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黒の試走車<テストカー> Vol.106

d0000025_12541100.jpg日時:2016年02月06日(土)19時~23時
会場:渋谷メスカリート(渋谷区円山町28-8第18宮廷マンション1階奥つきあたり)
地図
*建物入ってすぐ左側の自動ドアのエントランスには入らず、店舗の並んでるほうをまっすぐ進んで、つきあたりを左に曲がったいちばん奥、行き止まり部分の扉です。
料金:1000円(1ドリンクつき)
DJ:あずまきょういち/籠/チバ/森山兄

☆「黒の試走車<テストカー>」は、毎月第1土曜日に開催される、踊る前から踊り疲れているひとのためのイヴェントです。ラウンジの名の下に、ロック、ジャズ、ソウル、ラテン、邦楽、フレンチ、サントラ、モンド、電子音楽などをデタラメ、かつ控えめ(音量が)にお届けしています。

会場のメスカリートは、渋谷、道玄坂をのぼりきった先、マンションの1階つきあたり奥にあるスペース。全身にぬるま湯のように浸透する絶妙な反響効果で、何を聴いても自宅の3割増しでいい印象を受けることができる不思議な音楽空間です。未知の音楽との出会いに、既知の音楽との再会に。軽い舞踏に。気のおけない会話に。酩酊に。密会に。ぜひ一度遊びにいらしてください。

ごぶさたいたしました。1月は休走しましたので今年初の試走となります。今年も毎月第一土曜日にグッド・ミュージックをお届けしてまいりますのでどうぞよろしくお願いいたします。

過去分のセットリストその他は、「黒の試走車<テストカー>」のmixiコミュニティにて閲覧可能です。

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by soundofmusic | 2016-01-20 12:56 | 黒の試走車イヴェント情報 | Comments(0)

知ったこっちゃない

d0000025_19414361.jpg右足と左足を交互に動かしながら道を歩いていると、見知らぬおばちゃんなんかに突然、「あなたみたいな音楽好きでいろいろ聴いてるひとは、山下達郎なんか当然好きなんでしょ」みたいに話しかけられることがしばしばあるわけですが、いやそれは物のたとえで実際にはそんなことはないんですが、ご存知の方はご存知の通り、わたしは(このあいだちょっと話した感じだと弟くんも同様らしいですが)山下達郎の音楽に対して驚くほど関心が薄く、CDも10枚弱しか持っておりません。

また、これもご存知の方はご存知の通り、わたしはPAを介した音楽の生演奏、ことにホール・クラス程度以上の大きさの会場でおこなわれるそれらの音響に、ほぼ根本的な疑問を抱いておりますから、そんな人間がわざわざ、チケット代+各種手数料あわせて10000円近い金額と、複数回に分けて何度も事前に申し込んだり発売日当日につながらないサイトにアクセスしたりといった手間(まあウドー前で徹夜したり、朝10時にチケぴにリダイヤルしてたりしたことを思えばなんでもない)とをかけてまで山下達郎のライヴに行くというのはなにかこう、倒錯的なおこないに思えてならないんですが、それもこれも、興味の中心は、評判の高い山下達郎のライヴを体験したら、はたして自分は「改宗」するもんだろうか、それを見極めたい、という一点に尽きます。

結論から申しますと、判定勝ちというか判定負けというか、試合に負けて勝負に勝ったというか、そういう「ロッキー」~「クリード」(←この映画、よかったのでぜひご覧ください)的な話になるわけですが、よい演奏(技術的に達者かつ的確で、かつ歌の伴奏として過不足ない)、よい歌(音程の正確さ、声量の豊かさ、それが最初から最後まで衰えない)、よいPA(20列目くらい、ステージ向かって右寄りの席に歌と演奏がクリアに届く)と、個別の要素をとりあげて採点すれば非の打ち所がなく、その高品質の音楽が3時間超にわたって供給され続けるので、たしかに圧倒されましたし、なんならおおいに感動もするわけですが、だからといって長年の関心ないしは無関心が変化するかというとそうでもなく、自分自身がヤマタツ以前/ヤマタツ以後に分断されたりするかってえとそんなことはない。

と、ここまでですでに充分めんどくさくて申し訳ないですが、3時間以上というもの、心酔したり夢中になったりうっとりしたり懐かしさにふけったりすることはないかわりに、目の前で起きている怪物的な現象をはたしてどうとらえ、処理し、分析したらいいものかと(最後のほうは立って踊りながら)考えていました。思えばそれは、普段音楽を聴くときに(常にではないにせよ)ちょくちょくやらないでもない作業ではあって、ということは理論的には好きと呼んでも差し支えないはずですし、無論、山下達郎の音楽は、そうした処理/思索/分析/研究の対象として、これ以上ないほどの歯ごたえを持っています。

ぐちゃぐちゃ言ってるヒマがあったらさっさと好きになっちゃえばいいようなものの、音楽は料理みたいなものですから、遅くとも口に入れた瞬間に判断は下されてしまい、そのあとで食材の由来や板前の腕前、歴史的な価値なんかを説明されたとしても、頭で納得はするかもしれませんがそれを美味いと思って好きになるかというと、極めて疑わしいです。長々と書いたわりにたいした結論に達してなくて申し訳ない。

---

コンサートの個別のあれこれについても書いておこうと思いますが、なにしろセット・リストとかをトゥアー継続中にバラすと熱心なファンのひとたちにこっちがバラされるらしいのであまり具体的なところには触れずに済ませますが、MCの内容とかはどうなんだろ、まあいいや。

まず1曲目の最初の一音、山下自身によるギターのカッティングにうおっとなってのけぞりそうになりました。考えてみるとそれを聞かせるための曲でもあるわけですが。後半のなんかの曲でも、通常ならギター・ソロと呼ばれてさしつかえなさそうな曲中の一定時間、ずっと山下がカッティングしているコーナーもあって、わたしはこの言葉をほとんど使いませんが、このカッティングだけで飯が何杯も食える。いま「何倍も」と誤変換しそうになりましたが、たしかに何倍でも食えます。しかしみなさん、米の減り方ってめちゃくちゃ速くないですか? 最近、諸事情によって自分が朝食用の米を研いでるんですが、毎朝2合弱炊くもんで、2キロの袋で買っても5日くらいでなくなっちゃう。俵買いしないとダメなのかな。

あとは自作曲はもちろん、カヴァーありア・カペラあり、山下と縁の深いミュージシャンの曲をメドレーで(山下自身の曲の中に織り込んだ形で)歌ったり、あるひとにインスパイアされて作った曲の中に突然そのひととつながりのある別のあるひとに関係した曲の一節がはさみこまれたり(これにはびっくりしたけどこんな書き方じゃわけわかんないな)、演奏を中心としたコンサートで体験できるサーヴィスとして、これ以上のものはそうそうないだろうと思われました。しかも終盤がおそろしくくどい。水あめみたいにいつまでも引っ張る引っ張る。何度もブレイクがあり、最後には山下がひとりで舞台後方の台にあがり、マイクを使わず肉声のみで朗々と歌い上げる。いやもう単純に、まいりました。ひれ伏します。脱帽します。

歌と演奏が高品質なのはもちろんとして、このコンサートは、ヤマタツ音楽教室の啓蒙活動としての側面も少なからずありました。とはいっても、曲の構造とかを解説するわけではなくて、もっとこう根源的な……説教っていうと正確でないし聞こえも悪いけど、山下達郎が音楽についてどう考えているかということを、歌と演奏、そしてMCで立体的に伝えていく。そういうの、原理的にはわたしは大好きなはずなんですけどね。

MCは回数も多いし、時間も長い。そして、同じ内容を何度も繰り返し繰り返ししゃべる。だもんで、ずっと聞いているとさすがに頭に叩き込まれます。わたしが見に行った日にいちばん回数が多かったネタは、たぶん「自分はデビュー40周年で、いまでもこうして続けていられるのはひとえにみなさまのおかげです」(大意です。以下同じ)で、これがだいたい47回くらい。次に「ツアーを再開したのは2008年(と、それに付随する話)」で、これは25回くらい。その次が「大宮のお客さんは最高(と、ヤマタツの観客論≒客いじり)」の18回、そんなところでしょうか。

もちろん、一度しかしない話の中にも重要なのがいくつかあって、印象深かったのは、こんな感じの発言。

「自分の顧客の中心は40代から自分と同じ60代。わたしたちの世代は、とあえて言いますが、音楽が映像の添え物ではなくて音楽だけで成立した幸福な時代だった。いま20代のミュージシャンたちがいまの自分の歳になったときにやっていけるのかどうか、それは彼ら自身が考えることだから知ったこっちゃないですが、でも音楽が存在していけるよう、後進を育てることはしていきたい」

これはなかなか複雑なものをはらんでいると思いました。この書き起こしは一言一句正確ではないですし、とくに後半部分は、わたしにはそう聞こえた内容、というか、わたしが聞こうとした内容、になってしまっているかもしれないことを念頭に置きながらお読みいただきたいのですが、これを聞きながら、佐久間正英の、昔はアルバム1枚の予算が1500万円だったがいまは60万円くらい、という、当時話題を呼んだ文章を思い出していました。

山下達郎とか、あるいは大瀧詠一のような、長い時間と潤沢な予算をかけて作られていく音楽はこれからどんどん減っていくんでしょうが、考えてみれば80~90年代の状況が異常だったわけで、現在そして未来の音楽家のみなさんたちは、もう、スタジオでバンドが録音するなんて贅沢を望んではいけないんでしょうね。ホーンとかストリングスを入れるなんてもってのほか。そういうのは、クラシックのオーケストラを個人で維持できるような金持ち、王族だけが享受できる権利。じゃあ貧乏人はどうするか。ラップトップでちまちま作るか、あるいは金がなければ時間をかけて、昼間は会社で働いて、夜は自宅の4畳半を改造したスタジオで全部自分で演奏してひたすら多重録音してください。それでも原理的にはポール・マッカートニーやレニー・クラヴィッツやスティーヴィー・ワンダーやトッド・ラングレン程度のものは作れるはずなので、だとしたらそうそう悪い話でもないでしょう。

とまあ、多少意地悪に書きました。ヤマタツさんと自分との最大の溝は、黒人音楽の理解度でも、音楽を通してアメリカをどう見るかという視点の位置でもなく、彼の音楽が必然的に内在せざるをえないブルジョワ性をわたしが受け入れられないというところなんじゃないか。これはヤマタツさんにしてみたらそれこそ「知ったこっちゃない」話であって、ヤマタツさんはがんばっていいものを作り続けて、それをご自分のやり方で維持していけるだけの経済的支持を得ているわけですし、実際に足を運ぶ前は「正直、高ぇな」と感じたチケット代も、そこでおこなわれていることを目の当たりにすると、なるほど、適正価格。と言わざるを得ません。単純に200分で1万円ってのは、100分5000円のコンサート×2回とも言えますし。と前置きした上でなお、わたしの人生には本質的には関係ない、知ったこっちゃない音楽だ、と主張する権利はあるはずで、と同時に、こういうひとが存在していて音楽を作り続けている事実は、一度知ってしまうと、決して忘れることはできないです。今後、折に触れて、「ヤマタツならどうする?」と心の中でつぶやき続けることでしょう。
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by soundofmusic | 2016-01-19 19:42 | 日記 | Comments(0)

リスト Volume 108 2016.01.09 ゲスト:Hotwaxx&Sano ライヴ:増子周作

***森山兄***

01 Busty Brown / To Love Somebody
02 山下達郎 / エンジェル
03 Swan Silvertones / Prayer in My Mouth
04 Peaches & Herb / Love is Strange
05 Shirley & Lee / Let the Good Times Roll
06 Moreira da Silva / O Sequestro de Ringo
07 Squeeze / Cradle to the Grave
08 Sammy Davis Jr. / For Once in My Life
09 Gregory Porter / Painted on Canvas

<コメント>
♪01 リー・ペリーがプロデュース。レゲエ。ビー・ジーズのカヴァーでして、同バンドのマネージャーでRSOレーベル(赤べこマークの)創設者のロバート・スティグウッドが先ごろ亡くなったのでかけてみました。ちなみにこの曲は、スティグウッドがバリー・ギブに命じて、オーティス・レディング用に書かせた曲らしいです。録音前にオーティスが死んだのでビー・ジーズが自分らで出したんですね。(YouTube)

♪02 ア・カペラ・アルバム『オン・ザ・ストリート・コーナー3』より。たぶんプレスリーのカヴァー。わたしはあまり山下達郎の音楽には親しんできてないんですが、このたびライヴを見に行くことになったので予習で買いました。(Amazon)

♪03 ハードなゴスペル。強烈なビート。『ラヴ・リフテッド・ミー』より。(Allmusic)

♪04 男女のソウル・デュオ。『ゴールデン・デュエッツ』より。1分半くらいのところから始まる語りのかけあいがいいですね。勝手にやってろ! って感じで。(YouTube)

♪05 ニューオリンズ出身の男女のソウル・デュオ。女のほうのすっとんきょうな声がいいですね。ベスト盤より。(YouTube) ちなみにこのシャーリーさん、後年、シャーリー&カンパニーとして「シェイム、シェイム、シェイム」というヒット曲を出しています。映画「パレードへようこそ」で使われてました。

♪06 ブラジルの奇才作曲家。『Mo"Ringo"eira』より。さまざまなサウンド・エフェクトを使用し、歌詞にはイタリア映画の人名がいろいろ出てきます。(YouTube)

♪07 十数年ぶりに復活した英国ポップ・バンド。新譜『クレイドル・トゥ・ザ・グレイヴ』のタイトル曲。(YouTube)

♪08 スティーヴィー・ワンダーなどでおなじみの曲。モータウンに1枚だけ残したアルバム『サムシング・フォー・エヴリワン』より。内容最高ですがたぶん未CD化。(YouTube)

♪09 ジャズ歌手。『ビー・グッド』より。途中のピアノ・ソロ(チップ・クロフォード)が好きで何度も聴きました。(YouTube)

***森山弟***

01 Tommy Guerrero / Come Together
02 The Black Keys / She Said, She Said
03 Matthew Sweet & Susanna Hoffs / Towers of London
04 Susan Tedeschi / People
05 ましまろ / いつかどこかできっとまた
06 Grace Potter & the Nocturnals / Mr. Columbus
07 Ricardo Marrero / Babalonia
08 Ramsey Lewis / Blues for the Night Owl

***Hotwaxx***

01 PYG / 花・太陽・雨(1971年)
02 越路吹雪 / サン・トワ・マミー(1964年)
03 曽我部恵一 / LOVE-SICK(2004年)
04 テレサ野田 / イエロームーン(1979年)
05 井の頭レンジャーズ / HAPPY(2015年)
06 EPO / DOWN TOWN(1980年)
07 キャンディーズ / その気にさせないで(1975年)
08 ザ・クロマニヨンズ / 這う(2015年)
09 YMO / ビハインド・ザ・マスク(1979年)
10 島倉千代子 / 人生いろいろ(1987年)
11 越路吹雪 / 東雲節(ストライキ節)(1962年)

<コメント>
01 ジュリーとショーケンという2大アイドルスターがいたPYG(ピッグ)のデビュー・シングル。憎しみのない世界を歌った美しい曲。

02 新春シャンソンショー。女性の失恋を歌ったものですが並々ならぬ狂気を感じます。

03 ジャパニーズ・ラヴァーズ・ロック。

04 沖縄出身のセクシー女優が歌うレゲエ歌謡。作家は安井かずみ/加藤和彦ペアの編曲は坂本龍一。

05 年代不明のラウンジミュージックにも聴こえますが、ファレル・ウィリアムスの2014年ヒット曲のインスト・レゲエ・カヴァー。上がりすぎず下がりすぎない力の抜けた演奏。

06 シュガーベイブの名曲カヴァー。土曜の夜のソワソワ感。

07 当時日本で流行したソウルミュージックを取り入れた悩殺ディスコ歌謡。

08 毒虫のように地べたを這うボーカルとベースライン。ポストパンク、NW好きにもツボかと。

09 郷愁漂うシンセとボコーダー。和エレクトロ。

10 歌って踊れるスナック・アンセム。

11 遊女の自由廃業を歌った明治の流行歌。『コーちゃんのお座敷うた』より。

***Sano***

01 Tuesday Heartbreak / Stevie Wonder
02 Bad Weather / The Supremes
03 Hunk of Heaven / Lemuria
04 Love The One You're With / Isley Brothers
05 Only So Much Oil In The Ground / Tower Of Power
06 Higher Ground / Ellen Mcilwaine
07 Mama Don't Cry / Love Tambourines
08 Young Americans / David Bowie
09 Give Me Little More / Carlton And The Shoes
10 D'yer Mak'er / Led Zeppelin

***ライヴ:増子周作***

01 デイ・アザ・デイ
02 マイジェネレイションはゆとり
03 ジョニーからの伝言
04 無意味
05 川辺
06 幸せなのか
07 酒微足らない(さけびたらない)
08 ルーティーンワーク
09 五月病
10 労働
 アンコール
11 満月

***森山弟***

01 Toots & the Maytals / Monkey Man
02 The Bamboos / Your Lovin' is Easy
03 The Spandettes / Dig Deeper
04 Funkshone / Soulfood
05 Nicole Willis & the Soul Investigators / Feeling Free
06 Bruno Battisti D'Amario / Mas Que Nada
07 エマニエルサンフラワー / 21世紀のジョン・リー・フッカーとチーズとミネストローネ
08 吉井和哉 / 襟裳岬
09 パフィー / ハリケーン

***森山兄***

01 安室奈美恵 / ザ・ゴールデン・タッチ
02 笠井紀美子 / ベリー・スペシャル・モーメント
03 The Jumping Jacques / Double Francoise
04 The Renaissance / (There's) Always There to Remind Me
05 Mon Rivera / La Plechanga de Trabalengua
06 El Gran Combo / El Guariquiten
07 井手健介と母船 / 誰でもよかった
08 Marian Montgomery and Richard Rodney Bennett / I'd Really Love to See You Tonight
09 The Temprees / Let Me be the One
10 Peter Dean / Four or Five Times

<コメント>
♪01 これも2015年よく聴いた曲。アルバム『_genic』より。(YouTube)

♪02 「黒の試走車」でかけたときのコメントをまるまる再掲→現在はジュエリー・デザイナーかなんかになっているジャズ歌手。シティ・ポップ方面からも再評価されている『トーキョー・スペシャル』より。以前からCDになっていましたが、先月1080円で出たのでそれ買うといいと思います。歌謡曲っぽい節回しが逆にかっこいい気がします。帯の、「キミコはTokyoに何を求めたのか?何をコミュニケイトしたいのか?」という文句の意味不明さもナイス。 (YouTube)

♪03 ダバダバ・コーラスもの。『アヴァロン』より。大阪のユニオンで買いました。(YouTube)

♪04 引き続きダバダバ・コーラスもの。バカラックの曲だけを集めた『バカラック・バロック』より。たぶん未CD化。(YouTube)

♪05 プエルト・リコの谷啓。と呼んでいるのはわたしだけみたいですが。『Mon y Sus Trombones』より。(YouTube)

♪06 いまでもやってるのかな。長寿コンボ。『エル・スウィング・デル・グラン・コンボ』より。♪割り切って~精算!♪と聞こえるような。(YouTube)

♪07 『井手健介と母船』より。柴田聡子とのデュエット。ボサ・ノヴァ。(Amazon)

♪08 モンゴメリーは60年代にアメリカで何枚かのアルバムを残していて、それらはCDでも聴けますが、70年代に?渡英してからのアルバムは見過ごされているようです。映画音楽などでも有名なリチャード・ロドニー・ベネットとのデュオでは3枚くらいの録音があって、これはそのなかの1枚である『サプライズ、サプライズ』より。ベネットの鍵盤のみをバックにして、うたはふたりで歌っています。非常にリラックスした雰囲気の好盤。
この曲はイングランド・ダン&ジョン・フォード・コーリーのカヴァー。邦題は「秋風の恋」。オリジナル版はこれ

♪09 「南部のブルフォニックス」の異名をとるソウル・グループ。『ラヴ・メイズ』より。ロジャー・ニコルス=ポール・ウィリアムズの作です。もともとはカーペンターズのもの?(YouTube)

♪10 カーリー・サイモンのおじさんのひと。これは『フォー・オア・ファイヴ・タイムズ』のタイトル曲で、その彼女とのデュエット。このアルバムではサイモンの当時の夫であったジェイムズ・テイラーの曲もとりあげています。(YouTube)

***おまけCD『Ape Shall Never Kill Ape』曲目***

01 The Esso Trinidad Steel Band / Apeman
02 Travis / We are Monkeys
03 Iron & Wine / Monkeys Uptown
04 ゴダイゴ / モンキー・マジック
05 Tommy Guerrero / Spider and the Monkey
06 Michel Legrand / Monkey Business
07 小島麻由美 / me and my monkey on the moon
08 夏木マリ / ゴリラ
09 James Taylor / Gorilla
10 Blind Blake / The Monkey Song
11 Al Escobar / Ape Walk
12 Speedometer / Monkey Stick
13 Laura Nyro / Monkey Time/Dancing in the Street
14 Archie Bell & The Drells / Monkey Time
15 カーネーション / アイ・アム・サル
16 Toots & The Maytals / Monkey Man
17 Lino and The Yow City Expedition / Three Wise Monkeys
18 bonobos / Night Apes Walking
19 The Feelies / Everybody's Got Something to Hide (Except Me and My Monkey)
20 Faces / Pineapple and the Monkey
21 Oscar Brown, Jr. / Signifyin' Monkey

☆毎年正月恒例の干支シリーズです。
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by soundofmusic | 2016-01-16 10:38 | PPFNPセットリスト | Comments(0)

2015年のグッド音楽

d0000025_12411480.jpg遅ればせながら、みなさまあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

さっそくですが2015年の音楽グッド12+αです。具体的な数はともかくとして、2015年の入手枚数は、引っ越しでごたごた&反省した2014年と比べて、やっぱり増えてしまいました。特筆すべきは全体の2割以上がLPだったこと。つまり枚数的にも割合的にも、いままででおそらくいちばんアナログを買った年だろうと思われ(いや、ゼロ年代前半はもっと買ってたかも?)、かといって世界的な潮流であるらしい(ほんとに?)アナログ回帰などとはとくに連動はしてないはずですが、メジャー・レーベルから出ていた名の知れたひとの作品であっても、いまだにCDになってないものは山ほどあるんだと気付いたことは大きな収穫(であり、散財の要因)でした。

ジャンルとしては、ソウルとラテンを意識の中心に置いた年でした。とはいえ、なにか特定のものだけをべったり聴く、という性質ではないので、実際の割合としては中心、というほどではないかもしれません。しかしユニオンに行ったときもロックやジャズの棚はあまり見なくなりました。そうだな、2015年をあとから振り返るとしたら、ソウル元年ではなくてジャズ離れ元年になるのかも。

そもそも、ジャズを聴き出して比較的早い段階で、これは自分にとっての黒人音楽への入口になるだろうとの予感はあったのですが(いや、このまとめ方は歴史をかっこよく改竄してるかな?)、ジャズから入って、ラテンとソウルへ流れていくのは結果的にはよいことでした。たぶんこのまま一生ブルースとは無縁と思われ、それもどうかと思いますが、そのへんはかわりに?ゴスペルを聴くことで補っていくつもりです。

そして、ソウルを聴くことで、死ぬほど嫌いだったフュージョンが好きに……はなりませんが、歴史の必然性みたいなものはある程度、理解できたと思います。

---

前置きはこのくらいにして、グッド・アルバムをひとまず12枚。*はLP、ほかはCDです。並びは買った日付順。

◇:間宮貴子『ラブ・トリップ』(1982)
●:The Renaissance『Bacharach Baroque』(1969/*)
▽:寺尾紗穂『楕円の夢』(2015)
☆:Peter Dean『Four or Five Times』(1974/*)
+:Charlie Christian/Dizzy Gillespie『After Hours』(rec.1941)
■:Rasa『Everything You See is Me』(1978/*)
@:Marvin Gaye『Here, My Dear』(1978)
≠:ハルカリ『音樂ノススメ』(2004)
∵:Sammy Davis Jr.『Something for Everyone』(1970/*)
§:goat『リズム&サウンド』(2015)
>:井手健介と母船『井手健介と母船』(2015)
#:The Temprees『Love Maze』(1973)

コメント。

◇:低血圧。アンニュイ。カフェ・オレ。肩パットのジャケット。ソバージュ。電電公社。適当にキーワードを並べてみましたが、そんな時代の和製シティ・ポップの最高峰の1枚。CDはタワレコ限定再発のため、なかなかディスクユニオンで中古で出回らず、結局怒りの新品購入。しかしさんざん聴きまくって元はとったので悔いはありません。なお、帯などの売り文句に、「都会のいい女」的イメージも膨らむ……とありますが、これがいつも「都合のいい女」に見えてしまいます。たしかに不倫とかしてそうなキャラでもあり、そんな感じの曲もあるんですが、本人は音楽業界から離れたあと、離婚弁護士になったとかならないとか。

●:ブリティッシュのプログレのひとたちではなく、米国のプロデューサー、スナッフ・ギャレットが手がけた(たぶん)企画ものグループ。この手のアルバムは1曲か2曲だけよくてあとは普通かもしくはしょーもない、という場合がしばしばありますが、これは高速で疾走する冒頭のダバダバ・コーラス「アイル・ネヴァー・フォール・イン・ラヴ・アゲイン」からしてタダモノではないぞと予感させます。タイトルのとおり、バカラック曲だけを集めてきてるので安心してお聴きいただけます。たぶん未CD化ですが、検索すると日本のレコ屋のサイトがいくつか出てくるので何曲か試聴はできます。

▽:『御身』(2007)が話題になったころに試聴してみて、あまりピンと来なかったので気にせずにいたところ、たしか2012年から、ジョー長岡が毎年年末にこのひとのワンマン・ライヴを企画するようになり、それに顔を出しつつ、CDもちょくちょく買い集めていきました。この最新作はたぶんいままででいちばん力が抜けていてなおかつヴァラエティに富んでいて、それを聴く自分も彼女の音楽になじんできまして、主観的にも客観的にも最高傑作ということでよいかと思います。他者を信頼して自分の身をゆだねるような感じが随所に聴き取れます。森は生きているとのコラボ「リアルラブにはまだ」を聴いて、「森は生きているはこれからシティ・ポップ化する! 来年くらいにはみんな刈り上げて原色のシャツ着てるはず!」と中野さんに予言したんですが、それが実現する前に解散しちゃいましたね。

☆:カーリー・サイモンの伯父さんのひと。洒脱な高齢者のレコードはわりと好物ですが、ここまで軽妙なのはなかなかない気がします。そのサイモンとのデュエットがあったり、サイモンの当時の夫君であるジェイムズ・テイラーのカヴァーがあったりと、姪の七光り? なレコード。ちなみにわたしが買ったのは日本盤LPで、へえーほぼリアル・タイムで日本盤なんて出てたんだ、とちょっと驚いたところ、ここにもおんなじようなことが書いてある。

+:20世紀ポピュラー音楽史/録音史に残る名盤。お恥ずかしながら初めて聴きました。ちょうど20年前にジャズを聴き始めたとき、勉強用に買ったスイングジャーナル別冊の名盤ガイド(1980年代後半に出版されたもの)に、歴史的価値は高いが音質がよくない、と書いてあったので二の足を踏んでいたのです。いざ買ってみると、充分すぎるほどにいい音でした。もともとの録音がポータブル・レコーダーによるものなので音質が劇的によくなることはありえないのは大前提として、なにをもって「いい音」とするかの問いも込みで聴かれるべき1枚。当時20代半ばのクリスチャン、ディズ、そしてモンクらがおおむね同じ方向を向きつつ、しかし決してそろってはいない足並みで新しい音楽へと歩みを進めている様子が生々しく残されているのだから、これ以上なにを望みましょうぞ。ビバップの誕生に立ち会った助産師たちの青春の記録。

■:たいそうな口を利けるほど詳しくないのでアレですが、欧米だと宗教モノのレコードってけっこうあって、そして必ずしも、そういう形容から想像されるような堅苦しい音楽ばかりではないので、結果的に日本人がレア・グルーヴ的に聴いていたりします。日本のレコ屋だと宗教ソフト・ロックとか宗教SSWとか、なんか微妙に乱暴かつ失礼なジャンル名で売られていたりして、そのうちうっかりして宗教ゴスペルとか言い出す店があるんじゃないかと睨んでますが、そんなことはともかく、これは宗教AORの名盤。1曲目のイントロのシンセ、軽くシンコペイションするリズムで、うむ間違いない、と確信。あとで聞いたところによると、ユージーン・マクダニエルズの息子がやってたバンドだそうです。わたしが買ったのはアナログですが、日本盤CDが出てます。

@:20年くらい前に、三鷹の板橋くんの家に遊びに行ったときか、板橋くんがうちに来たときだかに聴かせてもらったことがあるような……。そのときは『離婚伝説』ぅ~? なにその邦題! みたいにしか反応できなかった気がしますが(さすがに「ホワッツ・ゴーイン・オン」くらいは知ってたはず)、別れた奥さんへの慰謝料のために作られたアルバムだと思って聴くと、際立ったリード曲を持たず、アルバム通して地味に一貫したムードが持続する構成も、地獄のごとくえんえんと続く結婚生活の隠喩のように感じられて味わい深いです(適当)。名盤ってことでよいかと。

≠:訪阪7回目くらいにして初めて行ったアメリカ村の中古盤店キングコングで、彼女らの1作目『ハルカリベーコン』と2作目『音樂ノススメ』を各100円で買ったのが、2015年のレコ買い生活のピーク(しょぼい)のひとつでした。どちらもよく聴きまして、しかし「フワフワ・ブランニュー」「マーチングマーチ」「ストロベリーチップス」と名曲3連発を含むこちらのほうに軍配を上げましょう。家族のコメントや谷川俊太郎の朗読をfeat.してるあたりも、2015年にわりと考えていた「ドキュメンタリーとしてのレコード」問題ともリンクしてきます。歌詞の小ネタはすでにいくつかわからなくなりつつあるので、あと10年くらいしたら詳細な脚注つきで再発するとよいのでは。それまではブックオフの250円棚で探してみてください。彼女らのような存在はいまでも存在しうるだろうかと今朝、ふと考えてみました。たぶんアイドルと呼ばれる分野の裾野が広がったので、そこらへんに呑み込まれるんだろうなあと思いました。

∵:モータウンに1枚だけ残したアルバム。誰かが思いつけばすぐにでもCDにできるんでしょうが、なぜかたぶんまだCDになってません。耳なじみの曲、堂々とした歌唱。「スピニング・ホウィール」「フォー・ワンス・イン・マイ・ライフ」あたりは、これ以上は無理ってくらいダンサブルに盛り上げます。もちろんそれはファンキーなリズムとソウルフルなブラスに支えられてのことで、歌とバンドががっぷり四つに組んだ丁々発止のやり取り、かっこいいです。トーキング・ブルーズ風の「イン・ザ・ゲットー」なんかは、金のかかったギル・スコット=ヘロンっぽくもある。

§:2015年、自分がいちばん驚いた音楽はこれかもしれない。詳しくは購入時に書いたこちらをお読みいただきたいですが、曲の一部でこういうことをやるとか、あるいは1曲だけこの手のサウンドにするとかだったらまだ話はわかるけど、とにかくバンドそのものをこの音楽をする行為に捧げてしまうというのはちょっと意味がわからなくて感動します。前作『ニュー・ゲームズ』も買いましたが、その時点ですでにまったく同じ音ができあがってました。ってことはもう、このひとたちのCDはわざわざ毎回買わなくてもいいってことか。

>:いわゆるうたもの部門(ってほどたくさんエントリーしてるわけでもないけど)はこちらがウィナーです。10年くらいたったら、このピアノやドラムスの演奏や録音を「ああー、2015年ごろの東京だね」と思うだろうか、なんてことも想像しながら聴きました。もういいかげんいい齢なので(わたしが)、みんなで元気に大きな音を出したいだけのバンドごっこだとか、威張ってるような音楽は聴くのがしんどくて、だもんでこのアルバムの控えめなたたずまいはなにかと心地よかった。よくよく聴いていくと、かなり白熱してたりドヤ顔っぽい瞬間も見えるんだけど、全体として不快感がないのはきっと人徳なんでしょうね。と書いてみて、単に歌い方の印象でそう感じるだけかもしれないとも思いましたが。「ロシアの兵隊さん」はヴェルヴェット・アンダーグラウンドの3枚目に入ってそうな曲で、しかしそれに気付くのにしばらく時間がかかった。あーこういうのあるわ……なんだっけ……と。そういうことには1分くらいですぐに思い当たりたい。

#:ディスクユニオンでの店内の自分の動きってのもあらためて言語化してみると妙なもので、棚の前をゆっくり横移動しながら、CDの背表紙を見るだけで、「持ってるから見なくていいやつ」「持ってるけどつい見ちゃうやつ」「持ってないけどなんとなくスルーしていいやつ」なんかを無意識のうちに判断してるわけですよ。そんな中で「あっこれ探してるやつだ」ってのがあればもちろん引っ張り出しますが、それ以外にも「知らないけどなんとなく気になって取り出して見るやつ」ってのがあって、売ってるCDなんてほとんど全部知らないやつなわけで、なにがどうなって脳から指先に「それ引き抜くべき」って指令が飛ぶのか謎すぎます。とはいえこのCDについては、背表紙でスタックス系だってわかって、名前聞いたことないひとたちだったのが決め手だったのかな。そしたら値札のコメントに南部スウィート・ソウルとか書いてあって、スウィート・ソウルとか甘茶ソウルと呼ばれるものが自分の好みだとここ1、2年でわかっていたもんですから、おっと思ってその場で検索して、よさそうだったので買いました。そのときには気付いてませんでしたが、カーペンターズ「レット・ミー・ビー・ザ・ワン」(ニコルズ=ウィリアムズ作)とか、ポール・サイモン「サムシング・ソー・ライト」といったナイス・カヴァーを含んでいました。この手の音楽の、とくにメロウ系の曲は、歌でも演奏でも、どこかがでしゃばっていたり欠けていたりするととたんに全体のバランスが崩れていびつになるものですが、このひとたちは名人の作った茶碗というか、優れた工芸品のような調和がすばらしかったです。

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次にグッド・ソング部門。何度も何度も繰り返し聴いた曲を、ぱっと思い出せるところで。

・安室奈美恵「ザ・ゴールデン・タッチ」
・テンテンコ「Good bye, Good girl」
・Esther Phillips「Alone Again (Naturally)」

もはや「ちゃん付け」は失礼かと思われる安室ちゃんのは、わたしにとって20年弱ぶりの安室ちゃんのCD購入となったアルバム『_genic』より。やはりこの曲が際立って聞こえました。PVも楽しい。安室ちゃん、お互いこの20年いろいろあったし、たまにはこうして肩を並べて飲みたいよね(面識なし)。

テンテンコはお騒がせアイドル・グループ(という程度の認識だった)BiSの元メンバー。映画「劇場版 BiSキャノンボール2014」を見て彼女たちに興味を持ち、その流れでこの曲を知りました。80年代っぽい曲調およびPVがクセになった。(まだ買ってません、YouTubeで視聴)

エスター・フィリップスのは、言わずと知れたギルバート・オサリヴァンの激シブ・ファンクなカヴァー。どうでもいいけど、たぶんオリジナルを好きになったのは「めぞん一刻」で使われてたのを聴いて、だったはず。

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最後にグッド・パフォーマンス部門。

・Gregory Porter「Painted on Canvas」におけるチップ・クロフォード(pf)のソロ

アルバム『Be Good』の1曲目。普通にポーターの歌の伴奏をしていたのが、ソロが始まるとひとが変わったように想像力を開花させるので思わず身を乗り出してしまいます。かといって過剰な自己主張という感じでもなく、これから始まるポーターの音楽世界とはこういうものなんだぜ、とリスナーの耳と頭に叩き込むような演奏。クロフォードのことは存じ上げなかったのであわてて調べましたところ、気鋭の新進系かと思ったらかなりの高齢者でびっくり。
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by soundofmusic | 2016-01-12 12:33 | 日記 | Comments(0)