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よ う こ そ 

よ う こ そ _d0000025_241186.jpg東京・渋谷で隔月開催されているノンジャンル系うたものDJイヴェント「Pure Pop For Now People」などに関する情報のブログです。

今、あなたがご覧になっているところは、最新情報などが載っている、いわゆるトップページ的なものです。
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*最近のおことば*(2017/06/24)
○〈視る楽しさ〉あるいは〈風景を楽しむこと〉は確かに誰にでも出来ると言うわけではない。まず都市を前にして、視線を研ぎ澄すこと、それが重要なのだ。 ……松本隆「なぜ(風街)なのか」

*最近の更新*
○1/19 PPFNPセットリスト
○1/19 日記(わたしのリクエスト
○1/1 日記2019年のグッド音楽
○11/8 日記(寺尾紗穂『夢のアルバム』

【中止】PPFNP Vol.125* New!
★4/11(土)のPPFNPは中止になりました。次回は7/11(土)の予定です。
日時:2020年04月11日(土)18時~22時
会場:渋谷エッジエンド
料金:1000円(1ドリンク&おみやげ付き)←Price up!
DJ:森山弟(弟)/森山兄(兄)/ほか

*黒の試走車<テストカー*
☆2007年ごろから毎月第1土曜日に開催されておりましたノンジャンルイヴェントでした。2019年03月をもって走行を終了しました。長年にわたるご乗車、どうもありがとうございました。

*このブログの管理者に連絡するためのメールフォームを別画面で開きますか? →まさか!

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# by soundofmusic | 2020-12-05 21:56

【中止です】Pure Pop For Now People Volume 125

【中止です】Pure Pop For Now People Volume 125_d0000025_19294578.jpg巨大台風接近につき中止になった、2019年10月12日のPPFNP Vol.123の振替公演です。お手持ちのチケットはそのままお使いいただけます。

お察しのとおり、巨大コロナ接近につきこの会も中止です。スケジュール調整してくださったゲストのみなさん、楽しみにしてくださっていたみなさん、申し訳ありません。お互い家でおとなしく過ごしましょう。どうぞご健康に。


2020年04月11日(土)18時~22時

渋谷エッジエンド(Tel:03-5458-6385)
地図。

1000円(1ドリンク&おみやげ付き)←値上げしました

DJ:
sengoku(写真1段目)
WATANUKI(写真2段目)
森山弟(弟)
森山兄(兄)

・sengoku
中学でライブハウスに感激し上京を決意。後にオールディーズの魅力に取りつかれ1950-60年代の音楽イベントに足繁く通う(2008-2013の間は新宿JAMに勤務)。1960年代前半の日本のカバーポップスやtwist物に魅了され選曲の主とする。

・WATANUKI
20代半ば迄は、「パンクロック好きな奴らはだいたい友達」と粋がっていたが、今は1960年代のオールディーズ専門な37歳独身(彼女無し)。ロックンロールとロカビリーのDJを目指していたが、「俺は不良じゃない…」を理由に挫折。そんな迷える仔羊状態の時に偶然出会った1960年代の「TWIST」に魅了され今に至り、世界中から「TWIST」のレコードを買う始末。「1960年代のオリジナルのTWISTの魅力を多くの人に知ってもらいたい」を信条にDJしてます。

ライヴ:
Kayo(写真3段目)
1983年8月7日生まれ。出身地:神奈川県横浜市。シンガーソングライター。

高校時代よりバンド活動を始め、第一回神奈川県軽音楽連盟主催コンテストでグランプリ、 ヤマハ TEENS MUSIC FESTIVALでは東京エリア大会出場を果たす。バンドは高校卒業と同時に解散するも、20才より、二村佳代子としてソロ活動をスタート。数作品のデモ音源を発表。
2009年春より名前を「Kayo」として、新たに始動。キマグレンTOUR2009 [LOVE+LIFE+LOCAL]中9公演にて、オープニングアクトを務め、アルバム「ONE LOVE, ONE GUITAR」を300枚完売!各地で好評を得る。
2019年、ライブ活動15周年に8年ぶりニューアルバム「SERENDIPITY」発売。観客との一体感を大事にしたパワフルなパフォーマンスが魅力。THE SOUL KLAXONのボーカルとしても活動。
YouTube「ひまわり」

半年前のことなのでお忘れの方もいらっしゃるかと思いますが、2019年10月12日に予定されていました弊イヴェント、台風の影響で中止とさせていただいておりました。奇跡的にその日に登場する予定だったみなさまにお集まりいただくことができ、こうして振替公演をとりおこなうことになりました。

そのときに用意していたおまけは、われわれ兄弟にとってはなんとなくタイムリーなテーマのもので、配れなかったのは残念でした。とはいっても、焼いちゃった以上は、タイムリーでなくなったとしても今度の回に配るつもりではいましたが、ふとしためぐりあわせで、4月11日にも引き続きタイムリーなものになることになりました。たいしたあれじゃありませんが、当日覚えてたら、詳細について質問してみてください。

なお、いままでの弊イヴェントのセットリストはこんな感じです。どうぞご参考になさってくださいませ。
(Visual by Hotwaxx)
# by soundofmusic | 2020-03-07 19:15 | PPFNPイヴェント情報 | Comments(0)

リスト Vol.124 2020.01.11 ゲスト:朗(Aki) & ALIVE ライヴ:ドライドボニート

***森山兄***

01 Andrae Crouch & The Disciples / I'll Still Love You
02 松任谷由実 / 私のロンサム・タウン
03 Joey Dosik / Competitive Streak
04 Marvin Gaye / Woman of the World
05 The Boys / I Had a Dream
06 Meia Soquete / Tudo Bem, Tudo Certo
07 錢幽蘭 / 我的天空
08 Noel Harrison / Santa Monica Pier

☆コメント

♪01 現代ゴスペルの巨人。『テイク・ミー・バック』より。(YouTube)

♪02 ユーミンのもっともAOR/シティ・ポップなアルバム?『パール・ピアス』より。歌詞にナホトカが出てきますけど、ユーミンにはちょっとだけロシア趣味がありますよね。知らないひとによるカヴァー→(YouTube)

♪03 現代最高のブルー・アイド・ソウル。『ゲーム・ウィナー』より。(YouTube)

♪04 2019年にリリースされた未発表曲中心のアルバム『ユーアー・ザ・マン』より。イントロのエレ・ピが鉄壁の気持ちよさ。ハイハットの刻みも時代を先駆けてる。(YouTube)

♪05 モータウンのガキ・ソウル。子供がせいいっぱいおしゃれしてみました(させられました)みたいなジャケに惹かれて購入した『ザ・ボーイズ』より。(YouTube)

♪06 ブラジルのバナナラマ。アルバムは2枚出しててタイトルは両方とも『メイア・ソケッチ』。1989年の2作目の曲。(YouTube)

♪07 1980年代の台湾の歌謡曲。半分くらいは自作曲。『平平仄仄仄平平』より。この曲は動画が見つからなかったのでアルバム・タイトル曲(最高)でも聴いてみてください。(YouTube)

♪08 俳優レックス・ハリスンの息子。『サンタ・モニカ・ピア』より。アルバム単体ではCD化されてませんが(サブスクでは聴けたかも)、べスト盤のCDが出てます。(YouTube)

***森山弟***

01 Keb' Mo' / (What's So Funny 'Bout) Peace, Love and Understanding
02 G. Love & Special Sauce / Rodeo Clowns
03 Susanna Hoffs / Stuck in the Middle with You
04 Dungen / Stadsvandringar
05 Ananda Shankar / Dancing Drums
06 高野寛 / (I Can't Get No) Satisdaction
07 Gerardo Frisina / What's Jazz?
08 Rodriguez / Climb up on My Music

***朗(Aki)***

01 Carlton and the Shoes / Give Me Little More
02 Hugh Masekela / She Doesn't Write
03 Sergio Mendes & Brasil 77 / Don't You Worry 'Bout a Thing
04 Mongo Santamaria / Yeh-Yeh
05 Johnny Zamot / Hey Mama
06 Lee Oskar / The Immigrant
08 Patato Valdes / Macoris
09 Cal Tjader / Get out of My Way
10 Ry Cooder & Manuel Galban / Patricia
11 Taj Mahal / Oh Susanna
12 Stevie Wonder / Don't Worry 'Bout a Thing

***ALIVE***

DJ ALIVE PLAY LIST 40minutes all 7inch vinyl
01 皆殺しのバラード / オリジナル・サウンドトラック
02 チン・チン・ルンバ / ジャック・コリエ合唱団
03 明日を忘れて / サミー・ケイ楽団
04 悪魔とモリー / ミッチ・ライダーとデトロイト・ホイールズ
05 DANCE, FRANNY, DANCE / FLOYD DAKIL COMBO
06 DANCE BY THE LIGHT OF THE MOOM / THE OLYMPICS
07 燃える架け橋 / マイク・カーブ・コングリゲイション
08 クエスチョンズ67/68(日本語) / シカゴ
09 FAIS COMME L’OISEAU / MICHEL FUGAIN
10 AWAY TO PARADISE / PICTURED RESORT
11 夢の国 / LAMP
12 イルミネーション・ゴールド / GUIRO
13 悪くない。この感じ / CORNELIUS
14 小舟 / 坂本慎太郎
15 不思議なビリー・ジーン / クラブ・ハウス
16 セイ・イット・イズント・ソー / ダリル・ホールとジョン・オーツ
17 ハイ・スクールはダンステリア / シンディ・ローパー
18 トゥナイト / ラズベリーズ
19 INVISIBLE MAN / PHIL EVERLY
20 ブレイクアウト / スウィング・アウト・シスター
21 お嫁においで2015 / PUNPEE
22 LET THERE BE DRUMS / THE INCREDIBLE BONGO BAND
23 I KNOW YOU GOT SOUL(THE DOUBLE TROUBLE REMIX) / ERIC B. AND RAKIM
24 AFTER SCHOOL / あヴぁんだんど
25 グディ・トゥー・シューズ / アダム・アント
26 キャント・ハリー・ラブ / ストレイ・キャッツ
27 MOODY RICHARD (The Innocent By stander) / DAN HICKS & HIS HOT LICKS

***ドライドボニート(ライヴ)***

01 真夜中の待ち合わせ
02 BarflyMan
03 見慣れた景色と物語
04 夕暮れsky
05 昔のはなし
06 ヨシウライダー
07 誘惑の惑星
08 チューインガムディスコ
09 Endroll
en: 星くず

***森山弟***

01 Nouvelle Vague / Don't You Want Me
02 Mi-Ke / Good Vibrations
03 Roberta Flack / In My Life
04 Smoove / Rejoice in the Righteousness
05 ORIGINAL LOVE / GOOD MORNING GOOD MORNING

***森山兄***

01 The Supremes / All I Want
02 Novi Singers / Wszyscy Razem (All Together)
03 Yank Lawson and His Yankee Clippers / Daydream
04 The Girls from Bahia / Oh Susannah
05 大野正栄 / Eccentric Person, Come Back To Me
06 Tim Maia / Acenda o Farol
07 Cab Calloway / Hello Dolly
08 西岡恭蔵 / アフリカの月
09 黛敏郎 / 蛍の光

☆コメント

♪01 ダイアナ・ロスが抜けたあとの地味アルバム『プロデュースト・アンド・アレンジド・バイ・ジミー・ウェッブ』より。ジョニ・ミッチエルのカヴァー。(YouTube)

♪02 ポーランドとかどっかそのへんのジャズ・コーラス・グループ。『トルピード』より。途中にフルートあり。(YouTube)

♪03 ラテン+ディキシーなラヴィン・スプーンフルのカヴァー。『オレ・ディキシー』より。(YouTube)

♪04 ガールズ・フロム・バイーアは、クアルテート・エン・シーが北米で活動していたときの名義。『パードン・マイ・イングリッシュ』。よく、日本人ミュージシャンがアメリカで成功できない理由として英語が下手だから、というのが言われてましたが、あれはウソだろうとずっと思っていました。これは鈴木慶一の「髭とルージュとバルコニー」にも影響を与えている、フォスターの曲。(YouTube)

♪05 『マサエ・ア・ラ・モード』より。「恋人よ我に帰れ」の日本語版。バックはカショーペア。(YouTube)

♪06 ブラジルの巨漢ソウル歌手。ディスコに接近した『ディスコ・クラブ』より。(YouTube)

♪07 『キャブ・キャロウェイ '68』より。ミュージカルの曲。(YouTube)

♪08 中米~ニューオリンズを旅行してそのあいだに書いた曲を帰り際にLAで録音した贅沢な(タイトルに偽りありの)アルバム『南米旅行』より。寺尾紗穂がカヴァーしていて知りました。(YouTube)

♪09 いつものクロージング・ナンバー。

***おまけCD『It was all started by a mouse』曲目***

01 Jo Ann Kelly / Black Rat Swing
02 Black Jake & The Carnies / Farmer Had Him Rats
03 Brian Setzer / Rat Pack Boogie
04 The Bamboos / Rats
05 Gigi Gryce / The Rat Race Blues
06 The Specials / Rat Race
07 Azure Ray / We are Mice
08 Marcos Valle / Cobaia
09 Kettel / Mousefort
10 The Bill Smith Quartet / Three Blind Mice
11 遠藤賢司 / 寝図美よこれが太平洋だ
12 Shirley Collins / The Tailor & the Mouse
13 Lambert & Nuttycombe / Mouse
14 Fuchsia / Gone with the Mouse
15 Devendra Banhart / Rats
16 スピッツ / ネズミの進化
17 Of Montreal / Julie the Mouse
18 Ralph McTell / The Wino and the Mouse
19 Art Blakey & The Jazz Messengers / Three Blind Mice

☆ねずみ年なので、ねずみっぽい曲をあつめました。
# by soundofmusic | 2020-01-19 12:50 | PPFNPセットリスト | Comments(0)

わたしのリクエスト

わたしのリクエスト_d0000025_11151148.jpg年末にあわてて掃除をしたりするのはアホらしいと思っていて、それでもなんとなく買い逃したCDを買ったりユニオンに行く回数が増えたりするのが、いつもの年の瀬。それに加えて、ジョー長岡主催の寺尾紗穂の弾き語りワンマン・ライヴ企画「ソノリウムラヂオ」にだいたい毎年通い始めて、そうか、もう8年目になるのか(皆勤はしてない)。

開催はたいてい12月の下旬だから、開場前や終演後、顔見知りのひとたちや主催のジョーさん、いつもスタッフをやっている檸檬葉のふたりなんかと立ち話をするとき、真冬のコートを着ていても体がぶるぶる震える寒さの年もあった。話の内容は覚えてない。ライラックってどんな花だっけとか、そんなに人気はない花だと思うけど、とか、そういう感じ。こうして書きながら、このあいだのソノリウムラヂオの日は、というか2019年の12月は、わりとあったかかったんだな、と思い出す。とかいってたらこれを書いている今日は1月18日で、ぼやぼやしているうちにもうあれから4週間もたってしまったし、初雪が降って寒い。

昼夜の2回公演だった2019年のソノリウムラヂオ、自分は夜の回に参加した。ジョーさんが司会進行を務めるレイディオ・ショウ仕立てで、なおかつ、リクエストを募ってそれをうたう、さらに、カヴァー曲のリクエストもしてよい、というのが嬉しいじゃないの。

そこで、オリジナル曲のリクエストはわたしよりもっと熱心なファンのみなさんにおまかせするとして、カヴァーしてほしい曲をあれこれ考えて、書いてみた。(寺尾紗穂については、ほかにもいろいろ書いている。

そしたらカヴァーのリクエストは1曲しかダメと言われて(そりゃそうだ)、結局、トレイシー・チャップマンの「速い車」にした。この曲のことを、というか正確にはこの曲の主人公たちのことを、年に何度かは思い出すことがあって、もし彼らが日本だったらどうだろう、とついつい考えてしまうので。寺尾紗穂の日本語でこの曲を聴いてみたかった。そもそも歌い出しの♪You got a fast car♪は、どんな日本語詞になるだろうか。まあ結局、採用はされなかったけど。

ラジオみたいなコンサートと聞いて若干の不安があるとしたら、だいぶ前に見に行ったあるミュージシャンのライヴで、やや残念な思いをしたから。たしか数曲おきに長いトークが入り、曲の構造や元ネタや来歴を紹介してくれるというもの。話は上手くもないがヘタなわけではなく、内容も興味深いのに、コンサート全体の勢いや流れが削がれているな、としか思えなかった。

ここからようやく本題に入ると、寺尾紗穂の場合、それは杞憂だった。ライヴを未体験のひとにはあるいは意外かもしれないけど、寺尾紗穂のMCは面白い。……というのは正確じゃないな。いわゆるお笑いとか、巧みなトークとかとはもちろん違う。ときに身も蓋もなく、ときにくすっと笑いを誘い、ときにしんみりとさせ、ときにオチもなく次の曲になり、とにかく彼女のライヴを見る楽しみの大きな一部。

事前に募ったリクエストの結果を発表しながら、1曲ごとにジョーさんと寺尾紗穂のトークがはさまれながら進行していく構成。ジョーさんも寺尾紗穂も、当然打ち合わせをしてあれこれ事前に想定はしただろうけど、本当のところなにが起きてどうなるのかは、わかっていなかったみたい。歌詞が飛んだり、別の曲と勘違いしていて後回しにしたりのアクシデントがありながらも、たぶん途中からふたりとも、「あ、わたし(たち)はこういうことがやりたかったのか」と合点がいった様子が、観客にも伝わってきた。いわゆる「スイッチが入る」ってやつだ。

なにかの話題で、ジョーさんが「わかる日が来るんですかね?」と問うたのに対して、寺尾が「もうわかってるんじゃない?」と返し、そのまま次の曲に進んでいったのにはドキっとした。

曲紹介のときには、リクエストをしたひとが添えたメッセージも一緒に紹介されて、それによって、いままで聴いてきた曲の意味が鮮やかに刷新される瞬間が何度もあった。わたしがカヴァー好きなのは、まさにその、「知っている(はずの)曲が違って響く」からで、DJの本質もわたしにとってはそこにある。音楽が好きなのと同時に、誰かが音楽を好きなその好み方、フィルターに興味があるっていうか。

リクエストの1位はジョニ・ミッチェルの「ア・ケース・オヴ・ユー」(YouTube)。寄せられたコメント、「プリンスと遜色ない。こういうカヴァーをあつめたアルバムを作るとよい」の気持ちいいほどの尊大さに、声を出して笑ってしまった。

精神障害者の施設(だったかな、違ったら失礼)で働いているひとが「たよりないもののために」のリクエストに添えたメッセージがよかったなあ。たしかにこれはそういう歌だよ、と深くうなづいたし、リクエストする行為は批評でもありうるのだと気付かされた。つくり手がいないと曲ができないのは当然として、一度世に放たれた曲がどういうふうに育ったり旅したり生き延びたりするかは、わたしたち全員にかかっている。寺尾紗穂の音楽はすばらしいし、その音楽を慕ってやってくる聴き手も、同じくらいすばらしい。いや、どっちがすばらしいという話ではなくて、音楽を介して人間と人間が対等に向き合っているところを見た、と強く感じた。

たぶんジョーさんはこれに味をしめて、ほかのひとで、あるいはこれを応用して、なにかやろうとするに違いないのだが、わたしからひとこと言っておくとするなら(もうファン歴10年を越えているはずだからそれくらい言わせてくれ)、いつまでも裏方、企画者、黒子、司会、ボーヤ、社長のおとも、引き立て役、いいひと、そういう立場に満足しているのではなくて、もうそろそろ自分がど真ん中に出て主役を張れる方法を考えてほしい。
# by soundofmusic | 2020-01-19 11:23 | 日記 | Comments(0)

2019年のグッド音楽

2019年のグッド音楽_d0000025_09415087.jpgみなさまあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

正月恒例の、2019年のグッド音楽です。いや、2019年のグッド音楽は今回初めての発表ですが。2019年、買った枚数は前年度比25%増。2018年は1年の4分の3を無職者として過ごしたせいで緊縮財政だったので、1年間通しで働いていた2019年は増えるのはそりゃ当然。しかし、失業以前と比べるとまだ少ないです。仕事が忙しくて、なおかつ仕事中にネットで買うこともできない職場なので、仕方ないですね。買ったトータル枚数の35%くらいがアナログでした。

以下、2019年のグッド・アルバム10(すべてCD)と、その他のグッド。おすすめ曲をフルで試聴できるリンクも付けましたので、検索するのすら面倒なひとはぜひお役立てください。

◇:The TnT Band/TnT Boys『Mission Accomplished/Sex Symbols』(1968/1969)
●:Foxwarren『Foxwarren』(2018)
▽:三浦透子『かくしてわたしは、透明からはじめることにした』(2017)
}:大野方栄『マサエ・ア・ラ・モード』(1983)
+:Alan Sorrenti『Figli delle Stelle』(1978)
■:Artie Kaplan『Confessions of a Male Chauvinist Pig』(1972) 
@:錢幽蘭『平平仄仄仄平平』(1987)
≠:9m88『平庸之上』(2019)
∵:Joey Dosik『Inside Voice』(2018)
§:Marvin Gaye『You're the Man』(rec. 1970-1972/2019)

◇:もう25年くらい前でしょうか、記憶もあいまいなんですが、たしか萩原健太と近田春夫が、自分にとってのロックとは、みたいなお題で話をするテレヴィ?番組を見ました。ラジオじゃなかったと思う。「モグラネグラ」だったのかなあ。いずれにしても都営大江戸線の愛称がまだ「ゆめもぐら」で、モグラの頭を模した形の車両が、東京の地下を6の字を描いて走っていた時代の昔話です。

近田春夫がなにを挙げたかは覚えてなくて、たぶん当時の自分にはチンプンカンプンな、なんでそれ?と感じさせるようなものだったと思うんですが(いまなら意図がわかるかも)、萩原健太が出してきたのが、サン時代だかRCA初期だかのエルヴィス・プレスリーでした。健太さんは「エルヴィスの不安と希望がいっぱい詰まってる。音はアコースティックなのにどうしようもなくロック。どうしてそう感じるのかずっと考えてるけどまだわからない」みたいなコメントをしていました。

2019年、スペイン語の勉強も兼ねて、サルサ、ブガルーなどのラテンものはいろいろ買ったような記憶がありましたが、とはいってもせいぜい30枚とかでしょうか。あいかわらず個別の作品の区別はあまりついてないものの、この2イン1(バンド名義のものとボーイズ名義のものとのカップリング)はなんとなく忘れがたいです。健太さんがエルヴィスについてコメントしていたように、この若者ふたりの歌にも、不安、希望、虚勢、熱、あせり、瞬発力、粋がり、などなどが満載されています。ヤケッパチでヒップで、そしてなによりすばらしいのは、ふたりが全身から発している、「オレたちは音楽なんてものを決して本気で好きになったりはしないんだぜ、」と言わんばかりのムードなのです。「しないんだぜ、だけどね……」

試聴曲:「Musica del alma」

●:ソフト・ベッドルーム・プログレの傑作『ザ・パーティ』をわたしが2016年のグッド音楽の1枚に選んでからだいぶたち、そういえばアンディ・シャウフ、そろそろ次のアルバムが出てたりしないかな、と思ってアマゾンで調べてみたものの気配がなく、困り果てて中野さんに相談してみたところ、アンディ、バンド始めたってよ、と教えてもらいました。そのバンドがフォックスウォレン。シャウフのソフトな音楽が、ヤワな印象とは裏腹に、多少バンドになったくらいではびくともしない強靭な芯を持っていることがよくわかります。バンドのひとが「バンドではできないことを」とソロ作を出したり、逆に、ふだんソロでやってるひとが「バンドやってみたい」とバンドやったりする課外活動、本人のなかでは必然性があるのでしょうけど、聴く側からすれば納得がいったりいかなかったりするものですが、このひとについて言えば、どっちでもいいわ、結局シャウフだし。としか思えず、つまり、シャウフの次作が出るまでのつなぎとしては充分すぎる出来栄え。って、自分で年間ベストに選出しておいて、失礼すぎるコメントですが。と、ここまで書いてもう一度アマゾンにお伺いを立てたら、2020年1月にシャウフのソロの新譜が出ると教えてくれました。

東京一、ではないにしても豊島区では一、二を争うシャウフ・ファンだと自負していますが、2019年、シャウフの来日公演を見逃したのはあまりにも痛恨すぎました。予定があってとかではなく、単に来ているのを知らなかっただけという情弱さ。普段から、レコード大好き、ライヴはわりとどうでもいい、と公言している罰なのでしょうね。やたらと音が小さく、照明も暗かったという話を聞いて、なんかアンディらしい~、となれなれしい感想を持ちました。話のついでに、2019年に行ったライヴは15回くらい。ベストはエディ・パルミエリ、マルコス・ヴァーリ&アジムス。どっちもブルーノート東京にて。

試聴曲:「To be」

▽:三浦透子をはっきり認識したのは、映画「素敵なダイナマイトスキャンダル」でのこと。見終わって軽く検索していて、このアルバムの存在を知りました。定期的に試聴しては安く買える機会をうかがっていましたが、まったく中古で出回っている気配がない。おそらく、ほとんど売れていないのではないでしょうか。しびれを切らして、このくらいの値段で買いたいな、と想定していた額の3割増しくらいで購入しました。

これは90年代Jポップのカヴァー集でして、ユーミン、槇原敬之、エヴリ・リトル・シングなどに混じって、(セールス的な意味では当時はほぼ誰にも聴かれていなかった)サニーデイ・サービスやフィッシュマンズが採り上げられているあたりの歴史修正主義は警戒したいところです。おそらく、ここで書いたことと似て、レコード会社のディレクターが40代の(元)サブカルクソ野郎なのでしょう。若木康輔さんが、「そのうち、『1990年代はゆらゆら帝国の時代だった』とか言い出すやつが出てくるぞ」と予言してましたけど、そういうこと。

そんなわけで、1996年生まれの彼女が、当然自分ではなんの記憶もないであろうヒット曲(と、そうでもない曲)を歌わされている気持ち悪さはあるんですが、もちろん1973年生まれのわたしにとっては気持ちよさでもあるのであって、とにかくこの声による歌が録音されてCDの溝に刻まれたことはよろこばしい。

編曲は歌を殺さぬよう繊細な注意がはらわれていて、それでいてヴァラエティに富んでいます。山口龍夫編曲によるユーミン「ハロー、マイ・フレンド」などは、木琴だかチャイムだか水琴窟だかみたいな音を中心に組み立てられていて、CDが売れなくなってくるとメジャーでもこんな音づくりが許されるのか、と、的外れかもしれませんがそんな感想が浮かんできました。そのついでに、1994年にオリジナルが発売された際、(たしか)和久井光司が、「20年ぶりにユーミンをいいと思った」(たしか)みたいに書いてた記憶までよみがえってきて、いや、それでは独身時代後期~結婚後数年の傑作群に対してあまりにも点が辛すぎませんか?

さて、まったく売れてない歌手扱いしつつここまで書いてきたわけですが、2019年のヒット映画「天気の子」のゴスペル風の主題歌「グランドエスケープ」でヴォーカルをとっているのが、彼女です。この起用には驚くと同時に、そうだよ、こういう規模で聴かれるべき声だよ、とも思いました。いい曲でしたよね。ついでに言うと、2019年に出会ったベスト声は、優河です。一度くらいライヴでも聴いてみたい。

試聴:このアルバムからはPVつくられてないっぽいし違法アップロード音源も見つからなかったので、アマゾン

}:帯のキャッチ・コピーは「大野方栄は天才です」。黙っておとなしく普通のジャズ・ヴォーカルをやっていても間違いなく一流になれたであろうに、才気があふれすぎていて、そんな簡単なことでは満足できない損な性格の持ち主だったのでしょうね。インストのジャズ曲のアドリブ・ソロのフレーズに歌詞をつけてうたう、ヴォーカリーズに手を出してしまいました。これ、日本語でやるとコミック・ソング扱いされてしまう可能性が高くて、労ばかり多くて益が少ないんですが、そこを力業で強引にねじ伏せている。いや、逆だな。軽々と飛び越えている。

冒頭の「For Darling」(原曲はジミー・ジュフリー「フォー・ブラザーズ」)からして、「鯵の干物と厚焼き玉子と味噌汁」「穴の開いてる靴下も履かせないよ」などなど、およそ日本のジャズでは耳にしたことのない日本語が、速射砲のようなフレーズに乗って飛び出してきて、聴いてるこっちは、えっ、えっ、いまなんて言った? とCDに向かって何度も訊き返すことになります。

もしかすると彼女がこういう路線に進まざるを得なかったのは、どちらかというとコミカルな印象を与える声のせいかもしれません。なるほどブルーズ向きではないとしても、この声のおかげで大量のCMの仕事を獲得もしたそうで、ある意味ではCM音楽は中産階級のブルーズ、庶民のためのファンファーレと言えなくもない。

バックを務めているのは、フュージョン・バンドのカショーペヤ。そのカショーペヤのカヴァー「テイク・ミー」や、シャカタク「Invitations」のカヴァー「さよならの風景」などでは、フュージョン×ヴォーカリーズ=シティ・ポップ、という、ほかのレコードではなかなか見られないかもしれない方程式が成立しているのが、なんともスリリング。

試聴曲:「恋人よ我に帰れ」に独自の日本語詞をつけた「Eccentric Person, Come Back To Me」(「変人よ我に帰れ」?)

+:イタリアのヴォーカリスト。1970年代前半はプログレをやっていて、70年代後半に時流に乗ってAOR化した経歴の持ち主。全地球で100人くらいは、同じ道を歩んだひとがいそうですね。

ピアノとシンセの思わせぶりでスローなイントロ(子供だったらイライラして飛ばしちゃうやつ)に続いてジェイ・グレイドン(たぶん)のギターがいい感じにダサく歌い上げ、そこに、タイトなベースラインに乗って適度にロマンティックなヴォーカルが入ってくるオープニングからして、お見事。いかにもブルー・アイド・ソウル向きのいい声、などと感心したくなりますが、プログレ時代の様子は知らないので適当な印象で言ってるだけです。

このアルバムはイタリアとロス・アンジェルス(アメリカの)での録音。この次のやつが『L.A.&N.Y.』なるそのまんまのタイトルなので、こっちもきっと、よいアルバムなのでしょう。CDがプレミア価格になってますけど、そのうち適価で買えるものと信じています。

イタリアには一度だけ、2017年の暮れに失業旅行の第2弾(第4弾までやりました)で行きましたが、下調べをしなかったせいで、イタリア人のレコードはほとんど買えませんでした。ここに書いた、リタ・パヴォーネとの衝撃的な出会いがあったくらいです。YouTubeでの事前調査を、せめて100時間くらいやっていたら少しは違っただろうに、と反省していますし、今後はレコード屋のありそうな国に行くときには、それがどこであろうと、予習を怠らないようにするつもりです。

試聴曲:「Figli delle Stelle」

■:ではイタリアではどんなレコードを買っていたのかといえば、リオのホワスト(何枚持っていてもよいレコード)だとか、これのアナログ盤とかでした。CDも欲しいなと思って定期的に試聴しては安く買える機会をうかがっていましたが、まったく中古で出回っている気配がない。あるときアマゾンで、瞬間的に新品が安くなっていたチャンスを逃さずに無事購入に成功。

個人的に2019年、音楽を聴くときに無意識のうちに重視していたポイントは、声、でした。若い頃は、声の好き嫌いで聴く聴かないを決めるなんて素人くさい、恥ずべき態度だと思っていました。しかし残り人生もだんだん少なくなってくると、なるべく気持ちのよい音楽に優先的に触れていたい、と考えるようになりました。

で、ノドの奥の苦い袋からむりやり搾り出された渋い汁のようなカプランの声は、好みのタイプとはむしろ真逆なのですが、それでも、トム・ウェイツにはウソくささしか感じず生理的に受け付けないのに、カプランは気持ちよく聴けるんです。なんでなんでしょうね。

そういえば高橋健太郎が、声がいいとか悪いとか言うが、それはルッキズムとどう違うのか? と問題提起していたのも2019年の出来事だった気がしますけど、わたしは、顔も性格だし、社会において人間の外見が問題とされない場はほぼない、と考えている筋金入りのルッキストですので、その問題提起によってとくにわたしのなかでは問題は提起されませんでした。声も才能のうち。

歌詞はCDの紙に書いてないのでわかりませんが、アルバム・タイトルを日本語にすると「男性至上主義ブタ野郎の告白」であり、弾き語りではなくてなかなか凝ったアレンジがなされているので、そうなると、なんとなく複雑で深みがある内容が歌われているような気がしてしまいますね(実際どうなのかはわからない)。いまその紙を見直して再確認してみたら、編曲はクリス・デドリック(フリー・デザイン)、演奏にはゴードン・エドワーズやリチャード・デイヴィス(ベース)、メル・ルイスやバーナード・パーディ(ドラムス)がかかわっていることがわかりました。歌詞とか思想の深みとはまったく独立したものとして存在する音楽偏差値についていえば、相当高いと思います。

試聴曲:「Stay, Don't Go」

@:ここここで書いたように、いまさらながら2018年から中華圏の歌謡曲を聴きたくなって、YouTubeで情報を集めているうちに知った台湾の歌手が、このひと。名前読めない。同時代の日本のアイドル・ポップスにも通じるプロダクションで、曲作りや演奏には彼女自身がかなりかかわっています。ってことは竹内まりやとかあんな感じでしょうか。キッズ・コーラスがかわいらしいタイトル曲は、そのうち誰かに「発見」されてほしい、と思ってDJでかけたりしてるけど、いまのところ反応皆無。

7月のPPFNPで台湾ものをいくつかかけたら、宇内さんが的確に反応してくれたので、「たぶん台湾にも筒美京平みたいなひととか、いたと思うんですよね。ディスクガイド本がないみたいなので体系的な知識が得られないんですけど」と言ったら、お兄さんそれ書いてくださいよ、と頼まれましたけどさすがに無理です。でも、ほんとにそういう本、出てないのか、と思って調べたら、チャイニース・ポップス全般の本は日本でも出てましたし(いま注文しました)、ここを見たら(ページの真ん中へん)、台湾ポピュラー・ミュージックのディスクガイド、「台灣流行音樂200最佳專輯 1975-2005」が存在することがわかりました。

昔の欧米のレコードはなんだかんだで買おうと思えば買えるし、値段の相場もわかるわけですが、このへんのものは日本で/日本から安く中古盤を買うのは難しい。わざわざ現地に行って買う(行っても買えるとは限らない)楽しみがあるので、いいんですけど。2020年は台湾行きはお休みして、情勢が落ち着いたら、香港を攻めてみたいです。

試聴曲:その「平平仄仄仄平平」

≠:台北生まれ、ニューヨーク育ちの、R&B歌手。うたの節回しが現代の英語や日本語のそれと地続きである(=ストレスや物珍しさなく聴ける)ことは、聴けばすぐわかりますが、前述のとおり台湾の歌謡曲をYouTubeで聴いていたせいで、彼女が中国語のうたの世界に与えたインパクトも少しだけ想像できる気がしています。

ところでわたしは宇多田ヒカルの音楽をいいと感じられた経験が一度もなくて、CDも持っていません。ホワストがなぜあんなに売れたのかも正直なところまだ理解できてません。ですが、9m88をひとに説明するときに反射的に思い付いた「台湾の宇多田ヒカル」という雑な形容は、それでもなにかしら真実の一端をつかんでいるかもしれません。

実質的には全9曲、33分という、現代では稀なコンパクトさの本作には、話題を呼んだ竹内まりや「プラスティック・ラブ」のカヴァーも、馬念先とのデュエット「你朝我的方向走來」も収録されていませんが、もしそれが理由で聴いてないひとがいたとしたら、もったいないのですぐ聴いたほうがいいですよ。もしかしたら、このホワストはどっちかっていうとR&B路線なので、シティ・ポップ系のこれら2曲はフィットしないという判断なのでしょうか。だとしたら次作に期待しておきましょう。ちなみに、名前の読み方は「ジョウエムバーバー」。

試聴曲:「愛情雨」

∵:現代ナンバー・ワンのブルー・アイド・ソウル。と簡単に呼んでしまうのがはばかられるのは、アレンジにしろヴォーカルにしろ、白人が黒人音楽をやってみた、という感覚が薄くて、むしろ、「白人聴衆向けに漂白された黒人音楽」を再現しようとしているからなのかな、と思いました。漂白という言葉はそれほど悪い意味で使っているのではなくて、たとえば(ワン&オンリーな)ジョニー・マティスあたりを念頭に置いてるのですけど。

というか、明らかにソウル・ミュージックを意識したつくりの曲がある一方で、タイトル曲のピアノやストリングスは、黒人音楽など(少なくとも商業的な意味では)この世に存在しないかのような意識でつくられた黄金期の白人音楽のそれを思わせます。じゃあなんで全体としてはブルー・アイド・ソウルに見えるのか、と考えていていま思い出したのが、モーズ・アリスンのベスト盤にピート・タウンゼンドが書いていたライナーノーツのこと。ピート曰く、最初モーズのうたを聴いたときに黒人だと思い込んでいて、白人だと知ってびっくりした、と。以前からあれが不思議で、モーズのヴォーカルはいかにも黒人って感じじゃないよね、とずっと思っているのですけど、たぶん日本人、というか、わたし、のとらえ方と、ピートをはじめとしたイギリス人への聞こえ方は、だいぶ違っているのでしょう。でないと、イギリスでモーズが異様なまでに愛され、ホワイト・ブルーズの手本となり、ひいては現在あるような形のブリティッシュ・ロックの礎にまでなった理由がわからない。わからないのはお前のそのブリティッシュ・ロック史観だ、との意見もおありでしょうが、そこは受け付けませんので……。

あまりうまいたとえではないのは承知の上で、ピチカート・ファイヴの『カップルズ』と『ベリッシマ』のあいだにこのアルバムを置いてみたらどうなるでしょう。

試聴曲:「Inside Voice」

§:そういや生まれて初めて聴いた黒人音楽って、なんだったんだろう。これは問いではなくて、ただのツカミ。レイ・チャールスが「いとしのエリー」をCMで歌ってたのは覚えてますが、そのほかっていうとヒゲダンスとかシャネルズくらいかな。そんな具合の無教養な環境で育ったもんで、聴きたい音楽は全部自分で探さなくてはならなかったんですが、20代前半くらいで「ホワッツ・ゴーイン・オン」を初めて聴いたとき、それまで知っていた洋楽のロックやニューウェイヴとまったく構造や質感の違うものだということはさすがにわかりました。

ロックとか聴いてると、たしなみのひとつとしてブルーズに行ったりするものでしょうが、わたしの場合は20代後半から30代にかけてジャズをあれこれつまむのに忙しくて(この頃はぜんぜん聴かなくなっちゃったけど)、いまでもブルーズはまったくわからないままです。で、ジャズから派生、あるいは横すべりする形でソウルを聴き出して、ようやく10年たつかたたないか、というあたりが現在地になります。

たぶん毎年のグッド音楽の記事では過去2回、マーヴィン・ゲイを入れていますから、明確に意識はしていなくても、カーティスよりもスティーヴィーよりもギル・スコット=ヘロンよりもJBよりもスライよりも、マーヴィンのほうが好きなんだと思います。えっ、プリンス? 聴いたことない。

2019年にリリースされたこの「幻のアルバム」、録音時期こそある程度まとまりがありますが、蓋を開けてみるとセッションの時期もメンツもバラバラで、なおかつ楽曲そのものにしてからが、完全未発表ではなく、オリジナル・アルバムのデラックス・エディションなどですでに陽の目を見ているものが多いみたい。

となると、このアルバムの新しさは、それ自体はひとつひとつ独立して存在している複数の楽曲を、さもマーヴィンが意図していたような形であるかのように並べて、錯覚させて、円盤状にして、売ったことにある、というか、そこにしかないとも言えそうです。だとすると、穀物を乾燥させて、粉にして、水で溶いて焼いて、なかに餡を詰めて円盤状にして、並べて、売る、回転焼きのほうが、はるかに厚みがあるとも言えそうです。

わたし自身はストリーミング・サーヴィス類をほぼ利用しないので、こうした、物理アルバムの形になる事態を歓迎する、というか、そうならないと聴かない可能性が高いんですけど(以下、考えるの面倒なので略)70年代前半のマーヴィンでしょ、最高に決まってるじゃん、とひとことで片付けてしまってOKです。最高であるだけではなく最新でもあって、何曲かではオガヤソォールを思い出しさえしました。

そうそう、さっきどこかで、「白人聴衆向けに漂白された黒人音楽」みたいな書き方をしましたっけ。ここでの何曲かのマーヴィンにも、ナット・キング・コール経由でのそうした要素があきらかに見てとれるのは面白いです。いろいろな音楽をたくさん聴きたいなあと、あらためて思わせてくれますね。

試聴曲:「You are That Special One」

曲単位で印象に残ったもの。

・キャンディーズ「微笑がえし」
・星星・月亮・太陽「我有自己的路走」「向清新的台灣說早安」
・Jorge Santana「We Were There」

1973年生まれのわたしは、ピンク・レディーはなんとなく覚えてますがキャンディーズのリアル・タイムの記憶はまったくなくて、有名な曲を何曲か知ってるくらいでした。シカゴのシティ・ポップDJのヴァン・パウガムさんに郵便を送ることがあったとき、なにか一緒にレコードでもあげよう、とユニオンで和モノのシングルを見てたら、「その気にさせないで」が売ってて、そういやこれどういう曲だっけ、と試聴してみたら、そのプロダクションにノック・アウトされてしまいました。この話は無限に長くなるのでほどほどにしますが、鉄壁の演奏に頼りない歌がちょこんと乗る日本人好みの構造は、なんだかんだで歌のマッチョイズムがはびこるアメリカでは受け入れられづらいものなのでしょうが、それは日本人が幼稚だとかではなく、アメリカ人がもののあはれやはかなさを理解するまでの成熟に至ってなかっただけなのだ、と直感しました。

で、キャンディーズのベスト盤を買いました。最初から最後までのシングルA面曲が順番に並んでいるだけのシンプルな構成で、それがゆえに、聴き進めてほぼ最後のこの曲まで来たところで、体を撃ち抜かれるような衝撃を受けました。個々の作品だけでなく、ディスコグラフィも、作れる。そして、田口さんが言っていた、アイドルは時間芸術であるからリアル・タイムでないと味わえない、という名言を思い出しつつも、それでも、アルバム1枚聴いただけで数年間の彼女たち(と)の時間を擬似体験させてくれるレコードって最高だなと、エディソンの墓のほうに向かって頭を垂れた次第です。

星星・月亮・太陽は、80年代後半に短期間だけ活動し、アルバム1枚だけ残して解散した、台湾の女子3人組アイドル。YouTubeで聴けるこの名曲2曲をしつこくリピートしてました。アルバムも絶対名盤に決まってるでしょ。台湾のヤフオクだとちょくちょく出品されてますが、日本からは入札できないっぽい。そのうち必ず、どうにかしてどこかで買ってやるぞ、の決意とともに選出。80年代台湾のアイドルものでほかに気になるのは、金瑞瑤、少女隊、憂歡派對などなどです。そのへんのレコードやCDをお持ちで、売ってもいいよってひとはぜひご連絡ください!

ホルヘ・サンタナはラテン・ロック・バンド、マロの元メンバーで、カルロス・サンタナの弟。ピンク色のパンティ(水着?)のジャケが印象的な『ホルヘ・サンタナ』(1978)は、2018年にフィラデルフィアでLPを買っていたもののすっかり忘れていて、2019年に『イッツ・オール・アバウト・ラヴ』(1979)との2イン1のCDを買いました(そのこと自体は問題ない)。それでようやく、この曲の魅力に気付きました。ガヤ入りの爽快なラテン・フュージョン。パーティ・テューンなる単語をシラフで使うのには性格的にやや照れがあるんですが、これについては恥ずかしがらずにそう呼びたい。パーティ・テューン。

2020年も、わたしやみなさまによい音楽との出会いがありますことを。

最後に、お正月おなじみのこの企画の過去分をご紹介いたします。

2018年のグッド音楽
2017年のグッド音楽
2016年のグッド音楽
2015年のグッド音楽
2014年CDグッド10
2013年CDグッド10

# by soundofmusic | 2020-01-01 10:06 | 日記 | Comments(0)

Pure Pop For Now People Volume 124

Pure Pop For Now People Volume 124_d0000025_10584634.jpg
2020年01月11日(土)18時~22時

渋谷エッジエンド(Tel:03-5458-6385)
地図。

1000円(1ドリンク&おみやげ付き)←値上げしました

DJ:
朗(Aki)(写真1段目)
ALIVE(写真2段目)
森山弟(弟)
森山兄(兄)

・朗(Aki)
そのルックスを見事に裏切るロースト感溢れる選曲。SWAMP ROCKを中心にオールジャンルのVinyl Records を巧みに組み込み、空間をオーガニックなグルーヴで包み込む。小坂忠、木村充揮、吾妻光良、など大物ミュージシャンとDJ共演。深い知識とセンスはミュージシャンにも好評を得ている。2018/10/6より本年も10/14に「ピーター・バラカン」氏とDJ共演。関東近郊で数多くのDJ&LIVEイベントで活躍中。

・ALIVE
2005年『スチーム係長OST&more』でトラックメイカーとしてデビュー。以降、レコードショップ芽瑠璃堂/CLINCK RECORDS/昭和ドーナッツ盤ギャラリーでレコード販売/音源再発企画制作などに携わりながら都内~郊外でDJ活動中。現在はDO THE WA-MO(下北沢メンフィス兄弟。)、Tramps(渋谷cafe&dinerスタジオ)、柳瀬川ブロックパーティー(麵や まつ本)、WAMON(浅草ゴールデンタイガー)、TVまんが人(浅草ゴールデンタイガー)などに定期参加中。下北沢メンフィス兄弟。で『AliveのDJ講座』不定期開催中。

ライヴ:
DRIED BONITO(ドライドボニート)(写真3段目)
マーキュリーレコードよりCD「海」でデビューしたヤスヨ(ボーカル&ピアニカ)と、フィンガーピッキングコンテスト全国決勝大会に12回出場のギタリスト、潮田和也で結成したユニット。これまでオリジナルアルバムは2010年リリースの「Skipjack」含め3枚、唱歌をアレンジしたカバーアルバム「ドライドボニートのうたいま唱歌?」を2枚、全国CDショップやiTunesなどで販売。TVCMでの演奏多数。特にヤスヨの歌声は多くの企業のCMで聴くことができる。

その節(2019年10月12日)はPPFNPを開催中止にしてしまって申し訳ありませんでした。1年のしめくくりにご活用いただく予定だった方もいらっしゃったかと思います。台風には逆らえないということであしからずご了承ください。

さて、気を取り直して新年の告知ですが、まずは悪いニュースから。あまりの安さに驚きの声をいただきながらも、♪値上げは当分考えぬ~♪とスタート以来800円に据え置かれてきた当イヴェントの入場料ですが、エッジエンド様の方針転換を受けて、♪値上げに踏み切ろう~♪と価格改定をさせていただくことになりました。とくに値上げと引き換えにサーヴィスが向上するとかはありませんが、それでもまだ充分リーズナブルだと思います。どうぞ変わらぬご愛顧をよろしくお願いします。2020年第1回も、豪華ゲストとともにみなさまのお越しをお待ちしています。みなさまの年間ベストの話なども聞かせてください。

なお、いままでの弊イヴェントのセットリストはこんな感じです。どうぞご参考になさってくださいませ。

(Visual by Hotwaxx)
# by soundofmusic | 2019-12-08 23:22 | PPFNPイヴェント情報 | Comments(0)

寺尾紗穂『夢のアルバム』

毎年年末にジョー長岡さんが企画している寺尾紗穂のライヴ、行ける年はなるべく行くようにしてるんですが、今年の夜の回は、ジョーさんが進行役になってレイディオ・ショウみたいになる、とここに書いてある。

リクエストやカヴァー曲の希望もつのるよと言われて、そういわれるとあっという間に10曲以上思いついちゃった。そこで、わたしがプロデュースして寺尾紗穂のカヴァー・アルバムをつくるとしたらこんな感じにしたい、という記事……なんだけど、考えてみると、どこの馬の骨とも知れない奴が、自分の活動に口出してくるわけだから、気持ち悪いよね。ミュージシャンってたいへんな商売ですよね。

以下、並びは思いついた順。

ムーンライダーズ「ドント・トラスト・エニワン・オーヴァー・サーティ」(YouTube)
Jay-Z featuring Alicia Keys「Empire State of Mind」(YouTube)
Tracy Chapman「Fast Car」(YouTube)
Kirsty MacColl「My Affair」(YouTube)
エレファントカシマシ「はじまりは今」(YouTube)
武満徹「〇と△の歌」(YouTube)(YouTube)
「アンパンマンマーチ」(YouTube)
My Little Lover「Free」(YouTube)
Queen「Killer Queen」(YouTube)
Crystal Kay「Boyfriend part II」(YouTube)
THE BLUE HEARTS「TRAIN-TRAIN」(YouTube)
Talking Heads「(Nothing But) Flowers」(YouTube)
John Cale「(I Keep A) Close Watch」(YouTube)

基本的には、わたしが寺尾紗穂の歌とピアノで、歌詞を味わって聴いてみたい曲。なので、外国曲については日本語詞でお願いしたい。クウィーンのことはよく知らないのですが、たぶん寺尾さんが好きか、そうじゃなくてもハマるんじゃないかなと。「Empire State of Mind」はもちろん、サビの♪New Yor~k♪を東京に変えていただきたい。トーキング・ヘッズのこれの歌詞の魅力に気付いたのは、カエターノ・ヴェローゾのヴァージョンを聴いてからのことだけど、このころのトーキング・ヘッズは見てみたかった。

「アンパンマンマーチ」とブルーハーツは、たぶん実際に聴いたら泣く。ムーンライダーズだったら「涙は悲しさだけで、出来てるんじゃない」も聴いてみたい。

いわゆる70年代のピアノ系シンガー・ソングライターものは、いいに決まっているし、当たり前すぎるので、そういうのじゃないもののほうが意外性があっていい。ツェッペリンやJBなんかも面白いんじゃないかな。

とりとめないですが、この13曲のアルバム、もし実現したらめちゃくちゃ聴きまくると思う。
# by soundofmusic | 2019-11-08 00:42 | 日記 | Comments(0)

Pure Pop For Now People Volume 123

Pure Pop For Now People Volume 123_d0000025_21180936.jpg巨大台風接近につき、この回は中止になりました。


2019年10月12日(土)18時~22時

渋谷エッジエンド(Tel:03-5458-6385)
地図。

1000円(1ドリンク&おみやげ付き)←値上げしました

DJ:
sengoku(写真1段目)
WATANUKI(写真2段目)
森山弟(弟)
森山兄(兄)

・sengoku
中学でライブハウスに感激し上京を決意。後にオールディーズの魅力に取りつかれ1950-60年代の音楽イベントに足繁く通う(2008-2013の間は新宿JAMに勤務)。1960年代前半の日本のカバーポップスやtwist物に魅了され選曲の主とする。

・WATANUKI
20代半ば迄は、「パンクロック好きな奴らはだいたい友達」と粋がっていたが、今は1960年代のオールディーズ専門な37歳独身(彼女無し)。ロックンロールとロカビリーのDJを目指していたが、「俺は不良じゃない…」を理由に挫折。そんな迷える仔羊状態の時に偶然出会った1960年代の「TWIST」に魅了され今に至り、世界中から「TWIST」のレコードを買う始末。「1960年代のオリジナルのTWISTの魅力を多くの人に知ってもらいたい」を信条にDJしてます。

ライヴ:
Kayo(写真3段目)
1983年8月7日生まれ。出身地:神奈川県横浜市。シンガーソングライター。

高校時代よりバンド活動を始め、第一回神奈川県軽音楽連盟主催コンテストでグランプリ、 ヤマハ TEENS MUSIC FESTIVALでは東京エリア大会出場を果たす。バンドは高校卒業と同時に解散するも、20才より、二村佳代子としてソロ活動をスタート。数作品のデモ音源を発表。
2009年春より名前を「Kayo」として、新たに始動。キマグレンTOUR2009 [LOVE+LIFE+LOCAL]中9公演にて、オープニングアクトを務め、アルバム「ONE LOVE, ONE GUITAR」を300枚完売!各地で好評を得る。
2019年、ライブ活動15周年に8年ぶりニューアルバム「SERENDIPITY」発売。観客との一体感を大事にしたパワフルなパフォーマンスが魅力。THE SOUL KLAXONのボーカルとしても活動。
YouTube「ひまわり」

入場料の安さに驚きの声をいただきながらも、♪値上げは当分考えぬ~♪とスタート以来800円に据え置かれてきた当イヴェントの入場料ですが、エッジエンド様の方針転換を受けて、♪値上げに踏み切ろう~♪と価格改定をさせていただくことになりました。とくに値上げと引き換えにサーヴィスが向上するとかはありませんが、それでもまだ充分リーズナブルだと思いますので、変わらぬご愛顧をよろしくお願いします。

早いもので、これが今年最後のPPFNPとなります。声がでかいらしいKayoさんと、ツイスト好きのsengokuさんとWATANUKIさんをお迎えして、景気のいい夜になることと思います。みなさまの1年間の締めくくり、来年への展望を語る場としてもご活用ください。

なお、いままでの弊イヴェントのセットリストはこんな感じです。どうぞご参考になさってくださいませ。
(Visual by Hotwaxx)
# by soundofmusic | 2019-09-08 12:59 | PPFNPイヴェント情報 | Comments(0)

リスト Vol.122 2019.07.13 ゲスト:harano & Katsuya Shibata ライヴ:ジョー長岡&松村拓海

***森山兄***

01 Michael Gately / Will You be Here
02 久保田麻琴 / 汽車
03 Lee Moses / She's a Bad Girl
04 The Ghetto Brothers / There is Something in My Heart
05 Cachao y Su Ritmo Caliente / Escucha, Dos Trompetas
06 姚蘇蓉 / 説不出的快活
07 Los Cheyenes / Eres Como un Sueno
08 Embalo R / Meus Amigos
09 Djalma Dias / O Caminhao do Simao
10 崔苔菁 / 愛情太神秘

☆コメント

01 「顔に似合わぬやさしい歌声」と形容されるSSWって、ロック史の中で1000人くらいいそうですが、そのうちにひとりに入るかも。ホワストはアル・クーパーのプロデュース。この曲はセカンド『ゲイトリー:スティル・ラウンド』より。(YouTube)

02 元・裸のラリーズ、その後、夕焼け楽団~サンディー&ザ・サンセッツ。この曲はホワスト・ソロ『まちぼうけ』より。『ホソノ・ハウス』や小坂忠『ほうろう』くらいいいぞ、と帯に書いてありますがまんざらウソでもない。(試聴)

03 アルバムはたぶん1枚しか出てない巨漢ソウル歌手。最近出たレア・トラックやシングル集『ハウ・マッチ・ロンガー・マスト・アイ・ウェイト?』より。(YouTube)

04 素性がよくわからないですが、たぶん若いラティーノたちによるガレージ・ソウル・バンド。『パワー』より。(YouTube)

05 たしかキューバのベーシスト。編集盤『フロム・ハバナ・トゥ・ニューヨーク』より。この曲は1961年の録音で、クラーク・テリーとジェローム・リチャードソンが加わっているとも。(YouTube)


06 ヤオ・スーロンは台湾の歌手。この曲は服部良一が作詞作曲し、笠置シズ子と旗照夫が歌った「ジャジャムボ」のカヴァー。歌詞を読むと、ジャジャムボとはじゃじゃ馬+マンボでしょうか? 中華圏だと香港の葛蘭(グレース・チャン)のやつがよく知られているみたいです。(YouTube)
ついでに→(笠置シズ子のやつ)(グレース・チャンのやつ)

07 60年代スペインのガレージ・バンド。名前はたぶん、アメリカ先住民のシャイアン族からとったのだと思います。この時期のバンドのご多分に漏れず、ビートルズの動向に振り回されたような作風ですがなかなか悪くないと思います。(YouTube)

08 ブラジルのバンド。ビートルズ「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」のカヴァー。(YouTube)

09 ブラジルのサンバ歌手。『Não Faça Drama』より。(YouTube)

10 こちらも台湾の方です。1972年度作『路邊小花』より。シンバルっていうか、金属の皿をぶつけてるようなヤケクソな音がいいですね。ガレージ歌謡。町あかりの「もぐらたたきのような人」を思い出したけど聴き比べたら別に似てなかった。(YouTube)

***森山弟***

01 Mariee Sioux / Buried in Teeth
02 The Long Lost / The Art of Kissing
03 Tim Ries / Honky Tonk Women (Keith's version)
04 Grace Potter & The Nocturnals / Medicine
05 Alice Russell / Turn and Run
06 Lord Newborn & The Magic Skulls / L.I.V.E.
07 Mountain Mocha Kilimanjaro / ありがとうございました。

***harano***

01 Betty boo / Wish You Were Here
02 The Monkees / Daddy's Song
03 Fulton Burley,The Melomen,Thurl Ravenscroft&Wally Boag / The Tiki, Tiki, Tiki Room
04 Usha Uthup / One Two Cha Cha Cha
05 Peter Thomas / Vergiss Mich, Wenn Du Kannst
06 Sniff’N’The Tears / Driver’s Seat
07 Elvis Costello&The Attractions / Pump It Up
08 Squeeze / Picadilly
09 The Go-Go's / Our Lips Are Seald
10 The Bootles / I'll Let You Hold My Hand
11 Frankfurt Schoolgirls / Talk Talk Talk
12 sonic surf city / Sun Day
13 Tullycraft / belinda
14 Blur / Oliver's Army

***Katsuya Shibata***

01 It Ain't 1918 / Sparks
02 Out of Touch / Bill Nelson's Red Noise
03 Little Green Men / Steve Vai
04 I Lost My Dodi / Haysi Fantayzee
05 Big Bag / PIGBAG
06 Wings Over the Sea / Roy Wood
07 We Did It Again / Soft Machine
08 We're Not Adult Orientated / Stereo Lab
09 Grass Onion / The Beatles
10 King's Lead Hat / Brian Eno
11 I Don't Think I'm Ever Gonna Figure It Out / Elliott Smith

***ジョー長岡と松村拓海(伯父様と王子様)***

01 キャラメル
02 紫陽花
03 わたしは海女
04 心配
05 波止場
06 冬のオルゴール
(アンコール)
07 闇の雲

***森山弟***

01 never young beach / 自転車にのって
02 mo' horizons / do the boogaloo
03 Crue-L Grand Orchestra / Family
04 Trio Valore / Rehab
05 Status Quo with The Beach Boys / Fun Fun Fun

***森山兄***

01 Miss Abrams and The Strawberry Point 4th Grade Class / Building a Heaven on Earth
02 錢幽蘭 / 平平仄仄仄平平
03 陳瓊美 / 友情的歡唱
04 キャンディーズ / 内気なあいつ
05 江玲 / 你什麼意思
06 大野方栄 / Eccentric Person, Come Back to Me
07 Alan Sorrenti / Un Incontro in Ascensore
08 優河 / 思い出
09 鈴木慶一 / ラム亭のテーマ~ホタルの光

☆コメント

01 ヒッピーあがりの小学校の先生が生徒たちと一緒に作った音楽。これはたぶんノーマン・グリーンバウムのカヴァー。(YouTube)

02 ナイスなキッズ・コーラスつながりで。80年代の台湾の人です。同時代の日本のアイドルのようなプロダクションですが、曲は半分くらい自作だったりする。この曲もそう。(YouTube)

03 これも台湾もの。いつごろかわかりませんが1970年代でしょう。ほとんど日本の歌謡曲。(YouTube)

04 遅ればせながらキャンディーズのベスト盤を買って聴いています。この曲はなんとなくトニー・オーランド&ドーンっていうか、70年代前半に流行した1930年代ムードっていうか、そういう感じがありますね。(YouTube)

05 素性の紹介ができませんで、いい感じの台湾の歌謡曲としか言えなくてすみません。(YouTube)

06 数百曲のCMソングを歌って「CMソングの女王」と言われたそうです。ホワスト『マサエ・ア・ラ・モード』より。原曲は「恋人よ我に帰れ」ですが、このタイトルは「変人よ我に帰れ」という駄洒落でしょうね。(YouTube)

07 イタリアのAOR。ジェイ・グレイドン、デイヴィッド・フォスターなんかが参加した『Figli Delle Stelle』より。最高です。(YouTube)

08 石橋凌と原田美枝子の娘。『Tabiji』より。この曲の試聴が見つかりませんでしたがほかの曲ならいろいろあります。いい声なので聴いてみてください。

09 ここ1年くらいはいつも黛敏郎の「蛍の光」でクロージングしてますが、たまには違うのにしようと思ってかけてみましたが、これなんだかわからないな。次回からは黛敏郎に戻します。(Amazon)

***おまけCD『From the New World』曲目***

01 カーネーション / ニュー・モーニング
02 Kirsty MacColl / A New England
03 鈴木祥子 / あたらしい愛の詩
04 Elbow Bones & The Racketeers / A Night in New York
05 Donald Fagen / The New Breed
06 Speedometer / La Nueva Manera
07 Nuyorican Soul / Gotta New Life
08 サノトモミ / 街の新色
09 Quantic / Brand New Watusi
10 Fats Domino / Mardi Gras in New Orleans
11 Traveling Wilburys / New Blue Moon
12 Camera Obscura / Shine Like a New Pin
13 王舟 / New Song
14 The Gentle Waves / Renew & Restore
15 Psapp / New Rubbers
16 ギロ / 新世界より
17 高橋徹也 / 新しい世界
18 Lou Reed / New York Telephone Conversation

☆23年目に突入する弊イヴェントの新しい意気込みを見せるべく「新」「New」をテーマに選曲してみました。
# by soundofmusic | 2019-07-17 00:34 | PPFNPセットリスト | Comments(0)

逆の意味での

逆の意味での_d0000025_161941.jpg台湾にレコード買い出しに行ってきたので簡単にご報告します。

いつだかも書いたとおり、2011年の4月に初めて台湾を訪れて(地震の前から予定していたので「疎開」ではない)、行くたびに毎回レコ屋を覗いてはいたんだけど、あまり現地の音楽に興味を持つには至らなかった。そもそもわたしは若い頃、日本以外のアジアの国に行こうという気になれなくて、なんでかといえば、そういうところに好んで行くバックパッカー的な心性が、好きじゃなかったからだと思う。「東南アジアは物価が安いから、日本で稼いであっちに住めたらいいよね~」みたいな物言いも、倫理的に不快だった。お前、中学校で南北問題って習っただろ! と。(とはいえわたしがそんなに立派な人間なわけではぜんぜんない)

それはともかく、2017年の訪台時に、雀斑『不標準情人』を買ってとても気に入り、ほかにも同じくらいいい音楽があるのでは、と思って同時代のものをいくつか試聴してみたりした。結局、自分で買ってみたいと思えるほどのものはなかったけど、YouTubeの関連動画がきっかけだったか、レア・グルーヴ的に聴ける昔の歌謡曲がけっこうあることに気付いたのだった。21世紀が5分の1も終わったところなのにいまだにやっていることが90年代くさいのは、勘弁してください。ちなみにわたしはそのへんのものを、和モノからの連想で「華モノ」と呼んでいたんですが、すでに「亜モノ」という名前があるらしい。

昨年の台湾~マカオ~香港旅行では、意識的に現地のレコードも買ってこう、って方針でがんばってみた結果、いくらか収穫もあった(マカオにはレコード屋はないのかな?)。その後、普段の生活でも「アジア」のコーナーを見るようにしたり、ヤフオク!や海外からの通販を利用して買ったりもするようになったものの、やっぱり、日本の音楽やいわゆる「洋楽」を買い集めるように気軽にはいかない。どうしても聴きたいものはサブスクリプションなりで探せばいいのかもだけど、これは自分でもよくわからないんだけど、自分の場合、「聴きたい」と「買いたい」と「フィジカルで所有したい」と、このみっつはほぼ一体化していて、切り離しが難しい。つまり、やっぱり、現地に行かなくちゃダメなんです。

今回訪問したのは台中と台北。台中は初めて。ちょっと調べた感じだと中古盤を買えそうな店が10軒近くあったのに、実際に行ってみると閉まっていたり、オーディオ・ショップがほんの少しレコードを置いているだけだったり、古本だけ扱ってるただの古本屋だったりで、中古盤の収穫はなし。新品の店で1枚買えただけ。

台北でも、目当ての店が定休日だったり臨時休業中だったりと、短期間の訪問ではよくなめさせられがちな苦渋をなめるハメにはなったものの、新品中心に10枚くらい買えた。そして、買わなかったものについても、あ、これCDで出てるのか、とわかって勉強になったりした。いつになるかわからない次回の訪問の楽しみが増えた。

今回、YouTubeで予習しているあいだに、そういやお目当てのものがCDになってるのかどうか、あらかじめ調べといたほうがいいよな、と思い当たり、五大唱片のサイトで、再発盤のコーナーをひととおり見て、ジャケの感じでよさそうなものは片っぱしから試聴してみた。前回はこの作業を、店内で小1時間くらいスマートフォンをいじりながらやってた訳ですが。

そうしているうちに、あっこれ、ここでメモって現地に行って買えなかったりするとダメージでかいから、あらかじめ注文してホテルに届けてもらえばよいのでは? と思い付く。ここの最後のあたりで書いた、アメリカでやったやつです。結局、「お店で引き取り」のオプションがあったので、宿に送り付けではなくて、台北の西門店での受け取りにしましたが。お店に行ったら行ったで、サイトには載ってないようなものもいろいろ出ていることがわかり、そのへんは個別にチェック。また、西門町にはもう1軒、佳佳唱片という新品の店もあって、こっちにしか置いてなかったものもあったので、買った。

10年前20年前に行っていたら、アナログでいろいろ古い歌謡曲を掘れたんだろうなとも思うけど、その頃じゃ、いまみたいなとっかかり自体がなかっただろうから、いまはいまで、現在そしてこれからが最高なんだと自分に言い聞かせながら、ちょぼちょぼやっていくしかないですね。買ったものはまだこれから聴くので個別のご報告は省略。今週土曜日のPPFNPで、いくつかはかけてみたいです。

YouTubeを介したこうした「発見」って、外国人による日本のシティ・ポップ(再)評価と同じ流れにあるんだなあとあらためて感じています。いちいち確認はしてないものの、台湾とか中華圏については、大量にアップロードしてくれている職人は3、4人じゃないでしょうか。もっとどんどんやってくれ。

台湾の(現行)シティ・ポップといえば、今年(YouTubeで)何度か聴いたのが、馬念先&9m88の「你朝我的方向走來」。これ、気持ちいいですよね。フィジカル・リリースされていないので探しようがない。CDで出してください。

馬さんの「台北紐約」も、あったら欲しかったのに見つからなかった。どこに売ってるの~(где)

ところで、今回の訪台の主目的はレコードではなくて、台中の国立台湾美術館で開催されている、「共時的星叢:『風車詩社』與跨界域藝術時代」展を見ることでした。「風車詩社」とは、1930年代に台南で活動していた文学結社。数年前にやっていた映画「日曜日の散歩者」でも取り上げられていました。というか、そこで知った。

当時の台湾は日本によって統治されていて、日本語による教育がおこなわれており、彼らが目指していた新しい台湾文学とは、(当然)日本語によるものでした。昔のこととかを調べるでもなく聞きかじっていて、昔のロシアでは知識階級はロシア人同士でもフランス語で話していた、みたいなのを知ると、なんで? ロシア語で話せばよくない? とびっくりしちゃいますけど、国境線と言語の境目が不思議なくらいに一致しているいまの日本からは想像できないような言語的状況は、いまも昔も普通にあるし、それを言うならいまの日本にだって、日本語がまったく通じない場所や通じない相手は、わたしが思っている以上に、あるのかもしれない。(というか、このあいだ行ったシネマ・ロサの近くの四川麻辣烫はそれに近かったな)

展示室の何か所では「日曜日の散歩者」の断片が上映されていました。この映画は、1945年8月以前のパートは日本語で進行していますが、英語と中文の字幕のついたヴァージョンで見直してみると、封切りで見たときには日本語の台詞をすべては聞き取れていなかったなと気付きました。たどたどしいわけではないものの、普段づかいの中では出てこない単語や言い回しが独特のイントネーションで発語されると、どうしてもつまづきが生まれる。自分がネイティヴ・スピーカーであることに胡座をかいている、とまでは言いませんが、生まれながらの話者ならではの弱点はたしかにある。で、その、台湾の日本語で1930年代の若者たちが語る、日本語による台湾文学への意気込みを聞いていたら、これは自分が(いまだに)考えている日本語のロックの問題とほぼ同じじゃないか、と軽く泣けてくるのです。その時点で彼らがそんなことを想像していたかどうか、それから10年かそこいらで、日本語を公的につかうことはできなくなってしまうのですが。

「共時的星叢」は単なる文学展ではなく、20世紀台湾史の一断面でもあって、二二八事件の余波で獄死したひとが(日本語で!)残した辞世の句があるかと思えば、光復後に文学者が書いた、「文学するためにまず中国語を身につけなくてはいけない」みたいな意気込んだ文章も掲示されています。

関連して、というか勝手に関連させて、台北では二二八紀念館を初めて訪れました。こちらも、事件を語るにはその前段階が必要、というわけで、日本統治時代のこともいろいろ出てきます。興味深かったのが、日本が負けてすぐに、国語(=中国語!)の勉強のための本が出版されていたこと。日本でも、戦後すぐに英会話の本が大ベストセラーになったんだっけな、なんて逸話を連想。

そういえば、実際にそれらを目にしたわけでも話を聞いたわけでもないのでなんとも言えませんが、台湾には日本統治時代を懐かしむ感情がある、との話はよく目にします。日本には、あるいは奄美や小笠原には、そして沖縄には、アメリカによる統治時代を懐かしむ感情はあるのでしょうか? ジープから投げられたチョコレートを拾った、などの個人レヴェルの思い出はさまざまに語られてきましたが、それが大きな感情的ムーヴメントになった話はついぞ聞かない。日本の台湾統治とアメリカの日本統治のやりかたが異なっていたのは、始まった時期の違いを考えてもあきらかですが、考えてみたら、誰に強く強制されたわけでもないのに英語を勉強して仕事にまでつかっているのがいまのわたしですから、これはある意味、自分からすすんで統治されようとしている(逆の意味での)植民地主義者みたいなものかもしれません。

○写真(上から)
・台北の木
・たけのこ売り切れ
・レコ屋の看板と見間違えた室外機
# by soundofmusic | 2019-07-12 01:11 | 日記 | Comments(0)

Pure Pop For Now People Volume 122

Pure Pop For Now People Volume 122_d0000025_12204549.jpg
2019年07月13日(土)18時~22時

渋谷エッジエンド(Tel:03-5458-6385)
地図。

800円(1ドリンク&おみやげ付き)

DJ:
harano(写真1段目)
Katsuya Shibata(写真2段目)
森山弟(弟)
森山兄(兄)

・harano
2000年頃から渋谷EdgeEndを中心にイベント「our favorite shop」「一日一音楽」「CCR」で選曲担当。現在は夕暮れ時のラウンジイベント「slowmotion」をマイペースに不定期開催。

・Katsuya Shibata
中学時代はベストヒットUSAを観て育ち、初めて行ったライブは渋谷公会堂で観たa-ha。高校時代はイカ天とバンドブームに盛り上がり、音楽的裾野を広げる決定打となったのはNHK FM 布袋寅泰のミュージックスクエア。その後、大学時代からはUS/UKインディーにどっぷりはまり、1997年から音楽雑誌「クッキーシーン」で編集兼ライターで参加。2000年に個人レーベルLittle Pad Recordsを立ち上げ、7インチレコード2枚、CD3枚をリリース。今年5月、練馬の酒屋で角打ちイベント「関町 酒と音楽の夕べ」をスタート。

ライヴ:
ジョー長岡&松村拓海

・ジョー長岡(写真3段目)
1970年神戸生まれ。シンガーソングライター・ナレーター・プランナー。演劇や舞踏の活動を経て、2000年より音楽活動を開始。世界中の音楽と日本語のゆるやかで心地良い融合、力強く可愛らしい音楽の製作を目指す。2017年夏にソロ名義初のフルアルバム「猫背」をリリース。WebラジオJJazz.Netでは番組のナビゲーターを約20年担当している。

・松村拓海(写真4段目)
フルーティスト・作曲家。
リーダーユニット"+81”の他、主な参加バンド、共演者は ”Kennichiro Nishihara” ”菊地雅晃” “菅原慎一” “港大尋” ”1983” “俺はこんなもんじゃない” “nariiki”など。
TVやCM音楽の演奏や制作、ジャンルを問わず様々なアーティスト作品に参加、レッスンやワークショップなどの活動にも力を注ぐ。
2015年~2018年Kenichiro Nishiharaの韓国ツアー、中国ツアーに同行しソロステージも好評を得る。
2015年 8月 1st Album “Duologue”をリリース。
2016年12月 再春館製薬ドモホルンリンクルTVCM楽曲提供
2017年 5月 2nd Album “+81”をリリース


今年ももう半年終わり? ウソでしょ! とわざとらしくびっくりしながらの、夏のPPFNPのご案内です。1997年7月に始まった弊イヴェント、めでたく満22歳を迎えることになります。人生のほぼ半分これやってるの? ウソでしょ? と、今度は素でびっくりしちゃいますが、22年間のこれまた半分近く、7月の回といえばジョーさん、になってるのもすごいこと。今年はフルートの松村拓海さんとのデュオで登場。ご期待ください。

なお、いままでの弊イヴェントのセットリストはこんな感じです。どうぞご参考になさってくださいませ。

(Flyer visual by Hotwaxx)
# by soundofmusic | 2019-06-23 12:23 | PPFNPイヴェント情報 | Comments(0)

1973年のライオン

1973年のライオン_d0000025_21421195.jpg買っておいた「ミュージック・マガジン」4月号をようやく読んだ。特集が細野晴臣、おまけとして創刊号を完全復刻したものが封入されてて、なおかつ「50年の邦楽アルバム・ベスト100」なる企画があって、とくれば、まあ買って損はなかろうなと。

「50年の邦楽アルバム・ベスト100」は、50人が自分のベスト50を1位から50位までの順位をつけて投票し、その結果をまとめたもの。1位『風街ろまん』、2位シュガーベイブ『ソングス』、3位が大滝『ロンバケ』で、そこでページをめくると4位がゆらゆら帝国の『空洞です』、6位がフィッシュマンズ『空中キャンプ』。こういう流れ(歴史観)は本当に嫌だね……とはいえ、理由はわかる。40代前半くらいのひとたちが執筆者の多数を占めていると、まあそれだけのことでしょ。

そして、集計しちゃうとどうしてもこういう、平坦で最大公約数的なリスト、というか文脈、になるのは当然わかっている。わたしとて別に「音楽そのもの」なんてものを聴けるほどの耳は持っていませんから、ふだん便宜上「音楽を聴く」と言っているのは、「買ってきたレコードが自分の持っている歴史上の文脈のどのへんに位置するのかを見極めつつ、同時に、その文脈そのものをアップデートする作業」なわけです。極端な話、これは耳が聞こえなくてもできるよ。

リストのあとには個人個人の投票結果が全部載っていて、これはありがたい。というかこれがないと、この企画の魅力は半減するでしょう。さすがに全員のコメントを丹念に読むのはしんどいから、しておりませんが。これだけ人数がいれば、ひとりくらい、まったく知らなかったけど名前を覚えたい、と思える書き手が見つかったらな、と期待してたけど、そういうひとには出会えなかった。ふと目を惹かれるとそれは原田和典だったり萩原健太だったりで。

ベスト100のうちどれくらい持ってるかをざっと数えたら、現時点で持ってるものと、持ってたことがあるものと、あわせて60枚くらい。それでも100位までのあいだに、名前も知らないひととか、まったく見当もつかないような音、というのはなくて、たとえて言うならば、仲のよかった友達や先輩、あまり喋ったことはないけどなんか気になるクラスのあいつ、こっちの学校にまで名前が轟いてきていた隣の学校の有名人。一度コンヴィニの前で紹介された友達の友達。塾で仲がよかったけど連絡先は知らないまま卒業したナントカくん。以下略。みたいな感じで、自分のいる場所とそれとなくつながっているのが「邦楽」なんだなあ、なんてことを思いました。これから先、つまりたとえば、2001年から2050年の100枚となると、それはおそらく確実に、自分とはなんの関係もないリストになるわけですけど。

ところで、関連してちょこちょこ調べていたら、2007年に「ローリング・ストーン・ジャパン」が選んだ日本のロック・アルバム100選と、1992年に「宝島」が選んだ20選を見つけた。どっちも、探せば日本語のも見つかりそうだけど、英語の記事で失礼します。

100選のほうは、紹介記事の下のほうに、英語のコメントがずらっとついてて、拾い読みしてると面白い。なんで「ロック」の100選に宇多田ヒカルや荒井由実が入ってるんだ、とか。バッファロー・ドーターがないとか。安全地帯『Ⅳ』はどうしたとか。英米にあるものはたいてい「日本のロック」にもあるような気もするし、逆に、あれもないこれもない、と感じることもしょっちゅうある。そんな広がりと狭さの両方をあまりに身近に切実に、感じすぎている者としては、こうした、外からの不意の問いにとっさに答えるのは難しい。そういう、自分自身の問題として考えてしまうやりかたが古くさいのは知ってるけど自分にとっては必要だし、それはネトウヨのひとが国と自分を重ねて気持ちよくなってるのと構造としては似てる。

「ミュージック・マガジン」のベスト100の話に戻ると、あれこれ文句を言うのは簡単で、でもそれなら自分でやってみないとあんまり意味がない、と思いました。さすがに自分には、50枚選んで順位をつけるのは無理なので、100位までに入っていないものを中心に、32枚選んでみました。枚数が半端なのはとくに意味はないです。

並びは年代順。90年代のものはいわゆる、若いときの思い出みたいなものを中心に。2000年以降の現役のひとは、今後の活躍への期待も込みで、って感じです。ラウド、耽美、四つ打ち、レゲエ、ヒップホップなどが入ってないのは、単にそういうのは聴いてないからであって、歴史的意義を認めないとか、そういう他意はありません。

それではどうぞ。

☆岡林信康『金色のライオン』(1973)
岡林の『ブロンド・オン・ブロンド』。という言い方もいまさらどうかと思うけど。岡林のなにが好きって、その照れくさそうな様子なのだといま気付いた。

☆久保田麻琴『まちぼうけ』(1973)
2007年頃に出た紙ジャケCDの帯には、『ホソノ・ハウス』や『ほうろう』と並ぶ名作、みたいに書いてある。聴く前は、いくらなんでもそりゃ言い過ぎだろうと思うわけですが、聴いてみるとあながちウソでもない。マスターテープ紛失で盤起こしなのが惜しいけど、それでも音質に不満はない。すぐに買って損はないです。

☆上田正樹とサウス・トゥ・サウス『この熱い魂を伝えたいんや』(1975)
日本のロックの名盤本みたいのを読んだとき、なんてダサいタイトルなんだと呆れた。でも考えてみたら、小学生のときに流行っていた「悲しい色やね」(1982)のブルース・フィーリングには、不思議な魅力を感じていたんだよね。

☆センチメンタル・シティ・ロマンス『センチメンタル・シティ・ロマンス』(1975)
なんてダサいバンド名なんだろうとずっと思っていて、堂島孝平が自作のタイトルに引用した時点(1999年?)でもまだ、個人的には「えーっ」って印象で、でもって、いまでは最高にカッコいいバンド名。

いしだあゆみ&ティン・パン・アレイ・ファミリー『アワー・コネク☆ション』(1977)
こういう企画だと雪村いづみの『スーパージェネレーション』が入るもんだと思ってましたが、もうそういう時代ではないんですかね。ティンパン歌謡の名盤。もっと歳をとったら、(このひとに限らず)いわゆる歌謡曲っぽい歌い方も抵抗なく聴けるようになるんだろうか。

☆プラスチックス『オリガト・プラスチコ』(1980)
日本でいちばんカッコいいロック・バンド。世界レヴェルのポスト・パンク。

☆間宮貴子『ラヴ・トリップ』(1982)
シティ・ポップ最高傑作。このアルバムだけを残してミュージシャンは廃業して、離婚弁護士になったそうです。

☆加藤和彦『あの頃、マリー・ローランサン』(1983)
山下達郎がイケメンだったら、みたいな感じで、加藤和彦がもっと歌がうまかったら、というか違ったタイプのヴォーカリストだったら、日本の音楽はどんなふうに変わってただろうか、なんて。

☆ムーンライダーズ『ドント・トラスト・オーヴァー・サーティー』(1986)
昔、アイズレー・ブラザーズがこれのタイトル曲をスローなファンクにしてファルセットで歌っている夢を見たことがある(歌詞は英語)。ローリング・ストーンズによる山口百恵「I CAME FROM横須賀」のカヴァーとあわせて、死ぬ前に実際に聴いてみたい。ちなみに『火の玉ボーイ』のよさはいまだにわかってない。

☆V.A.『アタック・オブ・ザ・マッシュルームピープル』(1987)
インディ的な表現への思い入れとかはほぼないんだけど、これは別格。わたしが聴いたのはCDで。

☆ピチカート・ファイヴ『月面軟着陸』(1990)
生きてるあいだに自分もこういうものをなにかひとつくらいつくってみたい、と思ってるうちに30年近くたってしまった。

☆HIS『日本の人』(1991)
自分が音楽に興味を持ち始めた頃の仙人みたいな活動ぶりから考えると、細野さんがいまみたいに気さくにカントリーを歌ったりするなんて想像もできなかった。このスーパーグループについても、当時は冗談としか思ってなかった。これを正しく理解するには、はっぴいえんどをはるかに飛び越して、原田直次郎あたりにまでさかのぼる必要があると思う。あるいはジョン万次郎や天正遣欧少年使節や遣唐使あたりにまで。そういえば濱口竜介は天正遣欧少年使節の映画を撮りたいと言ってるそうで、ぜひ実現させてください。

☆大西順子『ワウ』(1993)
日本のジャズについては項を改めるとして、このアルバムの「ロッキン・イン・リズム」には、ブギウギやロックンロールも見える。たしか明治公園のフリマで200円で購入。

☆小沢健二『犬は吠えるがキャラバンは進む』(1993)
この超デッドなドラムの音がリリース当時どんなに衝撃だったことか。好きすぎて『ライフ』には怒りすら覚えたしこのアルバムもその後10年くらい聴けずにいた。たかがレコードについてそんな感情を持てることは今後もうないだろう。

☆スチャダラパー『ワイルド・ファンシー・アライアンス』(1993)
別のアルバムにそのものずばりの「B-BOYブンガク」なる曲もありますが、スチャダラや岡崎京子は凡百の現代小説をはるかに超えてるよね、と気付いてから小説を読む気が失せた。

☆オリジナル・ラヴ『風の歌を聴け』(1994)
リリース当時は大学生で、武蔵小金井のレコード屋でバイトしていた。一緒に働いていた元ファントムギフトのドラムのひとが、「今度のアルバム、神がかってるね」と言っていたことを思い出します。

☆桑田佳祐『孤独の太陽』(1994)
最近、20年ぶりくらいに聴き直して、桑田なりの『わたくしのビートルズ』だったんだなと気付いた。サザンのアルバムだと好きなのは『熱い胸さわぎ』か『ヤング・ラヴ』。

☆マイ・リトル・ラヴァー『エヴァーグリーン』(1995)
華原朋美『ラヴ・ブレス』と並んで、90年代の公私混同型Jポップの最高峰。このアルバムについてではなかったと思うけど、萩原健太が、「洋楽との距離に無自覚」って評してて、四半世紀近くたってもそれが忘れられない。

☆小室等『武満徹ソング・ブック』(1997)
このあいだ池袋を歩いていたら労働運動の街頭演説みたいのがやってて、「死んだ男の残したものは」をやります、みたいに言ってたから、おっ、と思って足を止めたのに、歌じゃなくて歌詞の朗読だった。「○と△のうた」は、ジョー長岡さんに歌ってみてほしい。小室自身によるライナーも面白い。

☆面影ラッキーホール『代理母』(1998)
渋谷系の極北、とは誰も言わない歌謡ノワール・ファンク。日本のロック、みたいなものをきれいに分類する図をつくれたとして、そのどこに押し込んでもはみ出る薄汚い真っ黒なシミ。

☆田辺マモル『ヤング・アメリカン』(1998)
そういや日本にはオルタナ・カントリーってなかったよね。ソニーのナイス・プライス・ラインを模した帯やライナーの仕様も好きでした。

☆ラヴ・サイケデリコ『ザ・グレイテスト・ヒッツ』(2001)
出てきたときけっこうびっくりして、同時に、でもこの先ずっと追っかけるとかって感じじゃないな、と直感した。そのとおりになりました。この音なら生ドラムのほうがよさそうなところをあえての打ち込みなのは、XTC『オレンジズ&レモンズ』にヒントを得たんだろうと勝手に思ってます。本格派登場!みたいに扱われてけど、そういうあれじゃねーだろって気は最初からしてた。そこがいい。

☆HALCALI『音樂ノススメ』(2004)
大阪のキングコングのバーゲン箱で、ホワスト『ハルカリベーコン』とこのセカンドを各100円で買ったことは一生忘れない。あと10年くらいたったら、歌詞に全部脚注をつけて再発してほしい。

☆ギロ『アルバム』(2007)
冗談でなく、現代日本で最高のバンドのひとつだと思っていて、でもライヴは一度だけ見たけどもう見ないと思う。そういえば今回のリストにはキリンジが入ってませんが、キリンジの分の票はギロとランプでわけあったと思ってください。

☆長谷川健一『震える牙、震える水』(2010)
AI時代になってすっかり見かけなくなったものにf分の1揺らぎの扇風機とかってのがあって、急に強くなったり弱くなったり、あるいは唐突に止まってはまた動き出したり、そうやって人間に心地よい風を送り出してくれていました。どこまでが「曲」で、どこからが歌われたときの空気の揺らぎなのか判然としないこのひとの歌を聴くと、いつもそれを思い出します。他人がこのひとの曲を歌えってもし言われたら大いに解釈に困ると思うんですが、トム・ジョーンズとか尾崎紀世彦とかアンドリューWKとか、あのへんの「ザ・歌手」みたいなひとたちに、細かいニュアンスをブルドーザーでなぎ倒すみたいにして歌ってみてほしいという願望が、ずっとあります。あと、合唱曲にすると意外とハマるはず。まずはかもめ児童合唱団にお願いしたい。

☆轟渚『夜明けの唄』(2010)
エリザベス・シェパードとかベッカ・スティーヴンスなんて、このひとと比べたら大したことない。ホセ・ルイス・ゲリンより渡邉寿岳のほうがはるかに上であるのと同じ。

☆YUKI『megaphonic』(2011)
自分ではほとんど曲を書かないにもかかわらず、どのアルバムを聴いてもだいたい、ああYUKIだなあ、と思えるセルフ・プロデュース力の強さ。中年男性をも聞き入らせ、元気づけさえもする歌詞のうまさ。

☆ロンサム・ストリングス&中村まり『フォークロア・セッションズ』(2011)
生まれたところも食っている飯も別々な人間がたまたまなにかの偶然で一緒になって、こんなアルバムをつくってしまうなんて、ありきたりだけど奇跡と呼ぶほかない。みんなこれ聴かないでどんな音楽聴いてんの。いつか日本語でも歌ってほしい。

☆オウガ・ユー・アスホール『ペーパークラフト』(2014)
いまのところの最新アルバム『ハンドルを放す前に』はそれほど好きじゃないので、そのひとつ前のこれを。2020年代も引き続き期待してます。いま聴き直して、モアレ状に気持ちよく浮遊する1曲目「他人の夢」の冒頭、♪みんなが未来や夢を語り合った/問題は誰を見捨てるか♪という歌詞の無慈悲さにドキッとした。ところで、たしか初めてか2度目にライヴを見たときの感想で「ポリネシアン・セックスみたい」って書いたら、中野さんがそういう名前のバンドがいるのかと思って検索したそうで、いまでも申し訳ないと思っています(でも面白いのでこうしてネタにする)。

☆ランプ『ゆめ』(2014)
日本人離れしたハーモニー感覚。とくに確かめてないけど、曲の構造なんかはプログレとの親和性もあるんじゃないでしょうか。

☆goat『リズム&サウンド』(2015)
なんていうか、扱ってる品数が極度に少ない専門店。いや、メニューが塩おにぎりしかない飲食店、みたいな。しかもそれがめっちゃ旨い。

☆柴田聡子『愛の休日』(2017)
現代の女性SSWでほかに好きなひとっていうと二階堂和美、寺尾紗穂、湯川潮音、あたりなのですが、若いころはもっととんがった感じの、あからさまにエキセントリック感の強い女性に惹かれていたので、加齢とともにやや落ち着いてきた結果なのかな、と思うとなんかありきたりですね。

最後に。わたしは1973年、北関東の地方都市(県庁所在地)で生まれました。家には、洋楽邦楽問わず、ポピュラー音楽のレコードはほとんどなかったです。クラシックは何枚かあった気がするけど聴いた記憶はほぼない。

あ、もう一度最後に。なんかこれに類したことをやった気がする、と思って確認したら、2016年に、やはりミュージックマガジンの、「90年代の邦楽アルバムベスト100」特集に触発されてなにか書いてました
# by soundofmusic | 2019-06-06 21:44 | 日記 | Comments(0)

リスト Vol.121 2019.04.13 ゲスト:K&No'n ライヴ:たけとんぼ

***森山兄***

01 Paul Simon / Everything Put Together Falls Apart
02 桑田佳祐 / 鏡
03 萩原健一 / 雨のしおり
04 秘密のミーニーズ / 名まえの無い鳥
05 Aura / Can't Waste No Time

☆コメント

♪01 S&G解散後の初ソロ作『ポール・サイモン』より。(YouTube)

♪02 『孤独の太陽』より。おまけCDのために森山弟くんがこのアルバムの曲を選んでくれたのでひさびさに思い出して聴いてみましたが、リリース時に感じたのと同じくらいいいと感じた。曲の後半は「ブラックバード」っぽくなりますが、誰だか知らないひとがピアノでカヴァーしてるこれを聴くと、別の方向性でビートルズっぽい。→(YouTube)

♪03 『ナジャ 愛の世界』より。70年代くさい日本の役者で好きなひとなんてひとりもいないわけですが、ショーケンのこともよくわかってない。たぶん持ってるアルバムはこれだけ。すげえオフな歌の録音と、ヨ~ロピア~ンなオケのブレンドがよいですね。(YouTube)

♪04 日本語ロックの新星。さわやかなウェスト・コースト風コーラス。『イッツ・ノー・シークレット』より。(YouTube)

♪05 ハワイのファンク・バンド。陳腐な言い方ですがまさにいま聴いて気持ちのいい音。(試聴)

***森山弟***

01 Natalie Renoir & DJ Leao / Rockaway Beach
02 Rita Lee / She Loves You
03 Mo Horizona / bosshannover
04 Alex Tait / Avery
05 Sergio Mendes & Brasil 77 / Superstition

***K***

01 Sound Your Funky Horn / K.C. & the Sunshine Band
02 Clean Up Woman(Jim Sharp edit) / Betty Wright
03 Feel the Fire / Oscar Brown Jr
04 Holdin' Out For Love / Pointer Sisters
05 the Devil Made Me Do It / Robert Upchurch
06 Sweet Lil Lady / the Ohio Players
07 Can You Feel It / S.O.U.L.
08 Dig a Little Deeper / the Brecker Brothers
09 My Kind Of Woman / Bloodstone
10 Happy People / R.Kelly
11 That's How I Feel / the Crusaders
12 the 37th Chamber / Courtney Pine
13 Love Somebody / Cat Boys
14 American Wedding / Frank Ocean

***No'n***

01 Diesler/ Cotton Wool
02 Middle field / Incoming(Moonrtarr Remix Circa 2004)
03 Gerardo Frisina / Saeta(Part One)
04 Mo'Horizons / Ay Y N'ama(DJ Day Remix)
05 Hajime Yoshizawa / Time
06 Quantic & his Combo Barbaro / New Morning
07 Gerardo Frisina / Intenso

***ライヴ:たけとんぼ***
01 今夜町をでよう
02 都会
03 ぼくはトマトくん
04 タイムス
05 アメリカン
06 紙飛行機
en こころにテレフォン

***森山弟***

01 MY LITTLE LOVER / 風をあつめて
02 サニーデイ・サービス / 夜のメロディ
03 The Jeevas / Have You Ever Seen The Rain
04 The Band / When I Paint My Masterpiece
05 Lee Ann Womack / The Weight
06 スピッツ / さすらい

***森山兄***

01 真心ブラザーズ / 高い空
02 東京佼成ウインドオーケストラ / フライングゲット
03 Cornelius Brothers & Sister Rose / Too Late to Turn Back Now
04 サトア / 私たちの窓
05 斉藤由貴 / 卒業
06 Prachis / La Cancion de...Parchis
07 TnT Boys / Jala Jala
08 黛敏郎 / アラブの嵐 M-5(蛍の光)

☆コメント

♪01 『キング・オブ・ロック』より。火葬場の歌。(YouTube)

♪02 ディスクユニオンに行ったときにたまたま見かけて買った、AKBの曲を吹奏楽でやった『ブラバンAKB!』より。曲、タイトルくらいは知ってるけど別に耳なじなわけでもないし、しょーもないものを買ってしまった。(YouTube)

♪03 映画「ブラック・クランズマン」でかかってて知った曲。(YouTube)

♪04 現代日本のスリーピース女子バンド。『スクランブルエッグ』より。(Amazon)

♪05 最初にいいなあと思ってから30年以上たってますが、途中25年くらいのブランクを経てまた好きになって、ついに買ったホワスト・アルバム『アクシア』より。(YouTube)

♪06 スペインのキッズ・グループ。買ってからDJのたびに持ち歩いてたけどなんとなく使いそびれてようやくかけられた。(YouTube)

♪07 ヒップなブガルー・デュオ。『セックス・シンボル』より。(YouTube)

♪08 毎度おなじみのクロージング・ナンバーです。『日活ジャズセレクション』より。

***おまけCD『Papa's Got a Brand New Coffin』曲目***

01 Manfred Mann / So Long Dad
02 Billie Joe Armstrong & Norah Jones / Silver Haired Daddy of Mine
03 Jacqui Naylor / Father Christmas
04 Paul Simon / Papa Hobo
05 加川良 / 子守唄をうたえない親父達のために
06 Emmylou Harris / To Daddy
07 Steve Lucky & The Rhumba Bums / Daddy-O
08 Louis Jordan & His Tympany Five / Dad Gum Ya Hide, Boy
09 XTC / Hold Me My Daddy
10 Los Junior Star / No Se Lo Diga a Papa
11 Erroll Garner / El Papa Grande
12 The Quantic Soul Orchestra / Father
13 Ella Fitzgerald / Beat Me, Daddy, Eight to the Bar
14 Clarence Reid / If It was Good Enough for Daddy
15 桑田佳祐 / 僕のお父さん
16 Ralph McTell / Father Forgive Them
17 Harry Nilsson / Daddy's Song
18 The Humblebums / Her Father Didn't Like Me Anyway
19 Os Vips / Papa Rua
20 Gorky's Zygotic Mynci / Sometimes the Father is the Son
21 Gillian Welch / I Had a Real Good Mother & Father
22 Last Days / The Fields Remember My Father
23 THE YELLOW MONKEY / Father

☆今年1月か2月に亡くなった森山父(1946-2019)に捧げられました。
# by soundofmusic | 2019-04-17 22:08 | PPFNPセットリスト | Comments(0)

Pure Pop For Now People Volume 121

Pure Pop For Now People Volume 121_d0000025_00202280.jpg
2019年04月13日(土)18時~22時

渋谷エッジエンド(Tel:03-5458-6385)
地図。

800円(1ドリンク&おみやげ付き)

DJ:
No'n(写真1段目)
K(写真2段目)
森山弟(弟)
森山兄(兄)

・No'n
幼少の頃から音楽を中心に芸術に囲まれた環境で育つ。クラシックやジャズを経て、ロンドンで出会ったベースミュージックの影響で2003年より都内でDJ活動を開始。多くのシチュエーションで活動していく中で2011年より1年の渡仏、フランスを起点にUK、ドイツ、オーストリア等のクラブカルチャー先進国で多くのエッセンスを吸収し帰国。現在はTECHNO/HOUSE/DRUM&BASS/UK GARAGE/HIPHOP/BREAKBEATS/JAZZ CROSSOVER/BASSMUSICなど幅広いジャンルからの柔軟な選曲とアート感すら覚えるパワフルなプレイで多くのオーディエンスを魅了し続けている。

・K
Hiphopをきっかけに、Funk, Soul, Jazz, House等雑多に選曲。SoulやR&Bを軸としたラウンジスタイルのパーティ「TASOKARE」を主催。

ライヴ:
たけとんぼ(写真3段目)

2015年結成。アコースティックギターの音色を中心とした素朴なサウンドと2声、3声のコーラスを特徴とする。70年代のウエストコーストや日本のフォークソングに影響を受けた音楽性を持つ。

早いもので森山兄の再就職からちょうど半年となりました。みなさまいかがお過ごしでしょうか。今年2度目のPPFNPのご案内です。森山家、なにかとバタバタしておりますが、実務は全部弟がやってくれていますので兄へのねぎらい等は一切不要です。普段どおり遊びにいらしてくださいませ。

なお、いままでの弊イヴェントのセットリストはこんな感じです。どうぞご参考になさってくださいませ。

(Flyer visual by Hotwaxx)
# by soundofmusic | 2019-03-30 00:21 | PPFNPイヴェント情報 | Comments(0)

黒の試走車<テストカー> Vol.142

黒の試走車<テストカー> Vol.142_d0000025_17151444.png日時:2019年03月02日(土)19時~23時
会場:渋谷メスカリート(渋谷区円山町28-8第18宮廷マンション1階奥つきあたり)
地図
*建物入ってすぐ左側の自動ドアのエントランスには入らず、店舗の並んでるほうをまっすぐ進んで、つきあたりを左に曲がったいちばん奥正面、行き止まり部分の扉です。
料金:1000円(1ドリンクつき)
DJ:きょういち/澤山恵次/チバ/森山兄

☆「黒の試走車<テストカー>」は、毎月第1土曜日に開催される、踊る前から踊り疲れているひとのためのイヴェントです。ラウンジの名の下に、ロック、ジャズ、ソウル、ラテン、邦楽、フレンチ、サントラ、モンド、電子音楽などをデタラメ、かつ控えめ(音量が)にお届けしています。

会場のメスカリートは、渋谷、道玄坂をのぼりきった先、マンションの1階つきあたり奥にあるスペース。全身にぬるま湯のように浸透する絶妙な反響効果で、何を聴いても自宅の3割増しでいい印象を受けることができる不思議な音楽空間です。未知の音楽との出会いに、既知の音楽との再会に。軽い舞踏に。気のおけない会話に。酩酊に。密会に。ぜひ一度遊びにいらしてください。

3月のお知らせです。2月はきょういち&森山兄欠席で失礼いたしました。3月はレギュラー全員雁首そろえてみなさまをお待ちできるかと思います。いいかげん温かくなっていると思いますのでお気軽にご来場くださいませ。

過去分のセットリストその他は、「黒の試走車<テストカー>」のmixiコミュニティにて閲覧可能です。

黒の試走車<テストカー> Vol.142_d0000025_2234947.jpg

# by soundofmusic | 2019-02-11 17:19 | 黒の試走車イヴェント情報 | Comments(0)

リスト Vol.120 2019.01.12 ゲスト:Momo Ogaki&加賀琢磨 ライヴ:音璃

***森山兄***

01 Queen / Crazy Little Thing Called Love
02 The Cadillacs / No Chance
03 Megas & Spilverk þjóðanna / Jón Sívertsen og sjálfstæðisbarningur ísfirskra
04 Jorge Drexler / Telefonia
05 Marissa Nadler / You're Only Harmless When You Sleep
06 Larry Carlton / I Cry Mercy
07 Karen Dalton / In a Station
08 Roscoe Robinson / Sell Out to the Master
09 The Milk Carton Kids / Just Look at Us Now
10 サトア / ライト

☆コメント

♪01 クウィーンについてはとくになにか言いたい気持ちはないです。映画も見てないですけど唯一持ってるベスト盤を聴いたら意外によかったですね。ってことでプレイ。(YouTube)

♪02 ドゥワップ。シンプルな音楽ですがなかなかあなどれないですし聴き飽きない。ベスト盤より。(YouTube)

♪03 なんでもこのメガスというひと、アイスランドではビョークやシガー・ロスを知らないひとはいてもメガスを知らないひとはいない、というくらいの有名人だそうで、歌詞がとくにいいのだそうです。1977年のアルバム『Á Bleikum Náttkjólum (Sérútgáfa) 』より。(YouTube)

♪04 ウルグアイ出身の歌手。映画「モーターサイクル・ダイアリーズ」の主題歌で注目されました。その後もコンストントに活動。2017年度作『Salvavidas De Hielo』より。(YouTube)

♪05 一貫して一貫した世界観を貫き続けているSSW。2018年度作『フォー・マイ・クライムズ』より。いつもと同じですけどいいです。(Amazon)

♪06 後年、フュージョンで名を成すギタリストの初期作『シンギング/プレイング』より。スミス・パーキンス・スミスというひとたちのカヴァーなのでしょうか?(YouTube)

♪07 ザ・バンドのカヴァー。オリジナルは思い出せませんがこのヴァージョンは異様に好きです。『イン・マイ・オウン・タイム』より。(YouTube)

♪08 ゴスペル。『ヒー・スティル・リヴズ・イン・ミー』より。別ヴァージョンですが→(YouTube)

♪09 現代のサイモン&ガーファンクル。初めてバンドと録音した、2018年度作『All the Things That I Did and All the Things That I Didn't Do』より。(YouTube)

♪10 現代日本のギターポップ。ふだん聴かない類の音楽ですがこれはいいですね。女子だからかな。『スリーショット』より。(YouTube)

***森山弟***

01 Eva Cassidy / Kathy's Song
02 Françoise Hardy / Till the Morning Comes
03 The Decemberists / Don't Carry It All
04 King Curtis / The Weight
05 吾妻光良 & The Swinging Boppers / おもて寒いよね
06 BENI / 接吻
07 Travis / Idlewind
08 Eilen Jewell / Queens of the Minor Key
09 Nick Pride & The Pimptones / Waitin' So Long feat. Jess Roberts

***Momo Ogaki***

01 Feeling You / Omar Feat. Stevie Wonder
02 Them Changes / Tundercats
03 Crazy In Love / Aimer
04 8/4 Beat / Bobby Hutcherson
05 Afro Luso Brasileiro / Jazzinho
06 Pimenteira / Hermeto Pascoal
07 Breezy / Wouter Hemel
08 Palos / Willie Bobo
09 Don't You Worry 'Bout A Thing / Jacob Collier

***加賀琢磨***

01 Paulinho Da Viola / Mu Movo Sapato
02 The Latin Souls / The Latin Souls Theme
03 Rene Touzet / Poinciana
04 The Quartette Trés Bien / Shangri-La
05 Mongo Santamaria / Labmba
06 Joe Loco / Oh Yeah
07 The Latin Brothers / Baila Ines
08 Bobby Valentin / Use It Before You Lose It
09 Ray Terrace / You've Been Talking 'bout Me Baby

***ライヴ:音璃***

01 ない、あなた
02 aiaia
03 かまけている
04 満員電車
05 新曲
06 ごはん
07 Chuck E's In Love(カバー)
08 めざめ
09 I say

***森山弟***

01 山崎まさよし / さらば恋人
02 NOKKO / 恋はあせらず
03 Nicola Conte / Free Souls
04 Elizabeth Shepherd Trio / Reversed
05 Bacao Rhythm & Steel Band / 1 Thing
06 COOL WISE MAN / 狼煙 -Dub-
07 井乃頭蓄音団 / 昔はよかった
08 椿屋四重奏 / BURN

***森山兄***

01 Greta Van Fleet / The New Day
02 Celia Cruz / Etc., Etc., Etc.
03 Trio Ternura / Uma Sombra Na Estrada
04 鄒娟娟 / 小小禮物
05 David Clayton-Thomas / Magnificent Sanctuary Band
06 Paul Simon / Pigs, Sheep and Wolves
07 ハイ・ファイ・セット / 真夜中のバイ・バイ・ショー
08 比屋定篤子 / じんじん
09 Ofra Haza / Yachilvi Veyachali
10 黛敏郎 / 蛍の光(アラブの嵐 M-5)

☆コメント

♪01 ツェッペリンのバッタモンみたいなバンド。若いのになかなかいい感じです。『アンセム・オヴ・ザ・ピースフル・アーミー』より。(YouTube)

♪02 サルサの女王。『エトセトラ、エトセトラ、エトセトラ』のタイトル曲。(YouTube)

♪03 ブラジルのコーラス・グループ。『トリオ・テルヌーラ』より。車のエンジン音で始まるかっこいい曲。(YouTube)

♪04 たぶん台湾の歌謡曲。クセになるよね?(YouTube)

♪05 ブラッド、スウェット&ティアーズのひとのソロ。ダニー・ハサウェイのカヴァーのほうが知られていると思いますが、オリジナルはダニーでもこのひとでもない。(YouTube)

♪06 昨年出た、あまり有名でない自作曲をリ・アレンジして再録したアルバム『イン・ザ・ブルー・ライト』より。オリジナル・ヴァージョン→(YouTube)

♪07 ヴォーカリーズっぽいアルバム『1&2』より。(YouTube)

♪08 『風と鱗』より。試聴できるところ見つからず。あいすません。

♪09 このあいだ生まれて初めて聴いたオフラ・ハザ。予定が狂って時間つぶしのために入ったブックオフの280円コーナーで買った『イエメン・ソングス』より。(YouTube)

♪10 毎度おなじみのクロージング・ナンバーです。『日活ジャズ・セレクション』より。(Amazon)

***おまけCD『Hogs, Pigs and Battleships』曲目***

01 ソギー・チェリオス / ぼくはイノシシ
02 The Rutles / Piggy in the Middle
03 Pink Floyd / Pigs On The Wing (Part One)
04 Pink Floyd / Pigs On The Wing (Part Two)
05 John Renbourn / The Wildest Pig in Captivity
06 Nicky Hopkins / Pig's Boogie
07 Grease Band / Willie and the Pig
08 山本耀司 / 豚がすべて
09 Dr. Feelgood / I'm a Hog for You
10 Elvin Bishop / Ground Hog
11 Mountain Mocha Kilimanjaro / Big Pig Affair
12 Kettel / Quickpig
13 Rachael Dadd / Hedgehog
14 コトリンゴ / hedgehog
15 Nellie Lutcher / The Pig Latin Song
16 黛敏郎 / 豚と軍艦
17 Telephone Bill & The Smooth Operators / Boogie Woogie Piggie
18 The Dillards / Groundhog
19 Bonzo Dog Doo-Dah Band / Piggy Bank Love
20 J.S.D. Band / Groundhog
21 The Beatles / Piggies
22 中村八大 / 豚と金魚
23 Ry Cooder / Pigmeat
24 Nina Simone / Gimme a Pigfoot
# by soundofmusic | 2019-01-22 23:49 | PPFNPセットリスト | Comments(0)

2018年のグッド音楽

2018年のグッド音楽_d0000025_23203268.jpg遅ればせながら、みなさまあけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

さっそくですが2018年のグッド音楽です。買った枚数は前年度の3割減。道理で買ったもの全部、それなりにきちんと聴けてる感じがしたわけだ。それどころか、無職で余った時間を活用して、リヴィングに積み重ねてあったCDをひたすら聴いて、自室にしまう作業にも没頭したので、出しっぱなしになっていた数百枚が片付いてだいぶすっきりしました。断捨離、という言葉には下品さしか感じないので自発的に使うことはあまりないはずですが、そうした過程で、数百枚が我が家からディスクユニオンやHMVに移籍していきました。新天地での活躍を祈ります。

買ったものをメディア別に見ると、アナログ(ほぼLP)の割合が微増して、3分の1をやや超えました。ジャンルでは、相変わらずロック離れ・ジャズ離れが進んでいるようです。下記のグッドの顔ぶれから、そのあたりは察していただけると思います。

あと、特筆事項としては、長年それなりに愛聴してきたバンドであるザ・フィーリーズを、フィラデルフィアまで見に行きました。相席になったおじさんたちに結果的にドリンクをおごってもらうことになったのも含めて、いい思い出でした。

―――

以下、2018年のグッド・アルバム12と、その他のグッド。アルバムは●だけがLP(CDも出てますが未入手)で、あとはCDです。

◇:Erasmo Carlos『Sonhos e Memorias 1941.1972』(1972)
●:Larry Carlton『Playing/Singing』(1973)
▽:Eugene Record『The Eugene Record/Trying to Get to You』(1977&1978)
}:ランプ『ゆめ』(2014)
+:Boule Noire『Boule Noire』(1976)
■:アラゲホンジ『はなつおと』(2016)
@:Celia『Celia』(1972)
≠:The Milk Carton Kids『All the Things That I Did and All the Things That I Didn't Do』(2018)
∵:Caetano Moreno Zeca Tom Veloso『Ofertorio』(2018)
§:Earth, Wind & Fire『That's the Way of the World』(1975)
>:Edu Passeto & Gui Tavares『Noite Que Brincou De Lua』(1981)
#:Celia Cruz『Etc., Etc., Etc.』(1970)

◎シングル、その他
・ギロ「アバウ」(2016)
・葉麗儀(Frances Yip)「Chotto Matte Kudasai」(?)(YouTube)
・恬妞(Kelly Tien)「我騎著一部單車」(1979)(YouTube)

グッド12のアルバムについて。

◇:ブラジルでのサッカーのワールドカップ開催だったか、リオ・デ・ジャネイロでのオリンピックだったかに便乗していろいろブラジル音楽が再発されたのに便乗して買ったもの。たぶんそのときに一度くらい聴いて、そのまま放置されていたのが、前述の部屋の片付けにともなって発掘→再評価され、購入から数年を経てグッド入りを果たしました。

英米音楽の強い影響を隠すでもなく、それをポルトガル語のブラジル音楽の中に完全に溶かし込むことに成功している稀有なアルバム。ついつい、同時代の日本でいうとどういう存在にあたる存在だったんだろう、と考えてしまうわけで、ぱっと思い浮かぶのははっぴいえんどですけど、彼らの音楽が日本独自の土着性を持ってるかっていうととくにそんな感じはしないので(いろいろ中略)やっぱりHISはすごかったよねって話になります。

このアルバムを5月か6月くらいに聴き直して衝撃を受けたのを機に、しばらく遠ざかっていたブラジル音楽の棚をまた見始めるようになりました。

●:後年、ジャズ~フュージョン界隈で名を成したギタリストの初期のアルバム。ガンガン弾きまくってるのはたぶん1曲くらいで、内省的な歌ものが大半を占めています。2018年時点から振り返ると、「期せずしていま聴いてちょうどいい感じ」の、「のちの姿からは想像もできないSSWもの」なわけですが、最初から数十年後にそういうふうに発掘されるつもりで狙って音楽をつくるひとはたぶんいないので、当時としてはそれなりに理由や必然性があってできたものなんでしょうね。

ぱっと思い付く類似作品(でもないか)がキース・ジャレットの『レストレーション・ルーイン』。そのあとが続かないですけど、カールトンのこのアルバムのリリース元であるブルー・サムと言えば、ベン・シドランやガボール・サボといったひとたちが在籍していたレーベルですし、まわりを見渡せば、パイザノ&ラフだとかゲイリー・マクファーランド&ピーター・スミス『バタースコッチ・ラム』だとかもあって、軟弱なジャズの土壌はそれなりに広がっていたのかもしれません。もちろん、こうしたことも、当時の人脈としてどうこうではなくて、いま現在のわたしの頭の中(だけ)にある文脈ですけど。

ともかくジャズはもっと解放されてよくて、ただし新しい名前をつけるだけがやりかたではない。ってことで、こういう音楽こそ、「フュージョン・ギターの名盤、堂々の再発!」みたいな帯をつけて、1000円でCD出してください。昔に出てたCDは廃盤で、高くて買えてません(*_*)

▽:シカゴの名門ソウル・グループ、Chi-Litesでリード・ヴォーカルと作曲も手掛けていたひとのソロ1作目と2作目をカップリングしたCD。グループ名の読み方がシャイライツなのかチャイライツなのかは、英語ネイティヴのひとたちのあいだでも意見がわかれているのが確認できましたが、名前の由来が「シカゴの灯」ですから、チの音じゃなくてシの音、シャイライツでよさそう。

そのことと同じくらい気になっていたのが、なんとも印象的なレコードっていう名字が本名なのかどうかってことで、英語版のウィキペディアを見たらとくにそのへんについては触れられてなかったので、ということは本名なんですかね。

シャイライツの売りは、ささくれだったり声を荒らげたりすることのない、ひたすらスムースでスウィートなヴォーカル・ワークでしたが、このソロ作でもそのへんは踏襲されております。77~78年ごろっていうと、いわゆるグッドでオールドなソウル・ミュージックのラヴァーズにとっては、だいぶ時代も下ってきちゃったなーって感じを受ける年代だろうと思うんですが、このへんから82~83年ごろにかけての音像も、リアル・タイムで聴いてたひとがどう反応するかはともかく、いまの耳に再びフィットする状態になってきてると感じました。

ディスクユニオンの値札などだとこうした音楽はモダン・ソウルと称されていて、それがなにかとあらためて考えてみると、非ディスコ的なディスコ音楽、ということになるのかもしれません。つまり、ディスコ音楽のバカにされがちな要素を骨抜きにして、ダンス・ミュージックとして高度に発展したその機能だけを利用しようというのですから、これはいわばディスコの搾取、ディスコ警察からしたらとんでもない話です。

ディスコに惹かれながらも、いくらなんでも全身全霊をかけてディスコ化してしまうのはなあ……という葛藤は、誰にとってもあったはずで、そうした葛藤をうまく解消するための試みが昨今モダン・ソウルと呼ばれる音楽である、かはともかく、わたしはそう受け取っています。勝手に決めつけられてレコードさん、怒ってないといいんですけど。この話は、§のアースさんのところに続きます。

}:今回の並びでいうと、◇のエラズモ・カルロス・ショックの余波でこのアルバムを聴いたみたいに見えますが、実際はこれを買ったのは3月で、◇を聴き直す前のことでした。

どこかで書いた気もしますが、なかなかランプのよさが把握できないまま、ずっと気にはしていて、半年おきくらいに試聴したりしていました。自分の受け取り方の変化によって、彼らの音楽そのものがわたしの耳になじむようになったりはしまいかと思ってのことです。2018年、ついに機が熟して、この『ゆめ』や、新作『彼女の時計』など数枚を購入するに至りました。

なかなか日本語のポップスでは耳にすることのできないブラジル、ミナス風の和声感覚と、ほとんどプログレのようですらある劇的な構造と転調。二度見ならぬ二度聴きすると、あきらかに異様な音楽なのに、表面的な印象はあくまでポップスなのですから、「印象」なんてもんはきわめていい加減なもので、それがゆえに重要なんだなと痛感させられます。

たとえば彼らの曲がイエスによって演奏されらどうなるか。あるいはヴァン・モリソンによって歌われたら。こうした想像は突飛かもしれませんが、ブラジルの田舎のどこかに、高度な技術でキメキメの演奏をするプログレ・バンドがいて、その彼らが、「俺たちめっちゃ演奏上手なのに、ヴォーカルの線は細いし、オリジナル曲がどうしてもブラジルっぽさが抜けないんだよなあ」と悩んでいたとする。そんなバンドの出す音が回りまわってランプと酷似していたとしたら、こんな愉快なことはないじゃありませんか。

+:カナダ、ケベック州出身のブルー・アイド・ソウル・シンガー。ふだんカナダのことなんてまったく考えませんが、このグッド音楽企画では、2017年にレナード・コーエン、2016年にアンディ・シャウフが選ばれており、また、もっと過去にはロン・セクスミスも入ったことがあるはずで、そう思うととたんに親しみが湧いてきます。

デビュー作にあたるらしい本作と、我が家にあるほかの数作はどれもフランス語で歌っていますが、英語のアルバムも出しているみたいです。これはアラバマ州マッスル・ショールズ・サウンドに乗り込んで、ロジャー・ホーキンス、バリー・ベケットらをバックにしての録音。え? ああ、マッスルじゃなくてマスル・ショウルズね。ホーキンスじゃなくてホウキンズ。はいはい、バラカンさん、ありがとうございました。

で、なんでしたっけ。そうそう、で、荒浜のそのへんでの録音と聞くと、なるほどだいたいこんな感じかな、と勝手に音を思い浮かべる方もいらっしゃるでしょうが、ところがどっこい、メンツからは想像しにくい、いなたさ控えめの洗練されたサウンド。どういうディレクションがなされたのかはわかりませんが、もしかするとこれは、マスル・ショウルズで産み出された中で、最も都会的な音楽かもしれません。

このアルバムが録音された1976年というと、ボズ・スキャッグスの『シルク・ディグリーズ』の年で、それをもってAOR元年とする考え方もあるようですね。でもあれですよ、ちょ、待てよ! はいはい、キムタクさん、飛び入りありがとうございます。虚心坦懐に聴き返してみると、ボズの「ロウダウン」ほどの決定打はないかもしれませんが、アルバムのトータル感ではブール・ノワールも決して負けてない。それどころかむしろ、勝ってるかもしれませんよ。

■:新興宗教に入信して明るくなった真面目な青年、みたいな雰囲気を持つ、民謡ファンク。ではありますが、これまでの音源からさらに幅を広げて、ジャズ的な要素を採り入れた結果、曲によっては「田んぼのシティ・ポップ」みたいになってるのが面白い。民謡ですから笛がフィーチュアされた曲も多くて、結果としてポーグスあたりとも並べてみたい感じもありますが、海外とのつながりとか日本の伝統の再生とかよりも、現代の日本のバンドだなあという印象のほうがはるかに強い。

あれこれ考えてしまうのは、このあいだ生まれて初めてオフラ・ハザのアルバムを買って、けっこう楽しんで聴いているからでもあります。1973年生まれのわたしは、80年代末からのワールド・ミュージック・ブームについては断片的な記憶しかないものの、たとえばマホテラ・クウィーンズがCMに出ていたのは覚えてますし、生まれて初めて見た外タレは渋谷のクアトロでの3ムスタファズ3でした。たしか2日公演で、わたしが行ったのと別の日には細野晴臣やあがた森魚も来ていたはず。いまで言うとceroとかサチモスくらいの、話題のバンド感があったのでは。

同時代の日本にも、そのへんのシーンに呼応していた音楽(まさに言葉そのものの意味での、ポスト=ロック的な)がいくつかありましたが、そのへんのものにあまり深入りすることにはなりませんでした。細野さんの『オムニ・サイトシーイング』なんて、子供には難解だったし、そのころの細野さんはいまみたいに気さくにカントリーとか歌うキャラじゃなかったですよね? コシミハルとのスウィング・スロウですら、いまから振り返るとだいぶ高尚な音楽だったと思います。

かなり話がズレましたが、なにが言いたいかというと、わたしは中村とうようをリスペクトするガキでしたが、(彼の)ワールド・ミュージック志向はピンと来なかったってことです。レコードは売ってりゃいつでも買えるし買えばいつでも聴けるわけなので、余生の課題としたいです。そうそう、いまこうしてこの文を書くまでそんなこと考えもしなかったけど、とうようさんが最近の日本の民謡インディ・シーンを見たら、どんなふうにコメントするでしょうね。仮定の話のついでにもうひとつ書くなら、アラゲホンジをバックに歌う酒井俊なんてのも、見てみたいです。

@:ブラジルの女性歌手。本人の歌の魅力はもちろんのこと、鬼才アルチュール・ヴェロカイが全曲のアレンジを担当しているのが聴きどころ。ヴェロカイは同年、自身のソロ作もリリースしていますが、アレンジのアイディアの豊富さ、迫力、キレ、すべてにおいてこのセリアのアルバムのほうが上回っている。タイトなビート、アッパーなホーン、ロマンティックな弦、ワウなギターに乗せて、ときには奔放に走り回り、ときにはしっとりと語りかけ、さまざまな表情を見せてくれるセリアの歌。ヴォーカリストとアレンジャーの幸福な関係を見ることができます。

さっきからアレンジ、アレンジと書いていますが、このCDには個々の曲の作者以外のクレジットがなく、プロデューサーもアレンジャーも記載されていません。ヴェロカイが全曲のアレンジを手がけているというのは、どこかで読んだのでそう書いています。実質的にはプロデューサー的な仕事もしていたのでは?とも思っていますが、単なる推測で根拠はありません。

ちなみに、ブラジルではよくあることですが、考えるのが面倒なのか、自分の名前をタイトルにしたアルバムを、生涯に1枚だけではなく何枚か出すという現象があり、セリアさんも、1970年にも『セリア』をリリースしています。そこにもヴェロカイは関わっていて、しかし数曲のみの参加なので、やっぱり物足りない。こちらの1972年盤をお買い求めください。両方とも本人の写真のジャケなので口では違いが説明しづらいんですけど、目を開けてるほうが1972年盤です。

≠:テン年代以降に勃興してきたミュージシァンで、森山兄弟の両方から同じくらいの高評価を受けているひとたちってほとんどおりませんで、数少ない例外がこのコンテンポラリー・フォーク・デュオです。あまり大げさな形容は避けるべきと思いつつも、21世紀のサイモン&ガーファンクルと呼びたい誘惑に駆られます。

2019年の年始、これを書くためにあらためてこのアルバムを聴き直しながら、買ったばかりのウェインライト・シスターズやマリッサ・ナドラーを同時に(複数枚いっぺんに、という意味ではなく、並行して)聴いていたら、ひとくちにアコースティック楽器中心のアンサンブルによる歌ものといっても、録音の仕方はさまざまだなあ、とあらためて痛感しました。

彼らは、いままではほぼずっと、自分たちの弾く2本のギターだけをバックにして歌ってきたひとたちで、本作で初めてバンドと一緒に録音をおこなっています。話を聞いたときからもちろん楽しみで、と同時に、なにか変なことをやらかしていたら困るな、との危惧もなくはなく、しかしそれは杞憂でした。各種楽器は彼らのそれまでの音楽を無理のない形で拡張するように注意深く付け加えられていて、なおかつ、ひとつのバンドとしての有機的な意義や滋味もある。ことに、アルト・クラリネットとテナー・サックスの静かな存在感は素晴らしく、一度耳が惹き付けられると、あ、こんなところにも入ってた、またここにも、という感じで、「ウォーリーをさがせ!」みたいに楽しめます。

ところでサックスで思い出したのは、たしか90年代後半ごろのスティーリー・ダンのインタヴューでの発言です。曰く、サックスは電気を使わないアコースティック楽器だからって別に「自然」ではなく、テクノロジーの産物だからね、みたいな内容でした。そういえば、「耳をすませば」のギバちゃんも、里山の水田地帯をドライヴしながら、その景色の人工性について似たようなことを言ってましたね。何度聴いても疲れないこのアルバムの音像の自然さ、あるいは不自然さについて、あらためて考えてみたいです。

わたしにとっては、本作と次項のカエターノ親子が2018年のアコースティックな歌ものの決定打でしたが、ぱっと見た範囲だと、どちらも各種の年間ベスト10なんかには入ってないみたいですね。このあいだたまたま、ある海外メディアの2018年ベスト・フォーク・アルバム20選という記事が目にとまり、知らないものは軽く試聴してみたのですが、欲しくなるようなものは見当たりませんでした。総じて、自分の限度いっぱいまで吐き出しきるというか、歌い上げすぎ。「アリー/スター誕生」の予告篇のガガ様もそうなんですが、なんであんなに声を張るんですかね。音楽に余裕がなくってどうするんでしょうか。まあ、もうそういう時代ではない、ってことなんでしょうね。

ところで、2017年秋、オハイオ州シンシナティまで彼らのライヴを見に行ったときのことが、こちらに少しだけ書いてあります。プロモーター的な仕事をなさってるひとはぜひご一読のうえ、日本でも見られるようにしてください。フェスは行きませんので、単独公演を希望です。

∵:無職時代におこなわれたCD棚の小整理の結果、我が家にはカエターノ・ヴェローゾのCDが数十枚あることが判明し、同時に、内容を思い出せるものがそのうちごくわずかであることにも気付かされました。ていうか、半分くらいはよくわからない音楽かも。

このアルバムは、カエターノが息子たち3人を従えておこなった公演を録音した、いわゆるライヴ盤です。おそらく後年の歴史家からは、晩年の代表作、と位置付けられる系の1枚。もしいますぐカエターノが死んだりすれば、悲劇的に神格化され、またたく間に伝説的な名盤扱いされるのでしょうが、さすがにそこまでは望んでおりません。しかし、いくらなんでも日本盤が出てないのはどうかと思いますが、もうそういう時代ではない、のでしょうね。(そういえば前項のミルク・カートン・キッズも、日本盤はまだ出たことがなかったはず)

アコースティック楽器を基調にしたシンプルな編成で、多くの曲では気持ちのいいコーラスが聴けます。この心地よさはどこから来るのか。コーラス自体が優れているのか、それとも単に、全員、血縁。ならではの声質の近似による快感なのか。そのへんはちょっとわかりませんが。

普通、ライヴ盤というと、すでにそのミュージシァンの音楽に親しんでいるひとが聴くものという印象がありますが、これについては、カエターノのカの字も知らないひとがいきなり聴いてくださっても、大丈夫です。ま、いきなり聴いてダメな音楽ってのは、ないわけですけど(いや、あるか)。あと、カエターノのカの字くらいは、知ってて損はないです。

§:2018年、西荻窪にあるバー、ぱいあろっかで月イチくらいで開催されている、名前のないDJイヴェントにDJとして参加するようになりました。あれこれ収穫があった中でも、宇宙化してチャラくなる前のアースのよさをひじかたさんから教えてもらったのはありがたかった。

76~77年ごろ以前の彼らのアルバムは、タイトルもジャケも見覚えのないものばかりで、それからユニオンに行くたびに気をつけていると、そのへんのアルバムも、しょっちゅうではないですが、ときどき売ってる。あれば安いので、集中的に買い求めています。あとから年代を追って聴くとわかることというのはあるもので、真面目ではあるが個性に欠ける初期のサウンドと、チャラくなってからのメロウな歌ものと、どっちが魅力があるかっていうとやはり後者なわけです。

とはいえ、あまりにキャッチーで享楽すぎる彼らのヒット曲は、やはりソウル警察とファンク警察の合同捜査によって、踊りながら取り締まらねばならないでしょう。ということで、めちゃくちゃシャープな切れ味はそのままに、申し分ないキャッチーさも獲得したこのアルバムあたりが、ギリ逮捕もされず、いちばん聴いていて気持ちいいかなと。

ところでこのアルバムは近所のユニオンで買いました。従来の色別割引のほか、ときどき、色限定で、999円以下は半額とか、499円以下は一律100円とかのセールがあって、活用させてもらいました。これはそういう機会を利用して、100円で購入。ほかに、2018年に100円で買ったCDとしては、ウィリー・ネルソン『スターダスト』も素晴らしかったです。どちらも一生聴ける。

……あ、色、っていきなり言われてもわかんないですよね。すみません。

>:1981年当時、インディーでリリースされ、おそらく当時はごく限られた流通しかしなかったと思われる、ブラジルのフォーキー・ソフト・ロック。たぶん2018年、英国のファーラウトが発掘して、無事我が家にも届きました。

ところでわたしは、ソフト・ロックという言葉には、90年代になんとなくイヤな印象を受けた気がしていて、だもんで、積極的に/良い意味で使うことはほぼないはずです。だからこのアルバムについても、ミナス風インディー・フォークとでも呼べばそれでいいかなとも思っています。

少しずつ話をズラしますが、自分がブラジル音楽のレコードをいちばん買っていたのはたぶんゼロ年代半ば頃でした。いまではすっかり利用しなくなりましたが、イーベイでいろいろ入手して、ブラジルからの空輸もけっこうしたものです。で、何年間かで熱はいったん収まって、最近また熱が増してきてますが、10年前と今回とでなにが違うかというと、リズムやグルーヴ的なことに興味を感じていた前回に対して、今回は、曲展開とか和声の面白みのほうにより強く惹かれている、と言えばいいでしょうか。

そもそも10年前は、ミナス感ってのがよくわかってなかった。とはいいつついまでも、ミナスの親玉ともいうべきミルトン・ナシメントの魅力があまり理解できてませんので、わたしにとってミナス感といえば、ロー・ボルジェスの『ア・ヴィア・ラクテア』になるのですが。いずれにしても、どこの誰がマネしてもかまわないはずなのに、世界のこの地区にだけ(ってこともないけど)分布する独自の浮遊感を持ったハーモニー、音楽的固有種って感じがするのがすごく不思議です。

#:ここ数年、以前よりも意識的にサルサの音源を買うようになり、といっても歴史の流れが頭に入ってるとかそういう段階にはまだ達してないんですが、なんとなくわかってきたのは、サルサという音楽はそれ自体は高度に発展したフォーマットなのに、あるいはそれがゆえに、個々の曲はどれもなんとなく似通って聞こえるというディレンマ構造があることでした。

もっと金を使って、真面目に聴くことによってブレイクスルーが訪れることを期待しています。余生はスペイン語の勉強をして過ごしたい、との希望をここで書いたことがあったか忘れましたが、地味に独学を続けていまして、しょーもないサルサのレコードを買ってしまったときもスペイン語の教材だと思うことで乗り切れるようになりました。気持ちの経費で落とせるみたいな。おすすめです。

あてずっぽうに買っていると何十枚かに1枚くらい、突発的によいものはあって、これがまさにそれでした。すでに数枚持っていたセリア・クルスのアルバムにとくに強い印象は受けてこなかったのに、これの1曲目、タイトル曲のパンチの利いた歌声には、スペイン語がダイレクトに耳に飛び込んできて、歌詞がすべて理解できているような錯覚すら覚えました。ラテンの哀愁をたっぷり含みながらも過剰なベタつきを抑えた、リノ・フリアスのバンド・アレンジが見事。「シュガー・シュガー」(アーチーズ)のカヴァーは、ドラムがやたらとドタバタしてかわいらしいです。

―――

シングルとその他部門について。

ギロは3曲入りシングル。そのうちアルバムが出たらそれに入るだろうと積極的に買わずにいたのですが、たまたま行ったお店でレジの前に売ってて、これもなにかの縁かなと。内容的には言うまでもない。現代日本でもっとも独自で、もっとも最高なバンドのひとつでしょう。早くアルバムが聴きたい。

1月に台湾(7度目)と香港(初めて)を訪れたのを機に、ようやく中華圏のポップスに手を出し始めて、新しいジャンルにとっかかるときの投資の苦労と喜びを味わいました。アルバムでもいくつかいいものがありましたが、とくに忘れ難かった2曲を。

「チョットマッテクダサイ」は、ここにちらっと書いたとおり、つくられてからわたしの耳に入るまで、なかなか複雑な経路をたどっています。香港の歌手、フランシス・イップのこのヴァージョンがいつごろのものか、ちょっと調べた限りでは不明なんですが、あきらかに『ペット・サウンズ』あたりの影響下にあるアレンジと、適度にドラマティックな歌唱との塩梅がすばらしい。

「我騎著一部單車」はYouTubeで知った曲で、台湾の歌謡曲ではいまのところいちばん好き。ピンク・レディーの「キャッチ・リップ」のカヴァーであることに気付いたのは、数か月後。CDは全部廃盤になっていて、見つけるのは相当たいへんそうだな、次回の訪台時に必ず、と意気込んでいたら、ヤフオク!で買えました。ぼったくられたけど仕方ないよね。

2019年も実りあるレコ買いをしていく所存です。

そういえば、今回紹介した音楽の、定額制サーヴィスでのアヴェイラブル状況はよくわかりませんが、少なくともたぶん半分くらいはアヴェイラブルでしょうから、わたしに言われる前にどんどん聴いてみてください。

最後に。この年始企画、意外と毎年ちゃんとやってたら、今回で6回目になっていましたね。参考までに過去分を羅列します。

2017年のグッド音楽
2016年のグッド音楽
2015年のグッド音楽
2014年CDグッド10
2013年CDグッド10

# by soundofmusic | 2019-01-16 23:27 | 日記 | Comments(0)

黒の試走車<テストカー> Vol.141

黒の試走車<テストカー> Vol.141_d0000025_17425731.jpg日時:2019年02月02日(土)19時~23時
会場:渋谷メスカリート(渋谷区円山町28-8第18宮廷マンション1階奥つきあたり)
地図
*建物入ってすぐ左側の自動ドアのエントランスには入らず、店舗の並んでるほうをまっすぐ進んで、つきあたりを左に曲がったいちばん奥正面、行き止まり部分の扉です。
料金:1000円(1ドリンクつき)
DJ:きょういち/澤山恵次/チバ/森山兄
ゲスト:zu-cha

☆「黒の試走車<テストカー>」は、毎月第1土曜日に開催される、踊る前から踊り疲れているひとのためのイヴェントです。ラウンジの名の下に、ロック、ジャズ、ソウル、ラテン、邦楽、フレンチ、サントラ、モンド、電子音楽などをデタラメ、かつ控えめ(音量が)にお届けしています。

会場のメスカリートは、渋谷、道玄坂をのぼりきった先、マンションの1階つきあたり奥にあるスペース。全身にぬるま湯のように浸透する絶妙な反響効果で、何を聴いても自宅の3割増しでいい印象を受けることができる不思議な音楽空間です。未知の音楽との出会いに、既知の音楽との再会に。軽い舞踏に。気のおけない会話に。酩酊に。密会に。ぜひ一度遊びにいらしてください。

2月のお知らせです。ゲストには初登場のzu-chaさんをお迎えします。音楽の専門学校でドラムを習っていた経歴をお持ちの方だそうです。アイドルなどもかけるのではないか、とのこと。断片的な情報で申し訳ありませんが、よろしくお願いします。そういえば3月に、ダン・ペンとスプーナー・オールダムが来日しますね。もう予約はお済みですか?

過去分のセットリストその他は、「黒の試走車<テストカー>」のmixiコミュニティにて閲覧可能です。

黒の試走車<テストカー> Vol.141_d0000025_2234947.jpg

# by soundofmusic | 2019-01-06 17:44 | 黒の試走車イヴェント情報 | Comments(0)

Pure Pop For Now People Volume 120

Pure Pop For Now People Volume 120_d0000025_22265747.jpg
2019年01月12日(土)18時~22時

渋谷エッジエンド(Tel:03-5458-6385)
地図。

800円(1ドリンク&おみやげ付き)

DJ:
Momo Ogaki(Venha!)(写真1段目)
Takuma Kaga(写真2段目)
森山弟(弟)
森山兄(兄)

・Momo Ogaki
2014年4月、"BLUE JAM at 阿佐ヶ谷Cafein”(小松真也オーガナイズ)にて初DJ。 楽しさに衝撃を受けDJ活動開始。2015年より、都内各所にてイベント主催の機会をいただく。ジャンルの融合(brazil, jazz, R&B, hip hop, house など)を目指しているが、ジャンルの限定されたイベントにも積極的に参加。ライフワークを継続させつつ、新しいことに挑戦し続けることを目標としている。 http://momoogaki.blogspot.jp/

・Takuma Kaga
90年代の終わりに恵比寿と新宿でクラブ文化に触れる。その影響を受け、2000年頃からDJを始める。ロックやポップスをルーツとし、その感性で黒人音楽、ラテン音楽を嗜む。専門ではない故の独特のグルーヴを模索している。

ライヴ:
音璃(写真3段目)

和歌山県和歌山市生まれ。中学くらいから学校の廊下でいきなり歌い始める。高校時代は大声で熱唱&スキップしながら登校、友人たちを困惑させる。

今年もあと1週間となったところで、来年早々のPPFNPのご案内です。ゲストDJはMomo OgakiさんとTakuma Kagaさん。ゲストライヴには、音璃さんをお迎えします。2019年も、お客様に「800円払って損した」と思われないイヴェント、を目標としてがんばります。1月、4月、7月、10月の第2土曜日はPPFNPの日ということでひとつ。

なお、いままでの弊イヴェントのセットリストはこんな感じです。どうぞご参考になさってくださいませ。

(Visual by Hotwaxx)
# by soundofmusic | 2018-12-23 11:43 | PPFNPイヴェント情報 | Comments(0)

黒の試走車<テストカー> Vol.140

黒の試走車<テストカー> Vol.140_d0000025_11145989.jpg日時:2019年01月05日(土)19時~23時
会場:渋谷メスカリート(渋谷区円山町28-8第18宮廷マンション1階奥つきあたり)
地図
*建物入ってすぐ左側の自動ドアのエントランスには入らず、店舗の並んでるほうをまっすぐ進んで、つきあたりを左に曲がったいちばん奥正面、行き止まり部分の扉です。
料金:1000円(1ドリンクつき)
DJ:きょういち/澤山恵次/チバ/森山兄

☆「黒の試走車<テストカー>」は、毎月第1土曜日に開催される、踊る前から踊り疲れているひとのためのイヴェントです。ラウンジの名の下に、ロック、ジャズ、ソウル、ラテン、邦楽、フレンチ、サントラ、モンド、電子音楽などをデタラメ、かつ控えめ(音量が)にお届けしています。

会場のメスカリートは、渋谷、道玄坂をのぼりきった先、マンションの1階つきあたり奥にあるスペース。全身にぬるま湯のように浸透する絶妙な反響効果で、何を聴いても自宅の3割増しでいい印象を受けることができる不思議な音楽空間です。未知の音楽との出会いに、既知の音楽との再会に。軽い舞踏に。気のおけない会話に。酩酊に。密会に。ぜひ一度遊びにいらしてください。

早いもので、2018年もあと1週間ほどとなりました。そろそろ来年の話をしても鬼からのツッコミは入らないと思われますので謹んで告知させていただきます。2019年もいままでどおり、毎月第1土曜日は「黒の試走車」をよろしくお願いいたします。

過去分のセットリストその他は、「黒の試走車<テストカー>」のmixiコミュニティにて閲覧可能です。

黒の試走車<テストカー> Vol.140_d0000025_2234947.jpg

# by soundofmusic | 2018-12-23 11:15 | 黒の試走車イヴェント情報 | Comments(0)

黒の試走車<テストカー> Vol.139

黒の試走車<テストカー> Vol.139_d0000025_21224395.jpg日時:2018年12月01日(土)19時~23時
会場:渋谷メスカリート(渋谷区円山町28-8第18宮廷マンション1階奥つきあたり)
地図
*建物入ってすぐ左側の自動ドアのエントランスには入らず、店舗の並んでるほうをまっすぐ進んで、つきあたりを左に曲がったいちばん奥正面、行き止まり部分の扉です。
料金:1000円(1ドリンクつき)
DJ:きょういち/澤山恵次/チバ/森山兄
ゲスト:Sistaresista

☆「黒の試走車<テストカー>」は、毎月第1土曜日に開催される、踊る前から踊り疲れているひとのためのイヴェントです。ラウンジの名の下に、ロック、ジャズ、ソウル、ラテン、邦楽、フレンチ、サントラ、モンド、電子音楽などをデタラメ、かつ控えめ(音量が)にお届けしています。

会場のメスカリートは、渋谷、道玄坂をのぼりきった先、マンションの1階つきあたり奥にあるスペース。全身にぬるま湯のように浸透する絶妙な反響効果で、何を聴いても自宅の3割増しでいい印象を受けることができる不思議な音楽空間です。未知の音楽との出会いに、既知の音楽との再会に。軽い舞踏に。気のおけない会話に。酩酊に。密会に。ぜひ一度遊びにいらしてください。

早いもので、今年最後の「黒の試走車」のご案内となりました。わざわざ書くこともないほどのありきたりの感慨ですが、ほんとにあっという間の1年でした。みなさんの今年のまとめ話などもぜひお聞かせください。お気軽に遊びにいらしてくださいね。

ゲストとして、Sistaresistaさんのご登場が決まりました。以前出ていただいた際にも書きましたが、みなさまももしかしたらどこかで見かけているかもしれないお方です(いわゆる有名人や芸能人の類ではありません)。さあどこの誰でしょう。もやもやした気分のままお越しください!(11/18追記)

過去分のセットリストその他は、「黒の試走車<テストカー>」のmixiコミュニティにて閲覧可能です。

黒の試走車<テストカー> Vol.139_d0000025_2234947.jpg

# by soundofmusic | 2018-11-16 21:21 | 黒の試走車イヴェント情報 | Comments(0)

黒の試走車<テストカー> Vol.138

黒の試走車<テストカー> Vol.138_d0000025_23452286.jpg日時:2018年11月03日(土)19時~23時
会場:渋谷メスカリート(渋谷区円山町28-8第18宮廷マンション1階奥つきあたり)
地図
*建物入ってすぐ左側の自動ドアのエントランスには入らず、店舗の並んでるほうをまっすぐ進んで、つきあたりを左に曲がったいちばん奥正面、行き止まり部分の扉です。
料金:1000円(1ドリンクつき)
DJ:きょういち/澤山恵次/チバ/森山兄

☆「黒の試走車<テストカー>」は、毎月第1土曜日に開催される、踊る前から踊り疲れているひとのためのイヴェントです。ラウンジの名の下に、ロック、ジャズ、ソウル、ラテン、邦楽、フレンチ、サントラ、モンド、電子音楽などをデタラメ、かつ控えめ(音量が)にお届けしています。

会場のメスカリートは、渋谷、道玄坂をのぼりきった先、マンションの1階つきあたり奥にあるスペース。全身にぬるま湯のように浸透する絶妙な反響効果で、何を聴いても自宅の3割増しでいい印象を受けることができる不思議な音楽空間です。未知の音楽との出会いに、既知の音楽との再会に。軽い舞踏に。気のおけない会話に。酩酊に。密会に。ぜひ一度遊びにいらしてください。

涼しくなってきたなーと思ったらあっというまに冬じゃないですか? 我が家では先日から、ニトリの足元あったかカバーを使い始めました。これは昨年買った寝具のなかでベストです。みなさまにもおすすめです。さて、「黒の試走車」も残すところ今年はあと2回。お気軽に遊びにいらしてくださいね。

過去分のセットリストその他は、「黒の試走車<テストカー>」のmixiコミュニティにて閲覧可能です。

黒の試走車<テストカー> Vol.138_d0000025_2234947.jpg

# by soundofmusic | 2018-10-26 23:54 | 黒の試走車イヴェント情報 | Comments(0)

よい週末を!

よい週末を!_d0000025_23303016.jpg昨年11月に退職して、仕事しないと世間に顔向けができないとか、いくらなんでもそろそろ働きたいとか、そんなことは微塵も思わずに無職生活を謳歌しておりましたが、いよいよ手持ちの金が尽きたところで、というか夫婦の貯金にまで手を付けていたので正確にはだいぶ勘定がマイナスになったところで、ようやく派遣社員として就職することができ、今月の初めごろから働いています。

業務上、いろいろな言語を目にする機会が多く、もちろん内容がわかるものはごくわずかですが、大学のころやや真面目に勉強したドイツ語や、昨年の12月に旅行に行くにあたって付け焼刃でちょっとだけやったイタリア語も、なにも知らない状態よりははるかに役に立っていますし、まったく未知の言語について、オランダ語ってaanとかeenとかwaaとか叫んでるみたいだなとか、トルコ語では%のマークは数字の前につけるのかとか、そういうことを知るのは、単純に楽しい。前職はIT関係でしたが、考えてみたらそうした関係の知識には一切興味が持てなかったし、そっち方面のセンスも自分にはなかった。

こっから先はいつもしているような話になります(レコードのことではなく)。仕事上、イギリスにある会社との協力が必要であるため、慣例に従い、こちらがむこうにあわせて、英語を使ってメールでやり取りします。英語のビジネス・メールの書き方の情報は日本語のインターネットでも普通に参照できるので、表現に迷ったときはそういうものを見ながら書いています。

いつだったか、たしか金曜日だったはずですが、帰り際、ちょっとした返事を出すにあたり、「了解です」などのひとことだけではそっけなさすぎる気がして、「Have a great weekend.」と書き添えました。日本の夕方がイギリスでは朝である事実はもちろん承知していますが、こっちはもう帰るところだし、まあいいか、というつもりでした。

数日たって、ふと気になり始めたのは、そういや、Have a great weekend. って、日本語だとどういう表現になるべきなのか、といういつものアレです。「よい週末を!」でいいじゃん、と思う方はここから先を読んでも得るものはないのですぐにお立ち去りください。そもそも、仕事のメールでなくプライヴェイトでも、それに類した表現を使用したことはないし、そもそもこれは日本語では存在していないフレーズなのではないか。日本語では存在しない概念を英語だと気軽に扱えるのはなぜか。

こうした考え方の延長線上に、英語をいちいち日本語に変換してちゃダメなんだよ、英語は英語のままで理解しなくちゃ、というネイティヴ(の英語)信仰めいたものがあると思います。この発想はもっともだし、たしかに上達もするのでしょうが、わたしはこれにはほとんど興味がない。おそらく今後の人生において、生活を営むための主たる言語が英語になる可能性は極めて低いのですから、そういうわたしにとって、それはどのように日本語の表現へと移植可能/不可能なのか。自分の日本語にどんな果実をもたらすか。そうした視点を抜きにした、「実用(めいた)英語」は、そっちのほうがむしろ、机上の空論のように感じられます。こんなことばかり考えていると、しゃべれるようにはなれませんが、逆に、この程度のことを考えもせず、ただいくらかしゃべれるようになったところで、そんなのはオウムに毛が生えたくらいのもので、たかがしれてるんですよ。ではみなさん、よい週末を!
# by soundofmusic | 2018-10-26 23:32 | 日記 | Comments(0)

リストVol.119 2018.10.13 ゲスト:DJ SAWADA & シンガプーラ ライヴ:いおかゆうみ

***森山兄***

01 Gary Burton / I Want You
02 Rupert Holmes / Answering Machine
03 松任谷由実 / タワー・サイド・メモリー
04 Alcione / Acorda Que Eu Quero Ver
05 Guilherme Arantes / Meu Mundo e Nada Mais
06 Manna / I've Got a Name
07 Keith Carradine / Been Gone So Long
08 The Smiths / Heaven Knows I'm Miserable Now
09 Led Zeppelin / Ozone Baby
10 蓓蕾(Billie Tam) / 你好像一片蜜糖

☆コメント
♪01 ジャズ・ヴィブラフォン奏者がナッシュヴィルに行ってカントリー系のひとたちと録音した『テネシー・ファイアバード』より。ボブ・ディランのカヴァー。(YouTube)

♪02 この曲は2002年09月の、当イヴェントVol.32でもわたし自身がかけていたようですね。名曲。『パートナーズ・イン・クライム』より。(YouTube)

♪03 いい具合のアーバン感。1981年の『昨晩お会いしましょう』(ジャケはヒプノシス)より。この時期は1年にアルバム2枚出したりしてた。頭おかしい。(YouTube)

♪04 ブラジルのサンバ歌手。『A Voz do Samba』より。(YouTube)

♪05 ブラジルのSSW。ペルーのビートルズことウィ・オール・トゥギャザーに通じる、ソフト・サイケなポール・マッカートニー味。(YouTube)

♪06 ケンタッキーあたりの教会の活動から発展したらしきコーラス・グループ。SSW、フォーク系のカヴァーが多く、宗教色は薄め。この曲はジム・クロウチのカヴァー。高田馬場のディスクユニオンで100円で購入したアルバム『グロウイング』より。ソフトロック好きのひとにもややアピールしそうですが、検索してもほぼなにも情報出てこない。ここくらい。

♪07 俳優。ロバート・アルトマンの映画「ナッシュビル」のために書いたタイトル曲を含むアルバム『アイム・イージー』より。日本盤CDも出てたけど廃盤になって高くて買えない。(Amazon)

♪08 ベスト盤より。なんとなく選んでみて、あとから気付きましたが「就活してて就職したけどみじめな気分だぜ」みたいな歌詞だった。(YouTube)

♪09 『コーダ』より。ツェッペリンなんて70年代の恐竜バンドだろ、みたいな見方はかなりの程度正しくはあるのですが、いまとなっては意外とギター・ポップみたいなも聴けるんだぜといいたい。どこかの馬の骨がいい感じにカヴァーしてる動画。→(YouTube)

♪10 香港の歌手。『歡樂今宵』より。「マイ・ボーイ・ロリポップ」のカヴァー。このアルバム、ほかにもビートルズのカヴァーとかが入ってるのですがジャケを見てもそんなことは一切わからないので聴いているとびっくりするという趣向。(YouTube)

***森山弟***

01 D.A.N. / SSWB
02 Cocoon / Chupee
03 優河 / 空想夜歌
04 Rosie Brown / Strange Recolection
05 JUDE / サニーのチョコレート
06 Teddy Thompson & Krystle Warren / Pink Moon
07 Very Truly Yours / I'd Write a Song

***DJ SAWADA***

01 SAMURAI / DJAVAN
02 Bananeira / EMILIO SANTIAGO
03 Tudo Que Voce Podia Ser / AZIMUTH
04 Mambo Diablo / Tito Puente,Joe Loco & Machito
05 Enchantment / Sabu Martinez
06 Constelacao / Tutty Moreno & Joyce
07 EMPTY FACES / Andorea Pozza
08 Ponteio / Batida
09 See You Later / Joanna Grauer
10 Bala con bala / Martignon, Hector
11 Eu Te Devoro / DJAVAN

***シンガプーラ***

01 Julie London / Somebody Loves Me
02 Kenny Burrell / Greensleeves
03 少年隊 / まいったネ 今夜
04 中田裕二 / いっそセレナーデ
05 Maxwell / Sumthin' Sumthin'
06 久保田利伸 / Between The Sheets
07 Sade / Smooth Operator
08 Robert Glasper / Move Love
09 SOIL&”PIMP”SESSIONS / Connected feat. Nagaoka Ryosuke
10 冨田恵一 / 乳房の勾配feat. キリンジ
11 Pizzicato Five / 誘惑について

***ライヴ:いおかゆうみ***

01 おやすみなさい
02 ハイヒール
03 みーちゃん
04 エレベーターガール
05 口紅
06 鈴
07 風とゆく
08 わたしのうた
09 犬

***森山弟***

01 Bosq / Alode
02 Nikki Lane / Jackpot
03 ハナレグミ / プカプカ
04 中山うり / 生活の柄
05 GLIM SPANKY / 夜明けのフォーク

***森山兄***

01 Ros Seyer Sothea / Old Pot Still Cooks Good Rice
02 Sammy Davis, Jr. / For Once in My Life
03 The Ray Camacho Band / Nobody but You
04 ランプ / A都市の秋
05 シュガー / ウエディング・ベル
06 Ramsey Lewis / Skippin'
07 Erasmo Carlos / Mundo Cao
08 Frances Yip / Never Say Goodbye (Chotto Matte Kudasai)
09 黛敏郎 / 蛍の光(アラブの嵐 M-5)

☆コメント
♪01 カンボジアのロック。かっこいい演奏とちょいヘタなヴォーカルの合わせ技。東京国際映画祭で上映されるドキュメンタリー映画「カンボジアの失われたロックンロール」でも聴けます。(YouTube)

♪02 なぜかいまだにCDになっていない、モータウンからの彼のたぶん唯一のリリース『サムシング・フォー・エヴリワン』より。スティーヴィー・ワンダーなどでおなじみの曲。(YouTube)

♪03 チカーノAOR。『リーチ・アウト』より。この曲は聴けませんがほかの曲の試聴→(試聴)

♪04 たぶんいま日本でいちばん独自なバンドのひとつ。『ゆめ』より。(YouTube)

♪05 これも高田馬場のディスクユニオンで100円で購入したLP『シュガー・ドリーム』より。もちろんリアルタイムで聴いて、一度も忘れたことがない曲なわけですが、ふと、この曲、いおかゆうみさんが大阪弁のイントネーションで歌ったらいい感じになるんじゃないかと思い付いてプレイしてみました。そしたらシンガプーラさんが近づいてきて、「シュガーのひと、昔のわたしの上司でした」と衝撃の告白!(YouTube)

♪06 この手の音楽、以前だったらまったく聴く気がしなかった類のものですが、いまやめちゃくちゃ気持ちよい。『テキーラ・モッキンバード』より。(YouTube)

♪07 ブラジルのSSW。3年くらい前に買って、今年ようやくよさに気付いた『ソーニョス・イ・メモリアス1941.1972』より。(YouTube)

♪08 香港の歌手。もともとはハワイのサム・カプーによるローカル・ヒットで、アメリカ本土でもサンドパイパーズがヒットさせている曲。日本語と英語の関係のことはずっと考え続けているわけですが、答えはやっぱり過去にあったんだよ。ベスト盤より。(YouTube)

♪09 いつものクロージング・ナンバー。『日活ジャズ・セレクション』より。
# by soundofmusic | 2018-10-20 01:12 | PPFNPセットリスト | Comments(0)

黒の試走車<テストカー> Vol.137

黒の試走車<テストカー> Vol.137_d0000025_22424024.jpg日時:2018年10月06日(土)19時~23時
会場:渋谷メスカリート(渋谷区円山町28-8第18宮廷マンション1階奥つきあたり)
地図
*建物入ってすぐ左側の自動ドアのエントランスには入らず、店舗の並んでるほうをまっすぐ進んで、つきあたりを左に曲がったいちばん奥正面、行き止まり部分の扉です。
料金:1000円(1ドリンクつき)
DJ:きょういち/澤山恵次/チバ/森山兄

☆「黒の試走車<テストカー>」は、毎月第1土曜日に開催される、踊る前から踊り疲れているひとのためのイヴェントです。ラウンジの名の下に、ロック、ジャズ、ソウル、ラテン、邦楽、フレンチ、サントラ、モンド、電子音楽などをデタラメ、かつ控えめ(音量が)にお届けしています。

会場のメスカリートは、渋谷、道玄坂をのぼりきった先、マンションの1階つきあたり奥にあるスペース。全身にぬるま湯のように浸透する絶妙な反響効果で、何を聴いても自宅の3割増しでいい印象を受けることができる不思議な音楽空間です。未知の音楽との出会いに、既知の音楽との再会に。軽い舞踏に。気のおけない会話に。酩酊に。密会に。ぜひ一度遊びにいらしてください。

ようやく夏が終わったと思ったら、これを書いている9/17現在で今年の残りは30%を切っている状態だそうです。みなさま、悔いのない日々をお過ごしください。10月は、いまのところゲストなしの予定です。「響」より「累」のほうが面白かったですよねとか、そのへんの話もしたいです。お気軽に遊びにいらしてください。

過去分のセットリストその他は、「黒の試走車<テストカー>」のmixiコミュニティにて閲覧可能です。

黒の試走車<テストカー> Vol.137_d0000025_2234947.jpg

# by soundofmusic | 2018-09-17 22:46 | 黒の試走車イヴェント情報 | Comments(0)

Pure Pop For Now People Volume 119

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2018年10月13日(土)18時~22時

渋谷エッジエンド(Tel:03-5458-6385)
地図。

800円(1ドリンク&おみやげ付き)

DJ:
DJ SAWADA(写真1段目)
シンガプーラ(写真2段目)
森山弟(弟)
森山兄(兄)

・DJ SAWADA
97年名古屋buddhaにてDJデビュー。上京後は中野の伝説的なラテンバーRINCONにてレジデントを務める傍らジャンルを問わず様々なイベントに参加。JAZZからブレイクビーツ、ファンク、ディスコ、昭和歌謡など縦横無尽にプレイする雑食DJ。

・シンガプーラ
和洋のJAZZ、FUNK、SOUL、POPSなど各種音楽を等しく愛し、Latin、Brasilianには抗えない性分。場に良い香が漂い、気持ちの温度が少し上がる選曲を。和装DJ。レギュラーイベント「モーニングムーン」偶数月第二木曜日/organbar、「Ladies Night」毎月末月曜/恵比寿BAR Sailin' Shoes

ライヴ:
いおかゆうみ(写真3段目)

1990年12月29日、大阪は寝屋川という都会でもなく田舎でもない中途半端な街で生まれる。中学生の頃はTSUTAYAへ行きまくり、高校生の頃は学校をサボり淀川でぼーーーっとして過ごし、夜になるとライブハウスに行くという生活を送る。2009年12月、弾き語りでの活動をはじめる。少しずつ色んな街で歌うようになる。生活の中にある見落としがちなあれやこれやを丁寧に歌にして、そして丸裸でうたう、そういう人でありたい。2018年4月に大阪から東京へ移住。

ようやく暑い夏が終わったと思ったら早くも今年最後のPPFNPのご案内です。ゲストDJはDJ SAWADAさんとシンガプーラさん。ゲストライヴには、今年満を持して東京にやってきた、いおかゆうみさんが登場です。お楽しみに。

なお、いままでの弊イヴェントのセットリストはこんな感じです。どうぞご参考になさってくださいませ。

(Visual by Hotwaxx)
# by soundofmusic | 2018-09-17 22:38 | PPFNPイヴェント情報 | Comments(0)

黒の試走車<テストカー> Vol.136

黒の試走車<テストカー> Vol.136_d0000025_2150294.jpg日時:2018年09月01日(土)19時~23時
会場:渋谷メスカリート(渋谷区円山町28-8第18宮廷マンション1階奥つきあたり)
地図
*建物入ってすぐ左側の自動ドアのエントランスには入らず、店舗の並んでるほうをまっすぐ進んで、つきあたりを左に曲がったいちばん奥正面、行き止まり部分の扉です。
料金:1000円(1ドリンクつき)
DJ:きょういち/澤山恵次/チバ/森山兄

☆「黒の試走車<テストカー>」は、毎月第1土曜日に開催される、踊る前から踊り疲れているひとのためのイヴェントです。ラウンジの名の下に、ロック、ジャズ、ソウル、ラテン、邦楽、フレンチ、サントラ、モンド、電子音楽などをデタラメ、かつ控えめ(音量が)にお届けしています。

会場のメスカリートは、渋谷、道玄坂をのぼりきった先、マンションの1階つきあたり奥にあるスペース。全身にぬるま湯のように浸透する絶妙な反響効果で、何を聴いても自宅の3割増しでいい印象を受けることができる不思議な音楽空間です。未知の音楽との出会いに、既知の音楽との再会に。軽い舞踏に。気のおけない会話に。酩酊に。密会に。ぜひ一度遊びにいらしてください。

長かった夏もさすがにそろそろ終わりって感じでしょうか。みなさま、もうひと踏ん張りでございます。9月は、いまのところゲストなしの予定です。1日は映画サーヴィス・デイであり、濱口竜介と三宅唱の新作の公開日でもあります。そのへんの話もしたいですね。お気軽に遊びにいらしてください。

過去分のセットリストその他は、「黒の試走車<テストカー>」のmixiコミュニティにて閲覧可能です。

黒の試走車<テストカー> Vol.136_d0000025_2234947.jpg

# by soundofmusic | 2018-08-26 21:53 | 黒の試走車イヴェント情報 | Comments(0)

リストVol.118 2018.07.14 ゲスト:小松俊介&Nof ライヴ:ジョー長岡

***森山兄***

01 Kirsty MaCcoll / All I Ever Wanted
02 Boule Noire / Veux-Tu Danser?
03 Vicki Sue Robinson / Lack of Respect
04 りりィ / 時間よとまれ
05 Hal Bradbury / Call Me
06 岡林信康 / 夜はやっぱり長いまま
07 Ron Sexsmith / Crayon Angels
08 The Milk Carton Kids / Younger Years
09 ギロ / アバウ(Pt.1)

〈コメント〉
♪01 英国フォークの大物、イワン・マッコールの娘。『エレクトリック・ランドレディ』より。(YouTube)

♪02 フレンチ・カナディアンのブルー・アイド・ソウル。『Aimer d'Amour』より。(YouTube)

♪03 ハーレム出身。ディスコ40周年で1080円で再発された『ネヴァ・ゴナ・レット・ユー・ゴー』より。(YouTube)

♪04 最近、このひとの作品が1080円で何枚か再発されました。『りりシズム』より。渋い。(Amazon)

♪05 ハワイイのナイス・グルーヴを集めたオムニバス『アロハ・ガット・ソウル』より。(YouTube)

♪06 『金色のライオン』の次のアルバム『誰ぞこの子に愛の手を』より。演奏がかっこいいんですがメンバーが書いてない。(Amazon)

♪07 ジュディ・シルのトリビュート盤より。(YouTube)

♪08 現代のサイモン&ガーファンクル。初めてバンドと一緒に録音した新作『オール・ザ・シングス・ザット・アイ・ディド・アンド・オール・ザ・シングス・アイ・ディドゥント・ドゥ』より。(YouTube)

♪09 家でかけたときも、エッジエンドで流したときにも、「キリンジですか?」と質問をいただきましたが、違います、ギロです。名古屋のすごいバンド。名前を覚えておいてください。2016年頃に出た、いまのところの最新音源であるシングルの曲。(試聴)

***森山弟***

01 Bebel Gilberto / August Day Song
02 Clara Moreno / Mas Que Nada
03 Astrud Gilberto / Mas Que Nada
04 森田崇允 / 弔いのSamba
05 Polaris / 天と点
06 野宮真貴 / 皆笑った

***小松俊介***

01 RIDE ON TIME / 山下達郎
02 Unknown/ Unknown (SKAもの)
03 七人の侍のテーマ / MATT SOUNDS
04 WOULD YOU BELIEVE / JON LUCIEN
05 まわれまわれ / ATSUKO HIYAJO
06 都会 / 大貫妙子
07 浪花太鼓 / 水前寺清子
08 SUMMER TIME / ONE G PLUS THREE
09 LITTLE GREEN BAG / GEORGE BAKER
10 RIO DE JANEIRO-BRASIL / HYLDON
11 DANCE AND SHAKE YOUR TAMBOURINE / UNIVERSAL ROBOT BAND
12 銀河特急 / 松崎しげる
13 恋は流星 Part2 / 吉田美奈子
14 UPA, NEGRINHO / ELIS REGINA
15 BAILA CHIBIQUIBAN / NICO GOMEZ
16 BATTENED SHIP / ODYSSEY

***Nof***

01 Ray Barretto / Pastime Paradise
02 The Sunburst Band / We Will Turn U On (accapella)
03 GU (Glenn Underground) / Do
04 Pecen Everett / Special (Timmy Regisford remix)
05 K-Alexi Shelby and “Crew 69” / Dub Cross
06 DJ Jes / Genuine - Flo
07 Dr Packer / Everlasting
08 Mike Steva / Oro

***ライヴ:ジョー長岡***

☆お待ちください

***森山弟***

01 蠣崎未来 / 赤い汽笛
02 4hero / Morning Child
03 Herbie Mann / There is a Mountain
04 Mo' Horizons / quem nao tem ninguem
05 Trüby Trio Feat. Joseph Malik / High Jazz (Nicola Conte Remix)

***森山兄***

01 Shorty Rogers / Swinging Gold Chariots
02 Gary Crosby / This Little Girl of Mine
03 Andrae Crouch & The Disciples / You Can Depend on Me
04 Latimore / Jolie
05 Frances Yip / Enjoy Yourself
06 恬妞 / 我騎著一部單車
07 Jacqueline Taieb / Le Coeur au bout des Doigts
08 アップルズ / スクール・ガールズ・ブギ
09 Celly Campello / Melodie D'Amour
10 Caetano Moreno Zeca Tom Veloso / Forca Estranha
11 黛敏郎 / 蛍の光(アラブの嵐 M-5)

〈コメント〉
♪01 ジャズ・トランぺッターによるゴスペル・ジャズ名盤『ゴスペル・ミッション』(未CD化)より。(試聴)

♪02 ビング・クロスビーの息子さん。存在すら知らなかったのですが108円だったので買ってみたらなかなかよかった。『ザ・ハッピー・バチェラー』より。(Amazon)

♪03 現代ゴスペルの巨人。『テイク・ミー・バック』より。(YouTube)

♪04 マイアミ・ソウル。たぶん未CD化のホワスト『ラティモア』より。アル・クーパーのカヴァー。アレンジもアル・クーパーがやってる。(YouTube)

♪05 香港あたりで活躍した歌手。『ポピュラー・ヒッツ』より。スペシャルズなどでおなじみの曲。(YouTube)

♪06 台湾の女優、歌手。ベスト盤より。ピンク・レディー「キャッチ・リップ」のカヴァーだそうです。(YouTube)

♪07 ビートのきいたイェ・イェ。ベスト盤より。アレンジは他人がやってるのでしょうが、曲は自作。(YouTube)

♪08 後にEVEとして活躍する3姉妹コーラス・グループ。『ディス・イズ・アップルズ』より。(Amazon)

♪09 アメリカン・オールディーズ的作風のブラジルの歌手。『Estupido Cupido』より。(YouTube)

♪10 カエターノ・ヴェローゾが息子たちと一緒につくったライヴ盤『Ofertório』より。このアルバムは晩年の代表作、という位置づけになると思います。名盤です。オススメ。(YouTube)

♪11 毎回この曲でクロージングすることにしました。『黛敏郎 日活ジャズ・セレクション』より。(Amazon)
# by soundofmusic | 2018-08-06 11:04 | PPFNPセットリスト | Comments(0)

理性と矜持とその他の心性

理性と矜持とその他の心性_d0000025_18373317.jpgなんかプログレっぽいタイトルですが、わたしはプログレからは一切利益供与を受けていないのでプログレとは関係ありません。このあいだツイッターで、音楽関係の仕事をいろいろなされているらしい柴崎祐二‏さんが、こんなことを書いてらした。

聴いてしまうときっとハマってしまうだろうけどインディロック的理性がそれを抑えていた久石譲のディスコグラフィに遂に手をつけてしまった。

だいぶ前からなんとなく浮かんでいた考えが、これを読んで活性化したような気がするのでちょっとまとめてみよう。活性化というのはつまり、とっちらかるということでもあるので、ただ書き散らすだけになっちゃうかもだけど。

音楽を聴くことと理性って関係あるの? と思うひともいるかもですが、わたしのような物理的にディスクを集める派だと、なるべく多種多様な音楽を聴きたいと思ってはいても、買う金の問題、置き場所の問題、聴く時間の問題、となんやかんや制約があって、買うのをあきらめたり、いやそれでも欲しい、ってなって買ったりする。

柴崎さんの言う「インディロック的理性」は、それらのいわば物理的な制約とはまた違った、しかし若干は関係した階層に、位置している気がします。わたしなども、たとえば、「えー、長渕剛? 聴かないよ」などといったことはあります。学生時代バイトしていたレコ屋の先輩店員に、長渕はブルーグラスのギターがめちゃくちゃうまいんだよ、と教えられたことは印象深く、いまでもこうして覚えているわけですけど、それでも、聴かないものは、聴かない。

なんでかなと考えてみると、時間・場所・金以外の理由としては、いくらなんでも世の中には自分と関係ない音楽があり、いっぱしの趣味を持っている人間であればそれとこれとを自明的に判別できるはずである、という自負ないしは偏見ないしは矜持、があるからかもしれない。もっとも、実際聴いてみたら、思ってたのと違う(いいほうにだったり、悪いほうにだったり)ってことはときどきあって、さすがに、聴いてみた結果よかったとしたら、「いや、これは長渕だから、よくない! よく聞こえたとしたらそれは錯覚だ!」などとは思わず、少なくともこの曲についてはよかった、と認識を改めるのですけど。

理論的なつながりが上手に説明できないけど、趣味(taste)を持つためには、そうした自負ないしは偏見ないしは矜持が、いくらかは必要なのではないか、となんとなく思っています。なにを聴かないか、によってそのひとの音楽的総体が手っ取り早く浮き彫りになる。ちなみにわたしはレゲエとceroを聴かない人間です。

で、いまさら説明するまでもなく、いまや定額制サーヴィスを利用することによって、置き場所もレコード買う金も気にせず、ちょっとでも聴きたいなと思った音楽は、すぐに聴くことができたりする。もっとも、そうしたサーヴィスに入っていなくても、YouTubeなど使えば、どんなものなのか確かめてみることはできますが、なんだかんだ言っても自分の場合、最初からピンときそうなものしか試聴しません。中年ならではの経験から、自分が気に入る音楽の絶対数はそんなに多くないことはわかっているので少ない余生の時間を大切にしたいという気持ちが理由のひとつ。もうひとつは、若いころからいままでにおこなってきた、物理的制約と自負・偏見・矜持・理性のコンボによって自分の聴く音楽を選ぶやり方が、自分にとって、疑問すら抱くことができないような唯一絶対の方法として、身体にしみついてしまっているからなのではないか。

で、考えたのが、そうじゃないひとたちがこれから増えていくんだなあってこと。いっさいなんの制約もなく、自意識から解放されて、月1000円とかだけ払って、ひたすら、あらゆる種類の音楽を聴くひと。普通、というと語弊がありますが、多くのひとは、ある程度いろいろ聴いた結果、だいたいこのへんからこのへんまで、とか、あるいは、このへんとそのへんとあとはあそこらへんに少し、みたいな感じでゆるやかに自分の趣味の領域を広げていく、もしくは、絞り込んでいく。でもたぶん、ごく少数、ひたすら広がっていくだけのひとが出てくる。

わたしが期待しつつ、同時に恐れてもいるのが、そういうひとが音楽をつくりだしたとき、どんなものが出てくるのか、です。もちろん、昔から、フランク・ザッパとかトッド・ラングレンみたいなひとはいて、そのときどきで(あるひとにとって)わかりやすかったりわかりづらかったりする音楽を生み出してきました。それでも、20世紀においては、ひとりの人間のインプットとアウトプットの量にはおのずから限界があったので、まだしも彼らは、ちょっと風変わりな音楽をつくるひと、という扱いでいられた。

21世紀のいつごろか、ただひたすらに広がった自分の趣味の領域のすべてを1枚のアルバム、あるいは1曲に押し込めようとする人間が現れるのは間違いない。たとえばリズムは1拍ごとに違った楽器によって生み出され、同じ音色は一度使われたら二度と出てこない、というような。

書いていて、なんのことはない、これは、AIにハリー・ポッターを全部読ませて、その学習にもとづいて書かせた「新作」、「ハリー・ポッターと山盛りの灰に見える肖像」みたいな話だなと気付きました。ただ、人間であるミュージシャンの個性や手癖から解放され、趣味のよさのフィルターも通らない、そんな音楽のほうが気持ちいい、と感じるつくり手や聴き手は必ずや増えてくるはず。もちろん、BGMやニューエイジ特有の気持ちよさというものは昔からありましたが、そうした音楽ですら「個性的」と感じられてしまうような、余りにも多くの要素を含みすぎているがゆえに無個性で、趣味性に乏しい、ジェネリックな、わたしにはまったく意味がわからないであろう、音楽。具体的な姿がまったく想像もできないそんな音楽の登場が、とてつもなく、怖い。

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直接関係はありませんが、ここまで読んだのだったら併読推奨。ジェネリックAORのことも書いてある中野さんの御ブログ

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追記:
なんかちょっと違うなという気もしてきた。1973年生まれのわたしの世代なんかだと、ちょうど音楽聴き出したころからいわゆる昔の名盤がどんどん再発されたり、そのあと渋谷系なんかがあったりして、古いものも新しいものもフラットに聴いてそこから取捨選択できる環境になった、みたいなことが言われたりした。その当時は特別なことが起きてる感じがあったけど、90年代半ばまでにCDになったものなんて、いまから見ればほんのわずかだったし、牧歌的ですらある。そして2018年現在わたしが感じていることは、もうすでに20世紀の人類は、把握しきれないほどたくさんの音楽を録音してしまったし、そのほとんどはわたしたちがすぐに聴くことはできないものだ、ということ。

一方、旧譜のCD化ラッシュについて、それまでの世代が体感的に持っていたような、ロック史みたいなものを若いひとたちは知らない、みたいな言い方もされていた。それは事実だと思う。覚えることが一気に増えたわけだから。さらに言いがかり的な意見としては、昔は輸入盤も高かったしリリース数も少なかったから1枚のレコードの相対的な価値は高かったし、大切に聴いていた、情報はいまほど容易には得られなかったが昔のほうがよかった、みたいなのもあった。たしか、旧世代に属する萩原健太は、それに対してきっぱり反論していたと思う。

わたしとしては、LP1枚の値段が自分の給料半月分、なんて言われたら困っちゃうし、自分の生きてきた環境と享受した利益を、ありがたいと思いつつ、同時に、当然のものだとも思っている。それによって、前の世代とロック史の把握や歴史観が異なっていると言われたら、それは仕方ないですねというほかない。もっとも、わたしにしたところで、1964年と1968年と1972年のヒット曲の違いは、音のテクスチャーですぐにわかるけれども、2000年以降はぜんぜんわかんない。

で、結論としては、現代のひとは、現代の環境と享受した利益を当然のものだと思っているだろうし、歴史観が異なっていると言われても、それは仕方ないですよね、と返事するだけのことでしょう。長々と書いたわりには、たいした話にはならなかったな。
# by soundofmusic | 2018-07-28 18:38 | 日記 | Comments(0)

バンド感

バンド感_d0000025_023743.jpg土曜日、渋谷2丁目、セヴン・イレヴンとすき家の間の地下、ラスト・ワルツあらためロフト・ヘヴンにて、ジョー長岡企画「辺境に轟く歌」。

オープニングは今年、大阪から東京に出てきたいおかゆうみの弾き語り。たしか2015年6月に心斎橋で一度聴いただけだと思うけど、なんか聴き覚えのある曲がある。声に力が入ったとき、ちょっとヴァレリー・ジューンに似てると思った。

ジョー長岡バンドのメンバーは、樋口裕志、松村拓海、うのしょうじ、U。この編成で見るのは昨年のクリスマス以来で、そのときも場所はここだった。7か月で店の名前も内装も変わり、舞台も客席も、天井から薄白い半透明のひらひらしたものが垂れ下がっている。誰かが海の底みたいと言ってた気がする。わたしは新東宝映画のセットのような不気味さを感じていた。

1曲目は「波止場」。なぜか突然ハウリングが起きて興を削がれたけど、それにしてもいきなり最初から最高地点に到達してくる。ジョーはビーチ・ボーイズ風のストライプのシャツ、松村は簡素な白無地のTシャツ。うのはキャバレーのボーイみたいな格好。全身黒っぽい服で黙々とスチール・ギターを弾く樋口、目まぐるしく表情を変えながら、にらみつけるようにジョーの様子を窺うU。薄白い半透明のひらひらの前で音を出している5人を見て、ああバンドだなと思う。こんなシティ・ポップ・バンド、いなかったっけ。いたらいいな。いや、いたような気がする。

ジョーの音楽にシティ・ポップ風味があると思ったことはいままでにはなかったはずなので、この日そう見えたとしたら、5人のたたずまいのバラバラなバランスによるところも大きかったかもしれない。バンドは見てくれが大事だから。エイティーズっぽい安っぽいシンセの音が入っていたら、さらによかった。

それにしても去年のクリスマスから半年ちょっとで、ひとつのバンドとして成長というか進化というか変化が起きているのには驚いた。メンバーは同じで、それぞれ去年と同じ手足で演奏しているのにもかかわらず。いろいろ新しい試みが採り入れられていて、メンバーがそれに応えているだけでなく、個々人の魅力がきちんと引き出されていた。「心配」での樋口のエレキ・ギター・ソロ、ここぞとばかりに音量があがってなめらかなフレーズが繰り出される。デヴィッド・T・ウォーカーみたいだった。Uは去年見たときもびっくりしたけど、とにかくキレのよさが気持ちいい。高性能のスーパーカーやターンテーブルみたいに、一瞬で最高速度に達する、気風のいい音。

いおかゆうみの結婚をお祝いするために書かれた新曲「ボート」、いいことなのか悪いことなのかわからないけど、いかにもジョーの書いた曲、という濃厚な手癖感があった。別に似てないけど、松田聖子の「哀しみのボート」を思い出す。それと、増村保造の大映時代最後の作品「遊び」のことも。15年くらい前に一度見たっきりだからもうよく覚えてないけど、ラストは少年と少女がボートでこぎ出していくシーンじゃなかったっけ。

アレンジが変わっていて、すぐには思い出せない曲もいくつか。「キャラメル」は導入部、少し早めのピアノで始まるようになっていたし、本篇ラストの「冬のオルゴール」は、スケール感のあるバンド・サウンドで、結局最後までジョーの曲だと気付かず、てっきりなにかの往年のアニメの主題歌だと思い込んでいた。

アンコールはステージ真ん中にいおかを迎え、ジョーはピアノを弾きながらの「素晴らしき日曜日」で、これもまた、こういうバンドいなかったっけ。いたらいいな。いや、すでに昔からいたような気がする。と思わせる、架空の実在のバンドみたいだった。最初から最後まで、バンドなるものの不思議さ、頼もしさ、奥深さを考えながら過ごした夜でした。ジョー長岡バンド、少なく見積もってもあとふた回りくらいは大きくなれるはずなので、次回以降の機会をぜひともお見逃しなきよう。

そして、いまこれを書いていて思い出したこと。グレイト3というバンドがおりますが、オリジナルのベーシストが抜けたこのバンドが2012年、新メンバーを迎えるにあたって、片寄明人が書いた文章があります。当時、いい文章であるとして少し話題になったので、覚えておられる方もいらっしゃるでしょう。で、証拠が見つけられないんだけど、ジョーさんこれ読んで、「バンドがやりたくなった」とたしかに言ってたよ!

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ライヴが終わったあともダラダラと残っておしゃべり。この日のジョー長岡バンドにはやはりシティ・ポップ感があったのではないか、となんとなく意見の一致を見たあと、昨今の若手バンドのエイティーズ・サウンドへの憧憬の話題になりました。そうした音がもともとつくられたエイティーズにおいては、そういう音イコール、最新型の高い機材を使える、つまり金がある、という意味だったのが、しかしいま、同じ(ような)音がスホフォのアプリだけでつくれてしまったりすると。

わたしが2016年に発明してとくに流行しなかった言葉として、「貧者のAOR」というのがあるのですが、2018年7月21日の上記の会話をうけて、そうした音は今度、「ジェネリックAOR」と呼ばれることに決定しました。安いシンセ・ブギーでもシティ・ポップ的なものでもなんでもかんでも、それっぽいのを耳にしたら、「あー、ジェネリックAORだねー」と言ってください。流行らせましょう。そして、ジョー長岡バンドの次回の衣装は、ジェネリックAORっぽい刈り上げ+原色のシャツ、とかにしてほしいものです。

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ついでに。当日もらったチラシの中に、「秘境にて 2018」の案内が入っていました。岐阜県恵那市の「桝本家」でおこなわれる、7組くらい出るイヴェントです。会場は最寄駅から12キロくらい離れている、たぶん民家で、駅からの送迎ありとのこと。去年の秋、山梨県の山中の古民家を改造したスペースで中村まりを見て、ライヴ中ずっと、家の周りから虫の声が聞こえてきて最高だったんですが、こっちも楽しそう。

来たことのあるひとはご存知でしょうが、栃木県宇都宮市の森山兄弟の実家の2階が、たぶん20人くらいは入れる謎スペースになっていて、そのうちそこでなにかのライヴをやりたいなあと思っています。1階の居間ではフードを提供して。最寄駅からは遠いですが、バス便なんかもないこともないので、割と気軽に来られる。日中の開催にすれば東京から日帰りもできます。具体的にはなんにも決まってないので、出場希望などもございましたら、ぜひご連絡ください。
# by soundofmusic | 2018-07-24 00:03 | 日記 | Comments(0)