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ユリイカ

d0000025_2056624.jpg当ブログで何度か書いてきましたミシシッピの哲人、ヒップスターNo.1、ことモーズ・アリスンの来日は中止になりました。わたしに責任は一切ありませんが、どうもすみません。もちろん残念ではあるのですが、あまりダメージを受けているわけでもないのは、もちろんチケット代が返金されるからというのは当然として、また飛行機に乗ってどこかに見に行けばいいや、と思っているからかも。

「サウンド・オヴ・ミュージック」最新号(いつも送ってもらってるのにまだ届いてないって方は、現在順次発送中なのでお待ちください。あるいは、催促してください)にうないさんが書いてくれた、ロンドン公演を見に行ったのは、もう6年前のこと。

月並みだけど、時間がたつのは早い。写真のビーチ・サンダルは、ヘタすると15年か20年くらい使用しているもので、もともとは森山弟(本日、誕生日)が使っていたのじゃなかったかなあ。それをもらったかぶんどったかして、家の近所をうろうろするときなどにはいていたのだけど、数年前から、底の部分が完全に磨耗してつるつるになり、雨の日などは極度にすべりやすくなり、何度か身の危険を覚えるようになってきたため、職場に持っていって、はいていた。老犬を家の中で飼うみたいに。

そのうち、複数層が貼りあわされた本体がぺろりとはがれ始め、歩くとずりすりと音を立てたり、あるいは引っかかったりしてふたたび身の危険を感じることが多くなってきた。職場の大きなホッチキスで本体を丸ごととめてみたりしたものの、いよいよ限界に達し、というほどでもないものの、ダイソーに行ったらちょっとよさそうなやつが157円で売っていたのでそれを買ってきた。写真の下のほうにちっちゃく写っているのがそれ。

なんかもう、物持ちがいいとかそういう話ですらない気がする。ちなみに、わたしがいつも使っているペン・ケース(メモ用に細長く切ったレシ裏が入っている)も、もう20年以上使い続けているはずだけど、いまの家にあるものでおそらく最古のものは、ニュージーランド航空のスプーン。もちろん金属製。たぶん中学生のとき、ホームステイでニュージーランドに行ったときに乗った飛行機から持ち帰ってきたもの。そのときはたしかナイフやフォークも持って帰ってきていて、ではどうやって食べたのかというと、それらの金属製の食器のほかに、プラスチックのフォークだったか、あるいは割り箸だったかがついてきたのだ。

意地汚い? それはそうかもしれないけれど、この話のポイントはそこではない。国際線のエコノミークラスで、金属製のフォークやスプーンを使う航空会社がいまあるのだろうか? ということ。90年代初頭ごろの、ほかの航空会社はどうだったかな。思い出せないし、とりたてて調べる気もないまま、ぼんやり考えている。村上春樹なら、このままスパゲッティをゆで始めるところだ。その途中で思い出して、ユリイカ! と小さく叫んだりすらするかもしれない。

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9/11のPPFNPのセットリストが出ています。
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by soundofmusic | 2010-09-24 20:56 | 日記 | Comments(0)

わたしの愛した南部

d0000025_2323439.jpg土曜日はPPFNPでした。お越しくださったみなさん、そしてゲストの松田さん、アライさん、どうもありがとうございました。セットリストはそのうち発表します。次回も引き続き奇数月の第2土曜日開催ですので、11月13日(土)です。どうぞこぞって足をお運びください。

森山兄は、フリーペーパー「サウンド・オヴ・ミュージック」の最新号の特集テーマにちなんで、やや南部っぽい選曲でお届けしました。森山弟は、さらに南部色が濃いものになりました。別に誰にも訊かれてませんが、わたしは実際のアメリカ南部がどういうものであるのかは、行ったことがないので知りません。今後行ってみたい場所の潜在的なリストには入っておりますが、そのリストにはほかにもいろいろな場所が登録されており、さらにわたしの海外旅行はだいたい隔年実施ですから、いつ順番が回ってくるかはわからない。回ってこない可能性も、大いにあります。

ということで、自宅で聴く南部音楽以外にわたしの馴染み深い南部というと、9年間住んでいた埼玉県の深南部、川口市の風土ということになります。京浜東北線の蕨駅で降り、北西-南東方向に走る線路からほぼ90度の角度の方向に10分くらい歩いたところに住んでいたのだけど、さらにそこから10分くらい歩こうものなら、毎日都内に働きに行ったり遊びに出たりするわたしのような者とはまったく別の、地元に根が生えたようなひとたちの生活があった(ように見えた)。

もちろんそうした地域からでも、バスに乗るか自転車を使うかして蕨駅に出て、京浜東北線で赤羽まで10分、ややめんどくさい乗り換えをして埼京線で10分、つまり合計で小1時間もかければ池袋に出ることができるのだけど、それよりかはすぐ近所の超巨大なショッピング・センターで半日過ごすことが好まれる、そんな土地。夜など、真っ暗な中に浮かび上がるその建物は、中学生のころに見た市川崑「竹取物語」の宇宙船をわたしに思わせた。

当時住んでいた家からそこに行くには、産業道路というやや太くて交通量の多い道路を渡る。そこで信号待ちをしていたり、産業道路沿いのマクドナルドや吉野家で食事をしているとき、ものすごい閉塞感を感じることがあった。まあ住宅地ではあれど、都内から比べたらのどかだし、とくに犯罪が多発していたり治安が悪かったりすることも、なかったのに。

90年代にさかんに論じられた郊外の問題は、もう完了ということになっているのかもしれないけれど、わたしはまだあの南部の空気を忘れてない。覚えているうちに、なんらかの形で記録しなくてはならない、と思っているのだけど、とりあえずいまストリート・ビューで見たら、住んでいたアパートはもうなくなっている。
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by soundofmusic | 2010-09-12 20:26 | 日記 | Comments(4)

リスト Volume 80 2010.09.11 ゲスト:アライカオリ&松田行正

***森山兄***

01 The Critics Group / Tottie
02 Elvis Costello / Allison
03 Ry Cooder / Teardrops Will Fall
04 Herbie Hancock / River
05 Mose Allison / This New Situation
06 細野晴臣 / エキゾチカ・ララバイ
07 Dr. John / Only in Amerika
08 Duke Ellington / Theme From "The Asphalt Jungle"
09 O.S.T. "The Princess and The Frog" / Gonna Take You There
10 佐野元春&ザ・ホーボー・キング・バンド / ドライブ
11 Calexico / Bisbee Blue
12 Mongo Santamaria / Too Busy Thinking About My Baby
13 Quartette Trés Bien / Tonight

☆コメント☆

♪01 ユアン・マッコール(英国の廣澤虎造)、ペギー・シーガーらの指導によって結成されたヴォーカル・グループ。英国の伝承音楽を無伴奏、あるいは簡素な伴奏で歌います。この曲はギターの伴奏がついて、のどかな感じです。修行っぽい英国フォークが苦手なひとにも。

♪02 伴奏はクローヴァー(のちのちのヒューイ・ルイス&ザ・ニューズ)。とろ火で煮詰めたようなギターが絶品です。ずっと長いこと、つまんない曲だと思っててすみません。ちなみにタイトルは、歌の主人公の元カノの名前ですが、モーズ・アリスンのことを念頭に置いているともどこかで読んだ気がします。

♪03 これもとろ火系の曲ですかね。ライ・クーダーは声がなさけないところが好きですね。アメリカンっぽくない感じが。

♪04 創価学会かなんかの信者のジャズ・ピアニスト。サックスはショーター。こののひとも学会員。ジョニ・ミッチェルのカヴァー集より。この曲ではコリーヌ・ベイリー・レイがヴォーカルでゲスト参加。

♪05 モーズ・アリスン。新譜より。娘とのデュエット。

♪06 『泰安洋行』より。「サウンド・オヴ・ミュージック」最新号の太田さんの原稿を読んでから聴き直すと、旨味倍増の名盤でした。

♪07 新譜より。

♪08 63年ごろのライヴ盤『ザ・グレイト・パリ・コンサート』より。

♪09 本年度南部映画のベストワンかも知れないディズニー・アニメ「プリンセスと魔法のキス」サントラより。いろんな南部音楽が聴ける映画ですが、これはケイジャン。

♪10 和製アメリカン・ロックの名盤『ザ・バーン』より。アマゾン・マーケットプレイスでは1円(プラス送料340円)で買えます。

♪11 なぜかいままでちゃんと聴いたことがなかったキャレキシコを金曜日に初めて買ってみました。

♪12 未CD化?の『ワーキン・オン・ア・グルーヴィー・シング』より。カヴァー。オリジナルはマーヴィン・ゲイでしたっけ? アルバム情報 

♪13 ピアノ・トリオ+パーカッションという編成のグルーブ。「ウェスト・サイド物語」の曲。高速でなんかの曲をラテンっぽくカヴァーしてたりすりゃすぐ好きになる単純な男です。

***森山弟***

01 First Aid Kit / Waltz for Richard
02 Lucinda Williams / Metal Firecracker
03 Maria Muldaur / My Tennessee Mountain Home
04 Bonnie Raitt / Under the Falling Sky
05 Creedence Clearwater Revival / It Came out of the Sky
06 Jeevas / Have You Ever Seen the Rain
07 Professor Longhair / Meet Me Tomorrow Night
08 Dr. John / Mess Around
09 Neil Young / Only Love Can Break Your Heart

☆コメント☆

♪01  フリート・フォクシーズのカヴァー動画が話題になったスウェーデンの10代姉妹によるフリー・フォーク・ユニット。アコギの弾き語りに姉妹独特のハーモニーが美しい2010年のデビュー盤「The Big Black & The Blue」は一聴の価値あり。子供のくせにグラム・パーソンズに捧げた曲などもあって将来有望です。

♪02 オルタナ・カントリー珠玉の名盤「Car Wheels on a Gravel Road」(98年)より。このアルバムについてはもはや言うことは何もありません。買ってください。

♪03 イーヴン・ダズン・ジャグ・バンド~ジム・クウェスキン・ジャグ・バンド~ジェフ&マリア・マルダーと、グリニッジ・ビレッジの錚々たるグループでの活動を経て73年にリリースされたファースト・ソロより。ここにはアメリカ音楽の良心がぎっしり詰まっていて、一時期70年代でいちばん素晴らしいアルバムなんじゃないかと思っていたこともあります。今でも70年代アメリカというくくりではベスト5には入ります。

♪04 同時期に活躍した女性アーティスト(リンダ・ロンシュタット、リタ・クーリッジ)とボニーとの決定的な違いはやはり彼女のボトル・ネックのスライドでしょう。72年の「Give It Up」より。

♪05 南部ロックの代表といえばCCRを外すわけにはいきません。南部好きは1枚目から5枚目までは必聴です。この曲でも一段と南部色の濃い69年の4枚目「Willy and the Poor Boys」より。

♪06 ジーヴァスによるCCRのカヴァー。英国の音楽家によるアメリカ音楽の解釈には日本の音楽家とも通じるものがって楽しくも興味深いです。

♪07 ニューオリンズの大御所。77年の「Rock ‘n’ roll Gumbo」より。これも基本中の基本でしょうね。

♪08 超がつくほどの名盤であると同時にニューオリンズ音楽への道しるべでもある72年の「ガンボ」より。これを聴かずに死ぬことは許されていません。

♪09 ニール・ヤング永遠の名曲。70年の「After the Gold Rush」より。40枚くらいアルバムが出てるみたいですがこれがやっぱりいちばんいいと思われます。

***アライカオリ***

01 はっぴいえんど / あやか市の動物園
02 乱魔堂 / ちぇ!
03 沢田研二 / 夜の河を渡る前に
04 Vodka Collins / Terminal City
05 かまやつひろし / ペイパー・アシュトレー
06 石間ヒデキ / Night Mare
07 萩原健一 / 久し振り
08 井上堯之 / アフリカの光 順のテーマ Part 1
09 フードブレイン / 目覚まし時計
10 村八分 / 馬の骨
11 サディスティック・ミカ・バンド / 塀までひとっとび

☆コメント☆

♪01 泣く子も黙る、というか、泣いてる子どもが踊りだすんじゃないの、というようなイカしたリズムに言葉遊びが楽しい、言わずと知れたはっぴいえんどの名曲。

♪02 ブルージーであり、ギターのリフがグラムっぽいときもあり、さらにはハードロックっぽいコード進行もあり。ごった煮感が最高な1曲。メンバーひとりひとりのプレイヤビリティも相当に高そうな感じ(専門知識がないんであまり自信がないですが)。

♪03 お化粧路線時代が尾を引いて日本のグラムロックの始祖なんて言われることもあるジュリーですが、実はグラムっぽい曲はそれほど多くない。その中でも比較的グラム色が強く、シングルカットされていないにもかかわらずジュリーファンに根強く支持されている曲。高音の伸びが気持ちいいのだ。

♪04 ジュリーが実は音楽的にはあまりグラムっぽくないってことで、日本発のグラムロックっつたらこのバンド、と言い切りたいのがVodka Collins(ボーカル&ギターはアメリカ人だけど)。サウンド、メンバーの出で立ち、アルバム「東京-ニューヨーク」のジャケット、全てがクール。

♪05 多重録音バンザーイ。なんでムッシュってこんなふうに力を抜いてカッコいい音楽を作れるのだろう。

♪06 フラワー・トラベリン・バンド(80’sはショーケンやジュリーのバックバンドでも活躍)でお馴染みの石間秀機のソロ作品(この作品は石間ヒデキ名義)。ギターバカテクな方ですが、この曲は意外とバカテク感低め。言葉足らずだなあと思いつつ、あえて書きますが、まるで洋楽なサウンド、アレンジにボーカルでかっこよいのです。

♪07 ショーケンの音源ってレコーディングされたものはアレンジが意外と歌謡曲っぽいのが多いのだけど、この曲はレコーディングからしてロックしてたのかな。熱い吐息。オーイエー。

♪08 ショーケン主演映画「アフリカの光」のサントラより。レゲエ風のアレンジで、かつ浪曲っぽいような独特のリズムがこの映画におけるショーケンの根無し草的な風情とぴったりマッチ。

♪09 バカテク自慢なメンバーがバカテクマストな楽曲をバカテク駆使しまくりでレコーディングした1曲。変拍子バンザーイ♪ 個人的には加部正義のベースプレイがものごっつうカッコいいと思う。

♪10 馬の骨 by 村八分って言葉の並びが最強。

♪11 泣く子も黙る、というか、泣いてる子どもが踊りだすんじゃないの、というようなイカしたリズムにトノヴァン&ミカさんの掛け合いが楽しいサディスティック・ミカ・バンドのこの曲で締め。

---70’sの日本のロックというテーマで選曲しました。♪01,02,11以外はGS出身者の70’sの活動に関係するものという縛りを勝手につけてます(自己満足)。

***松田行正***

01 The Sidemen / Lost John
02 The Sidemen / Why did you wander
03 Larry Perkins & Friends / Foggy Mountain Top
04 The Sidemen / Let your conscience be your guide
05 Tim & Mollie O'brien / Lookin' for the stone
06 Butch Baldassari / Morgan Megan
07 Larry Sparks & Lonesome Ramblers / Tenessee 1949
08 Tim & Mollie O'brien / Shut De Do
09 Larry Sparks & Lonesome Ramblers / Blue Virginia Blues
10 Charlie Sizemore / Who cares
11 Alison Krauss / Every time you say Goodbye
12 Larry Perkins & Friends / Lullaby for LeAnne
13 Alison Krauss / I will
14 Del McCoury / Durham's Bill

☆コメント☆

♪01 From『Almost Live at the Station Inn』 Station InnでのOpening Numberはこれ。非常にTraditionalなフレーズの宝庫です。Bluegrassの発展が炭鉱地帯を走る鉄道と共に歩んだことを思い起こさせます。

♪02 From『Almost Live at the Station Inn』 超速弾き&超高音コーラスでしたが、回転数がおかしい訳ではありませんでした。これだけ速いと裏打ちはホントに裏にはまってるのかと思わされます。Bluegrassと言えば速弾きソロ後のドヤ顔です。

♪03 From『A touch of the Past』 スリーフィンガーバンジョースタイルを確立したアール・スクラッグスのバンジョーの音色、奇才ジョン・ハートフォードのフィドル、神様ソニー・オズボーンはギッジョーというバンジョーとギターをくっつけた楽器を弾いています。

♪04 From『Almost Live at the Station Inn』 フロリダとかカリブをイメージさせるリズム。最も南部っぽいアレンジでした。時々こうしたポップな曲にも出会うことができますが、かなり稀です。
♪05 From『Remember me』 Bluegrassの典型的ゴスペル・ソング。バプティスト派の教会でよく歌われるゴスペルは、スタンレー・ブラザーズにより多数紹介され以後定番になりました。これもスタンレー・ソング。

♪06 From『A Day in the Country』 スタジオSuite2000を代表する音のきれいさが味わえます。エンジニアのRich Adler は、見た目Jerry Garciaのような大男ですがとても繊細な人で、ビンを普通のゴミ箱に捨てたら怒られました。当時すでに仕分ゴミを導入していました。

♪07 From『Silver Reflections』 地元賛歌三部作の一つ。このマンドリンのイントロ、ギターソロはテクニック要。このソロが弾きたくて地元の若者は日夜練習し、フェス会場でのジャムセッションでは多数のドヤ顔に出会えます。

♪08 From『Remember me』 アカペラでアレンジされた、ゴスペルソング。教会で聞いているようなミキシングと、モリー・オブライエンの歌の上手さが堪能できました。

♪09 From『Silver Reflections』 地元賛歌三部作の一つで、ラリー・スパークス最大の代表作。泣ける歌詞と、ギターソロはロンサムを追求するギタリスト達の憧れ。そして、昔の恋バナを思い出すオバサマ達の憧れ。

♪10 From『Back Home』 カーター・スタンレー亡き後の4代目ボーカリストとして長くバンドを支えたチャーリー・サイズモア。脱退後はカントリーシンガーとして有名になりました。コーラスはアリソン・クラウス。

♪11 From『Now that I've found you』 アリソン・クラウス、92年の大ヒット作。こちらもSuite2000の録音。アリソンの感性と、女性らしい歌詞が涙腺を刺激します。

♪12 From『A touch of the Past』 ラリー・パーキンスが娘のルアンちゃんに捧げたインスト。バンジョーのフレーズに、アール・スクラッグスフレーズが散りばめられていて楽しめる一曲でした。

♪13 From『Now that I've found you』 ビートルズ・ソングも、アリソンの高い技術と音楽性でアレンジされます。ドブロは、第一人者のジェリー・ダグラスです。これもSuite2000でした。

♪14 From『Live in Japan』 デル・マッカリーの名盤ライブインジャパンから。1979年、水戸市で録音された至極のアルバム。マンドリンのハーシェル・サイズモアのギブソン・ロイドロアーの音色が堪能できました。

***森山弟***

01 Tony Joe White / They Caught the Devil and Put Him in Jail in Eudora, Arkansas
02 Roger Tillison / Old Cracked Looking Glass
03 L. A. Getaway / The Promised Land
04 Paul Butterfield Blues Band / Mellow Down Easy
05 Bill Lloyd / Picture Book
06 Nickel Creek / The Fox
07 Herb Pedersen / Paperback Writer
08 Primal Scream / Hell’s Comin’ Down
09 The Band / Rag Mama Rag
10 グレート3 / Chop The Meat
11 斉藤和義 / ベリーベリーストロング~アイネクライネ~
12 Travis / The Weight

☆コメント☆

♪01 スワンプ・ロックといえば何はなくともまずはトニー・ジョーです。71年の「Tony Joe White」より。ねっとり絡みつく激渋ファンキー・スワンプ。

♪02 ジェシ・デイヴィスのプロデュースによる骨太南部ロックの傑作「Roger Tillison’s Album」(71年)より。ウディ・ガスリーのナンバーをニューオリンズ・ブギ風味で豪快に仕上げてあります。

♪03 フライング・ブリトー・ブラザーズやタートルズにも在籍した腕利きセッション・マンたちによる泥臭い南部音楽グループの唯一のアルバムより。ドクター・ジョン、レオン・ラッセル、ジョン・セバスチャン、ブッカーT、クラレンス・ホワイトなど、本人たちより豪華なゲストに彩られた隠れた名盤。

♪04 シカゴ育ちの白人ブルース・ハープの巨人。肌の色に関係なく「好きなものを演る」ことの説得力がビシバシ伝わる初期の未発表曲集「Lost Elektra Sessions」より。

♪05 おまけCDよりキンクスのカヴァー。

♪06 オルタナ・ブルーグラス?伝統音楽の現代的解釈というのはいつでも興奮させてくれます。2000年のデビュー作より。

♪07 再びおまけCDよりビートルズのカヴァー。コーラスにリンダ・ロンシュタット、エミルー・ハリスを迎えたアルバム「Southwest」(76年)はカントリー・ロックの良心。味わい深いジャケットでも有名な好盤。

♪08 ロックンロールの最終形態「Riot City Blues」(2006年)より。英国人による南部ロックの作品としては今世紀最高の一枚。

♪09 こちらは20世紀最高の南部ロック・アルバム「The Band」(69年)より。リヴォン・ヘルムが「ラジオでヒットする曲がほしかった」とインタヴューで言ってました。その通りのご機嫌なチューン。

♪10 いったん南部から離れてグレート3。ゴリゴリ・ファンクにもどことなく品が漂うセンスはさすが。

♪11 小説家の伊坂幸太郎とのコラボから生まれた短編小説のような曲。6分間で一冊読み終えたような気分にしてくれる、忙しい現代人にはありがたいお得な一曲です。

♪12 あのトラヴィスが湿っぽくザ・バンドの名曲をカヴァー。スワンプの湿気じゃなくてスコットランドの湿気。シングル「Coming Around」のカップリングでだけ聴くことができます。

***森山兄***

01 Rockpile / When I Write the Book
02 Brass Monkey / Waterman's Hornpipe
03 Moondog / Sextet (Oo)
04 ヴィンセント・アトミクス / クール・ランニング
05 Clark Terry / Somewhere Over the Rainbow
06 Ray Bryant / Poochie
07 Carmen Miranda / Rebola a Bola
08 Don Crawford / She's Gone Now
09 小椋佳&フライング・キティ・バンド / 夢のペニー・キャンディーズ
10 Swingle II / The Windmills of Your Mind
11 ふちがみとふなと / ティーチ・ユア・チルドレン
12 Ramsey Lewis / Mother Nature's Son
13 Donald Byrd / Book's Bossa

☆コメント☆

♪01 当日配ったおまけCDからプレイ。

♪02 マーティン・カーシィとジョン・カークパトリックが組んだ、英国の伝承音楽をこれまた英国お得意のブラス・バンドっぽいテイストを加えて演奏するグルーブ。最近の若いアニメ好きのひとって無条件にケルトっぽい音に反応したりするみたいですから、こういうのもいけるんじゃないですかね? って、ざっくりしすぎですかね?

♪03 ムーンドッグです。例によってどこどこ言ってるだけです。

♪04 芳垣安洋なんかがいるグループです。電気ベースがちょっとうるさくて、わたしの嫌いな、最近の頭の悪そうな若手のジャズっぽい感じになってしまっているような感が無きにしも非ずです。

♪05 「虹の彼方に」をノリのよいサンバ風に演奏しています。

♪06 未CD化?『テイク・ア・ブライアント・ステップ』より。ジャズ・ロックです。YouTube

♪07 カルメン・ミランダの生誕100周年は今年かと思ったら去年だったんですね。去年は日本ではとくになにごともなく終わりましたが、今月21日、ユーロスペースで彼女のドキュメンタリーが上映されます。ずっと見たいと思っていたのですが所用で行けないことが確定しております。無念。

♪08 黒人?のフリーソウル系SSW。去年、アルバム3枚くらいがまとめてCD化されました。

♪09 ウィキペディアでフライング・キティ・バンドの項を見ると、書き出しが「「シクラメンのかほり」「俺たちの旅」「揺れるまなざし」と立て続けにヒットを飛ばしていた小椋佳であるが、自分の歌唱力に限界を感じ(どんな歌を歌っても単調になると悩んでいた)、その打開策を模索してバンドを結成したのがフライング・キティ・バンドである。」となっていて、いきなり軽くのけぞらされます。「当初星勝は小椋佳のアレンジに参加することを嫌がったが(ロックしてないため)」などとも書いてあって面白い。

バンド名義でのアルバムは『5・4・3・2・1・0』(1977年)のみだそうです。ひさしぶりにCD再発されたものを、ご好意でいただきました。ありがとうございます。凄腕のスタジオ・ミュージシャン連中がフォーク/SSW系の作品に参加しだしたという、アメリカで起こっていた現象の日本版、ともいえそうなアルバムです。

♪10 スウィングル・シンガーズを解散させたウォード・スウィングルがあらたに結成したのがスウィングルIIです。ひねりがない名前ですが、わたしに免じて勘弁してやってください。この曲はルグランが(映画「華麗なる賭け」のために?)書いたものです。このヴァージョンは、たぶん未CD化のアルバム『ワーズ・アンド・ミュージック』に収録。

♪11 ヴォーカルの渕上さんと、ベースの船戸さんのデュオ。この曲(CSN&Yのカヴァー)は以前もかけたので、ほかのにしようと思いつつ、またかけてしまいました。

♪12 ビートルズのカヴァーです。06のレイ・ブライアント同様、リチャード・エヴァンズが編曲。キャデット音源のなかからビートルズのカヴァーだけを集めた安直な(そのぶん、値段も安い)コンピより。ちなみに、アマゾンの、ルイスのほかのアルバムのページで、彼のことが「娯楽派キーボーディスト」と紹介されていたのには笑いました。

♪13 これもおまけCDよりプレイ。気持ちよいリズムです。わたしにとってジャズ・ロックっていうのは、ビリー・ヒギンズのドラムのことなのです。ロイ・マカーディでもいいですが。

***おまけCD「Read Before You Look」曲目***

01 岡田徹 / やって来るサリンジャー
02 Bill Lloyd / Picture Book
03 中村一義 / 魂の本
04 Fields / Schoolbooks
05 Joanna Newsom / The Book of Right-On
06 Lambchop / The Old Matchbook Trick
07 Joe Henry / I Will Write My Book
08 ふちがみとふなと / 古本屋のうた
09 Donovan / In an Old-Fashioned Picture Book
10 Prelude / Open Book
11 Herb Pedersen / Paperback Writer
12 Pilot / Library Door
13 サザンオールスターズ / 栞のテーマ
14 Rockpile / When I Write the Book
15 Elvis Costello / Everyday I Write the Book
16 大滝詠一 / 座 読書
17 Sha Na Na / Book of Love
18 Spanky Wilson & The Quantic Soul Orchestra / You Can't Judge a Book by Its Cover
19 Donald Byrd / Book's Bossa
20 スチャダラパー / B-Boyブンガク
21 Sonny Rollins / I Could Write a Book
22 Manfred Mann / My Little Red Book

☆☆☆収録曲出典☆☆☆
01 『海辺の名人』(1991年)
02 V.A.『This is Where I Belong: The Songs of Ray Davies & The Kinks』(2002年)
03 『金字塔』(1997年)
04 『Everything Last Winter』(2007年)
05 『Milk-Eyed Mender』(2004年)
06 『Is a Woman』(2002年)
07 『Civilians』(2007年)
08 『ヒーのワルツ』(2005年)
09 『HMS Donovan』(1971年)
10 『After the Gold Rush』(1973年)
11 『Southwest』(1976年)
12 『Two's a Crowd』(1977年)
13 『ステレオ太陽族』(1981年)
14 『Seconds of Pleasure』(1980年)
15 『Punch the Clock』(1983年)
16 『ナイアガラ・カレンダー』(1977年)
17 『Sha Na Na』(1971年)
18 『I'm Thankful』(2006年)
19 『Slow Drag』(1967年)
20 『5thホイール2ザ・コーチ』(1995年)
21 『Sonny Meets Hawk!』(1963年)
22 O.S.T.『What's New Pussycat?』(1965年)

☆読書の秋にちなんで、本っぽい曲を集めました。
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by soundofmusic | 2010-09-12 19:51 | PPFNPセットリスト | Comments(0)

実存

以前、携帯電話で音楽を聴くのに使っていたイヤフォンが壊れて新しいのを買いにいったことを書きました(ここ。それにしてもひどいタイトルの記事だわ……)が、ちょうど丸々だいたい1年で、それが断線したので、また新しいものを買いにいきました。

切らして困る日用品というと、トイレットペーパーとか電球とかが考えられるわけですが、それらはコンヴィニでも売っているし、そもそも、うっかり気に入らないものを買ってしまっても使い切ったらそのときにお気に入りのものにすればいいことだし、そもそも、気に入るとか気に入らないとか、そんなにあるもんじゃないとも言えなくもない。

ヘッドフォンないしイヤフォンは、とりあえずないと不便だからって安いのを買ってしまってそれが失敗だったら、それでもしばらくそれを使い続けなくてはならないのがこまりもの。もう、断線に備えて、ふたつみっつ買い置きしておいてもいいくらいのものです。

わたしの希望は、音量調節のスライダがついていて、コードがY字型(左右同じ長さ)じゃない、もの。これがまた難物で……。そもそもいま、iPodやiPhone用しか想定されていないのか、音量調節のスライダがついているものが極度に品薄。渋谷の109の脇のビックカメラに行ったら、品数はそれなりにあるのに、結局はどれも、客(というかわたし)の多様なニーズには応えてくれず、唖然として引き揚げてきました。舞鶴で船を下りて、かわりはてた故国の姿を目にした引き揚げ兵も、そのときのわたしほど唖然とはしていなかったでしょう。

結局、去年の秋同様、池袋のビックカメラに行ったら、ここはさすがに109の脇の店より大きいので、なんとかスライダつきのものを買うことができました。がしかし、コードはいまほぼ全部Y字型だね。丹念に見たので間違いないと思う。首の前にコードが来ているとうるさいし、第一Y字型だと、ちょこっとイヤフォンをはずしたいときになんかぶら~んとする。あのマヌケさがね。ああいう気持ちを、実存っていうのかしら。

---

あさって土曜日のお知らせです。いい音楽がいろいろかかります。ご都合つく方は、ぜひ遊びにいらしてください。

*PPFNP Vol.80*
日時:2010年09月11日(土)18時~22時
会場:渋谷エッジエンド(Tel:03-5458-6385)
料金:800円(1ドリンク&おみやげ付き)
DJ:アライカオリ/松田行正/森山弟(弟)/森山兄(兄、サウンド・オヴ・ミュージック)

☆詳しくはこちら
☆PPFNPは、今回から、奇数月の第2土曜日に開催日が移動します。

ゲストのアライカオリさんは、とある方がとある事情により、変名でご登場なさるものです。70年代の日本のポッブスやロックが中心のプレイになりそうです。松田さんはハードコアなブルーグラス/カントゥリー・ファンですので、そのへんが多くなるかも。なお、同姓同名の有名人様が存在なさるようですが、PPFNPに出るのは一般人様です。

今回配布されるおまけは、申し訳なくもブックレットなしのヴァージョンです。そのかわり、フリーペーパー「サウンド・オヴ・ミュージック」を作りましたのでお配りします。約24ページ(表紙・ウラ表紙込み)、1冊まるごと「南部」の特集です。なぜいま南部か、と聞かれても答えられません。あしからず。

【内容】
・<アンケート> 南部について話してください。 …… 津守/ゆかぞう/stein_/オカムラ/鉄井孝司
・ブルーグラスを訪ねて …… 松田行正
・3連チャンポン …… 太田健一
・祝モーズ来日 …… うない
・南部にまつわるエトセトラ …… 森山弟
・ミシシッピには蒸気船がよく似合う。 …… 森山兄

おもしろい感じに仕上がりました。どうぞご期待ください。
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by soundofmusic | 2010-09-09 16:41 | 日記 | Comments(0)

自転車泥棒

遅刻しそうになった警官が、それを防ぐため、レンタル・ヴィデオ店の店頭から自転車を盗んだはいいものの、結局はつかまった、という趣旨のニュースを聞いた。

この件に限らず、犯罪のニュースを見聞きしたときにしばしば、「少し考えれば分かることなのに、どうしてそんなバカなことをするんだろう」などと感じるわけですが、これについても、同様の反応を示すひとが多いのではないかと思います。で、「犯罪者は失敗することなど考えないのだ」とか、「犯罪者は正常な判断力に欠けるのだ」とか、決め付けてしまう。

ですが、犯罪者、というのは、ある行動をおこなった人間を分類する便宜上の言い方に過ぎないのではないか。いままで学生だったり、フリーランスだったりしたひとが、会社勤めを始めたことを機に会社員と呼ばれるようになるのと一緒。そういう人種がいるわけじゃない。もっとも、生まれた瞬間から、全身全霊、骨の髄までが会社員にしか見えないようなひとがごくまれにいるように、犯罪が服着て歩いてる、ようなひとも、まったくいないわけではないと思いますけど、このへんの話は長くなるので省きます。

この事件で気になったのは、そうまでして(=社会的に正常とみなされる判断をなげうってまで)遅刻したくない気持ちにさせるメカニズムはなにか、ということ。わたしも、遅刻しそうな際、閉まりそうな電車のドアをこじ開けて乗ったり、信号無視をしたり、することがありますが、さすがに自転車は盗まないと思う。しかしそれは、とりあえず電話を1本入れとけば、多少は遅刻してもさしつかえない環境だからにすぎないから、かもしれない。

自転車を盗んだ警官の職場が、度を過ぎて勤怠に厳しかったらどうなるか。絶対に遅刻できない、と考えた瞬間、ほかの判断は全部吹っ飛ぶかもしれない。遅刻しなきゃいいじゃん、遅刻するやつが悪い、というのはごもっともな話だけど、理性が吹っ飛ぶような職場環境/労働条件のほうがおかしい、とは考えられないだろうか? 実際問題、必ず一定の時間にそいつが来ていないと重大な支障をきたす職場がどれくらいあるか?
規定の時間より、来るのが30分遅れたら、そのぶん30分残ればいい。

とか書いていて、世の中(の一部)にはフレックスという制度があることにも気づいてしまったし、そもそも、シフト制の職場だったりすると、後ろのシフトの奴が遅れることによって誰かが居残らなくてはならず、あれは(ときどき)無性に腹立たしかったりするものだ。ただしやっぱり、警官が遅刻したくなさのあまり自転車を盗む環境は異常であるとしかわたしには思えない。

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明日です!

*黒の試走車<テストカー> Vol.43*
日時:2010年09月04日(土)19時~23時
会場:渋谷メスカリート
地図
料金:500円+1オーダー(500円~)
DJ:az/SZ/チバ/森山兄
出席かも:マジック
ゲスト:sendapopone

毎月おなじみのラウンジィなイヴェントです。明日は、もとsendaixくんことsendapoponeくん(名前読めねぇ!)がゲストとして登場しますよ。メスカリートのクーラーは若干利きが悪いかも。なので、遅めの夏休み、ヴェトナムかどこかに遊びに来たような気分でくつろいでくださいませな。
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by soundofmusic | 2010-09-03 23:55 | 日記 | Comments(0)