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シティ・ポップ幻想

d0000025_16393158.jpgひさしぶりに聴いたレコードから、自分の記憶していたのとはまったく違う印象を受ける現象は以前からしばしばありましたが、最近、それが顕著になってきて、実際にそこに収録されている音そのものが変化したのではないかとすら思えることが増えてきました。

理由としては、加齢に伴う記憶力の減衰ももちろんあるのでしょうが、必ずしもそれだけではない。そのときよく聴いている音、さらには最後にそのレコードを聴いてから現在のあいだまでに聴いてきた音の蓄積。それらによって調整された耳と意識。そうしたもろもろと、今日まさにこの瞬間に聴く音楽との相互作用かな。

レコード・コレクターズの3月号が特集「シティ・ポップ 1973-1979」、4月号が「シティ・ポップ 1980-1989」で、もしかしたら生まれて初めて2か月連続でこの雑誌を買いました。もうさすがに中年ともなると、「なんでこれが載ってないの?」とか「これはシティ・ポップじゃないでしょ!」などとめんどくさいことは言わず、気になったものをひたすら試聴して脳内の購入リストに追加していきました。

で、読んだあとで大貫妙子の『サンシャワー』を聴き直してみると、なるほど以前聴いたときとはあきらかに違って聞こえる。そもそもこのアルバム、だいぶ昔に『グレイ・スカイズ』との2枚組で持っていたものの、人生の途中のどこかで売却してしまっており、その後、2008年に『サンシャワー』の1枚ものを買い直していました。その時点でもよく意味がわかってなかったと思う。今回ようやく、自分の中に有機的に位置づけることができました。

大貫妙子については、この10年間に寺尾紗穂をだいぶ集中して聴いたことが理解の手助けになったというのは、確実にあります。そして、「コシのある演奏+やや抑揚に乏しいヴォーカル」の組み合わせの魅力が、わたしによっても世間によっても(再)発見されたのも大きかったと思う。たいして多くもないサンプルにもとづいての適当な印象だけど、現行の若手のシティ・ポップ(広義の)のバンドの多くが、達者でニュアンス豊かな演奏をするのと比べて、うたの存在感が圧倒的に弱い、というのはある気がしています。ただし、もうそれでいいんだ、いやむしろ、それがいいんだ、という段階あるいは認識に、到達したのではないでしょうか。

その流れで名前を出すのも失礼な話ですが、年に1回ぐらい、音が変わったかどうかの確認がてら、ランプを試聴していまして、ここにきてついに、そろそろ買ってみるべし、という感じになれたので、『ゆめ』『八月の詩情』『東京ユウトピア通信』を立て続けに購入しました。

ほとんどプログレのようでもある凝った曲展開、スリリングな転調、ほとばしるミナス感覚、細く頼りなさげな女声ヴォーカル。ピチカート・ファイヴの『カップルズ』がアップデイトされたような錯覚に陥る瞬間もしばしば訪れました。こういう日本語のポップスがあったのか、と驚かされて、一度好きになってしまうと、どうしていままでこの魅力に気付かなかったのか、と不明を恥じるわけですが、まあそんなもんです。なんでもかんでもリアル・タイムでおいしく味わえるとは限らないので、気付いたときに方向修正すればいいだけの話。

あと、CDはやっぱりできるかぎり売らないほうがいいよね、ってすでに何度もたどり着いたはずの結論にまたあらためてたどり着いたところで、そうはいってもいよいよ万事どうしようもなくなってきたのでいい加減、大量処分する準備を始めるための気持ちを整える支度にとりかかっているところです。

余談。フィラデルフィアのインテリアや雑貨用品のお店のサイトの、シティ・ポップに関する記事。"The inspiration is clear, but the outcome is still undeniably Japanese."ね。なるほど。フィラデルフィアにはニッポン・リーグなる和モノ・ティームがあって、ミックスを発表したり、ブルックリンでイヴェントをやってたりするらしい。
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by soundofmusic | 2018-03-28 16:42 | 日記 | Comments(0)

Pure Pop For Now People Volume 117

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2018年04月14日(土)18時~22時

渋谷エッジエンド(Tel:03-5458-6385)
地図。

800円(1ドリンク&おみやげ付き)

DJ:
川上亮(Nite On The Planet/NATURA-RYHTHM/The 1982)(写真2段目)
reikoyanagi(写真3段目)
森山弟(弟)
森山兄(兄)

・川上亮
白人的リズム感に、黒人的グルーヴ感、そこにアジア人的アルコール分解能力を加えて、シェイク。
へたり込んでも、電池切れても、終電逃しても、気がついたら知らない場所にいても、私、パーティがやめられません。

・reikoyanagi
成り行きで主催する事になった和モノイベントをきっかけにDJを始める。和モノを中心に歌ったり踊れたり笑えたり、とにかく楽しい!がつまった音楽が好きです。

ライヴ:
あがさゆかりのととぅ(写真下段)

ガットギター&ヴォーカルの「あがさ」と、ブラジル音楽を中心に活動するパーカッショニスト「飯島ゆかり」による二人組(徒党)。ビートルズからトゥバ民謡まで、脈絡があるようなないような幅広いレパートリーを男前に演奏します。
https://agatha2222.exblog.jp

あけましておめでとうございます。早くも今年2度目のPPFNPのご案内です。ゲストDJはNite on the PlanetおよびThe1982主催の川上亮さんと、ワモノラウンジ等でご活躍のreikoyanagiさん。ゲストライブには普段はシンガーソングライター、パーカッショニストとしてそれぞれの活動を続けるあがさちゃんとゆかりさんが、デュオ「あがさゆかりのととぅ」として登場。お楽しみに。

なお、いままでの弊イヴェントのセットリストはこんな感じです。どうぞご参考になさってくださいませ。

(Visual by Hotwaxx)
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by soundofmusic | 2018-03-19 13:26 | PPFNPイヴェント情報 | Comments(0)

黒の試走車<テストカー> Vol.131

d0000025_23525946.jpg日時:2018年04月07日(土)19時~23時
会場:渋谷メスカリート(渋谷区円山町28-8第18宮廷マンション1階奥つきあたり)
地図
*建物入ってすぐ左側の自動ドアのエントランスには入らず、店舗の並んでるほうをまっすぐ進んで、つきあたりを左に曲がったいちばん奥、行き止まり部分の扉です。
料金:1000円(1ドリンクつき)
DJ:あずまきょういち/澤山恵次/チバ/森山兄

☆「黒の試走車<テストカー>」は、毎月第1土曜日に開催される、踊る前から踊り疲れているひとのためのイヴェントです。ラウンジの名の下に、ロック、ジャズ、ソウル、ラテン、邦楽、フレンチ、サントラ、モンド、電子音楽などをデタラメ、かつ控えめ(音量が)にお届けしています。

会場のメスカリートは、渋谷、道玄坂をのぼりきった先、マンションの1階つきあたり奥にあるスペース。全身にぬるま湯のように浸透する絶妙な反響効果で、何を聴いても自宅の3割増しでいい印象を受けることができる不思議な音楽空間です。未知の音楽との出会いに、既知の音楽との再会に。軽い舞踏に。気のおけない会話に。酩酊に。密会に。ぜひ一度遊びにいらしてください。

みなさまそろそろ斉藤由貴の「卒業」を口ずさんでは切ない気持ちになっておられる時期でしょうか。4月のご案内です。新年度のはじまりを景気づけるような楽しい音楽を、たくさんお届けする予定です。お気軽にお立ち寄りください。

過去分のセットリストその他は、「黒の試走車<テストカー>」のmixiコミュニティにて閲覧可能です。

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by soundofmusic | 2018-03-10 23:55 | 黒の試走車イヴェント情報 | Comments(0)