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いろんなことに夢中になる前に飽きたり

レコード・コレクターズを1冊通して読むとけっこうな時間がかかることは、知っているひとは知っているし知らないひとは知らないことだけど、出勤の電車の中と、仕事が終わってから宇都宮の実家に帰る電車の中とでずっと読んでいたら、途中で居眠りをはさんでもなお、読み終えてしまった。

特集はアトランティック・レコード。もちろん、巨大さと雑駁さとユニークさを兼ね備えたこのレーベルの全貌を完全網羅、とはさすがにいかないまでも、ざっと概観するその手つきはなるほど、レコ・コレならでは。アメリカのレコード・レーベルをたったひとつ選ぶとしたら、もしかしたらアトランティックになるのではないか、とも思った。

同社はエルヴィス・プレスリーの獲得に動いていたそうで、RCAではなくアトランティックと契約していたら、どんなアルバムができたことか、想像するだに興味深い。

この、あまりにもアメリカ的なレーベルの創設者は、駐米トルコ大使の息子、アーメット・アーティガンらだけど、映画「Ray」に登場するアーティガン役の役者は、通常求められる度合いをあまりにも超えて、アーティガンに似ている。ふつう、映画は、そういうところには力を注がないことになっているもんだけど。

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後半のディスク・レヴューを読んでいると、トリステ・ジャネイロがアメリカのグループだとか、マーク・エリントンが実は米国ではなく英国人だったとか、個人的には驚くべきことがいろいろ書いてある。

ただ、そういったあれこれもそうだし、なにが紙ジャケになったとか、お蔵入りしていたアルバムが発掘されたとか、あのバンドが再結成したとか、遺跡から壷が出たとか、畑から芋が出たとか、誰と誰がくっついたとか、聞いてもあんまり興奮しなくなってしまった。

誰でもひとつくらいは夢中になれるものを持っているらしい。今年は何か、そういうものが見つかるといいと思っている。

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先日いったん中止になった企画の仕切り直しです。

渋谷、道玄坂を登りきったさらに先のバー、メスカリート地図)にて、3月3日(土)の夜、レコード回します。いまのところ、参加が決定しているのは、森山とマジックさんとAZさん(ムサシノカチューシャナイトほか)。

22時半ころからスタートで、朝までやってる予定。終電まででもけっこうですので、ぜひお気軽に。メロウで切ない感じになるかもしれませんが保証はできません。チャージ500円、ドリンクすべて500円。なごめる店です。

当日、エッジエンドでは、どんまいさんなどによるトリビュート・トゥ・渋谷系イヴェント「Flat Field」(18時~22時)がありますから、そちらに顔出してもおもしろそうですよ。森山は行くつもり。

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そういえばレコ・コレを読んでひとつ、得したこと。こないだジュディ・シルを買って、つまみ聴きしてたら「ジーザス・ワズ・ア・クロス・メイカー」に聴き覚えがあった。そしたらレコ・コレに、この曲とニック・ロウの「ピース、ラヴ・アンド・アンダスタンディング」の親縁性について書かれていて、なるほどと膝を打った。

(のだったが、いま調べてみたら、ただ単に、キャメロン・クロウ「エリザベスタウン」で使われていたのを思い出しただけかもしれない!)
by soundofmusic | 2007-02-20 02:04 | 日記


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