客が集まるんだろうか。ピーター・バラカンと萩原健太と、わたしと宇内さんだけだったりするんじゃないの。

まあ10月までに、紙ジャケが申し訳程度に出て(プレスティッジ時代のだけなんていうのはカンベンしてね)、レコード・コレクターズの第2特集で取り上げられて、くらいには注目されるんだろうけど、どうせわたしんとこには原稿依頼もチラシのコメント依頼も来ないに違いないから、せいぜいDJをする機会があるたびにモーズの曲でもかけましょうかね。

ということで、週末の告知です。渋谷駅からほどよく離れた隠れ家風のバーにておこなわれる、20~21世紀のポピュラー音楽ゼミナール。テストやレポートはありません。出席者は全員合格。よろしくどうぞ。

*黒の試走車<テストカー> Vol.41*
日時:2010年07月03日(土)19時~23時
会場:渋谷メスカリート
地図
料金:500円+1オーダー(500円~)
DJ:az/SZ/チバ/森山兄
ゲストDJ:したてやはなおか(タエラマン)
不明:マジック
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by soundofmusic | 2010-06-28 16:59 | 日記 | Comments(0)

アジアじゃん

d0000025_2212033.jpg昨日、ちょっとした用事で上野に行ったので、不忍口から出て、アメ横のあたりを、15分くらい軽く流してきた。アメ横から斜めに分かれていく通りに昔、ディスクユニオンがあって、21世紀のはじめごろにそれが閉店するまではときどきあのへんを通りかかってはいたんだけど、たぶんそれ以来。上野駅よりの、はじっこのほうをささーっと巡回しただけとはいえ、路上で売られている果物のざく切りにひとがむらがるわ、狭い通路を両側からふさぐようにして飲み屋が立っていてほとんど往来だか飲み屋の店内だかわからない状態になっているわで、なんだよこれ、アジアじゃん、と軽い衝撃を受けた。どうでもいいけど、アジアじゃん、をAsiasian、と書いて、エイジァジァン、と読むと、そういう単語がありそうな気がしてくる。

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次回、7月31日のPPFNPの案内が出ました。昨年夏以来1年ぶりに、ジョー長岡さんのライヴがつく予定。完全アンプラグドでお届けします。超強力に推薦です。お見逃しなく!
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by soundofmusic | 2010-06-21 22:01 | 日記 | Comments(0)

Pure Pop For Now People Volume 79

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2010年07月31日(土)18時~22時

渋谷エッジエンド(Tel:03-5458-6385)
地図。

800円(1ドリンク&おみやげ付き)

DJ:
y_ok
森山弟(弟)
森山兄(兄、サウンド・オヴ・ミュージック)

LIVE:
ジョー長岡

この夏いちばんのフジロックの対抗馬! とはいえ、向こうはこっちが出走していることすら気付いていないはずなので、半自動的にこちらの勝ち。交通の便のよさ、入場料の安さ、空調の具合、などでもPPFNPのほうが上回っていると思われます。

DJとしてご出場いただくのは、PPFNPの最初期を知る数少ない人物(いまとなっては歴史の生き証人系)、レペゼンイチカワのy_okくんです。森山のパンチパーマ時代の話とかも、聞いたら教えてくれるかもしれません。

そして、5月にDJとしてご出場いただいたジョー長岡さんが、今度はライヴで登場。2009年夏のPPFNPでのライヴは、集客、内容ともいまだに語り草(自分内で)になっております。ジョーさんにはこのあいだ無茶なお願いをしまして、それは、人のよさそうなパブリック・イメージを打ち壊すべく、ものすごく性格の悪そうなうたを当日のために作ってうたってほしい、というものだったんですが、なんでも昔、それに近いことをやってあまりうまくいかなかったとのこと。わたしが思いつく程度のことは、すでに一度おこなわれているのだね。

しかしジョーさんの本領は、雑草が潮風になびくような、遠くから見る花火のような、優先席に背中を丸めて座っているおばあさんのような、そんなうたですよ。まだ彼の歌を体験したことのないひとに、出会いの機会を提供できたら嬉しいです。

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☆余談ですが、PPFNPは、9月から、開催日を奇数月の第2土曜日に移動する予定です。したがって、Vol.80は9月11日(土)になると思います。
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by soundofmusic | 2010-06-21 21:51 | PPFNPイヴェント情報 | Comments(2)

リズムの哲学

d0000025_3281974.jpgこの間の「黒の試走車」にゲスト出てくれたアツローくん(いちおう、ついったー張っとくか)がかけてくれた日本の文科系ヒップホップのひとたち「宇宙商人」がよくって、CD-R『THIS SONG』を珍しくソッコー買って、よく聴いています。たぶんあんまり店頭には出回ってなくて、東京だとジェットセットで買えるとか買えないとか言ってた気がしますが、わたしはここで通販。1260円+送料200円でした。

アツローくんがかけてくれたのは、ソニー・ロリンズの「セント・トーマス」を大胆に使用した「スウィート・サプライズ」という曲なんだけど、自分で買って聴きこんでみると、曲が進むにしたがってビートはズタズタに寸断されたようになり、さらにそこに乗るラップも小節を自在に飛び越えているみたいで、そうなると曲自体がバラバラになりそうなところ、サックスのリフがかろうじてリズムをつなぎとめている。

こういうのってなんだ、たとえばアルバート・アイラーなんかのフリー・ジャズの連中がやっていたことと結果的によく似てしまっているような気がしないでもないんだけど、宇宙商人は青春ヒップホップであって、聴いていてとくに難しいとか(アイラーが難しいといっているわけではない)、音楽の最先端を切り開いている、とか大げさにとらえるひとはあまりいないだろう。するっと普通に、気持ちよく聴けてしまう。

考えてみたら、ラテン音楽でこういう感触ってあるんだな。パーカッションはソロ楽器として大暴れていて、ピアノのモントゥーノがリズム・キープの役割を引き受けているという。ともあれ宇宙商人、マイスペースもあるので試聴してみてください。「レット・イット・ビー」のピアノのフレーズを使った、「LET IT B」もオススメ。

と、そんなことを考えながら、NHK教育の「スコラ」のドラムズ&ベース篇の2回目と3回目を見たりした。ユキヒロがドラムスについて講義する2回目、細野がベースの話をする3回目、どちらもプレイヤーの立場の話がコンパクトにまとまっていてとてもよかったけど、これらはヨソでも聞ける可能性のある話であって、そう考えると、小学生が坂本龍一のディレクションを受けながらリズム・パターンを作っていくワークショップのコーナーが、なんだかんだ言ってもいちばんスリリングだった。次回はYMOと子供たちとの共演だそうで、楽しみ。
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by soundofmusic | 2010-06-14 03:26 | 日記 | Comments(0)

経済

d0000025_16285335.jpgHMVの渋谷店がこの夏に閉店になるそうで、たぶん30代以上のひとを中心に、例によって追悼の言葉が渦巻いているみたい。わたしが言うまでもなく、センター街の奥にあったころの店舗が渋谷系のそもそもの発祥地だったわけだけど、わたしが東京に来たのは1991年だから、当然その店舗には何度も行ったことがある。

まあそれはそれとして、なぜ閉店になるのかといえば、それはもう、(店で)CDを買うひとが少なくなったから、で間違いないんだろう。わたしはCDは安いところで(輸入盤や中古盤を)買うし、かつ、国内盤の新品CDってほとんど買わないから、いきおい、HMVの実店舗を利用する機会も、最近ではほとんどなかった。WAVEがなくなったときのほうが、いまよりは多少驚いていたとは思うけど。

今回考えたのは、本当にそんなにみんな、音楽にかけるお金が減っているのだろうか? とか、高校生だって、CD1枚1500円だったら、わりと気軽に小遣いで買うんじゃないか? とか、そういうこと。そこで、なぜそんなことをするのかわからぬまま、わたしが音楽にいくらくらいお金をかけているか、公表してみることにする。

小遣い帳によれば、去年1年間でわたしが音楽に使った直接の金額は約66万円。それだけの額を、CDとレコードの合計589枚と、ライヴ20回でつかった。クラブ・イヴェントにはたぶんほとんど行っていないし、ヤフオクやユニオンでCDを売ったことも、たぶん去年は一度もない。

ちなみにこの、毎月平均55000円という金額は、食費よりは多いけれども家賃よりは少ない。そういう金額。もっとも、10年前は、ヘタするとこの倍近く浪費していたから、それを考えると、たしかに音楽にお金をかけなくなったともいえる。

大人のこづかいのつかいみちとして、月55000円ってどんな程度のもんなんだろ。毎月そのくらいの金額を呑んでしまうひとはいそうだし、洋服や靴やカバンを買うひともいるだろう。本を5万円買ったら、読みきれないしな。もちろん、毎月5万円分のCDも、聴き切れないに決まっている。

聴きたい音楽がない、というのは一種の怠慢だと思うけど、音楽は聴かなくても困らないものだから、そのことを責めるつもりはない。ただ、音楽から遠ざかってしまったひとが、ノスタルジーだけでHMVを追悼するんじゃ、HMVがかわいそうだろうとは思う。とはいえ、個人個人が自分の思い出を語っているのだからといわれたら、反論はできない。だから最後に、ジャッキー・マクリーンの言葉を紹介しておく。たぶんすでに何度か紹介した気もするけれど、「トリビュートは、その対象が生きているうちにやるべきだ」というのが、それです。

なくなったものに向かって気の利いた言葉を投げかけるヒマがあったら、黙ってCD買ってやってよ。

(この話題はいろんな方面に向かってふくらんでいきそうな感じもします。本屋についても似たようなことがいえるだろうし、そもそも国内盤CDの値段は適正なのか? とか。ミュージシャンの数が日本とは比べ物にならないくらい多いと思われるイギリスにおける産業構造はどうなってんのか、とか。ただし言えるのは、ミリオンセラーが出なくなったことをネガティヴにだけとらえるのじゃなくて、身の丈にあった売れ方・買い方が普通になったと見るべきなんじゃないかとか……きりがないので以下略)
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by soundofmusic | 2010-06-09 16:29 | 日記 | Comments(0)

鉄瓶

まず告知。明日、DJイヴェント「黒の試走車」です。19時から23時まで、渋谷のはずれにある穴蔵ふうのバー、メスカリートにて開催。今度で40回目なんですね! すごい! と自分で言ってみる。みなさん、遊びにいらしてくださいね。

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続いて。5月29日のPPFNPのセットリスト、暫定版が出ています。当日の様子をしのぶよすがにしてやってください。

なお、次回のPPFNPは7月31日(土)に開催予定。フジロックとかぶってますけど、まああんまり関係ないですよね。ジョー長岡さんが今度はライヴで出てくれることになっています。またあとで詳しくお知らせいたしますので、お待ちください。

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前回の日記に書いたブルータスの30周年号を読み終えて、いま、Pen別冊のキリスト教のほうにとりかかっています。一応ほぼすべてのページに目を通したので、予想外に時間がかかってしまいました。もちろん号によって濃い薄いはあるんだろうけど、月2回刊でこのクォリティを維持しているんだとしたらすごいことだ、雑誌をなめちゃいけない、と思いました。広告がそれほど多くないのもよかった。女性誌なんかの後半のほうの、欲望が生のまま渦巻いているような広告の連打なんか、部外者から見ていてもげんなりするからね……。(部外者だから、かもしれんが)

ところで月2回っていうとわたしには忌まわしい思い出があって、高校のころ、進研ゼミやってたのね。あいつらが教材を送りつけてくるペースがまさに月2回だったはず。送られてきた教材をぱらぱらめくって、問題を解くでもなく部屋の隅に積んでおくと、またすぐ次が送られてくる。そのたびに、え、もう半月たったのか、と驚いたりうんざりしたりするのが常だった。あのペースで雑誌作ってんのかあ。

ところで、読みながら、ブルータス的な切り口でなにを特集してほしいかなと考えていたのだけど、いまならやはり、まるごと1冊南部、っていうのはどうだろう。とはいっても鉄瓶とかじゃなくて、アメリカ合衆国の南部のことね。ミシシッピの哲人モーズ・アリスンとか、ガンボとか、ヴードゥーとか、サウスのヒップホップとか、ディズニーワールドとか、フォークナーとか、KKKとか、ダグラス・サークとかがぜーんぶ入ったやつ。分厚い単行本じゃなくて、雑誌1冊サイズに無理やり詰め込まれている感じでお願いしたいのだ。
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by soundofmusic | 2010-06-04 20:39 | 日記 | Comments(0)