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文体のない音楽会

文体のない音楽会_d0000025_2181094.jpgここんところずっと具合が悪くて映画を見ても楽しくなくてしかたがない、という話を書こうと思ったら、それは前回もう書いていたので省略するとして、いま、ゆるやかに回復しつつあります。何もしないで家でおとなしく寝てりゃあいい気もしますが。

公園通りクラシックスで見た酒井俊。このひとは毎回毎回編成が違う。大きくなったり小さくなったりメンバーが入れ替わったり。昨年から何度か見ているけれど、一度も同じ組み合わせだったことがない。

この日はエレクトリック・セット。芳垣安洋のドラムはやはりすごい、というか、ドラムのプレイとしてふだん想像している範疇を軽やかに飛び越えている。もちろん一般的な意味でも巧いわけだけど、手数が多いとかそういう意味ですごいというよりは、頭のいいドラム。片手でトロンボーンを持って、片手でオルガンをぴろろー、って弾いてた青木タイセイ、ちょっとマイルスみたいだったぜ。

スティングで始まり、レナード・コーエン「ハレルヤ」、ヴァン・モリスン「クレイジ・ーラヴ」、クラプトン「ワンダフル・トゥナイト」といわゆるジャズでない曲ばっかり歌う。アンコールでは古い曲「イエス・ウィ・ハヴ・ノー・バナナズ」をやった。この曲の、ボブ・ディランからアート・アンサンブル・オヴ・シカゴを経てカエターノ・ヴェローゾに至る、アンサンブルでないアンサンブル。ばらばらに分解しそうで、細い糸でかろうじて、それでいて強力に結びついている、バンド。

そう、これはバンド。シンガーのバックを粛々と務めるのではなくて、かたまりでもって音楽を作っていくという。それを、固定メンバーでじっくり煮込んで練り上げるのでなく、そのときどきで違った編成で、それでいて一本ぴーんと芯が通っているのがおもしろいと思う。

おもしろいといえば、わたしがときどき見に行っている轟渚さんが、酒井俊と結果的によく似た方法論になっているところもね。

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はいはい。今週末ですよ。文体のない音楽会。

今回は、SZさん御欠席。その代わり(?)、6月の試走車でのメイド姿が眼にまぶしかったsteinさん(萌えポイント:ちょいと上向きの鼻)がゲストDJで登場します。お楽しみに。わたしは今度こそポップ/ロック大会にするつもり。

*黒の試走車<テストカー> Vol.17*
日時:2008年07月05日(土)19時~23時
会場:渋谷メスカリート
地図
料金:500円+1オーダー(500円~)
DJ:az/チバ/マジック/森山兄
ゲストDJ:stein

なお、8月2日(土)の試走車には、ライヴゲストが内定済み。贅沢でほっこりとした時間を届けてくれることと思います。詳細は追ってお知らせします。
by soundofmusic | 2008-06-30 21:08 | 日記


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