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追憶のルート66

追憶のルート66_d0000025_1424950.jpg新宿の西口バスターミナルから高速パスに乗ると、松本までちょうど3時間くらいで着くことになっている。夕方着いて、駅前のバスターミナルのそばのホテルにチェックインして、部屋でコーヒー飲んでひと休みして、1Fのドトールでまたコーヒー飲んで、それからクラクラまで歩く。ゆっくり行っても10分かからない。

イヴェント自体は7時から10時半の予定だったけど、機材の確認がてら(殊勝にも)オープン前に行ったし、最初のDJ氏が遅れたもので始まったのは15分オシだったし、その後もずるずると延びていって最終的には25分オシになったし、終わったあともだらだらおしゃべりしたりして、結局11時半までクラクラにいた。

飲んだり食べたり、はてしなくくだらないおしゃべりしたり。ほかにすることがないってのがすばらしい。短い間だけでも家を離れるのは、いいもんだ。ふだんは、のんびりしたいとかまったく思わないほうなのだけど、ここ数か月はなにかとあわただしくって、温泉に行きたいなどとすら考えていたほど。終わってホテルに帰ると、するべきことはそんなにない。温泉じゃないけど、ともかくバスタブに湯を張って、体を伸ばした。

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翌日。ひんやりとした空気の中、散歩。ほんやらどおでモンゴ・サンタマリアと南佳孝を買ってから、ボンゴさんの車に拉致され、そばを食べに連れて行かれる。塩尻市西部、そばで有名らしい小曽部集落。車だと自分がどこをどういう風に進んでいるのか分からないので、不安。あとで確認すると、だいたいこのへん

平地でも風花が舞っていたけれど、川に沿って山に分け入っていくにつれて次第に強く降ってくる。目的地のかやのそばセンターは、その名に似合わず、ただの巨大な民家状。親戚ン家に来たみたい。だだっ広い畳敷き。ストーヴが焚かれていても、底冷えがする。そば、馬モツ、小鳥の丸焼き。ボンゴさん、そして同行の女子2名と、またしても天然な女は存在するか否かについての話。

外に出て、ひとしきり雪の中ではしゃぐ。軒先からは長いツララ。きゅっと締まった雪を踏みしめる。いつ以来だろう。ここにこのひとたちとこうしていることが、とてもいとおしく、同時に不思議に思える。

ふたたび、ボンゴさんの車で松本まで送ってもらう。途中、開けた畑の中をえんえんとまっすぐ続く道を通る。ボンゴさんいわく、「ここは自分の中ではアメリカってことになっている。ここはオレのルート66だ」と。西側に見える乗鞍や穂高はボンゴさんにとってのアパラチア山脈ということらしい。BGMはニール・カサール。憎らしいほどハマる。

そういえば、もうすぐ来日だったっけか。ニール。

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バスターミナルのそばまで送り届けてもらって、お土産を買っていると、すぐにバスの時間。ほとんど寝てすごし、目が覚めると新宿。コーヒーを飲んでから、ヨドバシカメラをうろうろ。ふわふわした気分のまま、家に戻る。

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クラブクラクラのことを書いていなかったね。ぼくにとっては、たいへん気持ちよく漂うことのできる時間、空間でした。前回の日記の全景写真を見てもらえば、なんとなく分かるでしょ。それは喫茶クラクラという場所の力なのか、そこに集まるひとたちの人徳なのか、きっと両方なんだろうな。森山なんかがおすそ分けにあずかるのはもったいなさすぎるんだけど、ありがたく受け取っておく。

近くで密に関わっているひとたちにとっては、閉鎖に至る経緯にはなかなか複雑なものもあったと聞く。たぶんわたしはあと一度、3月4日(土)の企画でお邪魔するだけになってしまうだろう。部外者は部外者らしく、へんにしんみりしないで楽しむつもり。14時から22時ころまでの長丁場になるとのこと。首都圏のみなさんも、ぜひ遊びに来てみてください。新宿行きの終バスは20時だから、なんなら日帰りも可能ですよン。

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さっきは、雪景色を思い出しながら、ゴールデン・サークルのオーネット・コールマンを聴いていた。

(森山)
by soundofmusic | 2005-12-19 01:44 | 日記


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