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リズムの哲学

リズムの哲学_d0000025_3281974.jpgこの間の「黒の試走車」にゲスト出てくれたアツローくん(いちおう、ついったー張っとくか)がかけてくれた日本の文科系ヒップホップのひとたち「宇宙商人」がよくって、CD-R『THIS SONG』を珍しくソッコー買って、よく聴いています。たぶんあんまり店頭には出回ってなくて、東京だとジェットセットで買えるとか買えないとか言ってた気がしますが、わたしはここで通販。1260円+送料200円でした。

アツローくんがかけてくれたのは、ソニー・ロリンズの「セント・トーマス」を大胆に使用した「スウィート・サプライズ」という曲なんだけど、自分で買って聴きこんでみると、曲が進むにしたがってビートはズタズタに寸断されたようになり、さらにそこに乗るラップも小節を自在に飛び越えているみたいで、そうなると曲自体がバラバラになりそうなところ、サックスのリフがかろうじてリズムをつなぎとめている。

こういうのってなんだ、たとえばアルバート・アイラーなんかのフリー・ジャズの連中がやっていたことと結果的によく似てしまっているような気がしないでもないんだけど、宇宙商人は青春ヒップホップであって、聴いていてとくに難しいとか(アイラーが難しいといっているわけではない)、音楽の最先端を切り開いている、とか大げさにとらえるひとはあまりいないだろう。するっと普通に、気持ちよく聴けてしまう。

考えてみたら、ラテン音楽でこういう感触ってあるんだな。パーカッションはソロ楽器として大暴れていて、ピアノのモントゥーノがリズム・キープの役割を引き受けているという。ともあれ宇宙商人、マイスペースもあるので試聴してみてください。「レット・イット・ビー」のピアノのフレーズを使った、「LET IT B」もオススメ。

と、そんなことを考えながら、NHK教育の「スコラ」のドラムズ&ベース篇の2回目と3回目を見たりした。ユキヒロがドラムスについて講義する2回目、細野がベースの話をする3回目、どちらもプレイヤーの立場の話がコンパクトにまとまっていてとてもよかったけど、これらはヨソでも聞ける可能性のある話であって、そう考えると、小学生が坂本龍一のディレクションを受けながらリズム・パターンを作っていくワークショップのコーナーが、なんだかんだ言ってもいちばんスリリングだった。次回はYMOと子供たちとの共演だそうで、楽しみ。
by soundofmusic | 2010-06-14 03:26 | 日記


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