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セカンド・ハネムーン

d0000025_1739344.jpgまず前置きから話を始めますか。今週だか先週だかに為末大が、日本のヒップホップに対する違和感を公言して比喩的な意味での袋叩き(肉体的には痛くもかゆくもない)にあったという事件があって、良識派の音楽ファンの間では、いまさらそんなことを言うなんて為末の認識ダメどすぇー(←脚韻、および舞妓ブームへのめくばせ)みたいな感じになってましたが、わたしなんぞはいまだに、「日本語のロック問題」ですら決定的回答は出ていないとする立場ですから、日本語のヒップホップなんて基本的にはチャンチャラおかしくて、ごく一部、まあこれなら聴けるかな、と思えるものがある、くらいの気持ちでいるわけです。

もちろん、自分が最先端の動向に追いつけてない可能性は大いにあるわけで、だもんでちょうどいいタイミングで見つけた、とんかつQ&A「今だから抑えておきたいジャパニーズHIPHOPの歴史【入門編】」をざっと斜め読みして、知らないものについてはちらっちらっと聴いてみました。その結果、ヒップホップ・リスナーのあいだではここがターニング・ポイントとか、これはあきらかに一段階レヴェルが違う、とかあるんだろうけど、そこからはずれたひとたちの目から見たら、外見からしてこれらのほとんどは、コピーとしか感じられないんじゃないか、と思いました。

こういうことを言うと、おまえの感覚が古いとか、よく聴けばわかるとか、はては「そんなこと言ったら日本人が洋服着てるのだっておかしい」とか、いろいろ意見が出てくるわけですよ。感覚の新しい古いについては甘んじて批判を受けるとして、あとのふたつについて言えば、よく聴かないとわからないようなものはその程度のインパクトしかないものなわけだし、日本人が洋服着てるのは、別におかしくないわけです。

日本人の洋服、日本野球、日本映画、日本の洋食。それらのものが年月をかけて獲得したり失ってきたり変形したりさせられたりしてきた歴史を、日本のヒップホップはまだ経てないってだけのことでしょ、事実として。そもそも上記のとんかつQ&Aが、ノヴェルティ音楽としての日本語のラップとか、近田春夫とかをオミットしてるのはいったいどういうつもりなの? 日本のポピュラー音楽の流れの中にまともに位置づける気がないってことでしょ。だったらそれは、猿真似の精度がどれくらい上がったとかそういう話でしかない。

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ということで本題に入りますと、今年の春に新婚旅行めいたものをすでに済ませておるのですが、入籍後にもせっかくだからまた行っておくか、と長崎に行ってきました。街並自体は予想していたほどエキゾチックでもなくて、中華街はちっちゃくて池袋北口のほうが規模が大きいんじゃないかと思えましたし、がしかし、なにしろ中国や南蛮の文化の取り入れに関しては少なく見積もってもざっと数百年にわたる蓄積がある土地ですから、一見してそうは見えないところにも深く浸透している。

たとえば長崎駅前でたまたま見かけたくんちの様子がこれですが、この音楽の鳴り物とラッパのコンビネーション、日本のほかの土地ではなかなか見られないものなんじゃないか。たぶん中国人が聴いたら、これは日本の音楽だ、と言うでしょうけど。

そしていちばん興味深かったのは、キリスト教のありかた。市内の大浦天主堂や五島列島の福江島の堂崎天主堂で触れた、踏み絵の実物や、日本画というのか錦絵というのか、あきらかに西洋画とは異なった技法で描かれた聖画、そして、隠れキリシタンが隠し持っていたマリア観音。このような、日本と西洋がぶつかってきしみをたてた末に生まれ(てしまっ)た表現には、どうしても興奮せざるを得ない。

日本語のロックの源流を考えるにあたり、戦後の進駐軍が運んできた音楽、日本人にとっての西部開拓地帯のような意味合いをも持っていたであろう戦前の満洲、1930年代のモダン都市東京、といった具合に自然とさかのぼって、やっぱり明治維新から始めないとダメか、と考えていた時期があったのですが、それどころじゃない。ザビエルから始めないといけなかったんです。わたしたちは。

遠藤周作の「沈黙」を読んだり、Wikipediaで事前に軽く知識を仕入れたりはしていましたが、それにしても隠れキリシタンの意志の強靭さにはおののきました。250年もの間、まったく司祭なしで、仲間うちだけで教義を語り継ぎ、信仰を守っていくのがどんなことなのか、ちょっと想像がつかない。もちろん外に漏れれば即、命の危険を意味するわけで、そんな彼ら彼女たちに見えていた神様はどんな姿をしていたんだろうか。マリア観音とは、万が一見つかったときに観音様だと言い訳できるような造形の聖母像ですが、どう見ても観音様にしか見えなかったりする。同名のバンドがどういうつもりでそう名乗っているのか知りませんが、日本のロック・バンドとしてこれ以上的確な名前もそうそうあるまい、と思いました。また、余談ですが、こうした長い歳月の間に、隠れキリシタンのある者たちの信仰は否応なしに変形してしまい、明治になって再びカトリック教会と接したときには、お互いまったくあいいれない姿になってしまったりもしたのだとか。

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それにしても、観光客の目で見る限り、長崎の街は美しい。路面電車があいまを置かずに次々とやってくるのがいいし、少し歩けばすぐ坂になって見上げると山の中腹までびっしりと家がへばりついている。稲佐山から見下ろす夜景はもうとにかくなんというか……写真も撮ったけど、見直すとまったくそのきらびやかな景色が再現できてなくて、悲しくなる。

福江島への行き帰りのフェリーのデッキでの、景色というか、座っていると目の前に次々と島が現れては消えていき、潮まじりの風が全身に浴びせかけられ、足元がゆっくりと揺さぶられ、重油くさい煙が鼻を突き……これも全感覚的なライヴ体験でした。島内では天気にはあまり恵まれなかったけれども、レンタカーを借りてドライヴ。実家周辺以外の場所で運転するのがたぶん初めてなので気疲れしたけど、楽しかった。しかしまったく気付いてなかったことがあって、運転しながらだと景色が見られないんだよ!

長崎といえば原爆も欠かせない。わたしの実家に伝わる故事として、わたしの両親が新婚旅行で広島を訪れた際、原爆資料館の展示を見た母が気持ちが悪くなった、という話があるんですが、それのカヴァーというかトリビュート的に、わたしたちも原爆資料館を見学しました。広島のはわたしも高校の修学旅行で見ていて、たしかにかなりショッキングだった記憶がありますが(記憶がおぼろげだけど)、長崎のはそれと比べるとマイルドでした。入ってすぐのところにはひしゃげた鉄塔だとか天主堂の壁(複製)だとかがあり、進んでいくと、熱戦被害、放射線被害、原爆の構造、人体への影響、救護活動、原爆投下にいたる国際情勢、被爆者の証言、戦後の核状況、などなど、多面的立体的な展示がなされている。これは見事でした。ごくごく基本的なこととして、日本人のことを親身になって考えるのは究極的には日本人がやらなくてはならない。これはナショナリズムとかそういうことは抜きにしての話です。国際的な核廃絶運動は当然おこなわれるべきですけど、それはそれ、これはこれですから、だからこの資料館は日本がなんとしても死守し、育てていかなくてはならないもののひとつでしょう。

写真は、長崎市内の中古盤店、サニーボーイ。市内にはティーボーンという店もあるのですが、こちらは市街地から20キロくらい離れていて、グーグルのストリート・ヴューで見ると、ほんとにこんなところにあるのか、という田舎にある。ですので訪れることができませんでした。
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by soundofmusic | 2014-09-27 17:40 | 日記 | Comments(0)

タダのものまでいちいち聴いている余裕はない

無料でアルバムまるごと聴ける、なんてのは、合法・違法問わず、いまではたいして珍しくもない状態なわけだけど、自分のiTunesに勝手に入ってくるっていうのはたしかに新鮮味のあるやり方かもしれない、と思ってひさしぶりにiTunesを起動してみたら、事前に耳にしていた噂と違って自分のとこには入ってきてなかった。だもんで自分でダウンロードしてみて、もちろん無事入手できたわけだけど、自分が求めていたのは、あくまでも「頼んでもないし別に聴きたくもないアルバムが勝手にiTunesに入ってる」という体験だったのであって、自分でダウンロードして手に入れるのでは、まったく意味が違う、というか意味がないのでした。

もちろん聴きたくないのですが、せっかくなのでなにか作業をしながら片手間に4曲くらい聴いてみたU2は、あ、やっぱり自分がこのバンドに興味を持たずに生きてきたのはとくに間違ってなかったな、と思わせるような音楽でした。こういうこと書くと、聴いたこともなかったのになぜそんなことがわかるのか、と言われそうですが、こっちに言わせれば、それくらいのこと実際に聴くまでわからないようじゃお話にならないわけです。口調が多少攻撃的なのは、さっき大森靖子のブログを数エントリーまとめて読んだからだと思います、あしからず。

U2に限った話ではないのですが、いまの気持ちを正直に、かつ正確に述べるならば、「タダのものまでいちいち聴いている余裕はない」となると思います。もちろん、自分の知らないすばらしい音楽がYouTubeをはじめとしたところで無料で聴きまくれることは知っています。聴きまくれるどころか、知らない音楽、知っていてもスルーしてきた音楽、多少の興味がないでもない音楽、そうしたものが、一生かかっても聴ききれないくらい、ある。しかしそれがどうした。どっちみちそれらの情報を的確に選別することなんてできっこない。だったら、絶対に買う気はないけどタダなら聴いとくか、というさもしい発想で時間と気持ちをムダづかいするのはやめようと、まあそう思うわけです。

……あれ、でも、買うか買わないかは試聴して決めてるんだよな。なんだろ、この精神構造。あとあれな、いいこと教えてあげますけど、「盤で持ってるほどじゃないけど、あとで聴きたくなるかもしれないから売る前に一応iTunesに取り込んどく」作業ね。あれ、どうせ聴かないんで、やるだけムダですから。

なお、以上のことは、「程度にもよるけど金より時間のほうが貴重」になってしまったわたしの現在の生活に基づいた内容となっております。収入が激減して時間はものすごい余ってる、となった場合、また違ったことを言い出すことでしょう。そして自分がこれだけの字数を費やしてU2に言及するのはこれが生まれて初めてだし、死ぬまでのあいだでこれが最後のはず。
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by soundofmusic | 2014-09-19 16:32 | 日記 | Comments(0)

黒の試走車<テストカー> Vol.91

d0000025_1281523.jpg日時:2014年10月04日(土)19時~23時
会場:渋谷メスカリート(渋谷区円山町28-8第18宮廷マンション1階奥つきあたり)
地図
料金:500円+1オーダー(500円~)
DJ:籠/あずまきょういち/チバ/森山兄
ゲスト:mi

☆「黒の試走車<テストカー>」は、毎月第1土曜日に開催される、踊る前から踊り疲れているひとのためのイヴェントです。ラウンジの名の下に、ロック、ジャズ、ソウル、ラテン、邦楽、フレンチ、サントラ、モンド、電子音楽などをデタラメ、かつ控えめ(音量が)にお届けしています。

会場のメスカリートは、渋谷、道玄坂をのぼりきった先、マンションの1階つきあたり奥にあるスペース。全身にぬるま湯のように浸透する絶妙な反響効果で、何を聴いても自宅の3割増しでいい印象を受けることができる不思議な音楽空間です。未知の音楽との出会いに、既知の音楽との再会に。軽い舞踏に。気のおけない会話に。酩酊に。密会に。ぜひ一度遊びにいらしてください。

過去分のセットリストその他は、「黒の試走車<テストカー>」のmixiコミュニティにて閲覧可能です。

お待たせしました。10月のお知らせです。ゲスト様については、現在調整中です。さらにいましばらくお待ちくださいませ。→ゲストとしてmiさんの参加が決まりました!

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by soundofmusic | 2014-09-16 01:29 | 黒の試走車イヴェント情報 | Comments(0)

Pure Pop For Now People Volume 103

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2014年10月11日(土)18時~22時

渋谷エッジエンド(Tel:03-5458-6385)
地図。

800円(1ドリンク&おみやげ付き)

DJ:
ぐりとぐら(Rico & Kayo)
Andy Zakiewicz (Budspackers)
森山弟(弟)
森山兄(兄、サウンド・オヴ・ミュージック)

ライヴ:
音璃(ototogi)(写真)

7月の弊イヴェント17周年記念回にお越しくださったみなさま、あらためましてありがとうございました。103回目のご案内です。早いもので本年最後のPPFNPとなります。もしかしたら先走ってクリスマス・ソングなんかもかけてしまうかもしれませんがご容赦ください。

さて、字数稼ぎの駄弁はこのくらいにいたしましょう。ゲストDJのご紹介です。ぐりとぐらは、ブリティッシュ・ロック好きのRicoとKayoの双子姉妹。弊イヴェント史上初の双子back to backをお見逃しになるのは非常にもったいないとの情報が入っております。英国出身のアンディは、ジャズ、テクノ、ダブ等、ジャンルにこだわらず良い音のみを提供する毎月第三木曜日のチルアウトパーティー、Budspackersのオーガナイザー。

そしてライヴは、ototogiのヴォーカル、ギターとして活動中の音璃(おんり)の弾き語りソロです。しなやかでいて芯のある歌を届けてくれることと思います。乞うご期待。

ちなみに、いままでの弊イヴェントのセットリストはこんな感じです。どうぞご参考になさってくださいませ。
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by soundofmusic | 2014-09-16 01:25 | PPFNPイヴェント情報 | Comments(0)

リスト Volume 102 2014.07.12 ゲスト:中野さやか&Shinchang (budspackers) ライヴ:ジョー長岡

***森山兄***

01 The Milk Carton Kids / Hope of a Lifetime
02 First Aid Kit / Master Pretender
03 O.S.T. "The Hired Hand" / Opening
04 O.S.T. "India Song" / Charleston
05 Bill Doggett / Hold it
06 Clydie King / Direct Me
07 The Impressions / You're Really Something Sadie
08 Caetano Veloso / Blue Skies
09 The Sound of Brazil / Quando o Ceu Nao Estava Azul (When the Sky wasn't Blue)

<コメント>
♪01 森山兄弟が選ぶ、2013年度ベスト・コンテンポラリー・フォーク・アルバム『ジ・アッシュ&クレイ』より。 (YouTube)

♪02 スウェーデンのフォーク・デュオ。フリート・フォクシーズのカヴァーをYouTubeにのっけたことで注目され、その後も精力的に活動中。いいです。本年度作品『ステイ・ゴールド』より。 (YouTube)

♪03 ピーター・フォンダ監督の映画「さすらいのカウボーイ」サントラより。たしかオーヴァーラップを多用したヴィルモス・ジグモンドの撮影がよかった気がしますが、ブルース・ラングホーンの音楽もソフト・サイケなカントリーでこれもまたよし(ピース)。 (YouTube)

♪04 マルグリット・デュラス監督の映画「インディア・ソング」のサントラより。このあいだこの映画見ましたが、何度か寝ました。音楽はカルロス・ダレッシオ。(Amazon)

♪05 有名なオルガン奏者。『ホンキー・トンク・ア・ラ・モッド!』より。(Amazon)
こっちがオリジナル・ヴァージョンなのかな。上のとちょっと違う。(YouTube)

♪06 バックコーラスをしていて、ソロになったひと。このあいだ「バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち」という映画を見ましたが、そこでは名前だけ言及されてました。『ダイレクト・ミー』より。 (YouTube)

♪07 カーティス・メイフィールドがいたグループ。『チェック・アウト・ユア・マインド!』より。緊張感あふれるオーケストレイションと乾いたパーカッションがたまりません。(YouTube)

♪08 北米の曲ばかりをうたった英語アルバム『ア・フォーリン・サウンド』より。アーヴィング・バーリンの曲。(Amazon)

♪09 『タント・テンポ』でブレイクするよりだいぶ前、ベベウ・ジルベルトが黒歴史的に残していた、ユーミンのポルトガル語カヴァー集『De Tarde, Vendo O Mar』より。(Amazon)
原曲は「曇り空」です。どこの馬の骨とも知らないひとがうたったものがこちら。(YouTube)

***森山弟***

01 Tedeschi Trucks Band / Bound for Glory
02 Betty Wright / Clean up Woman
03 ニートビーツ / 59 Bar
04 GREAT3 / 彼岸
05 Ida / Don't Worry Baby
06 Travis / Be My Baby
07 Vampire Weekend / Step

<コメント>
01 フロリダの夫婦ブルース・ロック・バンド。

02 マイアミ・ソウルの代名詞によるオザケン「ラブリー」の元ネタ。

03 日本のヴィンテージ・ロックンロール・バンド。

04 9年振りのすごいアルバム「GREAT3」より。

05 NYのインディー・フォーク・バンドによるビーチ・ボーイズのカヴァー。

06 スコットランドのロック・バンドによるロネッツのカヴァー。

07 NYのインディー・ロック・バンドの新作より。

***中野さやか***

01 Bamboo Swing / Someday my prince will come
02 шаманский бит / babylonburn jaga моно
03 桜川百合子 / 千両幟 80's Funk Stylee
04 yoheyOKAMOTO / ムカウハウミダ (Gettin' out blues)
05 The Specials / Little bitch
06 Nag Ar Juna / 7月
07 Tame Impala / Sundown syndrome
08 ペンネンネンネンネン・ネネムズ / 海
09 ray barbee / reckless confidence

<コメント>
01 Appearance (2004) より。サックスの単音からギターの3拍子に流れるところで涼風が感じられる夏曲。

02 Культурмультур (2001) より。乾いた笑い声、ドローン、弦の旋律が砂漠感たっぷりの夏曲。

03 久保田麻琴レア・ミックス 江州音頭 桜川百合子 (2012) より。盆踊りとダブを合わせた夏曲。

04 Drive In (2007) より。レゲエの裏打ちから8ビートへの切り替えで生じる緩急差が涼を生む夏曲。

05 Too Match Too Young (1996) より。1・2だろうがツートンだろうがスカは夏曲。

06 Sauna Cool 1 (2013) より。リバーブによるお風呂感と、昇る旋律による星空感で夏休み全開の夏曲。

07 The Kids Are Allright (2010) より。4拍子と6/8拍子の交差が緊張と弛緩を促し涼を生む夏曲。

08 東京の夜はネオンサインがいっぱいだから独りで歩いていてもなんか楽しい (2014) より。笑い声、エコー、ディレイ、BPM、ディストーション、カルピス、何もかもが夏曲。

09 In Full View (2001) より。4つ打ちの頭をずらすヒップホップスタイルが気だるいビーチにぴったりなサーファーの夏曲。

***Shinchang (budspackers)***

Andrew Ashong - Special
Ackky - Break heart
Nico Gomez - Baila Chibiquiban
Andere espeut's quintet - Let it go
Junip - Oba, La Vem Ela
Mario Biondi - Rio de janeiro
Eno Louis - Move
Sting - Englishman in NY 7inch version

<コメント>
僕はいつもテクノのDJをやっているのですが、今回は生音と、打ち込みでも非ダンス的な選曲でDJしました。若いお客さんはレコード自体が珍しかったようで、僕も楽しくDJできました。

***ライヴ:ジョー長岡***


***森山弟***

01 サニーデイ・サービス / さよなら!街の恋人たち
02 土岐麻子 / サマーヌード
03 Michael Longo / What's Going On
04 石川さゆり / ペッパー警部
05 Basement Jaxx / Plug it in
06 United Future Organization / United Future Airline

<コメント>
01 ジョーさんのライブの後はこれをかけることにしています。

02 シンバルズの人による真心ブラザーズのカヴァー。夏でしたので。

03 ディジー・ガレスピーの片腕キーボーディストによるマーヴィン・ゲイのカヴァー。

04 ファンキーなピンクレディーのカヴァー。

05 UKのダンス・ユニット。楽しよそうでよいですね。

06 なつかしのアシッド・ジャズ。

***森山兄***

01 モエ・アンド・ゴースツ / 幽霊EXPO
02 片想い / 管によせて
03 David Bowie / Young Americans
04 王舟 / 瞬間
05 三田村管打団? / スティール・ビート
06 山下達郎 / 愛を描いて –LET'S KISS THE SUN–
07 We All Together / Tomorrow
08 Lucy Wainwright Roche / America
09 たちなみえみ / ホース・ライディング

<コメント>
♪01 あきらかに初音ミク後の感性で日本語ラップに新境地を開いたひとたち。『幽霊たち』より。CD買ったけど歌詞カードがついてないのでなに言ってるのかわからない。ときどきわかるとそこがまたおもしろい。 (YouTube)

♪02 暑苦しいバンド。『片想インダハウス』より。下記動画の50秒目くらいまでが「管によせて」ですが、音盤に収録されているヴァージョンは演奏に加えて暑苦しい語りが入ります。 (YouTube)

♪03 その「バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち」では、この曲の下記の映像が使われてました。ギターを背負ったグラム渡り鳥なボウイがかっこいい。(YouTube)

♪04 いつだったか、森は生きているのライヴに行ったら前座で出てて気に入ったひと。出たばかりのアルバム『Wang』より。たまっていたタワレコのポイントを使って新品購入。(Amazon)

♪05 ほぼ関西でのみしか活動していない、15人くらいいるブラス・バンド。3作目のアルバム『!!!』より。下記はライヴの動画。(YouTube)

♪06 宇内さんに頼んでトゥアーのチケットを申し込んでもらっていたのですが完全に落選したのを記念して(ウソ)プレイ。適当なベスト盤を安価で買ったのでそこから。この動画の適当感とぴったりマッチ。(YouTube)

♪07 70年代のペルーで活動した、ビートルズ・サウンドを研究し尽くしたバンド。『ウィ・オール・トゥギャザー』より。これはウィングスのカヴァーかな?(YouTube)

♪08 ラウドン・ウェインライト3世とサジィ・ローチの娘。ルーふぁス・ウェインライト、マーサ・ウェインライトはそれぞれ義理の兄、姉にあたります。初のフル・アルバム『ルーシー』に収録。サイモン&ガーファンクルのカヴァー。(YouTube)

♪09 富山県で活動しているシンガー・ソングライター。3作目『ガーデン』より。つい最近存在を知りましたが、英国のフィーメイルものや、現代のフリー・フォークなんかと直結する驚異の才能です。びっくりしました。東京だとハイファイでしか扱っていないっぽいですが各レコード店はいったいどこに目と耳をつけているんでしょうか! とりあえずただちにここで試聴することをおすすめします。安いのでそのまま買っちゃえばいいと思います。

***おまけCD『A Horse with a Name』曲目***
01 Roy Ward / Horse with a Freeze Pt.1
02 Ellen McIlwaine / Wings of a Horse
03 Honey Cone / All the King's Horses (and All the King's Men)
04 Lee Dorsey / Ride Your Pony
05 Clyde Moody / Six White Horses
06 Gillian Welch / Six White Horses
07 Lucinda Williams / If Wishes were Horses
08 キリンジ / 鋼鉄の馬
09 Lanie Lane / To the Horses
10 Anne Briggs / Fine Horseman
11 Julia Stone / Horse with the Wings
12 Marissa Nadler / Stallions
13 Bowerbirds / Dark Horse
14 Belle & Sebastian / Judy and the Dream of Horses
15 JUDE / ロバの馬車
16 Mojo Juju / Pony Takes a Powder
17 Lou Donaldson / Donkey Walk
18 松任谷由実 / 風の中の栗毛
19 Boz Scaggs / Freedom for the Stallion

☆毎年年初の回のおまけのテーマは、その年の干支にすることが恒例でしたが、今年はそれをやり忘れていたのでいまさらながら「馬」の曲を集めてみました。
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by soundofmusic | 2014-09-15 23:56 | PPFNPセットリスト | Comments(0)

誘惑について

d0000025_16514243.jpg気が付くと東京に20年以上いるのに、とはいっても正確にはその半分以上は都下と埼玉県に住んでいたけどそれはともかく、行ったことのない場所は当然のことながらまだまだたくさんあって、先日初めて、サントリーホールに行ってきました。

1987年から毎年おこなわれているらしい「サマーフェスティバル」、なんとなくこの名前がアイドル関係のイヴェントっぽさを感じさせるのですが(ハロプロ系か?)、その連続的な催しのひとつ、シュトックハウゼンの「歴年」を見聞きしてきました。本作が発端となって巨大オペラ「リヒト(光)」というのができたそうで、今回のフェスでは「歴年」の雅楽版とオーケストラ版のみが上演され、わたしが見たのはその雅楽版のほう。

どんなもんなのかってことは一応ここに詳しく書いてある。行く前に目を通してみたものの、どうも言葉の説明がすんなり頭に入ってこなくて、でも実際に見てみると、それこそ子供でもわかるようなとっつきやすい構造なのでした。

まずホールに入ると、舞台上には「1977」の数字が大きく書いてある。これは初演の年の年号であって、パンク・ロックの勃興とかとはたぶん関係ないと思われます。開演前、舞台装置の写真を撮ろうとして係員に制止されてるひとがいた。別にいいじゃんって思うんだけど(この写真は初演時の様子)。4つの数字の上にはそれぞれにひとりずつ、合計4人のランナー=舞人が場を占めて、千の位のランナーはゆっくり、一の位のランナーはすばやく、自分の数字の上をどたばたと駆け巡る。走るに連れて4人の背後の電光表示の数字が少しずつ増えていって、最終的に1977年にまで到達する。4人のうしろにはそれぞれ何人かの演奏者たちがいて、自分の担当の演奏者たちの出す音によってランナーは歩みを進めるという4層構造。

もちろん、ただ音が鳴って淡々と時間が流れるだけでは面白くない。途中で何度か悪魔の妨害が入る。まずは黒服の悪魔(尻尾つき)がランナーたちひとりひとりを訪れ、真っ赤な花束を差し出して誘惑するけれどもランナーたちは動じない。ところが悪魔たちは折に触れてうまそうな料理とか物珍しい機械(たくさんのホーンのついたオートバイ)とか半裸の美女(+レイジーな響きのビッグ・バンド・ジャズ)なんかを出してきて、そうなると、あっけなくそういったものに気を取られて、走るのをやめてしまう。なにしろ人間ですから。

そこで天使が出てきて、悪魔を追い払ったり、客席に向かって拍手で鼓舞するように呼びかけたり、時間が歩みを止めないようにあの手この手で対抗する。わたしはなにしろあらすじを書くのが苦手だし、めんどくさいのでそろそろやめにさせていただきますが、こうして書いてきちんと伝わっているかどうか、明快すぎるほどに明快な図式だし、その結果、相当にキッチュな舞台でした。たぶん生まれて初めて見るオペラがこれでいいのだろうかと首をかしげつつ、いや、ほかのオペラもこのくらいキッチュなのに違いない、と根拠もなく確信してしまいました。

数字のありかたはデジタルなものをアナログで見せていたし、天使と悪魔、東洋と西洋、対立する要素が激突するときの軋轢と笑い、みたいなものが、いささかわかりやす過ぎる形であらわれてて面白かった。天使と悪魔というのが出てくるあたりは日本ではない発想だなあと一瞬思ったけど、日本でも天照大神が天岩戸に隠れたのをみんなではやし立てて引っ張り出す故事があるし、悪魔はいなくても狸や狐に化かされたり鬼に金棒で殴られたりすることはしょっちゅうあった。

音はといえば、キーンという甲高い電子音のようなドローン(笙?)、ドルフィーを連想させるひずみを持った音(篳篥?)、ミニマルな軽金属系の鳴り物。エレクトロニカのようでもある。ウードのような琵琶、ジャズ・フルートみたいな濁りのある笛。ふだん雅楽器を聴くことってほぼないから単純に新鮮さをずっと感じていて、でも、それが一般的な雅楽器の使われ方とどこでどのくらい違うのかわからないのはちょっと残念だった。別の日に上演されたオーケストラ版は、同じものを洋楽器でやったものだそうで、初演の際には黛敏郎が、「そんな簡単に西洋楽器に置き換えて演奏できるものだったらそもそも雅楽器でやった意味がない」みたいに批判していたらしいけど、まあそれはちょっと違うんじゃないか。だからむしろオケ版だけ行くのもありだったかなと、実際に雅楽版を見たあとのいまではそう感じている。そっちのほうが「日本のロック」みたいで楽しかったんじゃないかと。

この日は第二部に、一柳慧による新作「時の佇い 雅楽のための」も演奏された。ちなみに一柳慧というのは昔、オノ・ヨーコ(そのころはまだ小野洋子だったのかな?)と結婚していたことがあるひとです。こちらの曲も雅楽器を使った現代音楽で、何台かあった琴のうち2台が、弓弾きされていて驚いた。エレキ・ギターを弓弾きしたジミー・ペイジの故事にヒントを得たのかな? しかもそのうち1台は……とここまで書いたところで数え方の単位が正しくは「台」ではないことに気付いたけどまあいいか……そのうち1台は縦置きされて、ヴィオラとかコントラバスとかみたいに弾かれていた。これがとんでもないことなのか、普通じゃやらないけどまあときどきあるよね、くらいの出来事なのかわからないのはなんとも歯がゆい。しかし普通に置かれた状態で弓で弾かれている琴というのも相当異様で、想像していただきたい、なんというか、ノコギリでギシギシやってるみたいで、マグロの解体ショウを連想してしまったのでした。

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今週の土曜日、09月06日(土)は、19時から、月例DJ会「黒の試走車」です。今月はレギュラーの籠さんは欠席、ゲストには中野さんと岡村くんをお迎えします。ふらっと寄って、気楽に聴いていただければなによりです。わたしは、最近買っているのがソウルばっかなのでそういうのが多めになるかもしれません。イヴェントについて詳しくはこちら
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by soundofmusic | 2014-09-02 16:52 | 日記 | Comments(0)