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夢のアルバム

d0000025_4154388.jpg高円寺にコクテイルという古本酒場があって、古本酒場って何かといえば古本を売っている酒場なんですけど、古民家のような内装、センスのよい選本、リーズナブルかつ美味な酒と料理、と、ベタボメするにやぶさかでないお店でありまして、じゃあそんなに言うならおまえしょっちゅう通ってて、カウンターに座ったとたんに「いつもの」が出てくるんだろうな、と思われるかもしれませんが、ぜんぜんそんなことなくて、わずかに年に1回前後行くにとどまっています。

というのは、ここ何年か、毎年暮れになると、オラン、阪本正義、ジョー長岡の3人がコクテイルにあつまって夕方の早い時間からうたい、18時ごろから飲む、という催し物があって、都合しだいで参加したりしなかったりしているのです。このあいだの日曜日、本年度版のそれがあって、仕事が終わってからだったのでライヴには間に合わず、19時半過ぎに会場に到着すると、阪本さんとジョーさんはすでにいくらか酔ってなされた。

そういえば2011年末のコクテイルで、ジョーさんは、「来年(注:2012年のこと)はアルバム作るぞ!」と言ってて、普通に期待してたんだけど、いつのまにかその2012年も終わりに近づき、ジョーさんは去年と寸分たがわぬ口調で、「来年(注:この場合は2013年のこと)はアルバム作るぞ!」と宣言してた。

こっちも酔っ払っている気安さで、曲はどうやって作るのかとか、ギターの練習ってするのかとか(するそうです)いろいろ質問しているうちに、そういやアルバムができるあたりのタイミングでわたしがジョーさんにインタヴューした冊子を作るとかいう計画もあったなあと思い出したんだけど、ジョーさんもわたし同様、自分で何かするよりもひとになにかやらせるほうが好きなタイプなのではないかと思い至り、そういう人間はえてしてなにもしない可能性が高いので、なんだったら、かくなるうえは、不肖わたしがジョーさんをプロデュース(秋元康的な意味で。音楽的なディレクションはちゃんとしたひとにやってもらう)したほうがいいんじゃないかとか言い出す始末。

ジョーさん、曲はあるって豪語してたからそのへんは心配ないとして、あとは全体をどうするかって話になる。せっかくだからゲストを迎えたい。船戸博史(ふちがみとふなと)とのデュオの曲が欲しい。三田村管打団?のホーンズとも共演させたい。岡村靖幸「カルアミルク」のカヴァーは練習してるらしいから近々ライヴで披露されるでしょう、だからこれも入れる。あとは洋楽の日本語カヴァーがあるといいな。トレイシー・チャップマン「ファスト・カー」とかどうだろう。三多摩っぽいヴァージョンになる気がする。東八道路をやけっぱちみたいにぶっ飛ばす速い車。ジョーさんの女うた、このギターのリフを聴いてみたい気がする。

ま、そんな大それた計画を立てなくても、実際に作るとなったら、身の回りのひとたちが自発的に集まってきて、手弁当で立派なアルバムを完成させてしまうに違いない。そうだ、当然阪本正義もゲスト参加しないわけにはいかないしね……と、いかにも忘れていたのを思い出したかのように書くけど、この日の宴席の収穫は、3月9日(土)のPPFNPで、阪本さんにうたってもらうことになった交渉がまとまったこと。阪本さんのブログには自分の演奏があまり紹介されてなくて、ひとの曲のYouTubeばかりが張られているから、みなさんぜひ各自で検索して阪本さんのうたを聴いてみてほしい。PPFNPに先立って、ジョー長岡と阪本正義のツーマンも予定されているらしいので、そちらもおすすめ。
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by soundofmusic | 2012-12-28 04:16 | 日記 | Comments(0)

彼女たちの場合

d0000025_14572299.jpg寺尾紗穂というシンガー・ソングライターがいます。父親は元シュガーベイブ→現字幕翻訳者、本人は東大の大学院を出ているっていうひとですから、わたしなんかは、両親がレコード・コレクターだとか、親の仕事の都合で子供のころ外国に住んでいたことがあるとか、そういう話を聞くだけで、なんだこの野郎スカしやがって、とか思ってしまう性質なので、寺尾さんの経歴を聞いて若干引き気味ではあったのですが、このたび、いつも世話になっているジョー長岡が彼女のライヴを企画するというので、せっかくの機会だからと腹をくくって、足を運んでみました。

そもそもソノリウムという会場の名前が床みたいだし、どこにあるのかと調べてみたら永福町とかいう聞き覚えがあるようなないような駅。駅からそこまでの道はありえないくらいまっすぐで、迷うことなく着いてみると、教会のような一軒家の会場の入口では、まるで「新郎」のような格好にびしっと決めたジョー長岡が立っていて、出会いがしらに思わずふきだしそうになってしまったのでした。

PAも使われていましたが、壁=天井が斜めに高く切り立ったホール自体のリヴァーブもよく効いて、グランドピアノが贅沢に響きます。寺尾のプレイはクラシックっぽかったり、ジャズ風だったり、70年代のシンガー・ソングライターの幾人かを思わせるものだったり、幅広くて聞き飽きない。アンコールでは陽水「傘がない」のカヴァーがありましたが、この曲のピアノなど、デイヴ・ブルーベックを連想。

はっとする言葉がはしばしに織り込まれていて――ここでちょっと脱線しますけど、聴いていてふと、西野カナのことを思い出しました。思い出すっていっても彼女の曲自体は知りませんので、よく揶揄される、会いたくて会いたくて震える、みたいな歌詞のこと。すっかりギャグになっているこの表現も、最初発明された時点ではかなりのインパクトがあったはずなんじゃないか、と――たとえば「骨壺」という曲だとか。この話は以前にもしたかしら、わたしが以前、ジョー長岡に、曲作りに行き詰まったりすることってないのか、と訊ねましたところ、彼は「骨壺」のことを引き合いに出して、骨壺ということばがポピュラー音楽の歌詞に出てきたのは初めてではないか、と言ったのでした。だから、うたの題材なんていくらでもある、と。実際これは骨壺が、必然性を持って出てくるうたです。

歌詞に聴き入ってしまったといえば「富士山」もそうで、ただしこれは平田俊子の詩に曲をつけたものだそうです。

積極的に聴いてもいない者が批判するのもどうかとおもいますが、そこらへんで耳にするJポップのある種のものの、感情を機械的に過剰増幅させたようなうたい方には違和感しか覚えませんので、声楽をやっていたという寺尾の、そっけなさすら感じさせるヴォーカルは、わたしにはとても気持ちよかったです。

「傘がない」ともう1曲披露されたカヴァーが、ジョニ・ミッチェルの「A Case of You」でした。この前日に見た中村まりも、ジョニの「リヴァー」をうたっていて、それだけではなくこの2曲、同じアルバムの8曲目と9曲目で並んでいますから、ちょっとおもしろいなと思いました。寺尾はこの曲を日本語訳でうたっていました。こういうことはもっとどんどんやってほしい。で、翌日、ひさしぶりにジョニのその『ブルー』を聴いてみて、歌詞を読んでいたら、寺尾の訳詞がわりと英語の内容そのまんまであることと、それと、自分がずっとこの曲について思い違いしていたことと、に気付きました。

寺尾さんの訳詞は覚えてないので、1番だけ超訳してみます。オリジナルはここで参照可能。

A Case of You

わたしたちダメになるちょっと前のこと
なんかあなた ドヤ顔で言ってたよね
「オレ、北極星みたいにブレないからね」って
それでわたし「ずっと暗闇の中にいるってこと?
なにそれバッカじゃない!
わたしだったら、会いたくなったらバーにいるから」

TVの反射の青白い光の中で
イラストつきのコースターの裏に
カナダの地図 いっこ描いた
カーナーダー のね
んでそこにあなたの顔 2回描いた
聖なるワインみたいにわたしの体の中を流れてる
とっても苦くてとっても甘い あなた

あなたのことだったらケースごとだって飲み干せちゃう
それでもちゃんと立ってられる
まだ立ってられるんだからね


(以下略)

ちょっと検索してみたら、この曲(に限らないかもしれませんが)の詞を日本語訳して載せてるひとがけっこういる。それで少なからぬ数のひとが、わたしと同じ思い違いをしていたようでした。つまりタイトルは「あなたの場合」ではなくて「あなた箱ごと」だってことなんですが。

以下だんだん話が細かくなるので適当なところで切り上げますけど、たとえばこの「holy wine」を「聖なるワイン」としたのはほんとに便宜的な訳に過ぎなくて、もちろんそれで日本語としての意味は通じるでしょうし、キリスト教に由来するものの考え方だということもあるいはおわかりかと思うのですが、じゃあもっとすんなり頭と体になじむような、英語くさくない日本語にする方法はないものか、と、そんなようなことばかりをずっと考えてる。
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by soundofmusic | 2012-12-19 14:59 | 日記 | Comments(0)

昔のあなたに

d0000025_3511516.jpg既報のとおり、松任谷由実&プロコル・ハルムのコンサートを見てきました。わたしはいままで生のユーミンを見たことがなく、とはいっても象が出たりレーザー光線が舞ったりロケットマンが飛んだりサーカスが展開されたりするという全盛期のステージの話はなんとなく聞いていましたし、また、世代的には、苗場といえばフジロックよりもまずユーミンととんねるずが思い浮かんだりする、まあそういう歳です。

場所は三軒茶屋の、昭和女子大学人見記念講堂。ここはたしか10年以上前になんかのコンサートが当たって来て以来だったかなあ。大きさは渋谷公会堂くらいでしょうか、昭和末期の香りをいまに伝える建物。そこの2階席から見下ろした2時間20分、最初にユーミンが弾き語りで何曲か、続いてユーミンによってメンバーひとりひとりが紹介されて登場したプロコル・ハルムが5曲くらい、次にユーミンが今度はバンドを従えてそれなりに、そして最後にユーミンとプロコル・ハルムがジョイントして、という感じで進んでいきました。

まずはじめに、ステージの奥に設置された楕円形のスクリーンに、ユーミンがプロコル・ハルムのメンバーに書き送った直筆の手紙が映され、ユーミン自身がそれを朗読する声が重なります。13歳のときに彼らの音楽に初めて触れ、ずっと同じステージに立つことを夢見ていたこと。夢を夢のままで終わらせるのも美しいことだけど、それを現実にしてみたいと思ったこと。そんなような文面だった気がします。

緊張なのか劣化なのか、弾き語りのユーミンの声は、あの独特な高音(ロボット・ヴォイス)は望むべくもなく、音程も相当あやしい。本人がやっているのでなければ、許容されえないレヴェルのパフォーマンスだったかもしれません。こういうとき、どうするか。この日うたわれた曲は2曲を除いてすべて結婚前の曲で、わたしはそのすべてを予習としてある程度聴き込んでいましたから(そんなことをしたのはひさしぶり)、割とすぐに脳内補正することが可能でした。また、それらの楽曲は、いちばん新しいものでも、彼女が二十歳そこそこのころに書いたものであることは忘れようったって忘れられるはずもなく、その本人が数十年後、目の前でどうにかこうにかそれをうたっている姿を見たら、冷静でいるのはやはり容易ではない。つまり、本人が本人を演じる、ユーミン・シングズ・ユーミン、それだけでOK。と、ふだんそういうことを思う性質ではあまりないにもかかわらず、そう感じました。

ユーミンはMCで何度も何度も、自分がいかにプロコル・ハルムの音楽に影響を受けてきたか、繰り返し繰り返し語っていました。そこまで言われれば、彼らのことをまったく知らないお客さんも、遠来のバンドを温かく迎えようという気にいくらかはなるもんだと思いますが、実際、どっしりと落ち着いた、基礎体力のあるいいパフォーマンスを見せてくれました。

バンド版のユーミンは、多少緊張もほぐれてきたのでしょう、うたはやや持ち直し、また、キャラメル・ママのように才気あふれるとは言わずとも、達者で器用な演奏に支えられて、のびのびとステージをこなしているように見えました。たしかサックスも入ってノリノリだった「14番目の月」。かなりスカっぽいアレンジになっていたデビュー曲「返事はいらない」の前には、MCで、若いころはなにかと重厚なものに憧れるもので、自分はプロコル・ハルムみたいなことをやりたかったけど、プロデューサーの意向でSSWっぽい路線をとることになった、と話していました。

ユーミンとプロコル・ハルムの合体版は、プロコルの曲をユーミンとゲイリー・ブルッカーがヴォーカル・パートを分け合って数曲を演奏したのち、ブルッカーが英語詞をつけてやはりふたりでうたう「ひこうき雲」「翳りゆく部屋」が続きました。この2曲は、ユーミンいわく、自分の曲の中でいちばんプロコルの影響が濃い、とのことでしたが、彼らのうたと演奏で聴くと、なるほどこのハマり具合はかなりのものでした。

繰り返しになるけど、思春期の危うさを全部吐き出してて、それでいてバランスを崩すでもなくて、こういう曲を書いてしまう女の子っていうのはいったいどんな存在だったんだろう、ユーミン、昔のあなたに会ってみたかったよ! 

---

以下は余談です。

○いつもそうなのかこの日だけなのか知りませんが、コンサート中しばしば、深々と頭を下げて、「ありがとうございました!」と言うもので、そこでコンサートが終わりなのかと思ってしまう。

○そういえばプロコル・ハルムのキーボーディストのマシュー・フィッシャーは日本在住のはず、と思って調べてみたら、「青い影」の印税をめぐってメンバーとは仲違いしている様子。そのついでにわかったこと。ベースのマット・ペグは、フェアポート・コンヴェンションとジェスロ・タルでベーシストを務めたデイヴ・ペグの息子。(1月19日追記。日本在住なのは、元モット・ザ・フープルの鍵盤奏者のモーガン・フィッシャーでした。失礼しました)

○日本で、ユーミンと同じくらいプロコル・ハルムに影響を受けているのがムーンライダーズだと思うけど、もしユーミンのデビューが数年遅かったら、彼らがバックを務めたことがありえたかもしれないね。そしたら英国的な翳りが満載の名盤ができたんじゃないだろうか。昔誰かがどこかで、はっぴいえんどはダンスで、ライダーズは文学だ、と書いていたことを思い出したり……。

○ビートニクスのカヴァーでおなじみの「ピルグリムズ・プログレス」は、やってくれなかった。

トム・ウェイツ・ヴァージョンの「翳りゆく部屋」
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by soundofmusic | 2012-12-13 03:53 | 日記 | Comments(1)

リスト Volume 93 2012.11.10 ゲスト:TAKASHI FURUSAWA ライヴ:./irori

***森山兄***

01 Jerry Douglas / The Boxer
02 Ton Van Bergeyk / Blue Monk
03 Charlie Rich / That's My Way
04 Larry Jon Wilson / Ohoopee River Bottomland
05 Joe Bataan / I'm No Stranger
06 O.S.T. "Brotherman" / I'm Ready for Love
07 Margie Joseph / Let's Stay Together
08 Blue Magic / Answer to My Prayer
09 松任谷由実 / コバルト・アワー
10 Carole King / Bitter with the Sweet
11 Elbow Bones & The Racketeers / Mama's in Love Again
12 加藤和彦 / 優しい夜の過ごし方

☆コメント☆
♪01 アリソン・クラウスのバンドでなんだか弦楽器を弾いているひとです。アルバム『トラヴェラー』より。サイモン&ガーファンクルのカヴァー。サイモン本人と、マムフォード&サンズをゲストに迎えております。(YouTube)

♪02 ダック・ベイカー・プロデュース。ジャンルで言うとフィンガーピッキング・ギターでしょうか。『ルルズ・バック・イン・タウン』より。(Amazon)

♪03 銀狐の異名を取ったカントゥリー・シンガーですが、ジャズ、ロックンロールなどの要素も混ざっていて、モッズのひとでも無理なく聴けると思います。ベスト盤より。(Allmusic)

♪04 低音を生かした渋い声+ヒップなビート。名コンピの名をわたしの中でほしいままにしている『カントゥリー・ファンク1969-75』に入っていて知りました。彼の『ニュー・ビギニングス』というアルバムに入っているそうで、そちらもおいおい買いたいです。(YouTube)

♪05 たしかフィリッピン系のラテン・ソウル歌手。もともとは『シンギン・サム・ソウル』に入ってましたが、今回はベスト盤からプレイしました。あいすません。(YouTube)

♪06 オクラ入りした黒人映画のサントラだそうですが(ほんとに?)、はねるリズム、ヤクザなギター、スウィートなハーモニーの3拍子がそろったモダン・ソウルの好盤。こちらで全曲試聴可能。おすすめ。

♪07 ワーナーのソウル名盤1000円シリーズで買ってみたコーナーその1。『マージー・ジョセフ』より。アル・グリーンのカヴァーです。(YouTube)

♪08 ワーナーのソウル名盤1000円シリーズで買ってみたコーナーその2。『ブルー・マジック』より。イントロのアレンジがすばらしすぎるメロウ・ソウル。(YouTube)

♪09 アルバム『コバルト・アワー』より。ヴォーカルの引っ込み具合、猛烈なグルーヴ、非の打ち所なし。ジャケットのイラストはペーター佐藤。この絵、どうなんでしょう。いま、一周して逆にかっこいい? それともまだ周りきってない?(YouTube)

♪10 アルバム『Rhymes & Reasons(喜びは悲しみの後に)』より。チャールス・ラーキーのよく走るベース、ハーヴィー・メイスンの独特の軽さを持ったドラムス、見事です。メイスンみたいなドラマーは日本にはいないかな?(YouTube)

♪11 このひとたちのことは、数か月前の「黒の試走車」のときに、autoprocさんに教えてもらいました。80年代にアルバム1枚を残した、30~40年代のスタイルを模したヴォーカル・グループ。オーガスト・ダーネル(キッド・クレオール←いまさらながらかっこいい名前)が仕掛け人だそうです。アルバム『ナイト・イン・ニューヨーク(New York at Dawn)』より。この曲はYouTubeにないっぽいので、かわりに「アザー・ガイズ」をどうぞ→(YouTube)

♪12 アルバム『あの頃、マリー・ローランサン』より。日本のポップス史上、おしゃれなアルバム選手権を開催したらベスト10には間違いなく入るでしょう。なにをもっておしゃれと定義するかも難題ですが…… (YouTube)

***森山弟***

01 Moreno+2 / O Livro & O Beijo (2005)
02 Essex Green / The Playground (1999)
03 Dirty Projectors / Unto Caesar (2012)
04 カンザスシティ・バンド / 俺ァわかってる (2001)
05 Julius Brockington / Balt./Wash. Exp. (1973)
06 Underworld / bigmouth (1992)

☆コメント☆
01 カエターノ・ヴェローゾの息子による新世代MPB。適度な電子音に乗っかるブラジリアン。

02 現代アメリカのサイケ・ポップ。デビュー作「Everything is Green」より。

03 ブルックリンの実験的インディー・ロック。わりとフォーキーな新作「Swing Lo Magellan」より。

04 スウィンギン・バッパーズみたいな日本のジャイヴ・バンド。「バレルハウスで☆ヘイ!ヘイ!」より。

05 70年代NYの黒人音楽レーベル、パーセプションとトゥデイのジャズ・ファンク・コンピレーション「リターン・オブ・ジャズ・ファンク~キラー・ジャズ・ファンク・フロム・パーセプション/トゥデイ・ボルト」より。P-VINEによる日本独自企画盤。

06 Lemon Interupt名義でのデビュー・シングル「Eclipse」のカップリング。ブルース・ハープがしびれるよね。

***TAKASHI FURUSAWA***

01 Madonna / erotica (underground CLUB mix)
02 DJ Q / The Latin Quarter
03 Sun Orchestra / Driftin
04 RATCLIFF / Grapesoda
05 NUYORICAN SOUL feat. India / RUNAWAY (MOUSSE T's JAZZFUNK Experience)
06 The Braxtons / The Boss (KENLOU mix)
07 ---unknown--- / Love will fix it
08 The Clash / Mustapha Dance

***ライヴ:./irori***

01 HACK
02 赤
03 Fomallhaut
04 泡と棘
05 プレアデス

***森山弟***

01 Stone Roses / Driving South (1994)
02 Isobel Campbell & Mark Lanegan / Hawk (2010)
03 オーサカ=モノレール / THANKFUL (For What You've Done) (2004)
04 Soul Snatchers / Sniffin' and Snatchin' (2008)
05 Bamboos / Medicine MAN (Featuring Ella Thompson) (2012)
06 2raumwohnung / Ich Weiß Warum (2002)
07 Clare & the Reasons / Rodi (2007)
08 Amy Winehouse / The Girl from Ipanema (2011)
09 ハンバートハンバート / プカプカ (2010)
10 真島昌利 / I Fought the Law (2007)

☆コメント☆
01 ローゼズのセカンドより。吉祥寺ROCK JOINT GBにスランキーサイド見に行ったとき開演前のSEでかかってて改めてかっこいい曲だなと。

02 元ベルセバの人。マーク・ラネガンと組んでの2作目かな。

03 JB愛好家による日本のファンク・バンド。音もそのまんまです。

04 現代オランダのファンク・バンド。ジャズ・ファンク寄り。

05 バンブーズの新作は初の試みとしてヴォーカリストをフィーチャー。歌ものポップ・ファンク。これはいいです。

06 ドイツのエレ・ポップ・デュオ。読み方はわかりません。この曲はフォークトロニカっぽくて気に入りました。

07 ジェフ・マルダーの娘クレア・マルダーのバンド。グループとしてのデビュー作「Movie」より。レトロ映画の架空のサントラみたいな好盤。

08 死後に発表されたエイミーの未発表曲集より、ボサノヴァのクラシック。

09 「シングルコレクション2002-2008」より、西岡恭蔵さんの名曲カヴァー。

10 現クロマニヨンズのマーシーによるクラッシュのカヴァー。ブルーハーツ時代にリリースしたソロ3作目「RAW LIFE」(1992)のリマスター盤ボーナス・ディスクに収録。呑気な雰囲気がよいです。

***森山兄***

01 Kate Rusby / Village Green Preservation Society
02 Ben Sidran / Everything is Broken
03 カーネーション / スパイク&ミー
04 A Tribe Called Quest / I Left My Wallet in El Segundo
05 Candido / The Lady is a Tramp
06 The Modernaires / Caribbean Clipper
07 Little Richie Varola / Who's Afraid of Virginia Woolf?
08 Claude Nougaro / A Tes Seins (Saint Thomas)
09 Meklit & Quinn / Slow
10 The Country Soul Revue (Larry Jon Wilson) / Friday Night Fight at Al's
11 二階堂和美 / とつとつアイラヴユー

☆コメント☆
♪01 英国のSSW。キンクスのカヴァーです。『オークワード・アニー』より。(YouTube)

♪02 ボブ・ディランのカヴァー集『ディラン・ディファレント』より。ディランとモーズ・アリスンを並べて語っているひとを見たことがありませんが、あいだにシドランを置くとこのふたりはすんなりつながると思います。といったようなことを考えさせてくれる1枚。(YouTube)

♪03 新譜『スウィート・ロマンス』より。大谷能生のサックスとラップをフィーチュア。バンドにゲストが入った曲、という段階を大きく逸脱しているような。(Amazon)

♪04 このあいだ見たATCQのドキュメンタリーに触発されて。『ピープルズ・インスティンクティヴ・トラヴェルズ・アンド・ザ・パスズ・オブ・リズム』より。(YouTube)

♪05 キューバ出身のパーカッション奏者。ヤケクソのようなパーカッションの乱れうちがかっこいい神カヴァー。なぜか未CD化(たぶん)のアルバム『コンガ・ソウル』より。(どっかのレコ屋のサイト)

♪06 グレン・ミラーなんかと一緒にやっていた混声コーラス・グループ。ミラーの曲だけを集めたアルバムより。それにしてもこの曲、祭囃子のような笛+ラテン・パーカッションによる導入部から、ド派手に入ってくるビッグ・バンド・サウンド、そしてそれにあわせてのコーラス、という始まり方がすばらしい。検索をかけてもとくにヒットしないところを見ると、この曲はまだ誰にも「発見」されてないんでしょうか? だとしたら惜しい。(Amazon)

♪07 リトル・リッチー・ヴァローラは、たしかルイ・プリマのところにいたオルガン奏者。(たぶん)この曲だけ、昔コンピでCD化されていますが、唯一の?アルバム『リトル・リッチー・ヴァローラ』は未CD化。以前買って持っているのですが、9月にサンフランシスコに行った際、安く売っていたのでまた買ってしまいました。(YouTube)

♪08 シャンソン・フランセーズの精神を保ちながら、よりジャジーな歌唱スタイルを貫いたフランスを代表する歌手だそうです。知らない人でしたが、ユニオンで安く見かけて、ピーター・フォーク似のジャケットと、このロリンズ「セント・トーマス」のカヴァーに惹かれて購入。日本の文系ヒップホップ・グループ、宇宙商人にも「セント・トーマス」使いの曲がありますが、このヴァージョンをもしかしたらヒントにしてる?(Amazon)

♪09 前々回の日記からほぼコピペ→エチオピア出身のメクリットさん(女性)と、ブルース、ゴスペルっぽい音楽をやっているクインさん(たぶんアメリカの黒人男性)という、それぞれ自分のアルバムも出しているふたりによるデュオ。アルバム『メクリット&クイン』より。サンフランシスコで売っているのを見て、ジャケがいい感じなので興味を惹かれて、帰国後に買ってみました。トーキング・ヘッズ、スティーヴィー・ワンダー、ルー・リードなどのカヴァーを含有しています。公式サイトでいろいろ試聴可能。いっしょにレコを見てる様子もなごみます。

♪10 カントゥリー・ソウル・レヴューは、ドニー・ジョー・ホワイト、ボニー・ブラムレット、ダン・ペンらが参加しているプロジェクト名なのかな。この曲を歌っているのはラリー・ジョン・ウィルソンで、気づいてませんでしたが前半の4曲目と同じひとでした。アルバム『テスティファイング』より。(Amazon)(YouTube)

♪11 実家が寺で、現在は本人も尼僧として活躍しているSSW。アルバム『にじみ』より。ライヴ・ヴァージョン→(YouTube)

***おまけCD『The Photo Album』曲目***

01 Wilco / Kamera
02 荒井由実 / 卒業写真
03 Clare and The Reasons / Photograph
04 小野リサ / Fotografia
05 Miles Davis / Chez le Photographe du Motel
06 Herbie Hancock / Thomas Studies Photos
07 矢野顕子 / フォトグラフ
08 John Pizzarelli / Take a Lot of Pictures
09 Rod McKuen / No Pictures, Please
10 南佳孝 / ポートレイト・ウーマン
11 The Bird and The Bee / I Hate Camera
12 フリッパーズ・ギター / カメラ!カメラ!カメラ!(ギター・ポップ・ヴァージョン)
13 Elliott Smith / Pictures of Me
14 Tamas Wells / For the Aperture
15 Son Volt / Out of the Picture
16 Robert Ellis / Photographs
17 Rod Stewart / Every Picture Tells a Story
18 スピッツ / 花の写真
19 Bill Lloyd & Tommy Womack / Picture Book
20 The Kinks / People Take Pictures of Each Other
21 Paul Simon / Kodachrome
22 加藤和彦 / 恋はポラロイド

○写真やなんかに関係した曲を集めました。
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by soundofmusic | 2012-12-09 15:49 | PPFNPセットリスト | Comments(0)

適した島

d0000025_1694613.jpgおそらく森山の弟のほうもちょくちょく同じ目に遭っているのではないかと思うのだけど、日常生活において困る(というほどでもないけど)質問のひとつとして、「ふだん買ってるCD、いったいどうやって選んでるの?」というのがある。そして、おそらくこちらも兄弟でほぼ共通しているのではないかと思うのだけど、選んでなどいない、が答えということになる。

ピンと来ないのであれば、夕暮れ時のスーパーマーケットにいる主婦に、夕飯のおかずをどうやって決めているのかと訊ねることのバカバカしさを想像していただきたい。もちろん、肉が食いたい日とか、子供のリクエストによって今晩はコノワタ(渋いね)、だとか、個別のケースはありえるとしても、そうそう毎日いちいち考えてられるわけもなく、たまたまその日に安かったものとか目に付いたもののなかから、半自動的にピックアップしているのが現状だろうから。

とはいうものの、実際のところは、アマゾンからのおすすめをもとに試聴しまくったり、誰かがどこかで推薦してるのを買ってみたり、あるいはDJの際に一緒に回したひとがかけていたのをチェックしたり、つまりソースはどっかにはある。さきほどと言っていることが正反対だけどあまり気にしないでいただきたい。ひとの尻馬に気軽にのって、それで結果が大成功だった場合の気持ちよさにはこれがまた格別のものがあって、だから今日は、最近そんなふうにして買ったCDをみなさまにもおすすめしてみましょう。

小尾隆のブログ、おもにルーツ系のロックやシンガー・ソングライターについて滋味のある文章でつづられていて、いつも楽しんで読み、ときには気になってとりあげられている音楽を試聴したりしている。先月、「サウスサイドを歩くリトル・ウォルター」という回があって、これにはしびれてしまった。とくに最後の一節に。

リトル・ウォルターのこのアルバムを聞くと、私はブルーズという表現が最もヒップだった時代のことを考える。そしてウォルターが威勢良くサウスサイドを闊歩する姿を想像するのだった。

リトル・ウォルターはベスト盤を1枚持っているだけだった。それは2009年の秋、家族で奄美大島を訪れた際、ひとりで立ち寄った古本と中古CDの店で、せっかく来たのだからなにか買っておきたい、との思いで半ば無理やりに購入したもので、旅先でCDを買うのは好きだけれども、そもそも奄美大島はあまりCDを買うのに適した島ではない。そういう用事ならばブリテン島とかマンハッタン島に出向いたほうがよい。

そんなわけでさしたる印象もなかったリトル・ウォルター、小尾氏が紹介していた『コンフェッスィン・ザ・ブルーズ』が猛烈に聴きたくなり、さっそくネットで試聴して、注文(写真は別のアルバム)。それがこのあいだ届いた。ここにはたしかにヒップなポピュラー音楽としてのブルーズがあって、1990年代の日本の若者がミッシェル・ガン・エレファントに熱狂したように、1960年代のロンドンの青年たち(彼らはたとえばローリング・ストーンズという名前のバンドを結成したりもするだろう)がこの音楽に夢中になった様子が目に浮かぶようなのだ。

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話かわって、デイヴ・ブルーベック・クァルテットは黒人とユダヤ人が所属していて、ヒップな音楽性と商業的成功を両立させた最強のグループだった。作品数はやたらめったら多く、トゥアーで回った国の数もそこらのロック・バンドの比ではない。

わたしが知る限りでいちばんかっこいい彼らの曲は『ボサ・ノヴァ・USA』に収録されている「カンチーガ・ノヴァ・スウィング」で、これはおそらくYouTubeにあがっていないようにおもわれる。ので、『ニューヨークの印象』から「サマー・オン・ザ・サウンド」と、『日本の印象』から「トキのテーマ」をお聴きいただきたい。ジャズという表現が最もヒップだった時代のこと。

そうそう、サイモン&ガーファンクルのこの曲も、たしかデイヴ・ブルーベック・クァルテットのベーシスト、ジーン・ライトと、ドラムスのジョー・モレロがバックを務めていたんじゃなかったっけ? Always groooovy.
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by soundofmusic | 2012-12-06 16:16 | 日記 | Comments(0)